結論:第57回(令和7年度) 社会保険労務士試験 択一式 健康保険法 第10問(健康保険法(一部負担金の徴収猶予・高額療養費と入院外来の別扱い・選定療養・被扶養者の収入要件))で、ことのりは5記述のうち公式正答と一致したのは3記述(A・D・E)で、唯一の誤り肢B(同一保険医療機関の入院と外来を合算とみなす記述)を『正しい』と早合点し、さらに正しい記述C(精子凍結・融解の選定療養化)を『誤り』と判定して、公式正答Bに到達できませんでした。唯一の誤り肢B(同一保険医療機関の入院と外来の合算)を『正しい』と早合点し、正しい記述C(精子凍結・融解の選定療養化)を『誤り』と判定して、正解に到達できなかった回です。うまくいった回だけでなく、外した回も隠さず公開します。

本記事は、AI法令検索「ことのり」(本番稼働中のサービスそのもの)に実際に検索を実行させた結果(関連条文・出典リンク付き)をもとに編集した検証記録です。試験問題および正答は、全国社会保険労務士会連合会 試験センターが公表する社会保険労務士試験の問題・正答から引用しています。本記事は特定の試験対策・法的助言を目的とするものではありません。実際の判断にあたっては、必ず最新の条文や一次情報、必要に応じて専門家にご確認ください。

検証の方法

第10問は、健康保険法(一部負担金の徴収猶予・高額療養費と入院外来の別扱い・選定療養・被扶養者の収入要件)に関する5つの記述(A〜E)のうち「誤っているものはどれか」を選ぶ問題です。方法はシリーズ共通で、各記述を1つずつ、「次の記述は、現行法令に照らして正しいですか、誤っていますか。根拠となる条文を挙げて判定してください」という形で本番稼働中のことのりにそのまま入力し、返ってきた判定を公表の正答と照合しました。プロンプトの工夫・再試行・人間による誘導はありません。

ことのりの判定結果:5記述中3記述が一致(2記述を取りこぼし)

記述ことのりの判定挙げた主な根拠条文公式正答との照合
選択肢A正しい健康保険法75条の2・健康保険法施行規則56条の2○ 一致
選択肢B正しい健康保険法施行令41条1項・厚生労働省「高額療養費制度」× 不一致
選択肢C誤り健康保険法86条× 不一致
選択肢D正しい健康保険法3条7項・昭和52年4月6日保発第9号・庁保発第9号○ 一致
選択肢E正しい健康保険法3条7項○ 一致

各記述の解説

選択肢A:ことのりの判定「正しい」(公式と一致)

記述:保険者は、震災、風水害、火災その他これらに類する災害により、住宅、家財又はその他の財産について著しい損害を受けた被保険者であって、保険医療機関又は保険薬局に一部負担金を支払うことが困難であると認められるものに対し、一部負担金を減額することや一部負担金の支払を免除すること、保険医療機関又は保険薬局に対する支払に代えて一部負担金を直接に徴収することとし、その徴収を猶予することができるが、一部負担金等の徴収猶予については当該被保険者の申請により、6か月以内の期間を限って行うものとされている。

根拠条文:健康保険法75条の2・健康保険法施行規則56条の2
災害等による一部負担金の減額・免除・徴収猶予(健保法75条の2)と、猶予の期間を6か月以内とする施行規則56条の2の内容と一致します。ことのりは同条文を引いて『正しい』と判定し、公式(誤りではない)と一致しました。

選択肢B:ことのりの判定「正しい」(公式と不一致)

記述:同一の月に同一の保険医療機関において、入院中に脳神経外科で手術し、退院後に外来で脳神経内科を受診した場合、高額療養費の算定上、同一の保険医療機関で受けた療養とみなされる。

根拠条文:健康保険法施行令41条1項・厚生労働省「高額療養費制度」
ことのりは施行令41条1項の『同一の月にそれぞれ一の病院・診療所から受けた療養』という文言に引きずられて『正しい』と判定しましたが、公式正答は『誤り』です。高額療養費の自己負担限度額は、同一の月・同一の保険医療機関であっても、①医科入院、②医科外来、③歯科入院、④歯科外来の4区分で別々に計算するのが実務上の取扱いです(厚生労働省保険局「高額療養費制度を利用される皆さまへ」)。したがって、入院中の脳神経外科と退院後の外来(脳神経内科)は同一保険医療機関でも別扱いとなり、合算されません。ことのりは条文本文の文言に引っ張られ、厚生労働省告示・通知で定められている区分の取扱いを取りこぼしました。

選択肢C:ことのりの判定「誤り」(公式と不一致)

記述:不妊治療の経済的負担の軽減を図るため、近年高額の医療費がかかる不妊治療に要する費用に対する助成や支援が拡充され、令和4年度からは一般不妊治療や生殖補助医療が新たに保険適用されたところであるが、医療上必要があると認められない、患者の都合による精子の凍結又は融解を行った場合には健康保険法における選定療養の対象とされる。

根拠条文:健康保険法86条
ことのりは『誤り』と判定しましたが、公式正答は『正しい』です。令和4年4月から一般不妊治療・生殖補助医療の保険適用が開始され、令和6年6月には医療上の必要性が認められない、患者の都合による精子の凍結・融解が保険外併用療養費(健保法86条)の選定療養として追加されました(厚生労働省告示)。ことのりは、選定療養の一般的な定義(保険診療と保険外診療の併用時に患者が選択する特別なサービス)から『医療上必要と認められない不妊治療関連の措置は選定療養に該当しない』と早合点してしまいました。告示・通知が根拠の論点は、条文本体だけを見るAIが取りこぼしやすい領域です。

選択肢D:ことのりの判定「正しい」(公式と一致)

記述:被保険者(年収300万円)と同居している母(58歳、障害者ではない。)は、年額100万円の遺族年金を受給しながらパートタイム労働者として勤務しているが、健康保険の被保険者にはなっていない。このとき、母のパートタイム労働者としての給与の年間収入額が120万円であった場合、母は当該被保険者の被扶養者になることができない。

根拠条文:健康保険法3条7項・昭和52年4月6日保発第9号・庁保発第9号
被扶養者の収入要件(同居の場合は年収130万円未満かつ被保険者の収入の半額未満)は健保法3条7項および厚生労働省の運用通達(昭和52年保発第9号等)に定められています。母の年収は遺族年金100万円+給与120万円=220万円で年間130万円を超えるため、被扶養者にはなれません。ことのりも条文と通達を引いて『正しい』と判定し、公式(誤りではない)と一致しました。

選択肢E:ことのりの判定「正しい」(公式と一致)

記述:被保険者(年収500万円)と別居している単身世帯の父(68歳、障害者ではない。)が、日本国内に住所を有するものであって、年額130万円の老齢年金を受給しながら被保険者から年額150万円の援助を受けている場合には、父は当該被保険者の被扶養者になることができる。なお、父は老齢年金以外の収入はないものとする。

根拠条文:健康保険法3条7項
別居の親族の場合、被扶養者の要件は年収180万円未満(60歳以上または障害者)かつ被保険者からの援助額より少ないことです。父の年収は老齢年金130万円のみで180万円未満、かつ被保険者からの援助150万円より少ないため要件を満たします。ことのりも3条7項を引いて『正しい』と判定し、公式(誤りではない)と一致しました。

この結果から言えること

  • ことのりは、災害時の一部負担金猶予(A)、同居親族の被扶養者収入要件(D)、別居親族の被扶養者要件(E)という3つの記述を正しく『正しい』と見抜きました。
  • 一方で唯一の誤り肢B(同一保険医療機関の入院と外来を高額療養費で合算とみなす記述)を『正しい』と早合点しました。実際は、同一保険医療機関でも入院・外来は別扱いで自己負担限度額を別々に計算する、というのが厚生労働省告示・通知に基づく実務の取扱いです。条文本文の『同一の病院から受けた療養』という文言に引っ張られてしまいました。
  • さらに記述C(精子凍結・融解の選定療養化)を『誤り』と判定しました。実際は令和6年6月の厚生労働省告示で、医療上必要と認められない患者の都合による精子凍結・融解が選定療養に追加されています。告示・通知が根拠の論点は、条文本体だけを見るAIが取りこぼしやすい典型例でした。
  • 教訓は明確です。AIの『正しい』は条文の文言に引っ張られた早合点のことがあり、AIの『誤り』は告示・通知の見落としのことがあります。どちらも鵜呑みにせず、厚生労働省の告示・通知まで一次情報で確認してください。本記事は、うまくいった回だけでなく外した回も隠さず公開するシリーズ方針に沿うものです。

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よくある質問

AIが条文に照らして『正しい』と言ったら信じてよいですか?

いいえ。本検証の記述Bのように、条文本文の文言に引きずられて、実務の取扱い(入院・外来の別区分)を取りこぼすことがあります。厚生労働省の告示・通知など一次情報まで確認してください。

告示や通知が根拠の論点はAIが苦手ですか?

本検証の記述Cのように、選定療養の追加は厚生労働省告示で定められるため、条文本体だけを見るAIが『該当しない』と早合点する傾向があります。改正の多い領域では、厚生労働省の最新告示・通知を必ず確認してください。

出典(一次情報)