リフォーム工事でも、建築確認申請が必要になる場面があります。建築基準法では、増築・改築に加えて「大規模の修繕」「大規模の模様替」も確認申請の対象とされており、工事の内容によっては住宅の改修でも手続きが避けられません。
2026年10月、日経クロステックが住宅の改修工事で建築確認申請が必要になる場面を整理した改正建築基準法の解説記事をまとめて紹介しました。いわゆる「4号特例」の縮小により、小規模木造住宅のリフォームでも確認申請が必要になるケースが広がった点が実務の焦点になっています。確認申請の要否は、工務店やリフォーム業者にとって受注前の見積りと工程に直結する判断です。そこで、条文の根拠はどこにあるのかを法令検索で調べました。
この記事では、確認申請が必要になる場合の条文上の区分、床面積10平方メートル以内の例外規定、そして建築士による設計・工事監理が必要となる範囲を、建築基準法の条文に紐づけて整理します。
本記事は、AI法令調査ツール「ことのり」で実際に検索した結果(関連条文・出典リンク付き)をもとに編集した参考情報です。建築確認の要否は、建築物の規模・構造・用途、敷地が属する地域区分(防火地域・準防火地域、都市計画区域等)によって結論が変わり、特定行政庁ごとの運用や条例が関わる場面もあります。実際の工事計画については、最終判断は一次情報と専門家(建築士・所管行政庁)に確認してください。
確認申請の根拠条文は建築基準法第6条第1項
建築物の増築、改築、大規模の修繕、大規模の模様替を行う場合、原則として工事に着手する前に建築主事等による建築確認を受け、確認済証の交付を受けなければなりません。根拠は建築基準法第6条第1項です。
この手続きは、建築計画が建築基準関係規定に適合しているかを確認し、建築物の安全性や適法性を確保するためのものです。同項は対象となる建築物を号ごとに分けて定めており、大きく次の3つの区分になります。
1. 特殊建築物(床面積200平方メートル超)
その用途に供する部分の床面積の合計が200平方メートルを超える特殊建築物を建築(増築を含む)する場合、またはこれらの建築物の大規模の修繕・大規模の模様替を行う場合は、確認申請の対象です(建築基準法第6条第1項)。
特殊建築物とは、学校、病院、劇場、百貨店、共同住宅、工場、倉庫などで、建築基準法第2条第2号に規定されています。
2. 二以上の階数を有する建築物、または延べ面積200平方メートル超の建築物
上記1に該当しない建築物であっても、次のいずれかを満たす建築物を建築(増築を含む)する場合、またはその大規模の修繕・大規模の模様替を行う場合は対象になります(建築基準法第6条第1項)。
- 二以上の階数を有する建築物
- 延べ面積が200平方メートルを超える建築物
一般的な2階建ての住宅はこの区分に入り得るため、リフォームが「大規模の修繕」または「大規模の模様替」に当たるかどうかが、実務上の分岐点になります。
3. 都市計画区域等内の建築物
上記1および2に該当しない建築物であっても、都市計画区域もしくは準都市計画区域内(都道府県知事が指定する区域を除く)、または景観法第74条第1項の準景観地区内(市町村長が指定する区域を除く)もしくは都道府県知事が指定する区域内における建築物を建築(増築を含む)する場合は、確認申請の対象となります(建築基準法第6条第1項)。
「大規模の修繕」「大規模の模様替」とは何か
リフォーム工事の要否判断で中心になるこの2つの用語は、建築基準法第2条に定義があります。
主要構造部は、壁、柱、床、はり、屋根、階段などで、建築基準法第2条第5号に規定されています。つまり、壁や屋根といった構造上の部分のうち一種以上について、その「過半」に及ぶ工事かどうかが判断の軸になります。内装のみの工事と、構造部分の過半に及ぶ工事では、手続きの扱いが変わるということです。
増築の場合は「増築後の建物全体」で判断する
増築については、確認申請の要否を増築部分だけで見るのではなく、増築後の建築物全体の規模が前述のいずれかの条件に該当するかどうかで判断されます(建築基準法第6条第1項)。小さな増築であっても、増築後の全体規模が基準に達すれば対象になり得る点に注意が必要です。
確認申請が不要となる例外(10平方メートル以内)
建築基準法第6条第2項により、次の条件をすべて満たす場合には、確認申請が不要となります。
- 防火地域および準防火地域外であること
- 増築、改築、または移転であること
- その増築、改築、または移転に係る部分の床面積の合計が10平方メートル以内であること
この例外は小規模な工事に適用されるもので、防火地域や準防火地域内での工事には適用されません。防火地域または準防火地域内にある建築物については、建築基準法第61条に基づく規制があり、原則として規模にかかわらず確認申請が必要です。
また、この例外の対象は「増築、改築、移転」であり、大規模の修繕・大規模の模様替は条文上この枠に含まれていません。リフォームの内容がどちらに当たるのかを整理しておく必要があります。
建築士による設計・工事監理が必要となる範囲
建築基準法第5条の6および建築士法に基づき、一定の建築物の工事については、建築士による設計および工事監理が義務付けられています。
建築士による設計が必要な建築物
次のいずれかに該当する建築物の工事は、それぞれの建築士法に規定する建築士の設計によらなければなりません(建築基準法第5条の6)。
- 建築士法第3条第1項に規定する建築物(例:木造建築物で3階以上または延べ面積500平方メートル超、木造以外の建築物で2階以上または延べ面積300平方メートル超など)
- 建築士法第3条の2第1項に規定する建築物(例:鉄筋コンクリート造、鉄骨造などで高さ13メートル超または軒の高さ9メートル超の建築物など)
- 建築士法第3条の3第1項に規定する建築物(例:特殊建築物で延べ面積100平方メートル超など)
- 建築士法第3条の2第3項の規定に基づく条例に規定する建築物
工事監理者を定めなければ工事はできない
上記に規定する工事を行う場合、建築主は、それぞれの建築士法に規定する建築士である工事監理者を定めなければなりません。工事監理者が定められていない工事は行うことができません(建築基準法第5条の6)。設計者の手配だけでなく、工事監理者の選定も工程に織り込んでおく必要があります。
構造設計一級建築士・設備設計一級建築士が関わる場合
特定の規模や構造の建築物については、構造設計一級建築士または設備設計一級建築士による設計または確認が必要となる場合があります(建築基準法第5条の6)。
- 構造設計一級建築士:建築士法第20条の2第1項に規定する建築物(例:高さ20メートル超の建築物など)の構造設計は、構造設計一級建築士が行うか、または構造設計一級建築士が構造関係規定への適合を確認した構造設計によらなければなりません
- 設備設計一級建築士:建築士法第20条の3第1項に規定する建築物(例:延べ面積1万平方メートル超の建築物など)の設備設計は、設備設計一級建築士が行うか、または設備設計一級建築士が設備関係規定への適合を確認した設備設計によらなければなりません
2025年4月施行の改正で木造建築物の範囲が拡大
2025年4月には改正建築基準法が施行され、建築確認・検査の対象となる建築物の規模等が見直されました。特に木造建築物の確認申請の範囲が拡大される内容で、国土交通省が解説資料とQ&Aを公開しています(建築確認・検査の対象となる建築物の規模等の見直し、改正建築物省エネ法・建築基準法等に関する解説資料とQ&A)。
これにより、これまで確認申請が不要であった小規模な木造建築物の一部も対象となる可能性があります。冒頭のニュースが「4号特例の縮小」として取り上げていたのは、この見直しに関わる論点です。今後の工事計画においては、最新の法令情報を確認し、専門家である建築士に相談することが欠かせません。
条文の原文も、その場で確認できます
確認申請の要否は、建物の規模・構造・地域区分の組み合わせで結論が変わります。「ことのり」なら、条文の原文と出典リンク付きで調査結果が返るので、見積りや工程の根拠として手元に残せます。
リフォームの確認申請をことのりで調べるよくある質問
床面積10平方メートル以内の増築なら、どこでも確認申請は不要ですか。
いいえ。建築基準法第6条第2項の例外は、「防火地域および準防火地域外であること」「増築・改築・移転であること」「当該部分の床面積の合計が10平方メートル以内であること」をすべて満たす場合に限られます。防火地域または準防火地域内にある建築物については、建築基準法第61条に基づく規制があり、原則として規模にかかわらず確認申請が必要です。敷地がどの地域区分に属するかの確認が先になります。
内装のリフォームでも「大規模の修繕」に当たることがありますか。
判断の基準は、工事が建築物の主要構造部(壁、柱、床、はり、屋根、階段など。建築基準法第2条第5号)の一種以上について「過半」に及ぶかどうかです。主要構造部の一種以上の過半の修繕が「大規模の修繕」、同じく過半の模様替が「大規模の模様替」と定義されています(建築基準法第2条)。実際の工事がこれに当たるかは、工事範囲の具体的な内容に即して建築士や所管行政庁に確認してください。
リフォームで建築士に設計を頼まなければならないのはどんな場合ですか。
建築基準法第5条の6に基づき、建築士法第3条第1項・第3条の2第1項・第3条の3第1項に規定する建築物、および建築士法第3条の2第3項の規定に基づく条例に規定する建築物の工事は、建築士の設計によらなければなりません。例として、木造建築物で3階以上または延べ面積500平方メートル超、木造以外で2階以上または延べ面積300平方メートル超などが挙げられます。さらに、これらの工事では建築主が建築士である工事監理者を定める必要があり、工事監理者が定められていない工事は行うことができません。
出典(一次情報)
- 🔗 建築基準法 第6条(建築物の建築等に関する申請及び確認)(e-Gov法令検索)
- 🔗 建築基準法 第5条の6(建築物の設計及び工事監理)(e-Gov法令検索)
- 🔗 建築基準法 第2条(用語の定義)(e-Gov法令検索)
- 🔗 建築基準法 第61条(防火地域及び準防火地域内の建築物)(e-Gov法令検索)
- 🔗 住宅:建築確認・検査の対象となる建築物の規模等の見直し(国土交通省)
- 🔗 住宅:改正建築物省エネ法・建築基準法等に関する解説資料とQ&A(国土交通省)
- 🔗 国土交通省Q&A(国土交通省)
- 🔗 改正建築基準法 解説資料(000112516.pdf)(国土交通省)
- 🔗 改正建築基準法 解説資料(001279403.pdf)(国土交通省)
- 🔗 改正建築基準法 解説資料(001627106.pdf)(国土交通省)
- 🔗 住宅改修で確認申請が必要になるのはどんな時か──改正建築基準法のポイント整理(日経クロステック/Google News経由)
※本記事はAIによる調査支援を活用して作成した参考情報です。制度の詳細や最新の取扱いは、必ず一次情報および専門家にご確認ください。