マンションの建替えは、老朽化や耐震性の課題を抱える多くの物件で現実的な選択肢として検討されていますが、区分所有者全員の合意形成が難しく、実務では依然としてハードルが高いのが実情です。「区分所有法改正で要件緩和、マンション建替え困難のカギは『敷地売却』と『容積率緩和』」という報道でも、建替え決議の要件緩和にもかかわらず、「敷地売却」が現実的な選択肢として注目されていることが指摘されています。

そこで本記事では、区分所有法(建物の区分所有等に関する法律)に基づき、マンションの建替え決議敷地売却決議の要件・手続きを、条文に沿って整理しました。決議に必要な賛成割合、招集通知・説明会の期間、決議事項として定めるべき項目、そして反対者に対する売渡請求権まで、実務でつまずきやすい論点を押さえます。

本記事は、AI法令調査ツール「ことのり」で実際に検索した結果(関連条文・出典リンク付き)をもとに編集した参考情報です。区分所有法はマンション管理・不動産取引の実務に直結する分野であり、決議要件を1票読み違えるだけで手続きがやり直しになるリスクがあります。また、2025年施行の改正法により決議メニューや要件が拡充される予定があり、時点による違いにも注意が必要です。最終判断は一次情報と、司法書士・行政書士・弁護士等の専門家にご確認ください。

マンションの建替え決議の要件

原則は「区分所有者および議決権の各5分の4以上」

建物の区分所有等に関する法律第62条では、建替え決議は集会において「区分所有者(議決権を有しないものを除く。)及び議決権の各5分の4以上の多数」で行うものとされています。決議の対象は、建物を取り壊し、当該建物の敷地もしくはその一部の土地、または当該建物の敷地の全部もしくは一部を含む土地に新たに建物を建築する旨の決議です。

老朽化基準に該当する場合は「各4分の3以上」に緩和

区分所有法第62条第2項では、建物が次のいずれかの老朽化基準に該当する場合、要件が「区分所有者および議決権の各4分の3以上の多数」に緩和されます。

  • 地震に対する安全性に係る建築基準法等の規定に準ずるものとして法務大臣が定める基準に適合していないとき
  • 火災に対する安全性に係る建築基準法等の規定に準ずるものとして法務大臣が定める基準に適合していないとき
  • 外壁、外装材その他これらに類する建物の部分が剥離し、落下することにより周辺に危害を生ずるおそれがあるものとして法務大臣が定める基準に該当するとき
  • 給水、排水その他の配管設備(改修に関する工事を行うことが著しく困難なものとして法務省令で定めるものに限る)の損傷、腐食その他の劣化により著しく衛生上有害となるおそれがあるものとして法務大臣が定める基準に該当するとき
  • 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律第14条第5項に規定する建築物移動等円滑化基準に準ずるものとして法務大臣が定める基準に適合していないとき

これらの基準は、法務大臣が国土交通大臣と協議して定めます。

建替え決議で定めなければならない事項

区分所有法第62条によれば、建替え決議においては次の事項を定めなければなりません。

  • 新たに建築する建物(再建建物)の設計の概要
  • 建物の取壊しおよび再建建物の建築に要する費用の概算額
  • 上記費用の分担に関する事項
  • 再建建物の区分所有権の帰属に関する事項

費用分担および区分所有権の帰属に関する事項は、各区分所有者の衡平を害しないように定める必要があります。

建替え決議までの手続きフロー

集会招集は「会日の少なくとも2ヶ月前」

区分所有法第62条では、建替え決議を目的とする集会の招集通知は、集会の会日より少なくとも2ヶ月前までに発しなければならないとされています。この期間は規約で伸長することが可能です。

招集通知には、会議の目的たる事項および議案の要領のほか、次の事項を記載します。

  • 建物の建替えを必要とする理由
  • 建替えをしないとした場合の建物の効用維持・回復(通常有すべき効用の確保を含む)に要する費用の額およびその内訳
  • 建物の修繕に関する計画が定められているときは、当該計画の内容
  • 建物につき修繕積立金として積み立てられている金額

会日の1ヶ月前までに説明会を開催

集会招集者は、集会の会日より少なくとも1ヶ月前までに、招集通知に記載すべき事項について区分所有者に対し説明を行うための説明会を開催しなければなりません。合意形成のプロセスとして、通知と説明会がセットで義務付けられている点が特徴です。

決議後は議事録の作成・保管

建替え決議をした集会については、議事録を作成し、保管する必要があります。決議に反対した区分所有者に対しては、決議賛成者が区分所有権および敷地利用権を時価で買い受けることができる売渡請求権が発生します(第63条準用)。

敷地売却決議の要件と手続き

「専有部分のある建物が滅失した場合」に適用

区分所有法第76条に定める敷地売却決議は、専有部分のある建物が滅失した場合において、当該建物に係る敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利であったときに、敷地共有持分等に係る土地(これに関する権利を含む)を売却する旨の決議です。建替え決議とは異なり、あくまで建物が「滅失」したことが前提となる点に注意が必要です。

議決要件は「議決権の5分の4以上」

敷地共有者等集会において、敷地共有者等の議決権の5分の4以上の多数による賛成が必要とされています。決議で定めるべき事項は次のとおりです。

  • 売却の相手方となるべき者の氏名または名称
  • 売却による代金の見込額

手続きは建替え決議の規定を準用

区分所有法第76条により、敷地売却決議の手続きは建替え決議に関する規定(第63条、第64条、第75条第4項から第8項)が準用されます。したがって、次の流れで進みます。

  • 敷地共有者等集会の招集通知は、会日より少なくとも2ヶ月前までに発する(第62条第6項準用)
  • 集会の会日より少なくとも1ヶ月前までに説明会を開催する(第62条第8項準用)
  • 集会において要件を満たす多数決で決議を行う
  • 議事録を作成し、保管する(第62条第10項準用)

反対した敷地共有者等に対しては、決議賛成者が敷地共有持分等を時価で買い受けることができる売渡請求権が発生します(第63条準用)。

2025年施行の改正法にも留意

法務省の解説によれば、2025年施行の区分所有法改正では、決議要件の緩和や新たな決議メニュー(建物敷地売却、建物取壊し敷地売却、建物取壊し、建物更新)の追加が予定されています。特に「建物取壊し敷地売却決議」は、建物が滅失していなくても敷地売却を可能とする制度として、老朽化マンション再生の選択肢を広げるものと位置付けられています。改正法の適用時期や具体的な要件は、施行時点の最新条文と法務省の解説で確認してください。

また、建替え決議の運用については、国土交通省の関連マニュアル等が参考情報を提供しています。合意形成の段階的な進め方や関連法制度・支援制度の整理に活用できます。

条文の原文も、その場で確認できます

本記事の内容は「ことのり」の実検索結果に基づく参考情報です。条文の全文や、決議要件の細部・準用関係は、e-Govの一次情報を必ずご確認ください。ことのりなら、関連条文と出典リンクをまとめて確認できます。

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よくある質問

建替え決議の賛成要件が「4分の3」に緩和されるのはどんな場合ですか?

区分所有法第62条第2項に定める老朽化基準のいずれかに該当する場合です。具体的には、耐震性、耐火性、外壁等の剥落リスク、配管設備の著しい劣化、バリアフリー基準への不適合など、いずれも法務大臣が国土交通大臣と協議して定める基準に該当するときに、「区分所有者および議決権の各4分の3以上」で決議が可能となります。

建替え決議に反対した区分所有者はどうなりますか?

建替え決議が成立した場合、決議賛成者は、反対した区分所有者に対して、区分所有権および敷地利用権を時価で買い受けることができる売渡請求権を持ちます(第63条準用)。敷地売却決議の場合も同様に、反対した敷地共有者等に対して敷地共有持分等の売渡請求権が発生します。

敷地売却決議は建物が残っていても使えますか?

区分所有法第76条の敷地売却決議は、「専有部分のある建物が滅失した場合」に適用される制度です。したがって、建物が残っている段階では原則として本条は使えません。ただし、法務省の解説によれば、2025年施行の改正法で「建物取壊し敷地売却決議」が新設される予定であり、建物が滅失していない場合でも敷地売却を可能とする制度が拡充されることになります。具体的な適用要件は施行時点の条文でご確認ください。

出典(一次情報)

※本記事はAIによる調査支援を活用して作成した参考情報です。制度の詳細や最新の取扱いは、必ず一次情報および専門家にご確認ください。

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