分譲マンションの建替え決議は、原則として区分所有者数および議決権の各5分の4以上、老朽化等の一定要件を満たす場合は各4分の3以上の多数で成立します。決議後は「マンションの再生等の円滑化に関する法律」に基づき、組合設立・権利変換計画の認可・不参加者への売渡し請求という手続きへと進みます。

2026年7月、「老朽化マンション再生へ法改正 建て替えの道広がるも、立ちはだかるコストの壁」(Google News)という報道がありました。建替え円滑化法や区分所有法の改正で決議要件が緩和される一方、工事費高騰などの費用面が課題として残るという内容です。そこで、現行の区分所有法とマンション再生円滑化法における議決割合・手続きの流れがどう定められているかを、AI法令調査ツール「ことのり」で実際に検索して整理しました。本記事では、建替え決議・敷地売却決議の要件、組合設立、権利変換計画、売渡請求権までを一次情報のリンク付きで解説します。

本記事は、AI法令調査ツール「ことのり」で実際に検索した結果(関連条文・出典リンク付き)をもとに編集した参考情報です。マンションの建替え・敷地売却は、区分所有者の財産権に大きく影響する高度に専門的な手続きです。実際の合意形成・決議運営・権利変換にあたっては、必ず最新の条文原文および弁護士・建築士・不動産鑑定士等の専門家にご確認ください。最終判断は一次情報と専門家に確認をお願いします。

建替え・敷地売却を規律する2つの法律

分譲マンションの建替えや敷地売却は、主に2つの法律で規律されています。1つは基本ルールを定める建物の区分所有等に関する法律(区分所有法)、もう1つは老朽化マンションの再生を円滑に進めるためのマンションの再生等の円滑化に関する法律(マンション再生円滑化法)です。

区分所有法は、建替え決議や滅失後の敷地売却決議など、区分所有者間の意思決定に必要な議決割合を規定しています。一方でマンション再生円滑化法は、決議成立後の組合設立、権利変換計画の策定、事業に参加しない区分所有者への売渡請求権など、事業を実現するための具体的な仕組みを提供します。

建替え決議の議決要件(区分所有法第62条)

原則:各5分の4以上の多数

区分所有法第62条に基づく建替え決議は、集会において、区分所有者数および議決権の各5分の4以上の多数で成立します。決議では、新たに建築する建物の設計の概要、取壊し・建築に要する費用の概算額、費用の分担、再建建物の区分所有権の帰属に関する事項を定める必要があります。これらは各区分所有者の衡平を害しないように定めることが求められます。

特例:各4分の3以上に緩和されるケース

建物が次のいずれかに該当する場合、議決要件は区分所有者数および議決権の各4分の3以上に緩和されます(同条第2項)。

  • 地震に対する安全性に係る建築基準法等の基準に適合していないとき
  • 火災に対する安全性に係る建築基準法等の基準に適合していないとき
  • 外壁、外装材等の剥離・落下により周辺に危害を生ずるおそれがあるとき
  • 給排水設備等の劣化により著しく衛生上有害となるおそれがあるとき
  • 高齢者、障害者等の移動等円滑化促進法に準ずる基準に適合していないとき

招集通知と説明会

建替え決議を目的とする集会の招集通知は、会日の少なくとも2ヶ月前までに発する必要があります。通知には、建替えを必要とする理由、建替えしない場合の維持費用、修繕計画、修繕積立金額なども含めなければなりません。さらに、集会日の少なくとも1ヶ月前までに、区分所有者に対する説明会を開催する義務があります(区分所有法第62条)。

敷地売却決議の議決要件(区分所有法第76条)

区分所有法第76条は、専有部分のある建物が滅失した場合において、敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利であったときの敷地売却決議について定めています。敷地共有者等集会において、敷地共有者等の議決権の5分の4以上の多数で、敷地共有持分等に係る土地(これに関する権利を含む)を売却する旨の決議ができます。

敷地売却決議においては、売却の相手方となるべき者の氏名または名称、および売却による代金の見込額を定めなければなりません。

マンション再生円滑化法における手続きの流れ

1. 法律の目的と「マンション」の定義

マンション再生円滑化法第2条は、この法律における「マンション」を「二以上の区分所有者が存する建物で人の居住の用に供する専有部分のあるもの」と定義しています。老朽化したマンションの建替え、更新、再建、敷地売却などを促進し、居住環境の向上と安全性の確保を図ることを目的としています。

2. 組合設立(再生合意者・売却合意者)

建替え決議の内容に合意した区分所有者(再生合意者)は、マンション再生円滑化法第9条に基づき、5人以上共同して定款および事業計画を定め、都道府県知事等の認可を受けて組合を設立できます。組合設立の決議には、再生合意者の過半数かつ議決権の各4分の3以上の多数が必要です。

敷地売却決議の内容に合意した区分所有者(売却合意者)についても、同法第113条により、5人以上共同して定款および資金計画を定め、都道府県知事等の認可を受けて組合を設立できます。この場合も、売却合意者の過半数かつ議決権の各4分の3以上の多数による決議が必要です。

3. 権利変換計画の決定と認可

組合設立後、事業の具体的な内容を定める「権利変換計画」を策定し、都道府県知事等の認可を受ける必要があります(マンション再生円滑化法第57条)。組合の場合は総会の議決を経るとともに、組合員を除く権利者(賃借人や抵当権者など)や隣接施行敷地の権利者の同意を得る必要があります。

ただし、同意が得られない場合でも、その理由と、同意が得られない者の権利に損害を与えないための措置を記載した書面を添えて、認可申請を行うことが可能とされています。

4. 不参加者に対する売渡し請求(第15条・第121条)

マンション再生円滑化法の特徴的な仕組みが、事業に参加しない区分所有者に対する売渡請求権です。同法第15条および第121条は、組合が公告の日から2ヶ月以内に、建替え決議等に参加しない旨を回答した区分所有者に対し、区分所有権や敷地利用権等を時価で売り渡すべきことを請求できると定めています。

この売渡請求は、再生決議の日から1年以内に行うことが原則で、正当な理由がある場合はこの期間を超えて請求することも可能とされています。一部の反対者がいる場合でも事業の停滞を防ぐ仕組みといえます。

国土交通省による整理

国土交通省の資料でも、区分所有法に基づく建替え決議の議決要件(区分所有者および議決権の各5分の4以上)や、団地における建替え承認決議(議決権の4分の3以上)の手続き、そしてマンション再生円滑化法との関係性が整理されています(国土交通省 資料PDF国土交通省「住宅:マンションの再生等について」)。実務では、これら行政資料も併せて確認することが有用です。

条文の原文も、その場で確認できます

区分所有法第62条・第76条や、マンション再生円滑化法上の組合設立・権利変換計画・売渡請求の条文は、AI法令調査ツール「ことのり」で条文原文と出典リンク付きで確認できます。実務での事前調査にお役立てください。

マンション建替え決議をことのりで調べる

よくある質問

Q1. 建替え決議はどの程度の賛成があれば成立しますか?

原則として、集会における区分所有者数および議決権の各5分の4以上の多数で成立します。建物が耐震性・防火性・外装剥離・給排水設備の劣化・バリアフリー基準の非適合など一定の基準に該当する場合は、各4分の3以上に緩和されます(区分所有法第62条)。

Q2. 建替え決議に賛成しない区分所有者がいる場合、事業は進められないのですか?

マンション再生円滑化法では、組合が公告の日から2ヶ月以内に、参加しない旨を回答した区分所有者に対し、時価での売渡しを請求できる制度が用意されています。この請求は原則として再生決議の日から1年以内に行うこととされています(第15条第121条)。個別の判断は専門家にご確認ください。

Q3. 建物が滅失した後の敷地売却はどう決めるのですか?

専有部分のある建物が滅失し、敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利であった場合、敷地共有者等集会において議決権の5分の4以上の多数で敷地売却決議ができます。決議では、売却の相手方の氏名または名称、代金の見込額を定める必要があります(区分所有法第76条)。

出典(一次情報)

※本記事はAIによる調査支援を活用して作成した参考情報です。制度の詳細や最新の取扱いは、必ず一次情報および専門家にご確認ください。

関連する「使い方」ページ