マンションの管理組合が「何を、どの多数決で決められるのか」は、区分所有法とマンション管理適正化法の2本立てで決まっています。共用部分の変更(大規模修繕)は原則として区分所有者および議決権の各4分の3以上、建替え決議は各5分の4以上。そして管理計画認定制度では、集会の年1回以上の開催や名簿の年1回以上の更新といった、運営面の具体的な基準が国土交通省令で定められています。

今回、マンション関連法の改正について専門家が変更点を解説する記事が公開され、区分所有関係の意思決定や管理組合の運営、老朽化マンションの再生手続といった論点が取り上げられていました。マンション管理は、管理会社・不動産管理業者・管理組合に関わる中小事業者や、管理規約や総会運営を相談される士業にとって実務直結の分野です。そこで、決議要件や管理計画認定制度といった恒常的に参照される部分について、現行条文を実際に調べ直しました。この記事では、管理組合運営の法的な枠組み、大規模修繕と建替えの決議要件・手続、管理計画認定制度の申請主体と認定基準を、条文リンク付きで整理します。

本記事は、AI法令調査ツール「ことのり」で実際に検索した結果(関連条文・出典リンク付き)をもとに編集した参考情報です。マンション管理の分野は、区分所有法・マンション管理適正化法・同法施行規則に加え、各マンションの規約によって取扱いが変わります。規約で法定の割合と異なる定めを置いている場合や、管理計画認定の運用が自治体ごとに異なる場合もあります。個別の総会運営や決議の有効性の判断は、最終判断は一次情報と専門家に確認してください。

管理組合の運営は何を根拠に成り立っているか

建物の区分所有等に関する法律第3条は、区分所有者が全員で建物・敷地・附属施設の管理を行うための団体を構成し、集会を開き、規約を定め、管理者を置くことができると定めています。一部の区分所有者のみの共用に供されるべきことが明らかな共用部分(一部共用部分)を、それらの区分所有者が管理するときも同様です。

管理組合が法人化している場合の事務の執行については、同法第52条が、管理組合法人の事務は原則としてすべて集会の決議によって行うと定めています。ただし、法律に集会の決議につき特別の定数が定められている事項と、第57条第2項に規定する事項を除いて、規約で理事その他の役員が決するものとすることができます。また、保存行為については理事が決することができます。

管理計画認定制度が求める運営の基準

マンション管理適正化法に基づく管理計画認定制度では、管理組合の運営状況について具体的な基準が国土交通省令で定められています(マンションの管理の適正化の推進に関する法律第5条の14、同法施行規則第1条の11)。認定を受けるには、次の要件を満たす必要があります。

  • 管理者等(理事長など)および監事が置かれていること
  • 集会(総会)が年1回以上開かれていること
  • 区分所有者名簿および居住者名簿が作成され、かつ年1回以上更新されていること
  • 規約に、管理者等による専有部分等への立入りに関する事項、マンションの維持管理に関する記録の作成・保存に関する事項、利害関係人からの情報提供要求への対応に関する事項が定められていること

大規模修繕の決議要件

大規模修繕は、区分所有法上の「共用部分の変更」に該当することが多く、決議に特別な要件が課されます。区分所有法第17条の内容は次のとおりです。

原則は各4分の3以上

共用部分の変更(その形状または効用の著しい変更を伴わないものを除く)は、集会において、区分所有者および議決権の各4分の3以上の多数による決議が必要です。ただし、規約でこれより低い割合を定めることも可能で、その場合も2分の1を超える割合に限られます。

緩和される場合

高齢者、障害者等の移動の円滑化や、施設の利用に係る身体の負担軽減を目的とする共用部分の変更、または共用部分の設置・保存の瑕疵を除去するために必要な変更については、決議要件が区分所有者および議決権の各3分の2以上の多数に緩和されます。

特別の影響を受ける専有部分がある場合

共用部分の変更が特定の専有部分の使用に特別の影響を及ぼすときは、その専有部分の所有者の承諾を得なければなりません。決議要件を満たしていても、この承諾が別途必要になる点は見落としやすいところです。

建替え決議の要件と手続

建替えは、マンションの寿命や機能性の維持に関わる最も重い意思決定であり、区分所有法第62条が厳格な要件を定めています。

決議要件

集会において、区分所有者および議決権の各5分の4以上の多数による決議(建替え決議)が必要です。ただし、建物が耐震性不足、火災安全性不足、外壁剥離の危険、配管設備の著しい劣化、バリアフリー基準不適合など、条文が定める基準に該当する場合は、決議要件が各4分の3以上の多数に緩和されます。

決議で定めなければならない事項

  • 新たに建築する建物の設計の概要
  • 建物の取壊しおよび新築に要する費用の概算額
  • 費用の分担に関する事項
  • 新築建物の区分所有権の帰属に関する事項

これらの事項は、各区分所有者の衡平を害しないように定めなければならないとされています。

招集通知と説明会のスケジュール

建替え決議は、決議そのものだけでなく、そこに至る手続も条文で細かく定められています。

  • 建替え決議を目的とする集会の招集通知は、会日の少なくとも2か月前までに発しなければなりません(規約で期間を伸長することは可能)
  • 招集通知には、会議の目的事項や議案の要領に加え、建替えの必要性、建替えをしない場合の費用、修繕計画の内容、修繕積立金額などを通知する必要があります
  • 集会の招集者は、会日の少なくとも1か月前までに、通知事項について区分所有者に対する説明会を開催しなければなりません

団地内建物の一括建替え

団地内の複数の建物をまとめて建て替える場合については、区分所有法第70条に規定があります。原則として各5分の4以上の多数決が必要ですが、特定の要件を満たす場合は各4分の3に緩和されます。

管理計画認定制度の内容

管理計画認定制度は、管理組合が作成する管理計画を都道府県等の長が認定する制度です(マンション管理適正化法第5条の13)。マンションの管理の適正化を推進し、適切な管理が行われているマンションの市場評価を高めることを目的としています。

申請できるのは誰か、申請先はどこか

認定を申請できるのは、管理組合の管理者等(理事長など)です。申請先は、マンション管理適正化推進計画を作成した都道府県等の長(計画作成都道府県知事等)となります。

管理計画に記載する事項

  • 当該マンションの修繕その他の管理の方法
  • 当該マンションの修繕その他の管理に係る資金計画
  • 当該マンションの管理組合の運営の状況
  • その他国土交通省令で定める事項(管理計画が都道府県等マンション管理適正化指針に照らして適切なものであることを確認するために必要な事項。同法施行規則第1条の9)

認定基準

マンション管理適正化法第5条の14は、計画作成都道府県知事等が次の基準に適合すると認めるときに認定をすることができると定めています。

  1. マンションの修繕その他の管理の方法が国土交通省令で定める基準に適合するものであること
  2. 資金計画がマンションの修繕その他の管理を確実に遂行するため適切なものであること
  3. 管理組合の運営の状況が国土交通省令で定める基準に適合するものであること
  4. その他マンション管理適正化指針および都道府県等マンション管理適正化指針に照らして適切なものであること

このうち1について、同法施行規則第1条の10は、次の要件を満たす長期修繕計画が作成され、これに基づいて修繕その他の管理が行われることを求めています。

  • 申請日以前7年以内に作成され、または変更されたものであること
  • 計画期間が30年以上であり、かつ、申請日から当該計画期間の終了の日までの間に2回以上の大規模修繕の実施を予定していること(マンションの除却等が予定されている場合を除く)
  • マンションの構造や維持・修繕の状況を勘案し、修繕の内容、仮設工事、調査、費用、実施時期などが適切に定められていること

3の運営の状況については、前述の施行規則第1条の11が定める「管理者等・監事の設置」「年1回以上の集会開催」「名簿の作成・年1回以上の更新」「規約への特定事項の定め」が該当します。

実務で論点になりやすいところ

条文を並べると、実務上どこに負荷がかかるかが見えてきます。

合意形成のハードル。大規模修繕や建替えのように特別多数決議を要する事項は、区分所有者間の意見の相違、費用負担への抵抗、高齢化による関心の低下などにより、合意形成が難しくなりがちです。とくに建替え決議の5分の4という要件は相当に高い水準といえます。

修繕積立金の不足。適切な長期修繕計画が策定されていても、当初の積立金設定が低すぎた、物価上昇や工事費の高騰に対応できていない、滞納が発生しているといった要因で、計画どおりに積み立てられていないケースが見られます。資金不足は必要な修繕の遅延や質の低下を招き、建物の劣化を加速させるリスクにつながります。

専門知識の確保。管理組合の役員は、専門知識を持たない区分所有者が輪番で務めることが多く、複雑な法令や建築・設備に関する知識が不足しがちです。マンション管理士や建築士といった専門家をどう関与させるかが、意思決定や業者選定の質を左右します。

認定制度の活用度。管理計画認定制度はメリットが期待できる一方、認知度や申請手続の負担から、まだ十分に普及しているとは言いにくい状況です。地方公共団体や専門家による情報提供と支援が求められる段階にあります。認定を受けたマンションについては、住宅金融支援機構の融資制度における金利優遇や売買時の評価向上などが期待されるとされていますが、具体的な取扱いは各制度の一次情報でご確認ください。

条文の原文も、その場で確認できます

決議要件の割合、招集通知の期限、認定基準の細目は、規約の定めや個別の事情によって確認すべき条文が変わります。ことのりなら、調べたい内容を日本語のまま入力するだけで、関連条文と出典リンク付きの調査結果が返ってきます。

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よくある質問

大規模修繕の決議要件を、規約で引き下げることはできますか。

区分所有法第17条は、共用部分の変更について区分所有者および議決権の各4分の3以上の多数による決議を求めたうえで、規約でこれより低い割合を定めることも可能としています。ただし、その割合は2分の1を超える割合に限られます。なお、バリアフリー化を目的とする変更や、共用部分の設置・保存の瑕疵を除去するために必要な変更については、条文上、決議要件が各3分の2以上に緩和されます。

建替え決議に向けて、総会の何か月前から動く必要がありますか。

区分所有法第62条により、建替え決議を目的とする集会の招集通知は会日の少なくとも2か月前までに発する必要があり(規約で期間を伸長することは可能)、招集者は会日の少なくとも1か月前までに、通知事項についての説明会を開催しなければなりません。招集通知には、会議の目的事項や議案の要領のほか、建替えの必要性、建替えをしない場合の費用、修繕計画の内容、修繕積立金額などを記載する必要があります。

管理計画認定を受けるには、長期修繕計画にどのような条件がありますか。

マンション管理適正化法施行規則第1条の10が、申請日以前7年以内に作成または変更されたものであること、計画期間が30年以上で、かつ申請日から計画期間終了日までに2回以上の大規模修繕の実施を予定していること(除却等が予定されている場合を除く)、修繕の内容・仮設工事・調査・費用・実施時期などが適切に定められていることを求めています。あわせて、同規則第1条の11の運営基準(管理者等・監事の設置、年1回以上の集会開催、名簿の作成・年1回以上の更新、規約への特定事項の定め)も満たす必要があります。

出典(一次情報)

※本記事はAIによる調査支援を活用して作成した参考情報です。制度の詳細や最新の取扱いは、必ず一次情報および専門家にご確認ください。

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