結論:令和6年度(2024年度) 行政書士試験 第19問(民衆訴訟・機関訴訟(取消訴訟規定の準用))で、ことのりは5記述のうち公式正解と一致したのは4記述で、唯一の正解肢である記述3を取りこぼしました。ことのりは記述3を含む全記述を『誤り』と判定してしまい、「正しいものはどれか」という問いに対し公式正解(3)に到達できませんでした。ことのりが、機関訴訟・民衆訴訟への取消訴訟規定の準用を定める行政事件訴訟法43条を見落とし、38条1項だけで『準用されない』と判断して唯一の正解肢を取りこぼした回です。うまくいった回だけでなく、外した回も隠さず公開します。
検証の方法
第19問は、民衆訴訟・機関訴訟(取消訴訟規定の準用)に関する5つの記述のうち「正しいものはどれか」を選ぶ問題です。方法はシリーズ共通で、各記述を1つずつ、「次の記述は、現行法令に照らして正しいですか、誤っていますか。根拠となる条文を挙げて判定してください」という形で本番稼働中のことのりにそのまま入力し、返ってきた判定を公表の正解と照合しました。プロンプトの工夫・再試行・人間による誘導はありません。
ことのりの判定結果:5記述中4記述が一致(1記述を取りこぼし)
| 記述 | ことのりの判定 | 挙げた主な根拠条文 | 公式正解との照合 |
|---|---|---|---|
| 選択肢1 | 誤り | 行訴法6条・42条 | ○ 一致 |
| 選択肢2 | 誤り | 行訴法5条・42条 | ○ 一致 |
| 選択肢3 | 誤り | 行訴法38条1項(→43条を見落とし) | × 不一致 |
| 選択肢4 | 誤り | 行訴法6条 | ○ 一致 |
| 選択肢5 | 誤り | 行訴法7条 | ○ 一致 |
各記述の解説
選択肢1:ことのりの判定「誤り」(公式と一致)
記述:機関訴訟は、国または公共団体の機関相互間における権限の存否またはその行使に関する紛争についての訴訟であり、そのような紛争の一方の当事者たる機関は、特に個別の法律の定めがなくとも、機関たる資格に基づいて訴えを提起することができる。
根拠条文:行訴法6条・42条
機関訴訟の定義(行訴法6条)は正しいものの、その提起には個別の法律の根拠が必要です。行訴法42条が「民衆訴訟及び機関訴訟は、法律に定める場合において、法律に定める者に限り、提起することができる」と定めており、「定めがなくとも提起できる」とする記述は誤りです。ことのりも42条を挙げて正しく『誤り』と判定しました(公式一致)。
選択肢2:ことのりの判定「誤り」(公式と一致)
記述:民衆訴訟とは、特に法律が定める場合に国または公共団体の機関の法規に適合しない行為の是正を求める訴訟で、自己の法律上の利益にかかわらない資格で何人も提起することができるものをいう。
根拠条文:行訴法5条・42条
民衆訴訟は行訴法5条に定義されますが、「何人も提起できる」わけではなく、行訴法42条により法律に定める者に限り提起できます。記述は誤りで、ことのりも正しく『誤り』と判定しました(公式一致)。
選択肢3:ことのりの判定「誤り」(公式と不一致)
記述:機関訴訟で、処分の取消しを求めるものについては、行訴法所定の規定を除き、取消訴訟に関する規定が準用される。
根拠条文:行訴法43条1項
ことのりは『誤り』と判定しましたが、公式正解はこの記述を『正しい』としています(これが正解3)。機関訴訟・民衆訴訟のうち処分の取消しを求めるものには、行政事件訴訟法43条1項が「民衆訴訟又は機関訴訟で、処分又は裁決の取消しを求めるものについては、第九条及び第十条第一項の規定を除き、取消訴訟に関する規定を準用する」と定めており、取消訴訟の規定が準用されます。記述はこの43条1項に沿った正しい内容です。ことのりは行訴法38条1項(取消訴訟の規定を「取消訴訟以外の抗告訴訟」に準用する)だけを見て、「機関訴訟は抗告訴訟ではないから準用されない」と結論づけ、機関訴訟・民衆訴訟への準用を定める43条を見落としました。38条(抗告訴訟への準用)と43条(民衆訴訟・機関訴訟への準用)は別の条文であり、ここを取り違えた点が誤判定の原因です。
選択肢4:ことのりの判定「誤り」(公式と一致)
記述:公職選挙法が定める地方公共団体の議会の議員の選挙の効力に関する訴訟は、地方公共団体の機関たる議会の構成に関する訴訟であるから、機関訴訟の一例である。
根拠条文:行訴法6条
機関訴訟は機関相互間の権限紛争です(行訴法6条)。公職選挙法の選挙効力訴訟は、選挙管理委員会と選挙人・候補者(私人)との間の紛争であり、機関相互間ではないため機関訴訟には当たりません。記述は誤りで、ことのりも正しく『誤り』と判定しました(公式一致)。
選択肢5:ことのりの判定「誤り」(公式と一致)
記述:行訴法においては、行政事件訴訟に関し、同法に定めがない事項については、「民事訴訟の例による」との規定がなされているが、当該規定には、民衆訴訟および機関訴訟を除くとする限定が付されている。
根拠条文:行訴法7条
行訴法7条は「行政事件訴訟に関し、この法律に定めがない事項については、民事訴訟の例による」と定めるだけで、民衆訴訟・機関訴訟を除くという限定はありません。限定が付されているとする記述は誤りで、ことのりも正しく『誤り』と判定しました(公式一致)。
この結果から言えること
- ことのりが外したのは、唯一の正解肢である記述3でした。機関訴訟・民衆訴訟のうち処分の取消しを求めるものには取消訴訟の規定が準用される、という行政事件訴訟法43条1項を見落とした点が原因です。
- ことのりは38条1項(取消訴訟の規定を「取消訴訟以外の抗告訴訟」に準用)だけを根拠に、「機関訴訟は抗告訴訟ではないから準用されない」と結論づけました。抗告訴訟への準用(38条)と、民衆訴訟・機関訴訟への準用(43条)は別の条文であり、隣接する準用規定を取りこぼすと正反対の結論になる典型例です。
- 皮肉なことに、定義(6条)・客観訴訟の提起制限(42条)・民事訴訟の例(7条)・選挙効力訴訟の性質という他の4記述はすべて正しく『誤り』と判定できていました。準用規定の所在という一点だけを取りこぼした形です。
- 教訓は明確です。AIが「○○の規定は準用されない/適用されない」と言っても鵜呑みにせず、別の条文に準用規定がないかを必ず一次情報で確認してください。本記事は、うまくいった回だけでなく外した回も隠さず公開するシリーズ方針に沿うものです。
シリーズ累計成績(随時更新)
行政書士試験(行政法)の条文知識を問う問題で同じ検証を進めています。うまくいった回だけを選んで載せることはせず、外した問題が出れば隠さず解剖して公開します。
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ことのりを無料で試すよくある質問
AIが「準用されない」と言ったら信じてよいですか?
いいえ。本検証では、機関訴訟への取消訴訟規定の準用を定める行政事件訴訟法43条を見落とし、38条だけで『準用されない』と誤判定しました。準用規定は複数の条文に分かれて置かれることがあるため、必ず一次情報で確認してください。
なぜAIはこの記述を外したのですか?
取消訴訟の規定の準用は、抗告訴訟については38条、民衆訴訟・機関訴訟については43条と、別々の条文に定められています。ことのりは38条だけを見て『機関訴訟は抗告訴訟ではないから準用されない』と判断し、43条を拾えませんでした。だからこそ最終確認は一次情報と専門家で行うのが安全です。