結論:令和6年度(2024年度) 行政書士試験 第15問(行政不服審査法(適用範囲))で、ことのりは5記述のうち公式正解と一致したのは4記述で、記述1(金銭に関する不利益処分は行審法適用外)で「行審法」を「行政手続法」と読み違え、記述4(固有の資格)と併せて『正しい』の候補が2つに割れました。単一の答え「4」に絞り切れず、公式正解には到達しませんでした。ことのりが記述1の「行審法」(行政不服審査法)を「行政手続法」と読み違え、行政手続法13条2項4号(意見陳述手続の適用除外)を根拠に、行政不服審査法には存在しない適用除外を『正しい』と誤判定した回です。うまくいった回だけでなく、外した回も隠さず公開します。
検証の方法
第15問は、行政不服審査法(適用範囲)に関する5つの記述のうち「妥当なものはどれか」を選ぶ問題です。方法はシリーズ共通で、各記述を1つずつ、「次の記述は、現行法令に照らして正しいですか、誤っていますか。根拠となる条文を挙げて判定してください」という形で本番稼働中のことのりにそのまま入力し、返ってきた判定を公表の正解と照合しました。プロンプトの工夫・再試行・人間による誘導はありません。
ことのりの判定結果:5記述中4記述が一致(1記述を取りこぼし)
| 記述 | ことのりの判定 | 挙げた主な根拠条文 | 公式正解との照合 |
|---|---|---|---|
| 選択肢1 | 正しい | (誤:行政手続法13条2項4号と混同) | × 不一致 |
| 選択肢2 | 誤り | 法3条 | ○ 一致 |
| 選択肢3 | 誤り | 法7条 | ○ 一致 |
| 選択肢4 | 正しい | 法7条2項 | ○ 一致 |
| 選択肢5 | 誤り | 法2条・民衆訴訟 | ○ 一致 |
各記述の解説
選択肢1:ことのりの判定「誤り」(公式と不一致)
記述:納付すべき金銭の額を確定し、一定の額の金銭の納付を命じ、または金銭の給付決定の取消しその他の金銭の給付を制限する不利益処分については、行審法の規定は適用されない。
根拠条文:行政不服審査法7条(適用除外規定)
ことのりは『正しい』と判定しましたが、公式正解はこの記述を『誤り』としています。行政不服審査法の適用除外を定める法7条には、金銭の額を確定する不利益処分等を除外する規定は存在しません。記述にあるリスト(納付を命じる・給付決定の取消し等)は、実は行政手続法13条2項4号が定める意見陳述手続の適用除外のリストです。ことのりは条文引用で行政手続法13条2項4号を挙げ、記述の主語である「行審法」を「行政手続法」と読み替えて『正しい』と判定してしまいました。「行審法」(行政不服審査法)と「行政手続法」の取り違えが誤判定の原因です。
選択肢2:ことのりの判定「誤り」(公式と一致)
記述:行審法が審査請求の対象とする「行政庁の不作為」には、法令に違反する事実がある場合において、その是正のためにされるべき処分がされていない場合も含まれる。
根拠条文:行政不服審査法3条
法3条は「不作為」を「法令に基づく申請に対して何らの処分をもしないこと」と定義しており、法令違反事実の是正のためにされるべき処分の不作為は含まれません。ことのりも正しく『誤り』と判定しました(公式一致)。
選択肢3:ことのりの判定「誤り」(公式と一致)
記述:地方公共団体の機関がする処分でその根拠となる規定が条例または規則に置かれているものについては、行審法の規定は適用されない。
根拠条文:行政不服審査法7条
行審法7条の適用除外に「条例・規則を根拠とする処分」は含まれていません(この除外は行政手続法3条3項の話であり、行審法にはありません)。ことのりも正しく『誤り』と判定しました(公式一致)。
選択肢4:ことのりの判定「正しい」(公式と一致)
記述:地方公共団体またはその機関に対する処分で、当該団体または機関がその固有の資格において処分の相手方となるものについては、行審法の規定は適用されない。
根拠条文:行政不服審査法7条2項
法7条2項は「国の機関又は地方公共団体その他の公共団体若しくはその機関に対する処分で、これらの機関又は団体がその固有の資格において当該処分の相手方となるもの…については、この法律の規定は、適用しない」と定めています。ことのりも正しく『正しい』と判定しました(公式一致)。ただし記述1でも『正しい』と判定してしまったため、単一の答えに絞れませんでした。
選択肢5:ことのりの判定「誤り」(公式と一致)
記述:行審法は、国または公共団体の機関の法規に適合しない行為の是正を求める審査請求で、自己の法律上の利益にかかわらない資格でするものについても規定している。
根拠条文:行政不服審査法2条
自己の法律上の利益にかかわらない資格で提起する訴訟は民衆訴訟(行政事件訴訟法5条)の類型であり、行政不服審査法にはそのような仕組みはありません。ことのりも正しく『誤り』と判定しました(公式一致)。
この結果から言えること
- ことのりが外したのは記述1でした。「行審法の規定は適用されない」という記述に対し、行政手続法13条2項4号(意見陳述手続の適用除外)を持ち出し、「行審法」を「行政手続法」と読み替えて『正しい』と判定した点が原因です。
- リストの内容(金銭額の確定・給付決定の取消し等)は本当に行政手続法13条2項4号に存在するので、ことのりが引いた条文自体は実在します。ただし記述の主語は「行審法」であり、行審法にはこの適用除外はありません。条文の引用が正しくても、記述の主語との対応を取り違えれば誤判定になる典型例です。
- 公式正解の記述4(固有の資格=法7条2項)は正しく『正しい』と判定できていましたが、記述1も『正しい』と判定してしまったため、単一の答えに絞ることができませんでした。
- 教訓は明確です。AIが「行審法」「行政手続法」「行訴法」など似た名前の法令を扱うときは、条文引用先の法令番号がどれになっているか(426AC…か、405AC…か、337AC…か)を必ず確認してください。本記事はうまくいった回だけでなく外した回も隠さず公開するシリーズ方針に沿うものです。
シリーズ累計成績(随時更新)
行政書士試験(行政法)の条文知識を問う問題で同じ検証を進めています。うまくいった回だけを選んで載せることはせず、外した問題が出れば隠さず解剖して公開します。
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ことのりを無料で試すよくある質問
AIが挙げた条文が実在すれば信じてよいですか?
いいえ。本検証では、行政手続法13条2項4号は実在する条文でしたが、記述の主語である「行審法」とは対応していませんでした。条文が実在するかどうかだけでなく、記述の主語(どの法律の話か)と引用条文の法令が一致しているかを必ずe-Govで確認してください。
なぜAIはこの記述を外したのですか?
行政手続法13条2項4号が「金銭の額を確定する不利益処分等の意見陳述手続適用除外」を定めており、記述のリストと文言が一致していました。AIはこの条文の存在に引きずられ、記述の主語「行審法」を「行政手続法」と読み替えて『正しい』と判定してしまいました。似た名前の法律を扱うときの取り違えは、AIでも人間でも起きやすい失敗パターンです。