2026年6月、衆院農林水産委員会で種苗法改正案が可決され、育成者権の存続期間を10年延長する内容や、出願中品種の海外流出対策が盛り込まれたと報じられました。育成者権は、農業者・種苗会社・園芸関連事業者にとって、品種の取り扱いや契約実務に直結する知的財産権です。

そこで本記事では、改正動向の前提となる「現行の種苗法における育成者権」の基本を、AI法令調査ツール「ことのり」で実際に検索した結果をもとに整理しました。育成者権の存続期間、品種登録の3要件、自家増殖の制限について、条文と出典付きで確認していきます。

本記事は、AI法令調査ツール「ことのり」で実際に検索した結果(関連条文・出典リンク付き)をもとに編集した参考情報です。 種苗法は知的財産権に関わる分野で、品種ごとの登録状況や許諾条件、改正法の施行時期によって取り扱いが変わります。実際の育成者権の利用・許諾・自家増殖の可否などを判断する際は、必ずe-Govの一次情報および農林水産省の最新情報・弁理士等の専門家にご確認ください。

育成者権の存続期間は原則25年・永年性植物は30年

育成者権は、品種登録によって発生し、一定の期間その品種を独占的に利用できる知的財産権です。種苗法第19条は、その発生と存続期間を次のように定めています。

  • 育成者権は、品種登録により発生する。
  • 存続期間は、品種登録の日から原則25年
  • 第4条第2項に規定する品種(果樹・林木・観賞樹・いも類などの永年性植物)については、30年

登録品種の特性が発現するまでに長期間を要する永年性植物では、開発投資の回収にも時間がかかるため、より長い保護期間が設定されています。

品種登録の3要件(識別性・均一性・安定性)

品種登録を受けるためには、種苗法第3条に定める要件を満たす必要があります。これは国際的な植物新品種保護条約(UPOV条約)のDUS特性に沿った内容です。

1. 識別性(Distinctness)

品種登録出願前に、日本国内または外国で公然知られた他の品種と、特性の全部または一部によって明確に区別できることが必要です。農林水産大臣は、出願品種と既存品種との特性の相違の内容や程度、属する農林水産植物の種類や性質などを総合的に考慮して判断します。

2. 均一性(Uniformity)

同一の繁殖の段階に属する植物体の全てが、特性の全部において十分に類似していることが求められます。品種内の個体差が少なく、均一な特性を持つことを意味します。

3. 安定性(Stability)

繰り返し繁殖させた後においても、特性の全部が変化しないことが必要です。世代を超えて特性が維持されることが、品種としての安定性の要件です。

自家増殖は原則として育成者権の効力が及ぶ

2020年の種苗法改正により、登録品種の自家増殖(農家が収穫物の一部を次期作の種苗として利用する行為)について、育成者権の効力の及ぶ範囲が明確化されました。

種苗法第21条は、育成者権の効力が及ばない範囲として、新品種の育成その他の試験・研究のためにする品種の利用などを定めています。一方で、同条第2項ただし書きでは、育成者権者等によって譲渡された登録品種等の種苗・収穫物・加工品の利用には育成者権の効力が及ばないとする原則の例外として、「当該登録品種等の種苗を生産する行為」については育成者権の効力が及ぶと明記されています。

つまり、農家が登録品種の種苗を購入した後、その種苗から得られた収穫物の一部を、育成者権者の許諾なく次期作の種苗として利用(自家増殖)する行為は、原則として育成者権者の許諾が必要になります。

海外への種苗・収穫物の輸出にも注意

同じく種苗法第21条第2項ただし書きは、登録品種につき品種の育成に関する保護を認めていない国に対し、種苗を輸出する行為や、最終消費以外の目的で収穫物を輸出する行為についても育成者権の効力が及ぶと定めています。国際的な種苗流通では、輸出先の国の保護状況を確認し、適切な対応を取る必要があります。

実務で押さえておきたいポイント

事業者・農業生産者の立場から見ると、現行法ベースで以下の点を整理しておく意味があります。

  • 取り扱う品種が「登録品種」かどうかを確認すること(登録品種は育成者権の対象、一般品種は対象外)。
  • 登録品種を自家増殖する場合は、原則として育成者権者の許諾が必要であることを前提に、許諾契約の有無・条件を整理すること。
  • 種苗・収穫物を海外へ輸出する場合は、輸出先国の品種保護状況と、種苗法第21条の規律を確認すること。
  • 新品種を自ら育成・出願する場合は、種苗法第3条の識別性・均一性・安定性を満たすかを早い段階で見立てておくこと。

条文の原文も、その場で確認できます

育成者権の存続期間、品種登録の要件、自家増殖の制限について、e-Govの条文と一緒に「ことのり」で検索できます。改正動向と合わせて、現行条文の位置づけを確認するのに便利です。

種苗法と育成者権をことのりで調べる

よくある質問

Q1. 育成者権の存続期間は何年ですか?

種苗法第19条第2項により、品種登録の日から原則25年です。果樹・林木・観賞樹・いも類などの永年性植物に該当する品種については30年とされています。

Q2. 品種登録を受けるには、どのような要件が必要ですか?

種苗法第3条に基づき、識別性(公然知られた他の品種と特性により明確に区別できること)、均一性(同一の繁殖段階の植物体が特性において十分に類似していること)、安定性(繰り返し繁殖させても特性が変化しないこと)の3つの要件を満たす必要があります。

Q3. 登録品種を自家増殖する場合、育成者権者の許諾は必要ですか?

原則として必要です。種苗法第21条第2項ただし書きでは、譲渡された登録品種等の利用について、種苗を生産する行為には育成者権の効力が及ぶと明記されています。実際に自家増殖を行う場合は、育成者権者との許諾関係を確認することが前提となります。

出典(一次情報)

※本記事はAIによる調査支援を活用して作成した参考情報です。制度の詳細や最新の取扱いは、必ず一次情報および専門家にご確認ください。

関連する「使い方」ページ

関連する法令コラム