暗号資産(仮想通貨)を金融商品取引法上の「金融商品」に位置付ける法改正の動きが進んでいます。仮想通貨が法改正で「金融商品」に(Google News)で報じられているとおり、インサイダー取引規制や情報開示といった金商法ベースの規律が及ぶ見通しで、暗号資産交換業者・関連スタートアップ・投資家にとって影響の大きい制度変更になります。
そこで本記事では、暗号資産を金融商品取引法上の金融商品として扱う場合に、事業者に課される義務を、実際の条文と金融庁公表資料をもとに整理しました。登録義務、契約締結前の情報提供、相場操縦行為等の禁止、体制整備、書類作成・保存義務までを一気通貫で確認できます。
本記事は、AI法令調査ツール「ことのり」で実際に検索した結果(関連条文・出典リンク付き)をもとに編集した参考情報です。暗号資産に関する法規制は改正・政令・内閣府令・監督指針が短期間で更新される分野です。具体的な登録要否や体制整備の水準は、事業モデルごとに判断が分かれます。最終判断は一次情報(e-Gov・金融庁公表資料)と、金融規制に詳しい専門家にご確認ください。
制度の基本|暗号資産が「金融商品」に位置付けられる意味
金融商品取引法は、金融商品取引の公正を確保し、投資家を保護することを目的とする法律です。金融庁の公表資料によれば、暗号資産を金融商品取引法の対象とすることに伴い、登録・情報開示・インサイダー取引規制・無登録業者への罰則強化などが事業者に課されることが示されています(金融庁・03.pdf/金融庁・05.pdf)。
これにより、暗号資産関連事業者は、従来の金融商品取引業者と同様に、投資家保護や市場の健全性維持のための義務を負うことになります。以下では、事業者に課される主要な義務を条文ベースで見ていきます。
事業者に課される主な義務
1. 登録義務(無登録は重罰)
金融商品取引業を行う事業者は、内閣総理大臣の登録を受けなければなりません(金融商品取引法第29条)。
登録を受けようとする事業者は、商号、資本金の額、役員の氏名、業務の種別(暗号等資産に係るデリバティブ取引など)といった事項を記載した登録申請書を内閣総理大臣に提出しなければならず、業務の内容や方法を記載した書類などの添付も求められます(金融商品取引法第29条の2)。
また、登録事項に変更があった場合は届出義務があり、業務の内容や方法のうち特に重要なもの(第29条の2第1項第8号または第9号に規定する行為に係るもの)を変更しようとする場合は、内閣総理大臣の変更登録が必要になります(金融商品取引法第31条)。
無登録で金融商品取引業を行った場合には、金融庁公表資料の整理によれば、拘禁刑10年、罰金1000万円といった厳格な罰則が科されることが示されています(金融庁・03.pdf/金融庁・05.pdf)。
2. 契約締結前の情報提供義務
金融商品取引業者等は、金融商品取引契約を締結しようとする際、あらかじめ顧客に対し、商号、登録番号、契約の概要、手数料、リスク(金利、通貨の価格、相場変動による損失の可能性、預託金を超える損失の可能性など)といった重要事項に係る情報を提供しなければなりません(金融商品取引法第37条の3)。
加えて、情報提供に際しては、顧客の知識、経験、財産の状況、契約目的(顧客属性)に照らして、顧客が理解するために必要な方法と程度で説明を行う必要があるとされています。単に定型書面を交付するだけでは足りず、相手方に応じた説明品質が求められる建付けです。
3. 相場操縦行為等の禁止(暗号等資産の売買・デリバティブ)
市場の公正性を確保するため、暗号等資産の売買やデリバティブ取引において、相場操縦行為等が禁止されています(金融商品取引法第185条の24)。具体的には次のような行為が挙げられています。
- 仮装取引の禁止:暗号等資産の売買やデリバティブ取引が繁盛に行われていると他人に誤解させる目的で、権利の移転や金銭の授受を目的としない仮装の取引を行うこと
- 通謀売買等の禁止:自己の売付けと同時期に、他人が同価格で買い付けることを通謀の上で行うなど、相場を不正に形成する行為
- 風説の流布・虚偽表示の禁止:暗号等資産の売買等を誘引する目的で、取引が繁盛であると誤解させたり、相場を変動させるべき一連の取引を行ったり、相場が自己または他人の操作によって変動する旨を流布したり、重要な事項について虚偽または誤解を生じさせる表示を故意にすること
4. 顧客の利益保護のための体制整備
事業者は、顧客の利益が不当に害されることのないよう、金融商品関連業務に関する情報を適正に管理し、業務の実施状況を適切に監視するための体制を整備しなければなりません(金融商品取引法第36条)。
金融庁公表資料では、これに加えて次のような点が事業者の実務上の要点として整理されています。
- 利用者財産の管理:利用者財産の分別管理、責任準備金の積立てなど(金融庁・03.pdf/監督ガイドライン・16.pdf)
- システム安全管理措置:暗号資産の特性を踏まえ、システム障害やサイバー攻撃などから顧客資産を守るための措置(監督ガイドライン・16.pdf)
- マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策:暗号資産の匿名性や国際性を踏まえた、より厳格な対策(監督ガイドライン・16.pdf)
5. 禁止行為(勧誘・説明のルール)
金融商品取引業者等やその役員・使用人には、投資家保護や取引の公正性を害する特定の行為が禁じられています(金融商品取引法第38条)。代表的なものは次のとおりです。
- 虚偽告知・断定的判断の提供の禁止:顧客に対し虚偽のことを告げたり、不確実な事項について断定的判断を提供したりすること
- 不招請勧誘・再勧誘の禁止:顧客が勧誘を要請していないにもかかわらず訪問や電話で勧誘したり、顧客が勧誘を希望しない意思を示したにもかかわらず勧誘を継続したりする行為(原則禁止)
6. 書類作成・保存・報告義務
事業者は、業務の透明性と監督当局による適切な監督を可能にするため、帳簿、計算書、通信文、伝票その他業務に関する書類を作成し、これを保存しなければなりません。あわせて、内閣府令で定めるところにより、業務に関する報告を提出する義務があります(金融商品取引法第188条)。
実務上のポイント|どこから手をつけるか
金融庁公表資料および監督ガイドラインを踏まえると、暗号資産関連事業者が事業モデルを設計・見直しする際は、次の順で整理すると全体像がつかみやすくなります。
- 登録要否の判定:自社の業務が金融商品取引業に該当するかを、業務の種別(暗号等資産に係るデリバティブ取引等)と照らして確認する(金商法第29条/第29条の2)
- 情報開示・勧誘ルールの整備:契約締結前情報の様式、リスク説明、顧客属性に応じた説明品質を確保する(第37条の3/第38条)
- 市場公正性の担保:仮装取引・通謀売買・風説の流布等を防ぐ内部監視の仕組みを設計する(第185条の24)
- 体制整備・利用者財産保護:分別管理、責任準備金、システム安全、マネロン・テロ資金供与対策を整える(第36条/監督ガイドライン)
- 記録・報告のフロー整備:帳簿・書類の作成保存と、内閣府令に基づく業務報告の枠組みを固める(第188条)
条文の原文も、その場で確認できます
本記事で紹介した条文は「ことのり」で同じクエリを流すと、出典リンク付きでまとめて表示されます。自社モデルに合わせた設問に組み替えて調べたいときにお使いください。
暗号資産と金商法規制をことのりで調べるよくある質問
Q1. 暗号資産関連の事業を行う場合、必ず登録が必要ですか?
金融商品取引業に該当する行為を行う場合、内閣総理大臣の登録を受けなければならないとされています(金融商品取引法第29条)。金融庁公表資料では、無登録で金融商品取引業を行った場合に拘禁刑10年、罰金1000万円といった罰則が示されています(金融庁・03.pdf)。自社の業務が該当するかは条文と業務内容を照らし、必要に応じて専門家に確認するのが安全です。
Q2. 契約締結前に顧客へ伝えるべき情報は何ですか?
商号、登録番号、契約の概要、手数料、リスク(相場変動による損失や、預託金を超える損失の可能性など)に係る情報を、あらかじめ顧客に提供する必要があります。加えて、顧客の知識・経験・財産の状況・契約目的に照らして、理解できる方法と程度で説明することが求められます(金融商品取引法第37条の3)。
Q3. 相場操縦にあたる行為には具体的にどのようなものがありますか?
暗号等資産の売買・デリバティブ取引について、仮装取引、通謀売買、取引が繁盛であるかのように誤解させる行為、相場を変動させるべき一連の取引、風説の流布、重要事項の虚偽・誤解を生じさせる表示などが禁止されています(金融商品取引法第185条の24)。内部監視・約定審査の仕組みが実務対応の要点になります。
出典(一次情報)
- 🔗 金融商品取引法 第29条(登録)
- 🔗 金融商品取引法 第29条の2(登録の申請)
- 🔗 金融商品取引法 第31条(変更登録等)
- 🔗 金融商品取引法 第36条(顧客の利益の保護のための体制整備)
- 🔗 金融商品取引法 第37条の3(契約締結前の情報の提供等)
- 🔗 金融商品取引法 第38条(禁止行為)
- 🔗 金融商品取引法 第185条の24(相場操縦行為等の禁止)
- 🔗 金融商品取引法 第188条(書類の作成、保存及び報告の義務)
- 🔗 金融庁 公表資料(03.pdf)
- 🔗 金融庁 暗号資産制度WG 資料(05.pdf)
- 🔗 金融庁 監督ガイドライン(16.pdf)
- 🔗 仮想通貨が法改正で「金融商品」に(Google News)
※本記事はAIによる調査支援を活用して作成した参考情報です。制度の詳細や最新の取扱いは、必ず一次情報および専門家にご確認ください。