お店で作った弁当や惣菜を持ち帰りで売りはじめると、容器に何を書けばいいのかという話が出てきます。店内で出すときには貼っていなかったラベルを、持ち帰りでは貼らなければならないのか。特にアレルギーの表示は、書き漏らしたときの影響が大きいだけに気になるところです。今回は食品表示法と食品表示基準を条文本体に当たって確かめました。

先に結論です。判断は「どこで食べるか」と「容器包装に入れるか」の2つの入口で決まります。そして特例の条文を開くと、構造がはっきり見えました。食品表示基準第5条は「食品を製造し、又は加工した場所で販売する場合」に表示を要しない事項を列挙していますが、そこには原材料名も、内容量も、栄養成分も、事業者の氏名と住所も並んでいます。その長い列挙の中に、アレルゲンだけが入っていません。省けるものをこれだけ並べたうえで残されている、という形です。

本記事は、AI法令調査ツール「ことのり」で実際に検索した結果(関連条文・出典リンク付き)をもとに編集した参考情報です。 今回は生検索を6回に分けて実行し、食品表示法第4条・第17条・第18条・第20条・第22条、食品表示基準第1条・第3条・第5条・第11条・第15条を取得しています。このうち条文本体を引用できているのは、食品表示基準第1条(適用範囲)、第3条第1項の柱書と第2項のアレルゲンの項、第5条の表の全体、食品表示法第17条・第18条・第20条・第22条です。いっぽう特定原材料の品目を定めた食品表示基準別表第十四の条文本体は取得できていません。検索結果の解説部分では品目数が28品目・9品目・7品目と食い違っており、本記事では品目の数と内訳を書いていません。表示すべき品目は、e-Gov法令検索の食品表示基準本体と消費者庁の資料でご確認ください。また、どこからが「容器包装に入れられた」に当たるかの線引きも条文本体からは確認できていません。個別の包装形態については所管の保健所にご確認ください。

入口その1 ― 店内で食べてもらう分は、基準そのものの外に置かれている

最初に確かめるべきは食品表示基準第1条です。適用範囲を定めた条文で、ただし書きが効いています。

(適用範囲)
第一条 この府令は、食品関連事業者等が、加工食品、生鮮食品又は添加物を販売する場合について適用する。ただし、加工食品又は生鮮食品を設備を設けて飲食させる場合には、第四十条の規定を除き、適用しない。

「設備を設けて飲食させる場合」が、いわゆる店内飲食です。この場合は第40条を除いて食品表示基準そのものが適用されません。個別の表示事項を1つずつ免除しているのではなく、入口の段階で外に置かれている書き方です。

同じ考え方は、義務表示を定めた第3条第1項の柱書にも括弧書きとして繰り返されています。

(横断的義務表示)
第三条 食品関連事業者が容器包装に入れられた加工食品(業務用加工食品を除く。以下この節において「一般用加工食品」という。)を販売する際(設備を設けて飲食させる場合を除く。第六条及び第七条において同じ。)には、次の表の上欄に掲げる表示事項が同表の下欄に定める表示の方法に従い表示されなければならない。(以下略)

ここで押さえておきたいのは、表示の義務がないことと、聞かれても答えなくてよいことは別だという点です。条文が免除しているのは容器に書く義務であって、お客さまから「これに卵は入っていますか」と尋ねられる場面はなくなりません。厨房の側で把握できている状態は、義務の有無と関係なく必要になります。

入口その2 ― 容器包装に入れるかどうか

第3条第1項が義務を課している相手は、「容器包装に入れられた加工食品」を販売する場合です。裏を返すと、容器包装に入れずに売る場合は、この条文の入口に入りません。量り売りや、その場でお客さまの持参した容器に移すような売り方は、特例で免除されているというより、義務の対象の定め方の側で外れているという読み方になります。

そして、アレルゲンの表示義務そのものは第3条の第2項に置かれています。

2 前項に定めるもののほか、食品関連事業者が一般用加工食品のうち次の表の上欄に掲げるものを販売する際(設備を設けて飲食させる場合を除く。)には、同表の中欄に掲げる表示事項が同表の下欄に定める表示の方法に従い表示されなければならない。
 別表第十四に掲げる食品(以下「特定原材料」という。)を原材料とする加工食品(当該加工食品を原材料とするものを含み、抗原性が認められないものを除く。)及び特定原材料に由来する添加物(抗原性が認められないもの及び香料を除く。以下同じ。)を含む食品 / アレルゲン
 1 特定原材料を原材料として含む旨を、原則、原材料名の直後に括弧を付して表示する。
 2 特定原材料に由来する添加物を含む食品にあっては、当該添加物を含む旨及び当該食品に含まれる添加物が当該特定原材料に由来する旨を、原則、添加物の物質名の直後に括弧を付して表示する。
 3 1及び2の規定にかかわらず、当該食品に対し二種類以上の原材料又は添加物を使用しているものであって、当該原材料又は添加物に同一の特定原材料が含まれているものにあっては、そのうちのいずれかに特定原材料を含む旨又は由来する旨を表示すれば、それ以外の原材料又は添加物について、特定原材料を含む旨又は由来する旨の表示を省略することができる。ただし、当該原材料又は添加物に含まれる特定原材料が、科学的知見に基づき抗原性が低いと認められる場合は、この限りでない。

書き方のルールまで条文に入っているのが特徴です。原材料名の直後に括弧で書くのが原則で、同じ特定原材料が複数の原材料に含まれているときは1か所書けば残りは省ける(第3号)という実務的な決まりまで置かれています。ラベルが「小麦粉(小麦を含む)、しょうゆ(小麦・大豆を含む)」のように毎回すべてに括弧が付いていなくても、この第3号の形になっているだけ、という場合があります。

なお、品目そのものは条文ではなく別表第十四に置かれています。今回の検索では、この別表の条文本体を取得できませんでした。検索結果の解説部分では品目数の記述が28品目・9品目・7品目と食い違っており、記事の中で確定させられる状態ではありません。品目の確認は、e-Gov法令検索の食品表示基準本体(別表第十四)と消費者庁の資料で行ってください。ここは数字だけが独り歩きしやすいところです。

ここまでの内容の根拠条文と出典リンクは、AI法令調査ツール「ことのり」でご自身でも確かめられます。調べたいことを日常の言葉で入力するだけです。

テイクアウトのアレルギー表示をことのりで調べる

特例の表 ― 省ける事項をこれだけ並べて、アレルゲンだけが入っていない

ここからが今回の柱です。持ち帰りの弁当や惣菜は、多くの場合自分の店で作ったものを、その店で売る形になります。これが食品表示基準第5条の「食品を製造し、又は加工した場所で販売する場合」に当たります。第5条は義務表示の特例で、表示を要しない事項を表の下欄に列挙しています。

(義務表示の特例)
第五条 前二条の規定にかかわらず、次の表の上欄に掲げる場合にあっては、同表の下欄に掲げる表示事項の表示は要しない。

酒類を販売する場合 … 原材料名 アレルゲン 原産国名

食品を製造し、又は加工した場所で販売する場合 … 原材料名(特定保健用食品及び機能性表示食品の場合を除く。) 内容量又は固形量及び内容総量(同) 栄養成分の量及び熱量(栄養表示をしようとする場合並びに特定保健用食品及び機能性表示食品の場合を除く。) 食品関連事業者の氏名又は名称及び住所(指定成分等含有食品、特定保健用食品及び機能性表示食品の場合を除く。) 原産国名 原料原産地名 別表第十九の中欄に掲げる表示事項(以下略)

不特定又は多数の者に対して譲渡(販売を除く。)する場合 … 名称(略) 原産地

2行目を、省ける項目の一覧として読んでみてください。原材料名・内容量・栄養成分・事業者の氏名及び住所・原産国名・原料原産地名——義務表示の主要な項目が、ほとんど並んでいます。それでも、この列挙にアレルゲンはありません

条文は「アレルゲンは省略できない」とは書いていません。省略できる事項を数え上げて、そこに入れなかったという書き方です。義務を確認するのに、義務の条文ではなく免除の列挙を見ることになる——ここが読み方のポイントです。

さらに、同じ表の1行目を見ると、酒類を販売する場合にはアレルゲンが省略できる事項として挙がっています。同じ第5条の表の中で、場面によってアレルゲンの扱いが分かれているわけです。「アレルゲンは常に省略できない」と覚えると、この行を読み落とします。上欄で自分の場面を探し、下欄に何が並んでいるかを確かめるのが、この条文の正しい使い方です。

罰則 ― 命令を待たずに罰則へ届く側にいる

では、表示が漏れていた場合はどうなるのか。食品表示法第18条の条文本体はこうなっていました。

第十八条 第六条第八項の内閣府令で定める事項について、食品表示基準に従つた表示がされていない食品の販売をした者は、二年以下の拘禁刑若しくは二百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

注目したいのは、この条文が命令を挟んでいないことです。行政から是正の命令が出て、それに従わなかったときに罰則、という順序ではなく、販売という行為そのものに結びついています。ただし対象は全部の表示事項ではなく、「第六条第八項の内閣府令で定める事項」に限られています。食品表示法第4条第1項第1号は、基準で定める事項として「名称、アレルゲン(食物アレルギーの原因となる物質をいう。第六条第八項及び第十一条において同じ。)、保存の……」と書き出しており、アレルゲンが第6条第8項と結びつけられた用語として定義されています。

命令を経由する条文も、もちろんあります。

第十七条 第六条第八項の規定による命令に違反した者は、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

第二十条 第六条第五項の規定による命令に違反した者は、一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。

命令に従わなかった第17条(三年以下・三百万円以下)のほうが、表示なしの販売そのものである第18条(二年以下・二百万円以下)より重い。行政の指示を受けたあとに動かないことを、より重く見る建て方です。

個人は二百万円、法人は一億円 ― 両罰規定で桁が変わる

最後に食品表示法第22条の両罰規定です。ここが今回いちばん目を引いた条文でした。

第二十二条 法人(人格のない社団又は財団で代表者又は管理人の定めのあるものを含む。以下この項において同じ。)の代表者若しくは管理人又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。
一 第十七条 三億円以下の罰金刑
二 第十八条から第二十条まで 一億円以下の罰金刑
三 前条 同条の罰金刑

行為者本人は第18条で二百万円以下。同じ違反について、法人は一億円以下です。50倍の開きがあります。命令違反(第17条)なら法人は三億円以下。両罰規定には、法人にも各本条と同じ罰金を科す形のものが多くありますが、食品表示法は法人の側だけ別の金額を書き下ろしている建て方になっています。

この差が意味しているのは、表示の誤りが個人のうっかりではなく、組織の管理の問題として扱われているということです。誰が書いたかではなく、確認する仕組みがあったかどうかが問われる形になっています。表示のチェックを1人の担当者の記憶に預けている状態は、条文の建て方と噛み合っていません。

条文からいえること

  • 店内で食べてもらう分は、第1条ただし書きにより第40条を除いて食品表示基準の適用を受けません。
  • 持ち帰りで容器包装に入れて売る分は、第3条第1項の対象に入ります。アレルゲンの表示義務は同条第2項です。
  • 自分の店で作って自分の店で売る場合は第5条の特例に入りますが、省ける事項の列挙にアレルゲンはありません。原材料名も内容量も事業者名も省ける中で、これだけが残ります。
  • 同じ第5条の表でも、酒類を販売する場合はアレルゲンが省略できる側に挙がっています。場面ごとに下欄を読んでください。
  • 罰則は、命令を挟まない第18条(二年以下・二百万円以下)と、命令違反の第17条(三年以下・三百万円以下)の二本立てです。
  • 両罰規定の第22条で、法人は第18条について一億円以下、第17条について三億円以下と定められています。

持ち帰りを始めるときにまずやることは、ラベルの様式を探すことよりも、自分の店の売り方が第3条の入口に入るのかどうかを決めることです。そこが決まれば、第5条の表の上欄で自分の場面を探し、下欄に何が並んでいるかを読むだけになります。

よくある質問

店内で食べてもらう分にも、アレルギー表示は必要ですか?

食品表示基準第1条のただし書きが「加工食品又は生鮮食品を設備を設けて飲食させる場合には、第四十条の規定を除き、適用しない」と定めています。つまり店内飲食の提供は、第40条を除いて食品表示基準そのものの適用を受けません。第3条第1項の柱書にも「設備を設けて飲食させる場合を除く」という括弧書きが置かれています。ただしこれは表示義務の話であって、お客さまから聞かれたときに答えられるようにしておく必要がなくなるわけではありません。

お店で作ってその場で売る弁当は、製造者の名前や住所を書かなくてよいと聞きました。アレルギーも同じですか?

同じではありません。食品表示基準第5条の表の「食品を製造し、又は加工した場所で販売する場合」の欄には、原材料名、内容量又は固形量及び内容総量、栄養成分の量及び熱量、食品関連事業者の氏名又は名称及び住所、原産国名、原料原産地名などが並んでおり、これらは表示を要しないとされています。しかし、この列挙の中にアレルゲンは入っていません。省ける項目がこれだけ並んでいる中で、アレルゲンだけが残る形になっています。

量り売りや対面販売はどうなりますか?

第3条第1項が義務を課している相手は「容器包装に入れられた加工食品」を販売する場合です。容器包装に入れずに売る場合は、そもそもこの入口に入りません。特例で免除されているというより、義務の対象の定め方の側で外れている、という読み方になります。なお、どこからが「容器包装に入れられた」に当たるかの線引きは条文本体からは読み取れませんでしたので、個別の包装形態については所管の保健所にご確認ください。

表示しなければならないアレルギーの品目は何品目ですか?

食品表示基準第3条第2項は「別表第十四に掲げる食品(以下「特定原材料」という。)」と書いており、品目そのものは別表第十四に置かれています。今回の検索では、この別表第十四の条文本体を取得できませんでした。検索結果に出てきた解説資料の間でも品目数の記述が28品目・9品目・7品目と食い違っており、記事の中で品目を確定させることができません。正確な品目は、e-Gov法令検索の食品表示基準本体(別表第十四)と消費者庁の資料でご確認ください。

お酒を売るときもアレルゲンの表示が要りますか?

第5条の表の1行目が「酒類を販売する場合」で、表示を要しない事項として原材料名、アレルゲン、原産国名が挙げられています。つまり同じ第5条の表の中で、酒類の場面ではアレルゲンが省略の対象に入り、製造・加工した場所での販売の場面では入っていません。アレルゲンが常に省略できないわけではなく、場面ごとに表の下欄を読む必要がある、ということです。

表示を間違えたら、いきなり罰則の対象になりますか?

食品表示法第18条は「第六条第八項の内閣府令で定める事項について、食品表示基準に従つた表示がされていない食品の販売をした者は、二年以下の拘禁刑若しくは二百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」と定めています。是正の命令を挟まずに、販売という行為そのものに罰則が結びつく形です。一方、同法第17条は第6条第8項の命令に違反した場合の罰則で、三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金となっています。命令が出たあとに従わないほうが重い、という順序です。

会社にも罰金が科されますか?

食品表示法第22条が両罰規定を置いています。今回取得した条文本体では、第1号が第17条について三億円以下の罰金刑、第2号が第18条から第20条までについて一億円以下の罰金刑、第3号が前条について同条の罰金刑と定められていました。行為者本人が第18条で二百万円以下であるのに対し、法人は一億円以下です。個人と法人で桁がまったく違う建て方になっています。適用の可否は個別の判断になりますので、具体的な事案は専門家にご確認ください。

出典

※本記事はAIによる調査支援を活用して作成した参考情報です。制度の詳細や最新の取扱いは、必ず一次情報および専門家にご確認ください。

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