2025年6月、暗号資産を金融商品取引法上の「金融商品」に位置づける改正金融商品取引法が参院本会議で可決・成立しました(ニュース記事)。従来の資金決済法から金商法へ規制の軸足が移り、インサイダー取引規制やETF解禁の議論が現実味を帯びてきたことで、暗号資産を扱う事業者や、その顧問先を持つ士業にとって「今の金商法・資金決済法がどう整理されているのか」を押さえ直す必要が出てきました。

そこで本記事では、AI法令調査ツール「ことのり」で「金融商品取引法における『金融商品』の定義と、暗号資産交換業者・発行者に課される開示義務・インサイダー取引規制の内容」を実際に検索し、その結果に基づいて、現行法の枠組み(金商法と資金決済法の関係、暗号資産交換業者に課される情報提供義務、発行者への開示義務の整理、インサイダー取引規制の適用範囲)をコンパクトに整理します。

本記事は、AI法令調査ツール「ことのり」で実際に検索した結果(関連条文・出典リンク付き)をもとに編集した参考情報です。暗号資産・金融規制は改正頻度が高く、内閣府令やガイドラインで運用が細かく定められる分野です。個別事案での適用可否や最新の取扱いは、必ず一次情報および金融商品取引法・資金決済法に詳しい専門家にご確認ください。最終判断は一次情報と専門家に確認してください。

金商法と資金決済法の役割分担

金融商品取引法第1条は、有価証券の発行・流通および金融商品等の取引を公正にし、投資者保護と国民経済の健全な発展に資することを目的としています。有価証券やデリバティブ取引といった広範な「金融商品」を規制対象とし、公正な価格形成と投資者保護を担うのが金商法の役割です。

一方の資金決済法は、本邦通貨や外国通貨とは異なる「暗号資産」を定義し、その交換業等に関する規制を定める法律です。資金決済法第2条第14項は「暗号資産」を、「物品等を購入し、若しくは借り受け、又は役務の提供を受ける場合に、これらの代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができ、かつ、不特定の者を相手方として購入及び売却を行うことができる財産的価値」と定義し、そのうえで「金融商品取引法第二十九条の二第一項第八号に規定する権利を表示するものを除く」としています。

「金融商品」に直接の定義規定はない

金商法には「金融商品」という用語の直接的な定義規定は置かれていません。実質的には、金商法が規制対象として定める「有価証券」および「デリバティブ取引」等が「金融商品」に当たると整理されています。資金決済法第2条第8項は、金商法第2条第1項に規定する有価証券または同条第2項の規定により有価証券とみなされる権利を「有価証券」として引用しており(資金決済法第2条)、両法は有価証券の範囲で連動しています。

暗号資産は「有価証券でないもの」として整理

この規定ぶりから、金商法上の有価証券に該当しないものが「暗号資産」として資金決済法の規制対象となる、という切り分けが明確になっています。逆にいえば、ブロックチェーン技術を用いて発行される権利のうち、経済的実態や権利内容から有価証券性が認められるもの(いわゆるセキュリティトークン=電子記録移転有価証券表示権利等)は、金商法側で規律されることになります。

暗号資産交換業者に課される開示・説明義務

金商法の情報提供規定が準用される

資金決済法上の暗号資産交換業者は、金商法に準じた情報提供義務を負います。資金決済法第63条の22の15は、金融商品取引法第37条、第37条の3第1項および第2項、第37条の4、第37条の6第3項および第4項本文、第38条(第7号および第8号を除く)ならびに第40条の規定を、電子決済手段・暗号資産サービス仲介業者に準用しています。

準用される金商法第37条の3は、契約締結前の情報提供に関する規定で、金融商品取引契約を締結しようとするときは、あらかじめ顧客に対し、業者の商号・名称・氏名および住所その他内閣府令で定める事項に係る情報を提供することを義務づけています。契約の概要、手数料、損失が生じるおそれがある旨などを、顧客の知識や経験に応じて説明することが求められる枠組みです。

暗号等資産関連業務の説明義務と誤認表示禁止

金商法第43条の6は、金融商品取引業者等が「暗号等資産関連業務」を行うときは、内閣府令で定めるところにより暗号等資産の性質に関する説明をしなければならないとし、あわせて顧客を誤認させるような表示を禁止しています。暗号資産の特性を踏まえた情報提供を業者側に義務づける規定です。

禁止行為(虚偽告知・断定的判断の提供など)

金商法第38条は、金融商品取引業者等またはその役員・使用人の禁止行為として、金融商品取引契約の締結・勧誘に関して顧客に虚偽のことを告げる行為などを列挙しています。この規定も資金決済法第63条の22の15により準用対象になっており、暗号資産交換の実務でも「断定的判断の提供」「不確実な事項について誤解を招く説明」といった行為は避けなければなりません。

暗号資産発行者に課される開示義務

資金決済法上の「暗号資産」の発行者そのものに対して、金商法のような直接的な有価証券届出書・報告書の提出義務は課されていません。資金決済法は、暗号資産交換業者に対する登録制度と業務規制を通じて利用者保護を図る建て付けになっています。

他方で、発行される暗号資産が経済的実態から「電子記録移転有価証券表示権利等」(セキュリティトークン)に該当すると判断される場合には、金商法の有価証券として位置づけられ、発行者は金商法上の開示規制の対象となります。したがって、トークンの設計段階で「有価証券性のあるスキームか、純粋な決済手段か」を切り分けることが、開示義務の有無を分ける実務上の分岐点になります。

インサイダー取引規制の適用範囲

上場会社等の重要情報公表義務

金商法第27条の36は、金融商品取引所に上場されている一定の有価証券等の発行者(上場会社等)や投資法人に対して、重要情報の公表を求める規定で、インサイダー取引の未然防止に資する仕組みとして機能しています。

相場操縦行為等の禁止

加えて、金商法第159条は、上場有価証券や店頭売買有価証券の売買、市場デリバティブ取引・店頭デリバティブ取引について、相場操縦行為等を禁止しています。市場の公正性を確保するための基本的な規制です。

資金決済法上の暗号資産には直接規制なし/有価証券該当時は適用

資金決済法上の「暗号資産」については、金商法のような直接のインサイダー取引規制は置かれていません。ただし、暗号資産交換業者には、準用される金商法第38条の禁止行為や、資金決済法上の業務規制(分別管理義務、利用者保護のための措置等)を通じて、顧客情報を利用した不公正な取引などが間接的に抑止される構造になっています。

他方、当該暗号資産が金商法上の「有価証券」に該当する場合には、その有価証券に関するインサイダー取引規制や相場操縦規制がそのまま適用されます。改正金商法により暗号資産が「金融商品」に位置づけ直されると、この適用関係がより広がる方向で議論されることになります。

条文の原文も、その場で確認できます

本記事で引用した条文や、暗号資産・金融商品取引法まわりの関連規定は、AI法令調査ツール「ことのり」で一次情報(e-Gov)とともにその場で確認できます。顧問先への説明資料づくりや、社内ガイドラインの見直しにご活用ください。

暗号資産と金商法をことのりで調べる

よくある質問

Q1. 金融商品取引法には「金融商品」の定義規定がありますか?

直接的な定義規定は置かれていません。金商法第1条の目的規定では「有価証券の発行及び金融商品等の取引等を公正にし……」と記載されていますが、実質的な規制対象は有価証券やデリバティブ取引です。資金決済法第2条第14項も、暗号資産の定義から「金融商品取引法第29条の2第1項第8号に規定する権利を表示するもの」を除いており、両法の切り分けは有価証券性の有無で行われています。

Q2. 暗号資産交換業者は、顧客への説明義務としてどのようなことを求められますか?

資金決済法第63条の22の15により、金商法第37条の3(契約締結前の情報提供)などが準用され、契約の概要・手数料・損失が生じるおそれ等の情報提供が求められます。また、金商法第43条の6により、暗号等資産関連業務における暗号等資産の性質に関する説明義務と、顧客を誤認させる表示の禁止が課されています。

Q3. 暗号資産の取引にインサイダー取引規制は適用されますか?

資金決済法上の「暗号資産」自体には、金商法のような直接のインサイダー取引規制は置かれていません。ただし、当該暗号資産が金商法上の有価証券(セキュリティトークン等)に該当する場合には、有価証券に関するインサイダー取引規制や、金商法第159条の相場操縦行為等の禁止、金商法第27条の36の重要情報公表義務など、既存の枠組みが適用されます。

出典(一次情報)

※本記事はAIによる調査支援を活用して作成した参考情報です。制度の詳細や最新の取扱いは、必ず一次情報および専門家にご確認ください。

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