2025年、法務省が経済界等の要望を受け、会社法改正案において株主提案権に「議決権ベースの制限」を設ける案を検討していると報じられました(Google News該当記事)。市民団体等からは制度趣旨を揺るがすとの反発も出ているとされ、株主提案権のあり方が改めて論点になっています。
そこで、議論の前提となる現行の会社法における株主提案権の要件(保有株式数・保有期間・議案数の上限)を、AI法令調査ツール「ことのり」で実際に検索し、条文ベースで整理しました。本記事を読むと、会社法第305条が定める保有要件・議案数上限・例外・実務上の留意点までを一度に押さえられます。
本記事は、AI法令調査ツール「ことのり」で実際に検索した結果(関連条文・出典リンク付き)をもとに編集した参考情報です。会社法や株主総会実務は、定款の定め・会社形態(公開/非公開、取締役会設置の有無)によって扱いが変わります。実際の株主提案・招集手続きの適法性判断や、改正動向を踏まえた対応にあたっては、最終判断は一次情報(e-Gov法令検索)および弁護士等の専門家にご確認ください。
株主提案権とは何か
株主提案権は、株主が株主総会の目的事項について議案を提出し、これを株主総会の招集通知に記載させることを会社に請求できる権利です。株主が経営陣に対して特定の事項を株主総会で議論させ、決議を求めるための重要な手段で、株主総会の活性化とコーポレートガバナンスの強化に資するものと位置づけられています。
具体的な要件は会社法第305条に定められており、株主の権利行使と会社運営のバランスを図る建て付けになっています。
要件の3つの柱:保有株式数・保有期間・議案数上限
1. 保有株式数の要件
会社法第305条によれば、原則として株主提案権を行使するには、総株主の議決権の「百分の一」以上の議決権、または「三百個」以上の議決権を保有している必要があります。
この割合や個数は、定款によってこれを下回る割合や数を定めることが可能とされています。つまり、要件を「厳しくする」のではなく、「緩和する」方向でのみ定款自治が認められています。
2. 保有期間の要件
保有株式数の要件に加えて、原則として、上記の議決権を「六箇月」前から引き続き保有している必要があります(会社法第305条)。この期間も、定款でこれを下回る期間を定めることができます。
3. 議案数の上限
株主が提出できる議案の数には上限があります。原則として、株主が提出しようとする議案の数が「十」を超える場合、十を超える数の議案については株主提案権の規定は適用されません(会社法第305条)。
公開会社でない取締役会設置会社の特例
公開会社でない取締役会設置会社では、上記の「六箇月前から引き続き有する」という保有期間要件は適用されません。単に議決権を「有する」株主であれば株主提案権を行使できます(会社法第305条)。株主間の関係が密接な非公開会社について、株主提案権の行使をより容易にするための配慮と考えられます。
また、株主総会の目的である事項について議決権を行使することができない株主が有する議決権の数は、保有株式数要件における「総株主の議決権の数」に算入されません。
提案権が適用されない場合(例外)
以下のいずれかに該当する議案については、会社法第305条の規定は適用されません。
- 法令または定款に違反する議案:提案内容が法令や会社の定款に反する場合。
- 実質的に同一の議案の再提案制限:実質的に同一の議案について、株主総会において総株主の議決権の十分の一(定款で下回る割合を定めた場合はその割合)以上の賛成を得られなかった日から三年を経過していない場合。不必要な再提案による総会運営の混乱を防ぐための規定です。
議案数のカウント方法の特例
議案数の上限は原則「十」ですが、特定の議案については、その数にかかわらず「一の議案」とみなされる特例があります(会社法第305条)。
- 取締役、会計参与、監査役、または会計監査人の選任に関する議案
- 役員等の解任に関する議案
- 会計監査人を再任しないことに関する議案
- 定款の変更に関する二以上の議案で、異なる議決がされた場合に議決内容が相互に矛盾する可能性があるもの
いずれもその数にかかわらず一の議案とみなされ、議案数の計算上ひとまとまりで扱われます。
十を超える議案が出された場合の取扱い
株主が提出しようとする議案の数が十を超える場合、十を超える数に相当する議案は、取締役がこれを定めるとされています(会社法第305条)。
ただし、株主が請求と併せて二以上の議案の全部または一部につき議案相互間の優先順位を定めている場合には、取締役はその優先順位に従って議案を定める必要があります。
実務上の留意点
定款による要件の緩和
会社法第305条の保有株式数や保有期間の要件は、定款によって緩和することが可能です。たとえば、定款で「総株主の議決権の百分の一」を「千分の一」に引き下げたり、「六箇月」の保有期間を「三箇月」に短縮したりすることで、より多くの株主が提案権を行使しやすくなります。
請求期限
株主提案権の行使は、株主総会の日の「八週間前」までに、株主総会の目的である事項につき提出しようとする議案の要領を取締役に通知することで行います(会社法第305条)。定款でこれを下回る期間を定めることもできますが、実務上は十分な準備期間を確保することが重要です。
株主総会招集通知への記載
株主提案権が適法に行使された場合、会社は株主総会の招集通知に、当該株主が提出しようとする議案の要領を記載または記録する必要があります。これにより、他の株主が事前に提案内容を把握し、総会での議論に備えることができます。
条文の原文も、その場で確認できます
会社法第305条は、要件・例外・議案数のカウント方法まで一条にまとまっており、実際の条文を読むのがいちばん確実です。「ことのり」なら、質問文を入れるだけで関連条文とe-Govへの出典リンク付きでレポートが返ってきます。
株主提案権の要件をことのりで調べるよくある質問
Q1. 株式を100株しか持っていない場合、株主提案はできませんか?
原則としては、会社法第305条により「総株主の議決権の百分の一以上」または「三百個以上の議決権」のいずれかを満たす必要があるため、300個未満かつ百分の一に満たない場合は要件を満たしません。ただし、定款によりこれを下回る割合や数が定められている会社では、より少ない持分でも行使できる可能性があります。自社の定款を確認する必要があります。
Q2. 役員の選任議案を10件出した場合、議案数の上限に引っかかりますか?
会社法第305条では、取締役、会計参与、監査役、会計監査人の選任に関する議案は、その数にかかわらず「一の議案」とみなされる特例があります。したがって、複数の役員選任案を出しても、議案数のカウント上はまとめて一議案として扱われます。
Q3. 一度否決された内容と同じ議案を、翌年の総会でまた提案できますか?
会社法第305条は、実質的に同一の議案について総株主の議決権の十分の一以上の賛成を得られなかった日から三年を経過していない場合、株主提案権の規定を適用しないとしています。定款で下回る割合を定めている場合はその割合が基準となります。個別のケースが「実質的に同一」に当たるかは慎重な判断が必要なため、専門家への相談をおすすめします。
出典(一次情報)
※本記事はAIによる調査支援を活用して作成した参考情報です。制度の詳細や最新の取扱いは、必ず一次情報および専門家にご確認ください。