建築士事務所を営む、あるいは設計・工事監理を業として請け負う方にとって、建築士事務所の登録と管理建築士の設置は避けて通れない基本ルールです。登録を受けずに報酬を得て設計等を行うことは建築士法で明確に禁じられており、事務所ごとに専任の管理建築士を置く義務も定められています。
2026年の通常国会では下水道法や建築士法の改正、防災庁設置法など建設関連法が成立したとの報道があり、設計事務所を営む中小事業者・個人事業主にも影響が及ぶ見通しです。改正の有無にかかわらず、建築士事務所には登録義務・管理建築士の設置・重要事項説明・帳簿保存など、恒常的に押さえるべき論点が多くあります。そこで本記事では、ことのりで実際に建築士法まわりを検索した結果をもとに、事務所運営に必要な義務を整理します。
本記事は、AI法令調査ツール「ことのり」で実際に検索した結果(関連条文・出典リンク付き)をもとに編集した参考情報です。建築士法は改正が重ねられており、実際の登録手続や講習の運用は都道府県・登録講習機関ごとに細部が異なります。個別の事案については、必ず一次情報(e-Gov・国土交通省)を確認のうえ、最終判断は所管行政庁および専門家(弁護士・建築士会等)にご確認ください。
建築士事務所の登録義務とは
登録が必要になる業務の範囲
一級建築士・二級建築士・木造建築士、またはこれらの者を使用する者が、他人の求めに応じ報酬を得て「設計等」の業務を業として行う場合は、建築士法第23条により建築士事務所の登録が義務付けられています。ここでいう「設計等」には、次の業務が含まれます。
- 設計
- 工事監理
- 建築工事契約に関する事務
- 建築工事の指導監督
- 建築物に関する調査または鑑定
- 建築物の建築に関する法令または条例の規定に基づく手続の代理
木造建築士または木造建築士のみを使用する者の場合は、木造の建築物に関する業務に限定されます。
登録先と有効期間
登録は都道府県知事に対して行い、有効期間は登録の日から5年間です。引き続き業務を行う場合は更新登録が必要となります(建築士法第23条)。
無登録業務の禁止
建築士法第23条の10は、登録を受けずに他人の求めに応じ報酬を得て設計等を業として行うことを禁じています。また、建築士を使用してそのような業務を営むことも禁止されます。「報酬を得て」「業として」行うかどうかが登録要否の判断ポイントになります。
管理建築士の設置義務と要件
専任の管理建築士を置く義務
建築士事務所の開設者は、一級建築士事務所・二級建築士事務所・木造建築士事務所ごとに、それぞれ当該事務所を管理する専任の一級建築士・二級建築士・木造建築士を置かなければなりません(建築士法第24条)。この建築士が「管理建築士」です。
管理建築士になるための2つの要件
管理建築士となるためには、次の2つを満たす必要があります。
- 建築士として3年以上、設計その他の国土交通省令で定める業務に従事していること(建築士法第24条)。国土交通省令で定める業務は、建築士法施行規則第20条の4に列挙されており、設計、工事監理、建築工事契約に関する事務、建築工事の指導監督、建築物に関する調査または鑑定、建築物の建築に関する法令または条例の規定に基づく手続の代理が該当します。これらの業務に従事した期間は通算することができます。
- 国土交通大臣の登録を受けた登録講習機関が行う講習の課程を修了していること(建築士法第24条)。
管理建築士が総括する技術的事項
管理建築士は、その建築士事務所の業務に係る次の技術的事項を総括します(建築士法第24条)。
- 受託可能な業務の量および難易度、業務の内容に応じて必要となる期間の設定
- 受託しようとする業務を担当させる建築士その他の技術者の選定および配置
- 他の建築士事務所との提携および提携先に行わせる業務の範囲の案の作成
- 建築士事務所に属する建築士その他の技術者の監督およびその業務遂行の適正の確保
また、管理建築士と開設者が異なる場合、管理建築士は開設者に対し、これらの技術的事項について事務所の業務が円滑かつ適切に行われるよう必要な意見を述べることができ、開設者はその意見を尊重しなければなりません。
建築士法上の業務範囲と主な義務
建築士の職責
建築士法第2条の2は、建築士が常に品位を保持し、業務に関する法令および実務に精通して、建築物の質の向上に寄与するよう、公正かつ誠実に業務を行うべきことを定めています。
設計・工事監理における義務
建築士法第18条では、次の義務が定められています。
- 設計を行う場合、設計に係る建築物が法令または条例の定める基準に適合するようにしなければならない。
- 設計の委託者に対し、設計の内容について適切な説明を行うよう努めなければならない。
- 工事監理を行う場合において、工事が設計図書のとおりに実施されていないと認めるときは、直ちに工事施工者に対してその旨を指摘し、設計図書のとおりに実施するよう求めなければならない。工事施工者がこれに従わない場合は、その旨を建築主に報告しなければならない。
重要事項の説明義務
建築士事務所の開設者は、設計受託契約または工事監理受託契約を建築主と締結しようとするときは、あらかじめ、管理建築士その他の事務所に属する建築士をして、契約内容およびその履行に関する重要事項を書面で交付して説明させなければなりません(建築士法第24条の7)。説明事項には、作成する設計図書の種類、工事監理の方法、従事する建築士の氏名・資格、報酬額、契約解除に関する事項などが含まれ、説明時には建築士免許証等の提示も必要とされています。
帳簿の備付けと図書の保存
建築士法第24条の4は、建築士事務所の開設者に対し、国土交通省令で定めるところにより、業務に関する事項を記載した帳簿を備え付け保存する義務、および業務に関する図書を保存する義務を課しています。これは将来的なトラブル発生時の証拠保全としても重要な意味をもちます。
資格の種類による業務範囲の制限
建築士法第2条は、一級建築士は国土交通大臣の免許、二級建築士は都道府県知事の免許、木造建築士は都道府県知事の免許を受けた者と定義しています。設計または工事監理ができる建築物の規模・構造には、資格の種類ごとに制限が設けられています。
建築士法第3条では、学校・病院・劇場・映画館・観覧場・公会堂・集会場(オーディトリアムを有しないものを除く)・百貨店の用途に供する建築物で延べ面積が500平方メートルを超えるものなどについて、一級建築士でなければ設計または工事監理を行えないとされています。事務所として受託する案件が資格の範囲内かどうかは、契約前の重要な確認事項です。
条文の原文も、その場で確認できます
建築士事務所の登録・管理建築士の設置義務・重要事項説明・帳簿保存など、建築士法の具体的な条文を「ことのり」で検索できます。関連条文とe-Gov出典が同時に返るので、実務での裏取りに使えます。
建築士事務所の登録義務をことのりで調べるよくある質問
建築士事務所の登録はどこに、何年ごとに行いますか。
建築士法第23条により、登録先は都道府県知事で、有効期間は登録の日から5年間です。引き続き業務を行う場合は更新登録が必要になります。登録を受けずに報酬を得て設計等を業として行うことは、建築士法第23条の10で禁止されています。
管理建築士になるには何が必要ですか。
建築士法第24条により、建築士として3年以上、国土交通省令で定める業務に従事していることと、国土交通大臣の登録を受けた登録講習機関が行う講習の課程を修了していることの2つが要件です。対象となる業務の内容と通算の考え方は建築士法施行規則第20条の4に定められています。
建築主との契約前に、必ずやらなければならないことはありますか。
建築士法第24条の7により、設計受託契約または工事監理受託契約を建築主と締結しようとするときは、あらかじめ、管理建築士その他の事務所に属する建築士をして、契約内容および履行に関する重要事項(作成する設計図書の種類、工事監理の方法、従事する建築士の氏名・資格、報酬額、契約解除に関する事項など)を書面で交付して説明させる必要があります。説明時には建築士免許証等の提示も求められます。
出典(一次情報)
- 🔗 建築士法 第23条(登録)
- 🔗 建築士法 第23条の10(無登録業務の禁止)
- 🔗 建築士法 第24条(建築士事務所の管理)
- 🔗 建築士法施行規則 第20条の4(管理建築士の業務要件)
- 🔗 建築士法 第2条の2(職責)
- 🔗 建築士法 第18条(設計及び工事監理)
- 🔗 建築士法 第24条の7(重要事項の説明等)
- 🔗 建築士法 第24条の4(帳簿の備付け等及び図書の保存)
- 🔗 建築士法 第2条(定義)
- 🔗 建築士法 第3条(一級建築士でなければできない設計又は工事監理)
- 🔗 建築:工事監理ガイドラインの策定について - 国土交通省
- 🔗 下水道法や建築士法が改正、防災庁設置法など建設関連法成立(Google News)
※本記事はAIによる調査支援を活用して作成した参考情報です。制度の詳細や最新の取扱いは、必ず一次情報および専門家にご確認ください。