2026年、政府は会社法改正の議論のなかで、株主総会における株主提案権の「議決権の1%以上または300個以上」という個数要件の廃止を検討していると報じられました。少数株主が株主総会に議案を出しやすくなる可能性がある一方、実務では現行の要件がどう組み立てられているかを正確に押さえておく必要があります。

そこで本記事では、改正議論の前提として、現行の会社法が定める株主提案権の要件(持株要件・行使期限・議案数の上限・議案内容の制限)を、条文ベースで整理します。中小企業のオーナー経営者や顧問士業の方が、株主総会運営や少数株主対応を検討する際の一次整理としてお使いください。

本記事は、AI法令調査ツール「ことのり」で実際に検索した結果(関連条文・出典リンク付き)をもとに編集した参考情報です。会社法は改正議論が進行中の領域で、条文の運用や解釈は実務判断を伴います。最終判断は一次情報(e-Gov法令検索)と、弁護士等の専門家にご確認ください。

株主提案権の全体像:2つの権利で構成される

いわゆる「株主提案権」は、実は会社法上、性質の異なる2つの権利からなります。

  • 会社法第304条:株主総会の場で議案を提出する権利
  • 会社法第305条:株主総会の招集通知に、自分が提出する議案の要領を記載することを請求する権利

実務で「株主提案権」と呼ばれるのは、事前に招集通知への記載を求める後者(305条)を指すことが多く、こちらの方が要件も厳格です。今回報じられた個数要件の議論も、この305条の持株要件が中心になります。

会社法第304条:総会場での議案提出

会社法第304条は、株主が株主総会の目的事項について議案を提出できることを原則として認めています。ただし、その議案が法令や定款に違反する場合、あるいは実質的に同一の議案が過去3年以内に総株主の議決権の10分の1以上の賛成を得られなかった場合は、提出できないとされています。

会社法第305条:招集通知記載請求権の要件

取締役会設置会社の株主が、株主総会の招集通知に議案の要領を記載するよう請求するには、会社法第305条に定める複数の要件を満たす必要があります。

1. 持株要件(今回の改正議論の焦点)

取締役会設置会社では、次のいずれかの議決権を保有していることが必要です。

  • 総株主の議決権の100分の1(1%)以上
  • 300個以上の議決権

さらに、これらの議決権を「6箇月前から引き続き有する」ことが求められます。ただし、公開会社でない取締役会設置会社では、この6ヶ月継続保有の要件は適用されず、「有する」だけで足ります。議決権を行使できない株主が有する議決権は、母数の総株主の議決権に算入されません。

なお、割合・個数・期間はいずれも、定款で「これを下回る」(つまり株主にとってより緩やかな)内容を定めることも可能とされています。

2. 行使期限

株主は、株主総会の日の8週間前までに、提出しようとする議案の要領を取締役に通知する必要があります(会社法第305条)。この期間についても、定款でこれより短い期間を定めることが可能です。

3. 議案数の上限(10個)

取締役会設置会社の株主が招集通知記載請求権を行使する場合、提出できる議案の数には上限があります。令和元年会社法改正で導入されたルールで、条文上は会社法第305条に整理されています。

  • 原則:議案の数が10を超える場合、10を超える部分については、招集通知への記載請求権が適用されません。
  • 特定議案のカウント方法:次の議案は、数にかかわらず1つの議案とみなされます。
    • 取締役、会計参与、監査役または会計監査人の選任に関する議案
    • 役員等の解任に関する議案
    • 会計監査人を再任しないことに関する議案
  • 定款変更議案:2つ以上の定款変更議案で、異なる議決がされた場合に内容が相互に矛盾する可能性がある場合は、これらを1つの議案とみなします。

10を超える議案があるときに、どの議案を招集通知に記載するかは取締役が定めますが、株主があらかじめ優先順位を定めている場合は、取締役はその優先順位に従う必要があります。

4. 議案の内容に関する制限

会社法第305条の株主提案権についても、304条と同様に、次の議案は招集通知への記載請求が認められません。

  • 法令または定款に違反する議案
  • 実質的に同一の議案について、過去3年以内に総株主の議決権の10分の1以上の賛成を得られなかったもの

非公開会社・定款による調整

公開会社でない取締役会設置会社では、前述のとおり6ヶ月の継続保有要件が外れます(会社法第305条)。株主構成が固定的な中小の非公開会社では、この点が実務上意識されるポイントになります。

また、割合・個数・継続保有期間・行使期限のいずれも、定款で「株主にとってより緩やかな」内容に調整できます。会社としてどのような株主関与を想定するかによって、定款設計の余地があるという整理です。

実務で押さえておきたい確認ポイント

  • 期限の厳守:株主総会の日の8週間前(または定款で短縮した期間)までに、議案の要領を取締役へ通知します。
  • 持株要件の確認:取締役会設置会社では、1%または300個の議決権を、原則として6ヶ月継続して保有しているかを確認します。非公開会社では継続保有要件は不要です。
  • 議案の適法性・定款適合性:法令違反・定款違反の議案は招集通知への記載を求められません。事前に条文と定款をあわせて確認します。
  • 議案数のカウント:役員選任・解任議案などは複数でも1個扱いになる一方、定款変更議案は矛盾する場合に1個にまとめられます。10個の上限に照らして、事前に整理が必要です。
  • 会社側の対応:株主提案を受けた会社側は、持株要件・期限・議案数・議案内容を要件どおりに満たしているかを審査したうえで、記載可否を判断することになります。

条文の原文も、その場で確認できます

本記事は「ことのり」で実際に検索した結果をもとに編集しています。会社法第304条・第305条の条文や、令和元年改正資料の該当箇所も、同じ検索から一次情報リンクをたどって確認できます。

株主提案権の要件をことのりで調べる

よくある質問

Q1. 取締役会設置会社の株主提案権では、持株要件は「1%以上」と「300個以上」のどちらを満たせばよいのですか?

会社法第305条は「総株主の議決権の100分の1以上」または「300個以上の議決権」のいずれかを満たせばよいと定めています。加えて、原則として6箇月前から引き続き保有していることが必要ですが、公開会社でない取締役会設置会社では、この継続保有期間の要件は適用されません。

Q2. 株主提案の議案は何個まで出せますか?

取締役会設置会社では、招集通知への記載請求ができる議案は10個までが上限で、10を超える議案については記載請求権が適用されません(会社法第305条)。ただし、役員の選任・解任議案や会計監査人の再任しない議案は、数にかかわらず1つとしてカウントされ、内容が矛盾しうる複数の定款変更議案は1つにまとめられます。この10個ルールは令和元年会社法改正で導入されたものです。

Q3. 会社は株主提案の記載請求をどのような場合に拒否できますか?

会社法第305条および第304条によれば、議案が法令または定款に違反する場合、あるいは実質的に同一の議案について過去3年以内に総株主の議決権の10分の1以上の賛成を得られなかった場合には、招集通知への記載請求が認められません。判断は要件ごとに厳格に行う必要があります。

出典(一次情報)

※本記事はAIによる調査支援を活用して作成した参考情報です。制度の詳細や最新の取扱いは、必ず一次情報および専門家にご確認ください。

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