SNSや自社サイトで選挙関連の発信を行うとき、何が「やってはいけないこと」で、何が「表示しなければならないこと」なのかを、公職選挙法の条文ベースで整理します。直近では、与野党がSNS上の偽情報対策として公職選挙法改正案を提出し、利用者にも偽情報を投稿しない責務を盛り込む方向で議論が進んでいることが報じられました(SNS対策の公職選挙法改正案、利用者に偽情報投稿しない責務(Google News))。
改正の動向を理解する前提として、まずは現行の公職選挙法がインターネット・SNSを使った選挙運動について何を定めているのかを押さえる必要があります。そこで本記事では、ことのりで公職選挙法を実際に検索し、禁止行為(有料広告・電子メールの制限・なりすまし・虚偽事項公表)と表示義務(連絡先表示など)の条文を、中小企業・個人事業主・士業の実務目線で整理しました。
本記事は、AI法令調査ツール「ことのり」で実際に検索した結果(関連条文・出典リンク付き)をもとに編集した参考情報です。選挙運動に関するルールは、選挙の種類・期間・主体(候補者/政党/一般有権者)によって細かく異なり、解釈や運用は所管行政庁および判例によります。具体的な発信内容や広告掲載の可否については、必ず一次情報(e-Gov掲載の条文・総務省発表)および弁護士・行政書士など専門家にご確認ください。
インターネット・SNS選挙運動の基本原則
公職選挙法は、インターネットやSNSを利用した選挙運動について、その自由を認めつつも、選挙の公正を確保するために一定のルールを定めています。公職選挙法第142条の7は、選挙に関しインターネット等を利用する者に対し、公職の候補者への悪質な誹謗中傷など、表現の自由を濫用して選挙の公正を害することがないよう、適正な利用に努めることを求めています。
「ウェブサイト等」と「電子メール」は別ルール
インターネット等を利用した選挙運動のための文書図画の頒布方法は、大きく二つに分かれます。公職選挙法第142条の3では、ウェブサイト、ブログ、SNSなど電子メール以外の方法を「ウェブサイト等を利用する方法」と整理しています。一方で電子メールについては、公職選挙法第142条の4により、衆議院・参議院議員選挙の候補者や政党等、都道府県知事や市長選挙の候補者・確認書の交付を受けた政党等に限り、かつ送信先にも厳格な制限が設けられています。
禁止行為:個人・事業者が特に注意すべきポイント
有料広告の原則禁止
公職選挙法第142条の6は、何人も、選挙運動のために、公職の候補者の氏名や政党その他の政治団体の名称、またはこれらが類推される事項を表示した広告を、有料でインターネット等に掲載させることを原則として禁止しています。同条は、選挙運動の期間中に禁止を免れる行為として同様の広告を掲載させることも禁じています。
例外として、候補者届出政党や衆議院名簿届出政党等、または確認書の交付を受けた政党その他の政治団体に限り、選挙運動の期間中に、ウェブサイト等を利用する方法により頒布される選挙運動のための文書図画を表示させることができる機能を有する広告を、有料で掲載させられる場合があります。一般の個人や事業者が、自分の判断で候補者・政党の名前入り有料広告を出稿する行為は、原則として認められていない、という点が実務上の出発点になります。
電子メールによる選挙運動の制限
公職選挙法第142条の4は、電子メールによる選挙運動について、原則として、あらかじめ送信を求める旨を通知した者、または政治活動用電子メールを継続的に受信しており、かつ選挙運動用電子メールの送信を拒否しなかった者に対してのみ送信を認めています。これらの要件を満たさない者へのメール送信は禁止されており、送信者は要件を満たすことを示す記録を保存する義務もあります。メルマガ運用などで「ついでに支持を呼びかける」といった発想は、この条文に抵触する可能性があります。
なりすまし(氏名等の虚偽表示罪)
公職選挙法第235条の5は、当選を得させ、または得させない目的で、真実に反する氏名・名称・身分を表示してインターネット等を利用して通信を行った者を「氏名等の虚偽表示罪」とし、2年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金に処する旨を定めています。インターネット選挙運動の解禁に伴い、この罪の対象にインターネット等による通信が追加されたと総務省も整理しています。候補者本人や別人になりすましてSNSアカウントを運用する行為は、明確な処罰対象となります。
虚偽事項公表罪
公職選挙法第235条は、虚偽事項の公表を禁止し、当選を得る目的で候補者等の身分・職業・経歴・所属政党等について虚偽の事項を公にした者は2年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金、当選を得させない目的で虚偽の事項を公にし、または事実をゆがめて公にした者は4年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金と、より重い法定刑を定めています。インターネット上での情報発信もこの罪の対象になり得ることは、総務省の解説でも整理されています。
誹謗中傷の禁止
誹謗中傷については、公職選挙法第142条の7がインターネット等の適正な利用を求めるとともに、刑法上の名誉毀損罪(刑法第230条第1項)に該当する可能性もあると、総務省の整理に示されています。SNSでの強い言葉での候補者批判は、表現の自由の範囲を超えれば民事・刑事のリスクを伴います。
表示義務:誰が発信しているかを明らかにする
ウェブサイト等での表示義務
公職選挙法第142条の3は、ウェブサイト等を利用して選挙運動のための文書図画を頒布する者に対し、電子メールアドレスその他のインターネット等を利用して連絡をする際に必要となる情報(電子メールアドレス等)を、受信者の通信端末機器の映像面に正しく表示することを求めています。SNS投稿やブログ記事の中で選挙運動を行うのであれば、誰に連絡すれば良いかが分かる情報を表示する必要があります。
当選を得させないための活動における表示義務
公職選挙法第142条の5は、選挙の期日の公示または告示の日から選挙当日までの間に、ウェブサイト等を利用して当選を得させないための活動に使用する文書図画を頒布する者に対し、その者の電子メールアドレス等を受信者の映像面に正しく表示するよう義務付けています。電子メールを利用して同様の活動を行う場合には、文書図画に電子メールアドレスおよび氏名または名称を正しく表示する必要があります。
選挙運動用電子メールに記載すべき事項
公職選挙法第142条の4は、選挙運動用電子メールを送信する者に対し、次の事項を文書図画に正しく表示することを求めています。
- 選挙運動用電子メールである旨
- 当該選挙運動用電子メール送信者の氏名または名称
- 当該送信者に対し、送信停止の通知を行うことができる旨
- 送信停止の通知を行う際に必要となる電子メールアドレスその他の通知先
実務上の判断指針
中小企業・個人事業主・士業がインターネット・SNSで選挙関連の発信を行う際に、検索結果から読み取れる留意点を整理します。
- 候補者・政党の名前入り有料広告は原則禁止:一般の事業者が自社判断で出稿するのは公職選挙法第142条の6に抵触する可能性があります。広告代理店として案件を受ける場合も同様です。
- 選挙運動メールはホワイトリスト方式:第142条の4の要件を満たさない宛先への送信は禁止されています。顧客リストへの一斉配信は特に注意が必要です。
- 連絡先の表示を忘れない:選挙運動に該当する発信を行う場合は、第142条の3・第142条の5の表示義務に従い、自身の連絡先情報を明確に表示する必要があります。
- なりすまし・虚偽情報・誹謗中傷は重い罰則:第235条・第235条の5は拘禁刑または罰金を定めており、刑法上の名誉毀損罪に該当する可能性もあります。
- 匿名発信でも特定され得る:プロバイダ責任制限法に基づき発信者情報の開示請求が行われる可能性があり、総務省のQ&Aでも同様の整理がされています。
条文の原文も、その場で確認できます
「自社のSNS投稿はネット選挙運動に当たるのか」「この広告は142条の6に引っかかるのか」など、グレーに見える判断はまず条文を確かめるところからです。ことのりなら、公職選挙法の関連条文と一次情報を出典付きで一度に確認できます。
ネット選挙運動と公選法をことのりで調べるよくある質問
Q1. 個人事業主が自社のSNSで「○○候補を応援しています」と投稿することは禁止されますか。
公職選挙法は、ウェブサイト等を利用する方法による選挙運動の文書図画の頒布自体を一律に禁止しているわけではありません。公職選挙法第142条の3は、SNS等を含む「ウェブサイト等を利用する方法」での頒布を認めつつ、電子メールアドレス等の連絡先情報を映像面に正しく表示することを求めています。一方で、第142条の7は適正な利用に努めることを求めており、第235条の虚偽事項公表罪などに触れない内容かを確認する必要があります。
Q2. 候補者名を入れたバナー広告を有料でWeb媒体に出稿することはできますか。
公職選挙法第142条の6は、選挙運動のために公職の候補者の氏名や政党その他の政治団体の名称、これらが類推される事項を表示した広告を、有料でインターネット等に掲載させることを原則として禁止しています。一定の政党等に限り例外が設けられているものの、一般の個人や事業者が自社判断で出稿することは原則として認められていません。広告代理業として依頼を受けた場合も、依頼者の属性と条文の要件を確認する必要があります。
Q3. 匿名アカウントなら、候補者を強い言葉で批判しても問題ありませんか。
匿名であっても、内容が虚偽事項の公表(公職選挙法第235条)や氏名等の虚偽表示(同第235条の5)に該当すれば処罰の対象になり得ます。また、プロバイダ責任制限法に基づき発信者情報の開示請求が行われる可能性があることが総務省のQ&Aでも示されており、匿名性を前提に安易に発信することはリスクが大きいといえます。
出典(一次情報)
- 🔗 公職選挙法 第142条の3(ウェブサイト等を利用する方法による文書図画の頒布)
- 🔗 公職選挙法 第142条の4(電子メールを利用する方法による文書図画の頒布)
- 🔗 公職選挙法 第142条の5(当選を得させないための活動に使用する文書図画を頒布する者の表示義務)
- 🔗 公職選挙法 第142条の6(候補者の氏名等を表示した有料広告の禁止等)
- 🔗 公職選挙法 第142条の7(選挙に関するインターネット等の適正な利用)
- 🔗 公職選挙法 第235条(虚偽事項の公表罪)
- 🔗 公職選挙法 第235条の5(氏名等の虚偽表示罪)
- 🔗 総務省|インターネット選挙運動の解禁に関する情報
- 🔗 総務省|インターネット選挙運動の解禁に関する情報((2)誹謗中傷・なりすまし対策)
- 🔗 総務省|インターネット選挙運動の解禁に関する資料(PDF)
- 🔗 特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(プロバイダ責任制限法)
- 🔗 総務省|インターネット上の違法・有害情報に対する対応(情報流通プラットフォーム対処法)|プロバイダ責任制限法Q&A
- 🔗 SNS対策の公職選挙法改正案、利用者に偽情報投稿しない責務(Google News)
※本記事はAIによる調査支援を活用して作成した参考情報です。制度の詳細や最新の取扱いは、必ず一次情報および専門家にご確認ください。