産業競争力強化法の改正が成立し、中小企業の事業再編やグリーン・デジタル分野への投資支援の枠組みが拡充されました(参考: 改正産業競争力強化法成立に関する報道)。中小企業のM&Aや経営力向上に関わる支援制度の根拠法であるため、士業が顧問先の経営計画づくりや支援策の活用提案を行う際の基礎知識として、改めて条文を確認しておく価値があります。

この記事では、産業競争力強化法に基づく事業再編計画・特別事業再編計画の認定制度の概要、認定要件、申請手続き、そして中小企業等経営強化法に基づく経営力向上計画との位置づけ、認定後に受けられる金融支援の中身を、e-Govの条文に沿って整理します。

本記事は、AI法令調査ツール「ことのり」で実際に検索した結果(関連条文・出典リンク付き)をもとに編集した参考情報です。産業競争力強化法および中小企業等経営強化法に基づく認定制度は、改正や運用通達によって要件・支援内容が随時見直されます。具体の制度活用にあたっては、必ずe-Govの最新条文・所管省庁の公表資料および中小企業診断士・税理士・弁護士などの専門家にご確認ください。最終判断は一次情報と専門家のアドバイスに基づいて行ってください。

産業競争力強化法の認定制度の全体像

産業競争力強化法は、事業者が事業構造の転換や生産性向上を進めるための計画を国が認定し、金融面などの支援を行う枠組みを設けています。中心となるのが、事業再編計画と特別事業再編計画の2つの認定制度です。あわせて、中小企業に特化した制度として、中小企業等経営強化法に基づく経営力向上計画があります。前者は幅広い事業者(中小企業も含む)を対象とし、後者は中小企業向けに設計されている点が大きな違いです。

事業再編計画の認定制度(産業競争力強化法第23条

制度の目的と対象事業者

産業競争力強化法第23条は、事業者が自らの事業構造を変更し、生産性や財務内容の健全性を高めることを目的とした「事業再編計画」を定めています。対象となるのは、事業再編を実施しようとする事業者であり、新たに法人を設立して再編を行うケースも含まれます。2以上の事業者が共同で計画を作成して認定を受けることも可能です。

計画に書くべき事項

事業再編計画には、次の事項を記載することが求められます(同法第23条)。

  • 事業再編の目標
  • 事業再編による生産性および財務内容の健全性の向上の程度を示す指標
  • 事業再編の内容および実施時期
  • 事業再編の実施に必要な資金の額およびその調達方法
  • 事業再編に伴う労務に関する事項

関係事業者や外国関係法人が事業者の事業再編のために行う措置についても、計画に含めることができます。

認定要件

主務大臣は、提出された事業再編計画が次のいずれにも適合すると認める場合に認定します(同条)。

  • 実施指針に照らし適切なものであること
  • 計画に係る事業再編が円滑かつ確実に実施されると見込まれること
  • 計画に係る事業再編による生産性の向上が、当該事業分野における市場構造に照らして持続的なものと見込まれること
  • 事業分野が過剰供給構造にある場合、当該事業再編がその解消に資するものであること
  • 従業員の地位を不当に害するものでないこと
  • 内外の市場の状況に照らして、申請事業者と同一の事業分野に属する他の事業者との間の適正な競争が確保されるものであること
  • 一般消費者および関連事業者の利益を不当に害するおそれがないこと

申請手続きと添付書類

申請手続きの実務的な詳細は、産業競争力強化法施行規則第12条に定められています。申請者は様式第十九による申請書および写しを主務大臣に提出し、次の書類を添付する必要があります。

  • 事業者の定款の写しまたはこれに準ずるもの、および登記事項証明書(登記をしている場合)
  • 直近の事業報告の写し、貸借対照表および損益計算書
  • 事業再編計画の実施により生産性が相当程度向上することを示す書類
  • 事業再編計画の実施により財務内容の健全性が向上することを示す書類
  • 計画実施に必要な資金の使途および調達方法の内訳を記載した書類
  • 従業員の地位を不当に害するものではないことを証する書類
  • 事業者が暴力団員等に該当しないことを証する書類

計画の実施期間は原則3年以内ですが、資金の貸付けを求める場合は5年以内とされています。

認定後の流れと変更手続き

施行規則第13条では、主務大臣は提出を受けた日から原則として1ヶ月以内に審査を行い、認定するときは認定書を交付するとされています(公正取引委員会への協議が必要な場合を除く)。認定した際は、認定日、認定事業再編事業者の名称、認定計画の内容が公表されます。

計画変更については、施行規則第14条により、計画の趣旨の変更を伴わない軽微な変更は変更認定の対象外とされています。趣旨の変更を伴う場合は、変更認定の申請が必要です。

特別事業再編計画の認定制度(産業競争力強化法第24条の2

産業競争力強化法第24条の2は、より大規模な事業再編を念頭に置いた「特別事業再編計画」の認定制度を定めています。対象は特別事業再編を実施しようとする事業者で、2以上の事業者が共同で作成することもできます。

記載事項は通常の事業再編計画と共通する部分が多いものの、他の事業者の経営の支配または経営資源の取得の実績に関する事項などが追加で求められます。認定要件についても、過去5年以内における他の事業者の経営の支配または経営資源の取得の実績が問われる点、生産性向上の持続性、過剰供給構造の解消への寄与などが要件として加わる点が特徴です。M&Aを含む大規模再編を検討する場合に活用が想定される枠組みといえます。

中小企業等経営強化法に基づく経営力向上計画の位置づけ

中小企業に特化した制度として、中小企業等経営強化法に基づく経営力向上計画があります。J-Net21(中小機構運営)では、経営力向上計画は、中小企業・小規模事業者等が人材育成・コスト管理等のマネジメント向上や設備投資を通じて自社の経営力を高めるための計画を策定し、国の認定を受けることで、税制措置や金融支援等の特例措置が受けられる制度として紹介されています。

なお、中小企業等経営強化法には第20条に「事業再編投資計画」の認定が定められており、投資事業有限責任組合が事業再編投資に関する計画を作成し、経済産業大臣の認定を受けられる枠組みも置かれています。経営力向上計画そのものの細目条文は今回の検索結果には含まれていないため、詳細はJ-Net21および所管省庁の公表資料で確認するのが確実です。

認定を受けた場合の金融支援

中小企業信用保険法の特例

産業競争力強化法第139条は、認定支援機関であって、特定中小企業再生支援事業(中小企業再生支援協議会の決定を経たもの)の実施に必要な資金について、中小企業信用保険法に基づく債務の保証を受けたものを、同法上の中小企業者とみなす特例を設けています。これにより、再生支援事業に必要な資金調達が円滑になります。

中小企業基盤整備機構による債務保証

産業競争力強化法第34条は、独立行政法人中小企業基盤整備機構の事業再編円滑化業務として、認定事業再編事業者等が認定事業再編計画に従って行う事業再編のための措置に必要な資金を調達するために発行する社債、および当該資金の借入れに係る債務の保証業務を規定しています。大規模な資金調達を伴う事業再編に対する裏付けとなる規定です。

税制支援についての注記

一般に、産業競争力強化法や中小企業等経営強化法に基づく認定計画には、設備投資減税や登録免許税の軽減などの税制特例が紐づくケースがあります。ただし、今回の検索結果には税制特例に関する直接の条文情報は含まれていないため、本記事では具体的な税目・税率・適用要件への言及は控えます。実際の活用検討時は、所管省庁の公表資料および税理士の確認を経て、最新の措置内容を把握する必要があります。

制度活用の実務的な留意点

計画策定では、認定要件を正確に押さえたうえで、具体的な目標と実現可能性のある実施内容を盛り込むことが重要です(同法第23条第24条の2)。生産性向上・財務健全化の指標、資金計画、労務関連事項は、客観的な根拠とともに詳細に記載することが求められます。

申請書類は定款・財務諸表・各種証明書など多岐にわたるため、計画的な準備が欠かせません(施行規則第12条)。認定までの期間は原則1ヶ月以内とされていますが、公正取引委員会との協議が必要な場合はさらに時間を要することがあります(同第13条)。複数の制度のうち自社状況にもっとも合うものを選び、必要に応じて中小企業診断士・税理士などの専門家のサポートを受けるのが有効です。

条文の原文も、その場で確認できます

本記事で参照した産業競争力強化法・施行規則・中小企業等経営強化法の各条文は、AI法令調査ツール「ことのり」で関連条文をまとめて検索・確認できます。中小企業向けの事業再編・経営力向上支援を顧問先に提案するための一次情報チェックにご活用ください。

産業競争力強化法と中小企業支援をことのりで調べる

よくある質問

事業再編計画と特別事業再編計画の違いは何ですか。

いずれも産業競争力強化法に基づく認定制度ですが、特別事業再編計画はより大規模な事業再編を対象としており、過去5年以内における他の事業者の経営の支配または経営資源の取得の実績などが要件として追加されている点が特徴です(第23条第24条の2)。M&Aを含む大規模再編を検討する場合は特別事業再編計画の枠組みが候補になります。

認定までの期間はどのくらいですか。

産業競争力強化法施行規則第13条では、提出を受けた日から原則として1ヶ月以内に認定書を交付するとされています。ただし、公正取引委員会との協議が必要な場合は、これより時間を要する可能性があります。

認定を受けるとどのような金融支援が受けられますか。

主なものとして、同法第139条に基づく中小企業信用保険法の特例(認定支援機関を中小企業者とみなす取扱い)と、同法第34条に基づく独立行政法人中小企業基盤整備機構による社債発行・借入債務の保証業務があります。事業再編に必要な資金調達を後押しする仕組みです。

出典(一次情報)

※本記事はAIによる調査支援を活用して作成した参考情報です。制度の詳細や最新の取扱いは、必ず一次情報および専門家にご確認ください。