パートタイム労働者・有期雇用労働者の待遇に関するルールが、2026年10月から改正される予定です(Google News掲載記事)。雇用形態を理由とする不合理な待遇差の解消や、説明義務の強化などが論点となっており、中小企業・個人事業主にとっても無関係ではいられないテーマです。
そこで本記事では、改正の土台にもなっている現行の「短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律」(以下、パートタイム・有期雇用労働法)について、AI法令調査ツール「ことのり」で実際に検索した結果をもとに、事業主が押さえておくべき「不合理な待遇差の禁止(第8条)」と「待遇説明義務(第14条)」の中身を整理してお伝えします。
本記事は、AI法令調査ツール「ことのり」で実際に検索した結果(関連条文・出典リンク付き)をもとに編集した参考情報です。労務分野は個別事情によって判断が大きく変わる領域です。自社の制度設計や個別ケースへの当てはめについては、必ず一次情報(e-Govの条文)をご確認のうえ、社会保険労務士など専門家にご相談ください。
そもそもパートタイム・有期雇用労働法とは
正式名称は「短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律」です。短時間労働者および有期雇用労働者の公正な待遇の確保を目的としており、通常の労働者との間の不合理な待遇差を禁止することや、事業主に待遇に関する説明義務を課すことが柱になっています。
不合理な待遇差の禁止(第8条)の中身
パートタイム・有期雇用労働法第8条は、事業主に対し、雇用する短時間・有期雇用労働者の基本給、賞与その他の待遇のそれぞれについて、通常の労働者の待遇との間に不合理と認められる相違を設けてはならないと定めています。
判断要素は3つ
「不合理かどうか」は、次の3つの要素を、当該待遇の性質および目的に照らして適切と認められるものを考慮しながら、個別の待遇ごとに判断されます。
- 業務の内容および当該業務に伴う責任の程度(職務の内容)
- 職務の内容および配置の変更の範囲
- その他の事情
つまり、「基本給は職務の内容と責任の重さ」「通勤手当は通勤実態」のように、待遇ごとに性質・目的が異なるため、ひとくくりに合理性を判断するのではなく、項目ごとに腰を据えて検討することが求められます。
待遇説明義務(第14条)の中身
パートタイム・有期雇用労働法第14条は、事業主に対して2つの場面で説明義務を課しています。
雇い入れたときの説明(第1項)
事業主は、短時間・有期雇用労働者を雇い入れたときは、速やかに、第8条から第13条までの規定により措置を講ずべきとされている事項(労働基準法第15条第1項に規定する厚生労働省令で定める事項および特定事項を除く)について、講ずることとしている措置の内容を当該労働者に説明しなければなりません。
労働者から求めがあったときの説明(第2項)
事業主は、その雇用する短時間・有期雇用労働者から求めがあったときは、次の事項を説明する義務を負います。
- 当該短時間・有期雇用労働者と通常の労働者との間の待遇の相違の内容および理由
- 第6条から第13条までの規定により措置を講ずべきとされている事項に関する決定をするにあたって考慮した事項
説明を求めたことを理由とする不利益取扱いは禁止
第14条第3項は、短時間・有期雇用労働者が待遇に関する説明を求めたことを理由として、事業主が当該労働者に対して不利益な取扱いをすることを禁止しています。労働者が自分の待遇について説明を求める権利を保障するための、重要な歯止めです。
適用上の例外・限界として押さえておきたいこと
「特定事項を除く」の意味
第14条第1項では、説明すべき事項から「労働基準法第15条第1項に規定する厚生労働省令で定める事項および特定事項を除く」とされています。これは、労働条件通知書等ですでに明示が義務付けられている事項などは、改めて本条に基づく説明義務の対象外となることを示しています。
「不合理」の判断は個別性が高い
第8条の「不合理と認められる相違」の判断は、個別の待遇ごとに、職務の内容・配置の変更の範囲・その他の事情を総合的に考慮して行われるため、一律の基準を設けることが難しい場面があります。同一労働同一賃金の原則を掲げるだけでなく、個々の労働者の実態に即した判断が求められる点が、適用上のむずかしさです。
事業主としての実務的な進め方
待遇の点検と理由の言語化
短時間・有期雇用労働者と通常の労働者の間に待遇差がある場合は、基本給・賞与・各種手当・福利厚生など、項目ごとに「なぜその差があるのか」を、職務の内容・責任の程度・配置転換の有無などの観点から言語化しておくことが起点になります。
説明資料の準備
雇い入れ時、そして労働者からの求めがあった時に、待遇の相違の内容と理由、決定にあたって考慮した事項を示せるよう、説明資料を整えておくことが望ましいです。口頭のみでなく、後から確認できる書面の形にしておくと、双方にとって誤解が生じにくくなります。
定期的な見直し
労働者の職務内容・責任の範囲・配置の状況は時間とともに変わります。制度を一度作って終わりにせず、定期的に待遇制度を点検する運用が、第8条・第14条の双方への対応として実務上の鍵になります。
条文の原文も、その場で確認できます
パート有期雇用労働法の条文は、AI法令調査ツール「ことのり」でそのまま検索・確認できます。第8条・第14条の原文と関連条文を、出典リンク付きで一度に把握したいときにご活用ください。
パート有期雇用労働法をことのりで調べるよくある質問
Q1. 「不合理な待遇差」は、どの単位で判断されるのですか?
基本給・賞与・その他の待遇のそれぞれについて、職務の内容、職務の内容および配置の変更の範囲、その他の事情を、当該待遇の性質および目的に照らして適切と認められるものを考慮し、第8条に基づき個別の待遇ごとに判断されます。待遇全体を一括りにして判断するのではなく、項目単位で見ていく考え方です。
Q2. 雇い入れたとき、事業主は何を説明する必要がありますか?
第14条第1項により、第8条から第13条までの規定で措置を講ずべきとされている事項(労働基準法第15条第1項に規定する厚生労働省令で定める事項および特定事項を除く)について、事業主が講ずることとしている措置の内容を、雇い入れ後速やかに説明する必要があります。
Q3. 労働者が待遇について説明を求めたら、事業主はどう対応する必要がありますか?
第14条第2項により、通常の労働者との間の待遇の相違の内容および理由、ならびに第6条から第13条までの規定により措置を講ずべきとされている事項に関する決定をするにあたって考慮した事項について、説明する義務があります。また同条第3項により、説明を求めたことを理由とする不利益取扱いは禁止されています。
出典(一次情報)
※本記事はAIによる調査支援を活用して作成した参考情報です。制度の詳細や最新の取扱いは、必ず一次情報および専門家にご確認ください。