2026年4月に施行された改正家族法(民法等の一部改正)を受けて、広島家庭裁判所の新所長が対応強化とデジタル化推進を抱負として示したとの報道がありました。今回の改正の目玉のひとつが「離婚後の共同親権」の導入です。士業実務はもちろん、従業員の家庭事情や扶養手続きに関わる中小企業経営者にとっても影響の大きい論点であるため、関連する民法の条文を「ことのり」で実際に調べました。
この記事では、共同親権の下で父母が子の養育・監護について意思決定を行う際の基本ルール、単独で決められる事項の範囲、協議が調わない場合の対応までを、条文と出典リンク付きで整理しています。
本記事は、AI法令調査ツール「ことのり」で実際に検索した結果(関連条文・出典リンク付き)をもとに編集した参考情報です。離婚・親権は個別事情によって扱いが大きく変わる領域であり、記事はあくまで条文の一般的な整理にとどまります。最終判断は一次情報と専門家(弁護士等)に確認してください。
共同親権の基本原則:子の利益が最優先
離婚後の共同親権制度における意思決定は、まず「子の利益を最優先する」という基本原則の上に成り立っています。民法第818条は、親権は成年に達しない子について、その子の利益のために行使しなければならないと定めています。
また、民法第766条第1項は、離婚時に子の監護をすべき者や監護の分掌、父母と子との交流、監護費用の分担などを協議で定める際、「子の利益を最も優先して考慮しなければならない」と明記しています。この原則は共同親権制度においても同様に貫かれます。
父母の協力義務
民法第817条の12は、父母は婚姻関係の有無にかかわらず、子に関する権利の行使または義務の履行に関し、子の利益のため、互いに人格を尊重し協力しなければならないと定めています。共同親権制度では、この父母間の協力が不可欠となります。
監護及び教育の権利義務
民法第820条により、親権を行う者は子の利益のために子の監護及び教育をする権利を有し、義務を負います。監護及び教育に当たっては、民法第821条で、子の人格を尊重し、その年齢及び発達の程度に配慮するとともに、体罰その他の子の心身の健全な発達に有害な影響を及ぼす言動をしてはならないとされています。
意思決定の法的ルール:原則は共同行使
共同親権制度の中核となるのが、民法第824条の2です。同条第1項本文は「親権は、父母が共同して行う」と規定しています。子の進学、重要な医療行為、財産管理など、子の生活に大きな影響を与える事項については、父母が共同で協議し、合意形成に努める必要があります。
単独行使が認められる3つの場合
民法第824条の2第1項ただし書は、次のいずれかに該当する場合、父母の一方が単独で親権を行使できるとしています。
- 一方のみが親権者であるとき:父母の一方のみが親権者と定められている場合
- 他の一方が親権を行うことができないとき:重病、行方不明、意思能力の喪失などが想定されます
- 子の利益のため急迫の事情があるとき:緊急の医療行為が必要な場合など、父母の協議を待つ時間的余裕がない状況
協議が調わないときは家庭裁判所へ
特定の事項に係る親権の行使について父母間に協議が調わない場合であって、子の利益のため必要があると認めるときは、家庭裁判所は、父または母の請求により、当該事項に係る親権の行使を父母の一方が単独ですることができる旨を定めることができます(民法第824条の2)。父母間の意見対立が子の利益を害する事態を避けるための救済措置です。
単独で決められる事項の範囲
監護及び教育に関する「日常の行為」
民法第824条の2第2項は、父母がその双方が親権者であるときであっても、「監護及び教育に関する日常の行為に係る親権の行使を単独ですることができる」と定めています。日々の養育のたびに父母の合意を求めることは現実的ではないため、日常の行為については各自の判断が認められています。
検索結果に整理されている日常の行為の例は次のとおりです。
- 食事、着替え、入浴などの日常生活の世話
- 通学、習い事の送迎
- 軽微な病気や怪我に対する対応(市販薬の使用、近所のクリニック受診など)
- 学校の宿題や学習の監督
- 友人関係や遊びに関する一般的な指導
監護者が定められた場合の権限
民法第824条の3は、第766条等の規定により定められた子の監護をすべき者は、第820条から第823条までに規定する事項について、親権を行う者と同一の権利義務を有すると定めています。監護者は、単独で「子の監護及び教育、居所の指定及び変更並びに営業の許可、その許可の取消し及びその制限」を行うことができ、親権を行う者(監護者を除く)は監護者の行為を妨げてはならないとされています。
共同行使が求められる事項
これに対し、検索結果では、子の生活に重大な影響を与える次のような事項は、原則として父母の共同行使が必要と整理されています。
- 進学先の決定(小学校入学、中学校・高校・大学進学など)
- 重要な医療行為の同意(手術、長期治療など)
- 子の氏の変更
- 子の国籍の選択
- 子の財産に関する重要な法律行為(不動産の売買、高額な契約など)
- 子の居住地の変更(転居を伴う場合)
- 子の留学や海外渡航
家庭裁判所が親権者を判断するときの基準
民法第819条は、離婚等の場合に父母のどちらを親権者とするかのルールを定めています。裁判所は、父母の双方を親権者と定めるか、一方を親権者と定めるかを判断するに当たり、子の利益のため、父母と子との関係、父と母との関係その他一切の事情を考慮します。
特に、父または母が子の心身に害悪を及ぼすおそれがある場合や、父母が共同して親権を行うことが困難であると認められる場合(例:暴力等がある場合)には、父母の一方を親権者と定めなければならないとされています。
利益相反行為には特別代理人
民法第826条は、親権を行う父または母とその子との利益が相反する行為については、親権を行う者は、その子のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければならないと定めています。親権者が自己の利益のために子の利益を害することを防ぐための規定です。
条文の原文も、その場で確認できます
ことのりでは、上記の条文にワンクリックでアクセスでき、関連する民法・特別法をまとめて出典付きで調べられます。実務判断の下調べにご活用ください。
離婚後の共同親権をことのりで調べるよくある質問
Q1. 子どもの進学先は、父母のどちらか一方だけで決められますか?
進学先の決定は、子の将来に大きな影響を与える事項であり、原則として父母の共同行使が必要な事項と整理されています。民法第824条の2第2項で単独行使が認められているのは「監護及び教育に関する日常の行為」に限られるため、進学のような重要事項は父母の協議による合意形成が求められます。協議が調わない場合は、同条により家庭裁判所に判断を求めることができます。
Q2. 子どもが急に大きなケガをして緊急手術が必要なときも、必ず他方の親の同意が要りますか?
民法第824条の2第1項第3号は、「子の利益のため急迫の事情があるとき」には、父母の一方が単独で親権を行使できると定めています。生命に関わるような緊急手術の同意など、共同での意思決定を待つことが子の不利益につながる場合が想定されます。ただし急迫の事情に当たるかは個別判断となりますので、迷う場合は医療機関や専門家に相談してください。
Q3. 家庭裁判所は、どのような場合に共同親権ではなく一方のみを親権者と定めますか?
民法第819条により、裁判所は子の利益のため、父母と子との関係、父と母との関係その他一切の事情を考慮して判断します。特に、父または母が子の心身に害悪を及ぼすおそれがある場合や、父母が共同して親権を行うことが困難であると認められる場合(例:暴力等がある場合)には、父母の一方を親権者と定めなければならないとされています。
出典(一次情報)
※本記事はAIによる調査支援を活用して作成した参考情報です。制度の詳細や最新の取扱いは、必ず一次情報および専門家にご確認ください。