改正建築士法の施行に必要な政令が閣議決定され、2027年4月の施行が予定されていると報じられました。対象となるのは、建築士事務所の運営や設計・工事監理の実務に関わる規定です。

こうした改正・施行の動きがあるとき、設計事務所や許認可を扱う士業の方が実務で最初に問われるのは、改正点そのものよりも「建築士事務所に恒常的にかかっている基本義務」の中身です。登録、管理建築士の設置、重要事項の書面による説明、帳簿・図書の保存——この4つが土台になります。そこで、建築士法に基づくこれらの義務が条文上どう定められているかを、AI法令調査ツール「ことのり」で実際に検索しました。この記事では、その結果をもとに各義務の根拠条文と内容を整理します。

本記事は、AI法令調査ツール「ことのり」で実際に検索した結果(関連条文・出典リンク付き)をもとに編集した参考情報です。建築士事務所の登録は都道府県知事が行うもので、提出書式や運用の細部は都道府県ごとに異なります。また国土交通省令に委ねられている事項も多く、条文だけでは具体的な手続が確定しません。最終判断は一次情報と専門家に確認してください。

建築士事務所の義務は4つの柱で構成されています

建築士法に基づく建築士事務所の開設・運営の義務は、主に次の4つに整理できます。いずれも、建築設計・工事監理業務の適正な実施と、建築主の保護を目的としたものです。

  • 建築士事務所の登録(建築士法第23条)… 他人の求めに応じ報酬を得て設計等の業務を業として行うための前提となる登録制度です。
  • 管理建築士の設置(建築士法第24条)… 事務所の業務の技術的事項を総括する専任の建築士を置く義務です。
  • 重要事項の書面による説明(建築士法第24条の7)… 建築主との契約締結前に、契約内容とその履行に関する重要事項を説明する義務です。
  • 業務に関する帳簿・図書の保存(建築士法第24条の4)… 業務に関する事項を記載した帳簿と、設計図書等の図書を保存する義務です。

これらは、建築士事務所の信頼性と透明性を確保し、建築主が安心してサービスを受けられる環境を整えるために置かれている規定です。以下、順に見ていきます。

登録義務(建築士法第23条)

どんな場合に登録が必要になるか

建築士法第23条は、一級建築士、二級建築士もしくは木造建築士、またはこれらの者を使用する者が、他人の求めに応じ報酬を得て、次の業務(「設計等」)を業として行おうとする場合に、登録を受けなければならないと定めています。

  • 設計
  • 工事監理
  • 建築工事契約に関する事務
  • 建築工事の指導監督
  • 建築物に関する調査もしくは鑑定
  • 建築物の建築に関する法令もしくは条例の規定に基づく手続の代理

この場合、一級建築士事務所、二級建築士事務所または木造建築士事務所を定めて、その建築士事務所について都道府県知事の登録を受ける必要があります。なお、木造建築士または木造建築士を使用する者(木造建築士のほかに一級建築士または二級建築士を使用する者を除く)については、木造の建築物に関する業務に限られます。

有効期間は5年、更新が必要です

登録の有効期間は、登録の日から起算して5年間です。有効期間の満了後も引き続き設計等を業として行おうとする場合は、更新の登録を受ける必要があります(建築士法第23条)。

この登録制度は、建築士事務所が一定の基準を満たしていることを公的に担保し、無資格者による業務遂行を防ぐ役割を担っています。

管理建築士の設置義務(建築士法第24条)

事務所ごとに専任の建築士を置きます

建築士法第24条により、建築士事務所の開設者は、一級建築士事務所・二級建築士事務所・木造建築士事務所ごとに、それぞれ当該事務所を管理する専任の一級建築士、二級建築士または木造建築士を置かなければなりません。この建築士が「管理建築士」です。

管理建築士になるための要件

管理建築士は、建築士として3年以上、国土交通省令で定める業務に従事した後、登録講習機関が行う講習の課程を修了した建築士でなければなりません(建築士法第24条)。

この「国土交通省令で定める業務」は、建築士法施行規則第20条の4に、次のとおり列挙されています。

  • 建築物の設計に関する業務
  • 建築物の工事監理に関する業務
  • 建築工事契約に関する事務に関する業務
  • 建築工事の指導監督に関する業務
  • 建築物に関する調査または鑑定に関する業務
  • 建築物の建築に関する法令または条例の規定に基づく手続の代理に関する業務

管理建築士が総括する技術的事項

管理建築士は、その建築士事務所の業務に係る次の技術的事項を総括します(建築士法第24条)。

  • 受託可能な業務の量および難易、ならびに業務の内容に応じて必要となる期間の設定
  • 受託しようとする業務を担当させる建築士その他の技術者の選定および配置
  • 他の建築士事務所との提携、および提携先に行わせる業務の範囲の案の作成
  • 建築士事務所に属する建築士その他の技術者の監督、およびその業務遂行の適正の確保

管理建築士と建築士事務所の開設者が異なる場合、管理建築士は開設者に対し、これらの技術的事項に関して業務が円滑かつ適切に行われるよう必要な意見を述べることが求められ、開設者はその意見を尊重しなければなりません。

管理建築士の設置は、事務所の技術水準と業務品質を維持・向上させるための重要な措置といえます。

重要事項の書面による説明義務(建築士法第24条の7)

契約を締結しようとするときに、あらかじめ説明します

建築士法第24条の7により、建築士事務所の開設者は、設計受託契約または工事監理受託契約を建築主と締結しようとするときは、あらかじめ、当該建築主に対して説明を行わなければなりません。

説明にあたるのは、管理建築士その他の当該建築士事務所に属する建築士(条文上の「管理建築士等」)です。開設者は、これらの者をして、所定の事項を記載した書面を交付して説明させる必要があります。

説明すべき事項

  • 設計受託契約にあっては、作成する設計図書の種類
  • 工事監理受託契約にあっては、工事と設計図書との照合の方法、および工事監理の実施の状況に関する報告の方法
  • 当該設計または工事監理に従事することとなる建築士の氏名、その者の一級建築士・二級建築士・木造建築士の別、および構造設計一級建築士または設備設計一級建築士である場合はその旨
  • 報酬の額および支払の時期
  • 契約の解除に関する事項
  • その他、国土交通省令で定める事項

電子的な方法も認められています

原則は上記の事項を記載した書面を交付して説明させる方法ですが、書面の交付に代えて、建築主の承諾を得て、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法により提供することも可能とされています(建築士法第24条の7)。

また、説明時には、管理建築士等は一級建築士免許証などを提示しなければなりません。

この重要事項説明は建築士法改正により義務付けられたもので、建築主が契約内容を十分に理解した上で契約を締結できるよう、透明性を高めることを目的としています(武蔵野市の解説)。建築主と建築士事務所の間の情報格差を是正し、トラブルを未然に防ぐうえで重要な役割を果たす規定です。

帳簿・図書の保存義務(建築士法第24条の4)

帳簿の備付けと図書の保存は別々に定められています

建築士法第24条の4は、次の2つを定めています。

  • 帳簿の備付け等(第1項)… 建築士事務所の開設者は、国土交通省令で定めるところにより、その建築士事務所の業務に関する事項で国土交通省令で定めるものを記載した帳簿を備え付け、これを保存しなければなりません。
  • 図書の保存(第2項)… 前項に定めるもののほか、国土交通省令で定めるところにより、その建築士事務所の業務に関する図書で国土交通省令で定めるものを保存しなければなりません。

いずれも具体的な記載事項・対象図書・保存方法は国土交通省令に委ねられている構造です。

保存期間は15年間とされています

実務上、建築士事務所の開設者が備え付けるべき帳簿の保存期間は15年間とされています。また、設計図書や工事監理報告書についても15年間の保存義務があるとされています(福岡県の解説)。

これらの保存義務は、業務の履歴を明確にし、後日の確認や紛争解決、さらには建築物の維持管理に資する情報を提供するために置かれているものです。

4つの義務が果たしている役割

建築士法に基づく建築士事務所の義務は、登録・管理建築士の設置・重要事項の説明・帳簿と図書の保存という多面的な枠組みで、建築設計・工事監理業務の適正化と建築主の保護を図っています。

整理すると、管理建築士による技術的事項の総括は業務品質の確保に直結し、重要事項の説明は建築主との間の透明性を確保してトラブル防止に寄与し、帳簿や図書の適切な保存は業務の履歴管理と責任の明確化につながります。改正法の施行に向けて自事務所の体制を点検する際も、まずはこの土台となる義務が条文上どう定められているかを押さえておくと、どこに追加の対応が必要かを見極めやすくなります。

なお、各義務の具体的な要件や手続きは国土交通省令や都道府県の運用に委ねられている部分が大きいため、実際の対応にあたっては一次情報と所管行政庁の案内をあわせて確認することをおすすめします。

条文の原文も、その場で確認できます

この記事で引用した条文は、AI法令調査ツール「ことのり」で実際に検索した結果にもとづいています。同じ質問をことのりに入れれば、関連条文の原文と出典リンクがまとめて返ってきます。ご自身の事務所の状況に合わせて、条件を変えて調べ直すこともできます。

建築士事務所の義務をことのりで調べる

よくある質問

建築士事務所の登録は何年ごとに更新が必要ですか?

建築士法第23条では、登録の有効期間は登録の日から起算して5年間と定められています。有効期間の満了後も引き続き設計等を業として行おうとする場合は、更新の登録を受ける必要があります。登録先は都道府県知事です。具体的な更新手続の時期や書式は所管の都道府県にご確認ください。

管理建築士になるには、どのような経験が必要ですか?

建築士法第24条により、建築士として3年以上、国土交通省令で定める業務に従事した後、登録講習機関が行う講習の課程を修了した建築士であることが要件とされています。対象となる業務は建築士法施行規則第20条の4に列挙されており、建築物の設計、工事監理、建築工事契約に関する事務、建築工事の指導監督、建築物に関する調査・鑑定、法令・条例の手続の代理に関する業務が挙げられています。

重要事項の説明は、書面の交付以外の方法でもよいのですか?

建築士法第24条の7は、原則として所定の事項を記載した書面を交付して説明させることを求めています。ただし、書面の交付に代えて、建築主の承諾を得たうえで、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法により提供することも可能とされています。なお、説明の際に管理建築士等が一級建築士免許証などを提示しなければならない点は、方法を問わず押さえておきたいところです。

出典(一次情報)

※本記事はAIによる調査支援を活用して作成した参考情報です。制度の詳細や最新の取扱いは、必ず一次情報および専門家にご確認ください。

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