飲食店・小売店・美容室などの店舗で市販の音楽CDやサブスク音源をBGMとして流す場合、原則として著作権者の許諾と使用料の支払いが必要です。これは、店舗BGMが著作権法上の「公衆への演奏」または「公衆送信」にあたり、かつ店舗運営という営利目的での利用とみなされるため、著作権法第38条の「営利を目的としない上演等」の例外規定が適用されないからです。
このたび、改正著作権法が成立し、店舗BGMの使用料が歌手・演奏家にも分配される権利が新たに創設されました。公布から3年以内に施行される予定で、店舗側の負担額は今後協議されることになっています。これを機に、そもそも店舗でBGMを流す際にどんな手続き・使用料が必要なのか、根拠条文に立ち返って整理しました。本記事では、店舗BGMの法的根拠、例外規定の適用範囲、JASRAC等への手続きの考え方を解説します。
本記事は、AI法令調査ツール「ことのり」で実際に検索した結果(関連条文・出典リンク付き)をもとに編集した参考情報です。著作権法の運用は契約形態・店舗の業種・利用するBGMサービスによって取扱いが変わります。実際の使用料区分や契約内容については管理事業者の最新情報を確認し、最終判断は一次情報および弁護士・専門家にご確認ください。
店舗でBGMを流す行為は、著作権法上どう位置づけられるか
著作権法は、音楽などの著作物について、著作権者が「演奏権」や「公衆送信権」などを排他的に有していると定めています。店舗でBGMを流す行為は、不特定多数の顧客に音楽を聴かせる行為であり、著作権法上の「公衆への演奏」または「公衆送信」に該当します。
著作権法第68条第2項では、放送された著作物を「受信装置を用いて公に伝達する」場合について規定されており、この行為を行う者は、原則として著作権者に補償金を支払う義務があることが示されています。店舗でのBGM利用は、著作権者の権利が及ぶ範囲の行為であることを、条文上も読み取ることができます。
「営利を目的としない上演等」の例外は店舗には使えない
著作権法には、特定の条件下で著作権者の許諾なく著作物を利用できる例外規定があります。その代表が著作権法第38条に規定される「営利を目的としない上演等」です。
第38条第1項:演奏そのものの例外
同条第1項では、「公表された著作物は、営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金を受けない場合には、公に上演し、演奏し、上映し、又は口述することができる」と定められています。
第38条第3項:受信装置で伝達する場合の例外
同条第3項では、「放送され、有線放送され、特定入力型自動公衆送信が行われ、又は放送同時配信等(放送又は有線放送が終了した後に開始されるものを除く。)が行われる著作物は、営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金を受けない場合には、受信装置を用いて公に伝達することができる」と規定されています。
飲食店・小売店・美容室は「営利目的」と判断される
飲食店、小売店、美容室などの店舗は、その事業活動自体が営利を目的としています。BGMは直接的に料金を徴収するものではないとしても、店舗の雰囲気作りや集客効果、顧客の滞在時間の延長など、事業活動に貢献する目的で利用されるため、「営利目的」と判断されます。したがって、店舗でのBGM利用は第38条の例外条件を満たさず、原則として著作権者の許諾と使用料の支払いが必要になります。
例外規定が適用される範囲はかなり狭い
著作権法第38条の例外規定が適用されるのは、厳密に「営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金を受けない場合」に限られます。例えば、家庭内での個人的な利用、非営利の学校行事、入場無料の地域イベントなどで、かつ出演者等に報酬が支払われない場合などがこれに該当します。
文化庁のウェブサイトでも、著作権の基本的な考え方や例外ルールについて解説されており、営利目的の利用には原則として許諾が必要であることが示されています。店舗でのBGM利用は、たとえ直接的な収益源でなくとも、店舗の営業活動を補助する目的があるため、営利目的とみなされるのが一般的な解釈です。
実務上の手続き:JASRAC等の管理事業者を通じて契約する
店舗でBGMとして音楽を利用する場合、個々の著作権者から直接許諾を得ることは現実的ではありません。実務上は、著作権等管理事業者を通じて手続きを行うのが一般的です。日本において、音楽の著作権管理を主に行っているのは、一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)や株式会社NexToneなどです。
手続きの基本ステップ
- 管理事業者の選定:利用したい音楽の著作権を管理している事業者を確認します。市販の音楽CDや一般的な楽曲であれば、JASRACが管理しているケースが多いですが、NexToneが管理している楽曲もあります。
- 利用許諾の申請:各管理事業者のウェブサイトから、店舗BGM利用に関する申請書を入手し、必要事項を記入して提出します。店舗の業種、規模(客席面積など)、利用形態(CD、サブスク、有線放送など)によって料金体系が異なります。
- 使用料の支払い:申請内容に基づき算出された使用料を、定期的に支払います。料金は、店舗の規模や利用方法によって変動します。
サブスク音源を店舗で流すときの注意
多くの音楽サブスクリプションサービスは、個人利用を前提とした契約となっており、店舗でのBGM利用(商用利用)は利用規約で禁止されているか、別途許諾が必要となる場合がほとんどです。サブスク音源を店舗でBGMとして利用する際は、必ず当該サービスの利用規約を確認し、商用利用が許可されているか、または別途商用利用プランがあるかを確認する必要があります。商用利用が許可されていない場合、JASRAC等への使用料支払いとは別に、サブスクサービス提供者との契約違反となる可能性があります。
BGMサービス(業務用配信)を使うと手続きが一本化できる
USENやモンスター・チャンネルなどの業務用BGMサービスを利用する場合、サービス提供者が著作権者や著作隣接権者との間で包括的な利用許諾契約を結んでいるため、店舗側が別途JASRAC等に手続きを行う必要はありません。著作権処理の手間を省き、安心してBGMを利用したい場合の現実的な選択肢です。
条文の原文も、その場で確認できます
「自店の利用形態は例外規定の範囲に入るのか」「サブスクとBGMサービスでどう違うのか」など、踏み込んだ確認はAI法令調査ツール「ことのり」が便利です。関連条文と一次情報リンクをまとめて提示します。
店舗BGMの著作権をことのりで調べるよくある質問
自分で買った音楽CDを店内で流すなら、使用料は不要ではないですか?
CDを購入していても、店舗での再生は不特定多数の顧客に対する「公衆への演奏」にあたり、著作権者が有する演奏権の対象になります。店舗運営は営利目的とみなされるため、著作権法第38条の「営利を目的としない上演等」の例外には該当せず、原則として著作権者の許諾と使用料の支払いが必要です。
個人契約しているサブスクの音楽を店内BGMに使ってもよいですか?
多くの音楽サブスクリプションサービスは、個人利用を前提とした規約になっており、店舗での商用利用は禁止または別途許諾が必要とされているケースがほとんどです。利用前に当該サービスの利用規約を必ず確認し、商用利用が許可されているか、または商用プランの有無を確かめてください。許可されていない場合、JASRAC等への手続きとは別に、サブスク提供者との契約違反となる可能性があります。
USENなどのBGMサービスを契約していれば、JASRACへの手続きは別に必要ですか?
USENやモンスター・チャンネルなどの業務用BGMサービスは、サービス提供者があらかじめ著作権者・著作隣接権者と包括契約を結んでいるため、店舗側が別途JASRAC等へ手続きをする必要はないとされています。著作権処理の手間を省きたい場合の選択肢として一般的です。
出典(一次情報)
※本記事はAIによる調査支援を活用して作成した参考情報です。制度の詳細や最新の取扱いは、必ず一次情報および専門家にご確認ください。