介護サービス事業を始めるには、介護保険法に基づく指定を受ける必要があります。指定の要件は大きく分けて「人員・設備・運営に関する基準を満たすこと」と「欠格事由に該当しないこと」の2本柱です。基準そのものは厚生労働省令をベースに、都道府県または市町村の条例で具体化されるため、提供するサービス種別と申請先の自治体をまず確認することが出発点になります。

この記事では、指定を受けるためのチェックポイント、申請先の分かれ方、そして指定を受けた後に事業者に求められる継続的な責務まで、介護保険法の条文に沿って整理します。

本記事は、AI法令調査ツール「ことのり」で実際に検索した結果(関連条文・出典リンク付き)をもとに編集した参考情報です。介護サービス事業の指定基準は、厚生労働省令に加えて都道府県・市町村の条例や自治体ごとの手引きで詳細が定められるため、申請先の自治体の最新情報を必ず併せてご確認ください。最終判断は一次情報および専門家(行政書士、社会保険労務士等)にご確認ください。

指定を受けるための基準は「人員・設備・運営」の3つ

介護サービス事業者の指定基準は、サービス種別ごとに条文が分かれていますが、いずれも「人員」「設備」「運営」の3要素で構成されています。基準は厚生労働省令を土台とし、都道府県または市町村の条例で定められる仕組みです。

人員基準

指定居宅サービス事業者は、事業所ごとに、都道府県の条例で定める基準に従った員数の従業者を配置する必要があります(介護保険法第74条)。指定居宅介護支援事業者については、市町村の条例で定める員数の介護支援専門員を有することが求められます(介護保険法第81条)。指定介護予防サービス事業者は都道府県の条例(介護保険法第115条の4)、指定地域密着型サービス事業者は市町村の条例(介護保険法第78条の4)に従います。

設備基準

事業の設備についても条例で基準が定められます。居宅サービスや介護予防サービスでは居室・療養室・病室の床面積、地域密着型サービスでは居室の床面積などが厚生労働省令で定められ、これに従って条例が制定されます(第74条第115条の4第78条の4)。

運営基準

運営基準では、利用者のサービス適正利用、適切な処遇、安全確保、秘密保持などに関する事項が厚生労働省令で定められ、これに従い条例が定められます。利用定員に関する事項も条例で規定されます。加えて、指定居宅サービス事業者は自ら提供するサービスの質の評価を行い、常に利用者の立場に立ってサービスを提供するよう努めることが求められています(介護保険法第73条)。地域密着型サービス事業者にも同様の努力義務が課されています(介護保険法第78条の3)。

申請先はサービス種別で異なる

指定権者は提供するサービスの種類によって次のように分かれます。

  • 都道府県知事が指定するサービス:指定居宅サービス(第70条)、指定介護予防サービス(第115条の2
  • 市町村長が指定するサービス:指定居宅介護支援(第79条)、指定介護予防支援(第115条の24)、指定地域密着型サービス(第78条の4

申請は厚生労働省令で定めるところにより、事業所ごとに申請書と添付書類を指定権者へ提出します。指定権者は基準充足と欠格事由の該当有無を審査し、認められれば指定が行われます。地域密着型サービスや特定施設入居者生活介護など一部のサービスでは、市町村介護保険事業計画や都道府県介護保険事業支援計画との整合性も考慮されます(第70条)。

指定を受けられない「欠格事由」に注意

基準を満たしていても、次のいずれかに該当すると指定を受けることができません(第70条第79条第115条の2)。

  • 申請者が都道府県または市町村の条例で定める者でない場合
  • 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、または執行を受けることがなくなるまでの者
  • 介護保険法その他国民の保健医療若しくは福祉に関する法律、または労働に関する法律の規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、または執行を受けることがなくなるまでの者
  • 社会保険料等の滞納処分を受け、かつ、正当な理由なく3か月以上滞納を継続している者
  • 過去に指定を取り消され、その取消しの日から5年を経過しない者
  • 指定取消しの処分に係る通知があった日から処分決定日までの間に事業の廃止届出をした者で、その届出の日から5年を経過しない者(相当の理由がある場合を除く)
  • 指定の申請前5年以内に、居宅サービス等に関し不正または著しく不当な行為をした者
  • 申請者が法人である場合はその役員等に、法人でない場合はその管理者に、上記のいずれかに該当する者がいる場合

欠格事由は申請者本人だけでなく、法人の役員や事業所の管理者まで広く確認されます。過去の法令違反や保険料滞納の履歴も対象になるため、申請前に細部まで確認しておくことが重要です。

指定後も続く事業者の責務

指定を受ければ終わりではありません。事業者は要介護者・要支援者の心身の状況等に応じて適切なサービスを提供するとともに、自らその提供するサービスの質の評価を行い、常に利用者の立場に立ってサービスを提供するよう努める義務があります(第73条第78条の3)。

また、事業を廃止または休止する際には、当該サービスを受けていた利用者に必要なサービスが継続的に提供されるよう、他の事業者との連絡調整その他の便宜提供を行う義務があります(第74条第81条第115条の4第78条の4)。利用者保護の観点から設けられた重要な規定です。

地域密着型サービスは市町村独自基準に留意

地域密着型サービスは、地域に密着したサービス提供を前提としているため、市町村が厚生労働省令で定める範囲内で独自の基準を定めることができます(第78条の4)。指定に際しても市町村介護保険事業計画との整合性が重視されます。同じサービス種別でも自治体ごとに条例の細部が異なる可能性があるため、申請先自治体の最新の要綱・手引きを必ず確認してください。

条文の原文も、その場で確認できます

介護保険法の該当条文(第70条・第74条・第79条・第115条の2など)はe-Govで一次情報として公開されています。「ことのり」なら、サービス種別ごとの指定要件を条文リンク付きでまとめて確認できます。

介護事業の指定基準をことのりで調べる

よくある質問

Q1. 指定申請の窓口は、どのサービスでも都道府県ですか?

いいえ、サービス種別で異なります。指定居宅サービスと指定介護予防サービスは都道府県知事が指定権者となり(第70条第115条の2)、指定居宅介護支援、指定介護予防支援、指定地域密着型サービスは市町村長が指定権者になります(第79条第115条の24第78条の4)。

Q2. 法人の代表者に過去の指定取消し履歴があっても申請できますか?

欠格事由の対象は申請者本人だけではありません。法人の役員等や、法人でない事業所の管理者に、過去5年以内の指定取消しなどの欠格事由に該当する者がいる場合は指定を受けられません(第70条第79条第115条の2)。役員名簿の段階での確認が重要です。

Q3. 指定を受けた後、事業を休止・廃止するときに何かしなければならないことはありますか?

はい。休止・廃止に際しては、利用していた要介護者・要支援者が必要なサービスを継続的に受けられるよう、他の事業者との連絡調整その他の便宜提供を行う義務があります(第74条第81条第115条の4第78条の4)。

出典(一次情報)

※本記事はAIによる調査支援を活用して作成した参考情報です。制度の詳細や最新の取扱いは、必ず一次情報および専門家にご確認ください。