改正物流効率化法(正式名称「物資の流通の効率化に関する法律」)の施行を受け、物流業界の契約担当者の8割超が「事務作業量が増えた」、4人に1人は「倍増した」と回答する調査結果が報じられました(関連ニュースはこちら)。荷主企業と物流事業者の双方に新たな義務が課されているため、まずは法令上どのような責務が定められているのかを整理する必要があります。
そこで本記事では、AI法令調査ツール「ことのり」で実際に検索した結果をもとに、改正物流効率化法において荷主企業・物流事業者に課される努力義務、判断基準、中長期計画の作成・報告義務の全体像を、条文に紐づけて整理します。
本記事は、AI法令調査ツール「ことのり」で実際に検索した結果(関連条文・出典リンク付き)をもとに編集した参考情報です。物流関連法令は省令・通達により運用基準が随時更新されるため、自社の具体的な義務範囲や指定区分の該当性については、必ず一次情報(e-Gov法令検索・国土交通省の通知等)および物流分野に精通した専門家にご確認ください。
改正物流効率化法(物資の流通の効率化に関する法律)の全体像
本法は、物流の効率化を通じて国民生活および国民経済の安定と発展に寄与することを目的とし、荷主企業と物流事業者の双方に物流効率化に資する措置を求めています。主要な論点は、(1) 荷主による荷待ち時間等の短縮や積載効率向上への協力、(2) 物流事業者による輸送効率の改善、(3) 特定規模以上の事業者に対する中長期計画の作成・提出および定期報告の義務付け、の3点に整理できます。
また、同法第32条では、物資の流通に関する事業者および施設管理者に対し、運転者への負荷の低減その他の貨物自動車運送役務の持続可能な提供の確保に資する措置を講ずるよう努めるべき「事業者等の責務」が定められています。これは物流に関わるすべての事業者に共通する基本的な責務です。
荷主企業に課される義務
1. 第一種荷主の努力義務
同法第42条では、第一種荷主は、貨物自動車運送事業者または貨物利用運送事業者に貨物の運送を委託する場合、運転者の荷待ち時間等の短縮および運転者一人当たりの一回の運送ごとの貨物重量の増加を図るため、以下の措置を講じるよう努めることとされています。
- 貨物の受渡し日時の決定に際し、他の貨物との積合せ等により運転者一人当たりの貨物重量を増加させられるよう配慮すること
- 荷役可能な車両台数を上回る貨物自動車が集中しないようにすること
- 運転者に荷役等を行わせる場合、パレット等の輸送用器具の利用促進その他の荷役省力化措置を講じること
短縮すべき荷待ち時間等は、荷主が管理する施設またはその周辺、もしくは荷主との寄託契約者が管理する施設におけるものに限られます。
2. 第二種荷主の努力義務
同じく第42条で、貨物を運転者から受け取る側または引き渡す側にあたる第二種荷主は、次のような措置を講じるよう努めることとされています。
- 受渡し日時を運転者に指示する際、荷役可能な車両台数を上回る貨物自動車が集中しないようにすること
- 第一種荷主から受渡し日時に関する協議申し出があった場合、これに応じて必要な協力を行うこと
- 荷役方法を指示できる場合、検査の効率化等の荷役省力化措置を講じること
3. 判断基準の策定
同法第43条では、荷主の行う事業を所管する大臣(荷主事業所管大臣)が、基本方針に基づき、荷主の努力義務に関する「判断の基準となるべき事項」を主務省令で定めるものとされています。この判断基準は、運転者の荷待ち時間等および運転者一人当たりの一回の運送ごとの貨物重量の状況その他の事情を勘案して定められ、状況に応じて改定されます。
4. 特定荷主の中長期計画の作成・報告義務
特定第一種荷主および特定第二種荷主(以下「特定荷主」)には、より重い義務が課されています。同法第46条に基づき、特定荷主は、主務省令で定めるところにより、定期に、判断基準を踏まえ、努力義務に関する措置の実施に関する中長期的な計画を作成し、荷主事業所管大臣に提出しなければなりません。
さらに同法第48条により、特定荷主は、指定を受けた日の属する年度の翌年度以降、毎年度、主務省令で定めるところにより、努力義務に係る措置の実施の状況に関する事項を荷主事業所管大臣に報告する義務があります。
物流事業者に課される義務
1. 貨物自動車運送事業者等の努力義務
同法第34条では、貨物自動車運送事業者等は、自らの事業に伴うその雇用する運転者への負荷の低減に資するよう、運転者一人当たりの一回の運送ごとの貨物重量の増加を図るため、輸送網の集約、配送の共同化その他の措置を講ずるよう努めなければならないとされています。
2. 倉庫業者・その他貨物自動車関連事業者の努力義務
同法第52条では、倉庫業者は、自ら管理する施設またはその周辺における運転者の荷待ち時間および施設における荷役等時間の短縮を図るため、次のような措置を講じるよう努めることとされています。
- 第一種荷主・第二種荷主から寄託を受けた貨物の受渡し日時を運転者に伝達する際、荷役可能な車両台数を上回る貨物自動車が集中しないよう配慮すること
- 運転者に荷役等を行わせる場合、荷役場所の拡張、貨物の搬出入の迅速化など、荷役の円滑化を図る措置を講じること
倉庫業者以外の貨物自動車関連事業者についても、自ら管理する施設における運転者の荷役等時間の短縮を図るため、同様の措置を講じるよう努めることが求められています。
3. 中長期計画の作成・提出義務
物流事業者のうち、特定貨物自動車運送事業者等は、同法第38条に基づき、国土交通省令で定めるところにより、定期に、判断基準を踏まえた中長期的な計画を作成し、国土交通大臣に提出しなければなりません。
また特定倉庫業者についても、同法第56条により、判断基準を踏まえ、努力義務に関する措置の実施に関する中長期的な計画を作成し、国土交通大臣に提出する義務が定められています。
実務上の論点整理
条文を踏まえると、実務上、次のような論点が整理できます。
- 努力義務の実効性確保:法的強制力は限定的ですが、判断基準と中長期計画・定期報告の枠組みを通じて、荷主と物流事業者の協力関係構築が事実上求められる構造になっています。
- 荷待ち時間・荷役等時間の計測:第42条・第52条に基づく短縮措置の前提として、施設ごとの実態把握とデータ共有の仕組みが必要になります。
- 積載効率向上のための連携:第34条に列挙される輸送網の集約・配送の共同化など、荷主・物流事業者間の連携が中心的な手段となります。
- 中長期計画と定期報告の社内体制:特定荷主・特定貨物自動車運送事業者等・特定倉庫業者に該当する場合は、計画策定・報告のための継続的な業務フロー整備が必要です。
条文の原文も、その場で確認できます
「自社が特定荷主に該当するのか」「どの条文が自社の業務に効いてくるのか」をその場で確認したいときは、AI法令調査ツール「ことのり」で実際に検索してみてください。関連条文と出典リンクが一度に出てきます。
改正物流効率化法の義務をことのりで調べるよくある質問
Q1. 改正物流効率化法の正式名称は何ですか?
「改正物流効率化法」は通称で、正式名称は「物資の流通の効率化に関する法律」です。本法は、物流の効率化を促進し、持続可能な物流システムの構築を目的として、荷主企業と物流事業者に対し努力義務や中長期計画の作成・報告義務を課しています。
Q2. 第一種荷主と第二種荷主の違いは何ですか?
同法第42条によれば、第一種荷主は貨物自動車運送事業者等に貨物の運送を委託する側を、第二種荷主は貨物を運転者から受け取りまたは運転者に引き渡す側を指します。両者ともに、貨物の受渡し日時の決定や指示に際して車両集中を避けるなどの努力義務が課されていますが、その具体的内容は条文上それぞれ別個に定められています。
Q3. 中長期計画の作成・報告義務はすべての荷主・物流事業者に課されますか?
すべての事業者ではなく、特定荷主(特定第一種荷主・特定第二種荷主)、特定貨物自動車運送事業者等、特定倉庫業者に課されています。具体的には、第46条(特定荷主の中長期計画)、第48条(特定荷主の定期報告)、第38条(特定貨物自動車運送事業者等の中長期計画)、第56条(特定倉庫業者の中長期計画)に規定があります。自社が該当するかどうかは、主務省令の指定基準を踏まえて個別に確認する必要があります。
出典(一次情報)
- 🔗 物資の流通の効率化に関する法律 第32条(事業者等の責務)
- 🔗 物資の流通の効率化に関する法律 第34条(貨物自動車運送事業者等の努力義務)
- 🔗 物資の流通の効率化に関する法律 第38条(特定貨物自動車運送事業者等の中長期的な計画の作成)
- 🔗 物資の流通の効率化に関する法律 第42条(荷主の努力義務)
- 🔗 物資の流通の効率化に関する法律 第43条(荷主の判断の基準となるべき事項)
- 🔗 物資の流通の効率化に関する法律 第46条(特定荷主の中長期的な計画の作成)
- 🔗 物資の流通の効率化に関する法律 第48条(特定荷主の定期の報告)
- 🔗 物資の流通の効率化に関する法律 第52条(貨物自動車関連事業者の努力義務)
- 🔗 物資の流通の効率化に関する法律 第56条(特定倉庫業者の中長期的な計画の作成)
- 🔗 物効法など改正で物流業界契約担当者の8割超が事務作業量増加と回答、4人に1人は倍増(関連ニュース)
※本記事はAIによる調査支援を活用して作成した参考情報です。制度の詳細や最新の取扱いは、必ず一次情報および専門家にご確認ください。