店舗を借りて内装を進めていると、消防署から「防火管理者は決まっていますか」と聞かれることがあります。講習を受けに行くほどの話なのか、うちのような小さな店にも要るのか——迷いやすいところです。今回は防火管理者の選任・届出義務を、条文本体に当たって確かめました。
先に結論です。義務があるかどうかは「収容人員」という人数で決まり、どの資格が要るかは「延べ面積」で決まります。この2つは別々の条文に置かれていて、判断の材料も違います。そして罰則を見にいくと、もう一段おもしろい構造が出てきました。「防火管理者を置かなければならない」と定めた消防法第8条第1項は、罰則条文のどの号にも挙がっていません。一方で、選任したことを届け出る義務(同条第2項)は、命令を1段も挟まずに消防法第44条の列挙に入っています。条文の順番としては、置いていないことよりも、置いたのに届け出ていないことのほうが、罰則までの距離が近いのです。
義務の入口は「収容人員」。10人・30人・50人の3段になっている
出発点は消防法第8条です。条文はこう始まります。
第八条 学校、病院、工場、事業場、興行場、百貨店(これに準ずるものとして政令で定める大規模な小売店舗を含む。以下同じ。)、複合用途防火対象物(略)その他多数の者が出入し、勤務し、又は居住する防火対象物で政令で定めるものの管理について権原を有する者は、政令で定める資格を有する者のうちから防火管理者を定め、政令で定めるところにより、当該防火対象物について消防計画の作成、当該消防計画に基づく消火、通報及び避難の訓練の実施、消防の用に供する設備、消防用水又は消火活動上必要な施設の点検及び整備、火気の使用又は取扱いに関する監督、避難又は防火上必要な構造及び設備の維持管理並びに収容人員の管理その他防火管理上必要な業務を行わせなければならない。
肝心の「どの建物が対象か」は政令に委ねられています。その政令が消防法施行令第1条の2第3項です。今回はここの条文本体を取得できました。
3 法第八条第一項の政令で定める防火対象物は、次に掲げる防火対象物とする。
一 別表第一に掲げる防火対象物(略)のうち、次に掲げるもの
イ 別表第一(六)項ロ、(十六)項イ及び(十六の二)項に掲げる防火対象物((十六)項イ及び(十六の二)項に掲げる防火対象物にあつては、(六)項ロに掲げる防火対象物の用途に供される部分が存するものに限る。)で、当該防火対象物に出入し、勤務し、又は居住する者の数(以下「収容人員」という。)が十人以上のもの
ロ 別表第一(一)項から(四)項まで、(五)項イ、(六)項イ、ハ及びニ、(九)項イ、(十六)項イ並びに(十六の二)項に掲げる防火対象物(略)で、収容人員が三十人以上のもの
ハ 別表第一(五)項ロ、(七)項、(八)項、(九)項ロ、(十)項から(十五)項まで、(十六)項ロ及び(十七)項に掲げる防火対象物で、収容人員が五十人以上のもの
読み方の要点は、3つの人数が、それぞれ別の用途に割り当てられていることです。
- 十人以上(イ) … 別表第一(六)項ロ。自力で避難することが難しい方が入所・利用する施設が置かれている区分です。もっとも早く義務がかかります。
- 三十人以上(ロ) … 別表第一(一)項から(四)項まで、(五)項イ、(六)項イ・ハ・ニ、(九)項イなど。不特定多数の人が出入りする用途です。飲食店は(三)項、物品販売店舗は(四)項に当たると整理されていますので、一般の店舗はここに入ります。
- 五十人以上(ハ) … (五)項ロ、(七)項、(八)項、(十)項から(十五)項までなど。共同住宅・学校・事務所・倉庫といった、特定の人が主に出入りする用途です。
インターネット上の説明では「10人以上で防火管理者が必要」という書き方をよく見かけます。今回の1回目の検索でも、地の文では(六)項ロの例として飲食店や物品販売店舗が挙がっていました。しかし条文本体を取りにいくと、十人以上が割り当てられているのは(六)項ロなどに限られており、飲食店や物販店舗が入る(一)項から(四)項までは三十人以上のロの側でした。数字だけを覚えると、自店の線を10人と勘違いします。どの号に当たるかを先に確かめるのが安全です。
なお、消防法施行令第1条の2の第1項には別の定義も置かれています。第8条の柱書にある「政令で定める大規模な小売店舗」は、延べ面積が千平方メートル以上の小売店舗で百貨店以外のものとされています。こちらは用途の呼び方の話で、義務の線引きそのものは上の第3項です。
収容人員は「従業者の数+客の数」で数える(施行規則第1条の3)
では収容人員はどう数えるのか。消防法施行規則第1条の3が算定方法を定めています。店舗については、次の数を合算する形で確認できました。
- 従業者の数
- 客席の部分ごとに算定した客の数
- 固定式のいす席がある部分 … いす席の数(長いす式のものは、正面幅を0.4メートルで除して得た数)
- 立見席がある部分 … その部分の床面積を0.2平方メートルで除して得た数
- その他の部分 … その部分の床面積を0.5平方メートルで除して得た数
ここで見落としやすいのが、従業者を必ず足すという点です。「お客さまが30人も入る店ではない」と思っていても、席数とスタッフの人数を合わせると線を越えていることがあります。また、客の数が実際に来た人数ではなく、いす席の数や床面積から機械的に計算されることにも注意してください。空いている日が多いかどうかは関係がなく、設備の側から数えます。
今回取得できたのは施行規則第1条の3の表のうち店舗に関する部分の抜粋です。防火対象物の区分ごとに算定方法が細かく分かれている条文なので、自店の区分でどう数えるかは所轄の消防署に確認してください。
資格が甲種か乙種かを決めるのは、人数ではなく「延べ面積」
義務があると分かったら、次は誰を選ぶかです。第8条第1項は「政令で定める資格を有する者のうちから」としか書いていません。その政令が消防法施行令第3条で、ここも条文本体を取得できました。
(防火管理者の資格) 第三条 法第八条第一項の政令で定める資格を有する者は、次の各号に掲げる防火対象物の区分に応じ、当該各号に定める者で、当該防火対象物において防火管理上必要な業務を適切に遂行することができる管理的又は監督的な地位にあるものとする。
一 第一条の二第三項各号に掲げる防火対象物(同項第一号ロ及びハに掲げる防火対象物にあつては、次号に掲げるものを除く。)(以下この条において「甲種防火対象物」という。) 次のいずれかに該当する者
イ (略)甲種防火対象物の防火管理に関する講習の課程を修了した者
ロ 大学又は高等専門学校において総務大臣の指定する防災に関する学科又は課程を修めて卒業した者で、一年以上防火管理の実務経験を有するもの
ハ 市町村の消防職員で、管理的又は監督的な職に一年以上あつた者
ニ イからハまでに掲げる者に準ずる者で、(略)防火管理者として必要な学識経験を有すると認められるもの二 第一条の二第三項第一号ロ及びハに掲げる防火対象物で、延べ面積が、別表第一(一)項から(四)項まで、(五)項イ、(六)項イ、ハ及びニ、(九)項イ、(十六)項イ並びに(十六の二)項に掲げる防火対象物にあつては三百平方メートル未満、その他の防火対象物にあつては五百平方メートル未満のもの(以下この号において「乙種防火対象物」という。) 次のいずれかに該当する者
イ (略)乙種防火対象物の防火管理に関する講習の課程を修了した者
ロ 前号イからニまでに掲げる者
条文の組み立てが独特です。第1号がまず全部を甲種防火対象物と呼び、そこから「次号に掲げるものを除く」として、第2号が面積の小さいものを乙種防火対象物として切り出しています。つまり原則が甲種で、例外が乙種という建て方です。
そして切り出しの基準は延べ面積だけです。義務がかかるかどうかは収容人員(人数)で決まったのに、どの講習でよいかは面積で決まります。飲食店や物販店舗のような(一)項から(四)項までの用途なら、延べ面積が300平方メートル未満であれば乙種防火管理講習の修了者でも防火管理者になれます。事務所や倉庫のような用途では500平方メートル未満が線です。第2号ロが「前号イからニまでに掲げる者」を挙げているので、甲種の資格を持っている人は乙種防火対象物の防火管理者にもなれます(逆は成り立ちません)。
もう一点、条文の柱書に置かれた「管理的又は監督的な地位にあるもの」という条件を見落とさないでください。講習を修了しているだけでは足りず、その建物で実際に指示が出せる立場にあることが資格の一部として書かれています。防火管理という仕事が、知識だけでなく権限とセットで想定されていることが読み取れます。
なお、第1号のかっこ書きが「除く」と言っているのは第1条の2第3項第1号ロ及びハだけです。つまり収容人員10人以上で義務がかかるイの防火対象物は、面積がいくら小さくても乙種に落ちません。避難が難しい方が利用する施設は、規模にかかわらず甲種で、という組み立てです。
ここまでの内容の根拠条文と出典リンクは、AI法令調査ツール「ことのり」でご自身でも確かめられます。調べたいことを日常の言葉で入力するだけです。
防火管理者の選任義務をことのりで調べる「置かないこと」は、罰則の列挙に入っていない
ここからが今回の柱です。防火管理者を選任しなかった場合の罰則を探して、消防法の罰則条文を順に取得しました。結果はこうなっていました。
第四十一条 次のいずれかに該当する者は、一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。
一 第五条の三第一項の規定による命令に違反した者
二 第八条第四項(略)の規定による命令に違反した者
三 第十条第一項の規定に違反した者 (以下略)
第四十二条 次のいずれかに該当する者は、六月以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
一 第八条第三項(略)の規定による命令に違反した者
二 第十一条第一項の規定に違反した者 (以下略)
消防法第44条 次のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金又は拘留に処する。
(略)八 第八条第二項(略)、第九条の三第一項(略)、第十一条第六項、第十一条の四第一項、第十二条の六、第十二条の七第二項、第十三条第二項、第十七条の三の二又は第十七条の十四の規定による届出を怠つた者 (以下略)
3つの条文を並べると、第8条の第2項・第3項・第4項は出てくるのに、第1項が出てこないことが分かります。「防火管理者を定めなければならない」という義務の本体は、罰則の列挙に入っていないのです。
では置かないままでよいのかというと、そうではありません。第8条には続きがあります。
3 消防長又は消防署長は、第一項の防火管理者が定められていないと認める場合には、同項の権原を有する者に対し、同項の規定により防火管理者を定めるべきことを命ずることができる。
4 消防長又は消防署長は、第一項の規定により同項の防火対象物について同項の防火管理者の行うべき防火管理上必要な業務が法令の規定又は同項の消防計画に従つて行われていないと認める場合には、同項の権原を有する者に対し、当該業務が当該法令の規定又は消防計画に従つて行われるように必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。
つまり、選任していない状態には、まず行政の命令が飛んできます。その命令に従わなかったときに、第42条第1項第1号の六月以下の拘禁刑または五十万円以下の罰金が効いてきます。義務の条文が罰則の列挙に無いのは「罰則が無い」という意味ではなく、命令を1段挟んでから射程に入るという設計です。
ところが「届出」は、命令を挟まずに直接かかる
対照的なのが届出です。第8条第2項はこう書かれています。
2 前項の権原を有する者は、同項の規定により防火管理者を定めたときは、遅滞なくその旨を所轄消防長又は消防署長に届け出なければならない。これを解任したときも、同様とする。
この第2項は、先ほど見たとおり第44条第1項第8号に名指しで入っています。命令を待たずに、届出を怠ったこと自体が三十万円以下の罰金または拘留の対象です。届出の様式は消防法施行規則第3条の2が定めており、選任の届出には防火管理者の資格を証する書面を添えることとされています。
整理すると、同じ第8条の中で、罰則までの距離が次のように分かれています。
- 第1項(選任義務) … 罰則条文の列挙に無い。第3項の命令を経由する。
- 第2項(選任・解任の届出) … 命令を挟まず、第44条第1項第8号(三十万円以下の罰金又は拘留)。
- 第3項(選任命令)違反 … 第42条第1項第1号(六月以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金)。
- 第4項(業務の措置命令)違反 … 第41条第1項第2号(一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金)。3つの中でもっとも重い。
いちばん重いのが「置いていない」ことではなく「置いたのに業務が回っていない」ことへの命令違反だ、というのも示唆的です。条文は、名前を登録させることではなく、防火管理が実際に機能していることを見ている、と読めます。
両罰規定は、どの号が挙がっているかで法人への効き方が変わる
法人が経営している店舗の場合、消防法第45条(両罰規定)も確認しておきたいところです。
第四十五条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。
一 第三十九条の二の二第一項、第三十九条の三の二第一項又は第四十一条第一項第七号 一億円以下の罰金刑
二 第四十一条第一項第三号又は第五号 三千万円以下の罰金刑
三 (略)第四十一条第一項(同項第三号、第五号及び第七号を除く。)、第四十二条第一項(同項第七号及び第十号を除く。)、第四十三条第一項、第四十三条の四又は前条第一号、第三号、第十一号、第十二号若しくは第二十二号 各本条の罰金刑
第1号・第2号で一億円・三千万円に切り出されているのは、危険物や無許可の貯蔵に関わる号です。防火管理に関係する第41条第1項第2号(第8条第4項の命令違反)と第42条第1項第1号(第8条第3項の命令違反)は、いずれも第3号に含まれ、法人に対しても各本条の罰金刑が科される形になっています。金額が跳ね上がる扱いではありません。
ここで目を引いたのが、「前条」=第44条について挙げられている号です。第1号・第3号・第11号・第12号・第22号となっており、届出義務違反の第8号は入っていません。条文の列挙をそのまま読むと、届出を怠った場合の三十万円以下の罰金は行為者に向いており、法人への罰金刑の規定からは外れている、ということになります。今回の検索結果は結論部分で「第44条第1項の違反行為についても法人に各本条の罰金刑が科される可能性がある」と述べていましたが、同じレポートが引用している第45条の条文本体には第8号が挙がっていませんでした。要約ではなく列挙そのものを見にいくと、こうしたずれが見つかります。適用の可否は個別の判断になりますので、実務で問題になる場面では専門家にご確認ください。
選任したあとに続く義務も、政令と省令に書かれている
防火管理者を決めて届け出れば終わり、ではありません。消防法施行令第3条の2(防火管理者の責務)が、続く業務を定めています。
(防火管理者の責務) 第三条の二 防火管理者は、総務省令で定めるところにより、当該防火対象物についての防火管理に係る消防計画を作成し、所轄消防長又は消防署長に届け出なければならない。
2 防火管理者は、前項の消防計画に基づいて、当該防火対象物について消火、通報及び避難の訓練の実施、消防の用に供する設備、消防用水又は消火活動上必要な施設の点検及び整備、火気の使用又は取扱いに関する監督、避難又は防火上必要な構造及び設備の維持管理並びに収容人員の管理その他防火管理上必要な業務を行わなければならない。
3 防火管理者は、防火管理上必要な業務を行うときは、必要に応じて当該防火対象物の管理について権原を有する者の指示を求め、誠実にその職務を遂行しなければならない。
4 防火管理者は、(略)火元責任者その他の防火管理の業務に従事する者に対し、必要な指示を与えなければならない。
消防計画の中身は消防法施行規則第3条が定めており、自衛消防の組織、火災予防上の自主検査、消防用設備等の点検整備、避難施設の維持管理、収容人員の適正化、防火管理教育、消火・通報・避難訓練の実施、火災発生時の対応、消防機関との連絡などを定めることとされています。さらに同条第10項により、別表第一(一)項から(四)項まで、(五)項イ、(六)項、(九)項イ、(十六)項イ又は(十六の二)項に掲げる防火対象物では、消火訓練及び避難訓練を年2回以上実施し、あらかじめその旨を消防機関に通報することとされています。飲食店や物販店舗はここに含まれます。
第3項の「権原を有する者の指示を求め」という一文も、実務上は重要です。防火管理者を任命すれば経営者の手を離れる、という建て方にはなっていません。指示を出す側の責任は残ったままで、第8条第3項・第4項の命令も、防火管理者ではなく管理について権原を有する者に向けられています。
自分の店を確かめる順番
条文の並びどおりに確認していくと、次の順になります。
- ①自店が別表第一のどの項に当たるか。飲食店なら(三)項、物品販売店舗なら(四)項と整理されています。ただし今回、別表第一の条文本体は取得できていません。複合ビルのテナントなら(十六)項の扱いも関わるため、所轄の消防署に確認するのが確実です。
- ②収容人員が何人になるか。従業者の数といす席・床面積から計算した客の数の合計です(施行規則第1条の3)。(一)項から(四)項までなら三十人以上が線になります。
- ③延べ面積が何平方メートルか。300平方メートル未満(その他の用途は500平方メートル未満)なら乙種防火管理講習でも足ります(施行令第3条第1項第2号)。
- ④誰を選ぶか。講習の修了だけでなく、その建物で管理的又は監督的な地位にあることが条文上の要件です。
- ⑤選任したら遅滞なく届け出る。資格を証する書面を添えます(施行規則第3条の2)。ここを落とすと、命令を待たずに罰則の列挙に入ります。
- ⑥消防計画を作成して届け出て、訓練を回す。該当用途では消火訓練・避難訓練が年2回以上です(施行規則第3条第10項)。
なお、ここで扱ったのは消防法・施行令・施行規則の枠組みだけです。火を使う設備の位置や届出、防炎物品の使用などは各市町村の火災予防条例にも定めがあり、消防法第46条は第9条の4に基づく条例に三十万円以下の罰金の規定を置けるとしています。開店前の相談では、条例側の要件もあわせて確認してください。
よくある質問
小さな飲食店でも防火管理者は必要ですか?
収容人員で決まります。消防法施行令第1条の2第3項第1号ロは、別表第一(一)項から(四)項まで等に掲げる防火対象物で収容人員が三十人以上のものを対象としています。飲食店はこの(三)項、物品販売店舗は(四)項に当たると整理されていますので、収容人員が30人以上であれば選任義務が生じることになります。ここでいう収容人員は客席の数だけではなく従業者の数も合算したもので、算定方法は消防法施行規則第1条の3に定められています。なお、別表第一そのものの条文本体は今回の検索では取得できていないため、自店がどの項に当たるかは所轄の消防署にご確認ください。
「10人以上」と書かれた説明を見たのですが、うちの店も10人からですか?
今回取得した条文本体では、収容人員10人以上で義務が生じるのは第1号イ、すなわち別表第一(六)項ロ(自力で避難することが難しい方が入所・利用する施設)と、その用途の部分がある(十六)項イ・(十六の二)項の防火対象物です。一般の飲食店や物販店舗はこのイではなく、収容人員三十人以上を定めた第1号ロに当たります。10人という数字だけが独り歩きしやすいところなので、どの号に当たるかから確認してください。
防火管理者は外部の人に頼めますか?
消防法施行令第3条は、資格者を「当該防火対象物において防火管理上必要な業務を適切に遂行することができる管理的又は監督的な地位にあるもの」と定めています。講習を修了しているかどうかだけでなく、その建物で実際に指示が出せる立場にあることが条文上の要件になっている、という書き方です。外部への委託が認められる範囲は所轄消防署の判断が関わりますので、個別にご確認ください。
防火管理者を置かないでいると、すぐに罰則の対象になりますか?
今回確認した範囲では、消防法第41条・第42条・第44条の各号に、第8条第1項(選任義務)そのものは挙がっていませんでした。選任していない場合はまず第8条第3項により消防長または消防署長から「防火管理者を定めるべきこと」を命じられ、その命令に違反したときに第42条第1項第1号(六月以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金)が適用される構造です。罰則が離れているからといって義務が軽いわけではなく、命令を1段挟む建て方だと読むのが素直です。
選任したのに届出を忘れていました。どうなりますか?
届出は第8条第2項の義務で、こちらは命令を挟まずに直接、第44条第1項第8号(三十万円以下の罰金又は拘留)の列挙に入っています。つまり条文の順番としては、「置いていないこと」よりも「置いたのに届け出ていないこと」のほうが罰則までの距離が近い、という形になっています。気づいた時点で、所轄の消防署に遅滞なく届け出てください。
会社にも罰金が科されますか?
今回取得した消防法第45条(両罰規定)の条文本体では、第3号が第42条第1項(第7号・第10号を除く)を挙げているため、選任命令違反については法人にも各本条の罰金刑が科される形になっています。一方、同じ第3号が第44条について挙げているのは第1号・第3号・第11号・第12号・第22号で、届出義務違反の第8号は列挙に含まれていませんでした。条文の列挙をそのまま読むとこうなりますが、適用の可否は個別の判断になりますので、専門家にご確認ください。
防火管理者を選任したあとは何をすればよいですか?
消防法施行令第3条の2が、消防計画を作成して所轄消防長または消防署長に届け出ること、その計画に基づいて消火・通報・避難の訓練の実施、消防用設備等の点検及び整備、火気の使用又は取扱いに関する監督、避難施設の維持管理、収容人員の管理などを行うことを定めています。また消防法施行規則第3条第10項により、別表第一(一)項から(四)項まで等の防火対象物では消火訓練及び避難訓練を年2回以上実施し、あらかじめ消防機関に通報することとされています。
出典
- 🔗 消防法 第8条(防火管理者の選任・届出・命令)(e-Gov法令検索)
- 🔗 消防法 第41条(一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金)(e-Gov法令検索)
- 🔗 消防法 第42条(六月以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金)(e-Gov法令検索)
- 🔗 消防法 第44条(三十万円以下の罰金又は拘留)(e-Gov法令検索)
- 🔗 消防法 第45条(両罰規定)(e-Gov法令検索)
- 🔗 消防法 第46条(条例による罰則)(e-Gov法令検索)
- 🔗 消防法施行令 第1条の2(防火管理者を定めなければならない防火対象物等)(e-Gov法令検索)
- 🔗 消防法施行令 第3条(防火管理者の資格)(e-Gov法令検索)
- 🔗 消防法施行令 第3条の2(防火管理者の責務)(e-Gov法令検索)
- 🔗 消防法施行規則 第1条の3(収容人員の算定方法)(e-Gov法令検索)
- 🔗 消防法施行規則 第3条(防火管理に係る消防計画)(e-Gov法令検索)
- 🔗 消防法施行規則 第3条の2(防火管理者の選任又は解任の届出)(e-Gov法令検索)
※本記事はAIによる調査支援を活用して作成した参考情報です。制度の詳細や最新の取扱いは、必ず一次情報および専門家にご確認ください。