「領収書は5万円から印紙」——実務ではこの一行で覚えられています。ところが条文にあたってみると、いちばん確かめやすいのは金額のほうではありませんでした。5万円という線引きは印紙税法の条文本体ではなく別表第一に置かれており、今回2回の生検索では、その別表の条文本体を取得できませんでした。

逆に、条文本体をそのまま確認できたのは貼り忘れたときに何が起きるかのほうです。第20条は、貼り忘れは本来の額の3倍、自分から申し出たときは1.1倍、そして印紙は貼ったが消印を忘れた場合は「額面と同額」と、3つの場面を別々の項で書き分けていました。この記事では、(1)印紙税がかかる文書の建て付け、(2)「5万円」がどこに書かれているか、(3)納付は「貼る」と「消す」の2段階であること、(4)3倍・1.1倍・額面と同額の使い分け、(5)PDFの領収書の扱い、を順に条文で確認します。

本記事は、AI法令調査ツール「ことのり」で実際に検索した結果(関連条文・出典リンク付き)をもとに編集した参考情報です。 今回は生検索を4回に分けて実行しました。1回目・2回目は「別表第一 第17号の非課税物件欄」を名指しして取りに行きましたが、いずれも条文本体は取得できず、2回目の検索は税額表について「参考情報に記載がないため学習データに基づく」と自ら注記していました。そのため本記事では、金額区分の一覧を条文の帰結としては掲載せず、国税庁の解説へのリンクに委ねています。一方、3回目・4回目で条番号を名指しした第8条・第20条・第3条・第4条と施行令第5条・第19条は、条文本体をそのまま取得できました。本記事の事実・条文・出典は、この4回の生検索の実結果に基づいています。自社の領収書の取扱いの最終的な判断は、e-Gov法令検索の最新の条文と、国税庁または税理士などの専門家にご確認ください。

印紙税は「別表第一に載っている文書」にだけかかる

出発点は印紙税法第2条です。条文は一行です。

(課税物件)
第二条 別表第一の課税物件の欄に掲げる文書には、この法律により、印紙税を課する。

つまり印紙税法の本体には、どの文書にいくらかかるかは書かれていません。本体は「別表第一に書いてあるとおりにする」と宣言しているだけで、中身は別表に委ねられています。税額のほうも同じ構造です。第7条は「印紙税の課税標準及び税率は、別表第一の各号の課税文書の区分に応じ、同表の課税標準及び税率の欄に定めるところによる」と定めています。

誰が納めるのかは第3条です。

(納税義務者)
第三条 別表第一の課税物件の欄に掲げる文書のうち、第五条の規定により印紙税を課さないものとされる文書以外の文書(以下「課税文書」という。)の作成者は、その作成した課税文書につき、印紙税を納める義務がある。
2 一の課税文書を二以上の者が共同して作成した場合には、当該二以上の者は、その作成した課税文書につき、連帯して印紙税を納める義務がある。

領収書でいえば、代金を受け取って領収書を交付する側が作成者です。渡した相手ではなく、書いて渡した自分の側の義務になります。

非課税の入口が第5条です。

(非課税文書)
第五条 別表第一の課税物件の欄に掲げる文書のうち、次に掲げるものには、印紙税を課さない。
一 別表第一の非課税物件の欄に掲げる文書
二 国、地方公共団体又は別表第二に掲げる者が作成した文書
三 別表第三の上欄に掲げる文書で、同表の下欄に掲げる者が作成したもの

ここでも中身は別表に委ねられています。課税も非課税も税額も、すべて別表第一に置かれている——これが印紙税法の建て方です。次の見出しが、実務でいちばん引っかかるところになります。

「5万円未満は非課税」は、条文本体では確認できなかった

領収書は、別表第一の第17号文書(金銭又は有価証券の受取書)にあたります。そして「記載された受取金額が5万円未満の受取書」が非課税物件欄に置かれている、というのが実務での理解です。

今回は、この点を条文本体で確認しようと2回にわたって検索しました。2回目は「課税物件欄・課税標準及び税率欄・非課税物件欄の条文本体をそのまま引用してください」と欄まで指定して聞いています。それでも返ってきたのは表形式の整理で、レポート自身が「ご指定の印紙税法別表第一の第十七号の具体的な条文内容は、提供された参考情報には直接含まれておりません」「参考情報に記載がないため学習データに基づく」と明記していました。

これは、これまでの調査で繰り返し出てきた構図と同じです。食品衛生法のHACCPでよく語られる「従業員50人未満」、労働安全衛生法のストレスチェックの「常時50人以上」、障害者雇用の「37.5人」——いずれも、実務で通用している数字が条文本体には見当たらず、行政の解説側に置かれていました。今回で5回目になります。

そのため本記事では、金額区分の一覧を条文の帰結としては掲載しません。5万円という基準および金額ごとの税額は、国税庁タックスアンサー No.7105(金銭又は有価証券の受取書、領収書)と、e-Gov法令検索の別表第一で直接ご確認ください。同じく、消費税額を区分して記載した場合に受取金額から消費税額を除くという取扱いや、「営業に関しない受取書」(No.7125)の非課税も、今回の生検索では条文本体を取得できていません。これらは国税庁の解説によるものとして扱ってください。

なお、第17号という号名が法律の本体に登場する箇所はあります。第4条第4項第3号は、通帳等に「別表第一第十七号の課税文書(物件名の欄1に掲げる受取書に限る。)により証されるべき事項」の付込みがされ、その記載金額が百万円を超えるときは、通帳への付込みではなく別に課税文書の作成があったものとみなす、と定めています。号の存在自体は条文で追えても、金額区分は別表を見に行くしかない、という関係です。

ここまでの内容の根拠条文と出典リンクは、AI法令調査ツール「ことのり」でご自身でも確かめられます。調べたいことを日常の言葉で入力するだけです。

領収書と収入印紙をことのりで調べる

納付は「貼る」と「消す」の2段階(第8条)

ここからは条文本体で確認できた範囲です。第8条を引用します。

(印紙による納付等)
第八条 課税文書の作成者は、次条から第十二条までの規定の適用を受ける場合を除き、当該課税文書に課されるべき印紙税に相当する金額の印紙(以下「相当印紙」という。)を、当該課税文書の作成の時までに、当該課税文書にはり付ける方法により、印紙税を納付しなければならない。
2 課税文書の作成者は、前項の規定により当該課税文書に印紙をはり付ける場合には、政令で定めるところにより、当該課税文書と印紙の彩紋とにかけ、判明に印紙を消さなければならない

第1項が「貼る」、第2項が「消す」です。項が分かれているということは、後で見るように違反の効果も分かれるということでもあります。

消し方は政令に委ねられており、印紙税法施行令第5条が受けています。

(印紙を消す方法)
第五条 課税文書の作成者は、法第八条第二項の規定により印紙を消す場合には、自己又はその代理人(法人の代表者を含む。)、使用人その他の従業者の印章又は署名で消さなければならない。

「印章又は署名」と書かれているため、店名のゴム印でも、担当者の署名でも条文の要件は満たします。逆に、線を引くだけ・斜線を入れるだけといった方法は、この条文の文言には出てきません。

3倍・1.1倍・額面と同額——第20条は場面で書き分けている

本題の第20条です。見出しからして「印紙納付に係る不納税額があつた場合の過怠税の徴収」で、罰則ではなく税として徴収する建て方になっています。

貼らなかった場合(第1項)——本来の額+その2倍

第二十条 第八条第一項の規定により印紙税を納付すべき課税文書の作成者が同項の規定により納付すべき印紙税を当該課税文書の作成の時までに納付しなかつた場合には、当該印紙税の納税地の所轄税務署長は、当該課税文書の作成者から、当該納付しなかつた印紙税の額とその二倍に相当する金額との合計額に相当する過怠税を徴収する。

条文の書き方は「本来の額」+「その2倍」です。合計すると本来の額の3倍にあたります。「3倍」という言い方が広く使われていますが、条文上は2つの金額の合計として組み立てられている点を押さえておくと、次の第2項の読み方が分かりやすくなります。

自分から申し出た場合(第2項)——本来の額+1割

2 前項に規定する課税文書の作成者から当該課税文書に係る印紙税の納税地の所轄税務署長に対し、政令で定めるところにより、当該課税文書について印紙税を納付していない旨の申出があり、かつ、その申出が印紙税についての調査があつたことにより当該申出に係る課税文書について国税通則法第三十二条第一項(賦課決定)の規定による前項の過怠税についての決定があるべきことを予知してされたものでないときは、当該課税文書に係る同項の過怠税の額は、同項の規定にかかわらず、当該納付しなかつた印紙税の額と当該印紙税の額に百分の十の割合を乗じて計算した金額との合計額に相当する金額とする。

第1項の「その二倍」が「百分の十」に置き換わる形です。合計で本来の額の1.1倍にあたります。条件は、申出が調査があったことにより決定があるべきことを予知してされたものでないこと。調査の連絡を受けてから慌てて申し出た場合は、この項の適用が受けられない可能性がある、という読み方になります。

申出の方法は施行令第19条に落とされています。申出者の住所・氏名または名称および個人番号または法人番号、当該申出に係る課税文書の号別および種類・数量・作成年月日、当該課税文書に課されるべき印紙税額などを記載した申出書を、税務署長に提出することとされています。「作成年月日」「数量」が記載事項に入っているため、どの文書について申し出るのかを特定できる記録が手元に必要になります。

貼ったが消さなかった場合(第3項)——額面と同額

3 第八条第一項の規定により印紙税を納付すべき課税文書の作成者が同条第二項の規定により印紙を消さなかつた場合には、当該印紙税の納税地の所轄税務署長は、当該課税文書の作成者から、当該消されていない印紙の額面金額に相当する金額の過怠税を徴収する。

ここが実務でいちばん見落とされやすいところです。印紙を貼っていても、消印を忘れれば別に過怠税がかかります。しかも計算方法は第1項とは違い、「消されていない印紙の額面金額」と同額です。第8条が第1項(貼る)と第2項(消す)に分かれていたことが、そのまま第20条第1項と第3項の書き分けに対応しています。

下限は1,000円(第4項・第5項)

4 第一項又は前項の場合において、過怠税の合計額が千円に満たないときは、これを千円とする
5 前項に規定する過怠税の合計額が、第二項の規定の適用を受けた過怠税のみに係る合計額であるときは、当該過怠税の合計額については、前項の規定の適用はないものとする。

200円の印紙の消印を忘れた場合、第3項だけなら200円ですが、第4項により1,000円になります。一方、第5項により、自主的な申出(第2項)だけによる過怠税には、この1,000円の下限が適用されません。自分から申し出るかどうかで、下限の有無まで変わる建て方です。

なお第7項は「第一項又は第三項の過怠税の税目は、印紙税とする」と定めており、過怠税は罰金ではなく印紙税として徴収されます。

PDFで送る領収書に、印紙は要るのか

4回目の検索では、電磁的記録の扱いを条文で確認できるかを聞きました。結果は、印紙税法に電磁的記録を課税文書に含める/含めないと直接定めた条文は見当たらないというものでした。第2条が課税対象を「文書」としていることの解釈問題として整理されています。

この点について国税庁は、質疑応答事例「取引先にメール送信した電磁的記録に関する印紙税の取扱い」を公表しており、課税文書は紙の文書を前提としているため電磁的記録は課税対象とならない旨を示しています。条文ではなく行政解釈による整理であるという位置づけを踏まえて扱うのが安全です。あわせて同事例では、電子データを紙に出力して交付した場合には、その紙のほうが課税文書に該当し得るとされています。「PDFで送れば不要」ではなく「紙で渡した時点で判断が変わる」と理解しておくとよいでしょう。

今回の調査で条文本体まで確認できたこと/できなかったこと

  • 条文本体で確認できたこと——第2条(課税物件は別表第一に委ねられていること)、第3条第1項・第2項(納税義務者は作成者、共同作成は連帯)、第4条第4項第3号(通帳等への付込みと第17号・百万円超)、第5条(非課税文書の3類型)、第7条(課税標準及び税率も別表第一)、第8条第1項・第2項(作成の時までの貼付と、彩紋にかけた消印)、第20条第1項から第7項まで(3倍・1.1倍・額面と同額・1,000円の下限とその例外・税目)、施行令第5条(印章又は署名で消す)、施行令第19条(申出書の記載事項)。
  • 今回たどれなかったこと——別表第一 第17号の課税物件欄・課税標準及び税率欄・非課税物件欄の条文本体は、2回試みて取得できませんでした。したがって「5万円未満は非課税」「記載金額のないものは200円」といった金額の線引きは、本記事では国税庁の解説によるものとして扱い、一覧は掲載していません。消費税額を区分記載した場合の取扱い、「営業に関しない受取書」の非課税、電磁的記録の非課税も同様に行政解釈側の情報です。また、第9条から第12条までの税印による納付・書式表示による納付などの特例、印紙税法基本通達の内容は今回の対象外です。

条文を自分で確かめたいときは

AI法令調査ツール「ことのり」なら、調べたいことを日常の言葉で入力するだけで、印紙税法第20条や施行令第5条のような根拠条文と出典リンク付きのレポートを数十秒で生成できます。今回の記事のように、「第20条第3項は消印を忘れた場合にいくらと定めているか」「申出書の記載事項は施行令の第何条か」まで、原文にあたって確認できます。条文本体が取得できたのか、それとも行政の解説によるのかを、出典欄で区別しながら読めるのが特徴です。

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よくある質問

Q1. 領収書に収入印紙が必要になるのは何円からですか?

国税庁の解説(タックスアンサーNo.7105)では、記載された受取金額が5万円未満の受取書は非課税とされています。この線引きは印紙税法の条文本体ではなく、同法別表第一の第17号(金銭又は有価証券の受取書)の非課税物件欄に置かれています。今回の生検索では別表第一そのものの条文本体は取得できず、2回目の検索は表の内容について「参考情報に記載がないため学習データに基づく」と自ら注記していました。したがって本記事では金額区分の一覧を掲載していません。自社の領収書の金額区分は、e-Gov法令検索の別表第一と国税庁の解説で必ず確認してください。

Q2. 印紙を貼っただけでは納付したことになりませんか?

印紙税法第8条第1項は、課税文書の作成の時までに相当印紙を貼り付ける方法により納付しなければならないと定め、同条第2項が「当該課税文書と印紙の彩紋とにかけ、判明に印紙を消さなければならない」と定めています。貼付と消印の2つで納付が完成する建て方です。消印の方法は印紙税法施行令第5条が「自己又はその代理人(法人の代表者を含む。)、使用人その他の従業者の印章又は署名で消さなければならない」と定めています。

Q3. 印紙を貼り忘れると、いくら払うことになりますか?

印紙税法第20条第1項は、納付しなかった印紙税の額と「その二倍に相当する金額」との合計額に相当する過怠税を徴収すると定めています。本来の税額とその2倍の合計、つまり本来の額の3倍にあたります。同条第4項により、第1項または第3項の過怠税の合計額が1,000円に満たないときは1,000円とされます。

Q4. 自分から申し出た場合は軽くなりますか?

印紙税法第20条第2項は、税務署長に対して印紙税を納付していない旨の申出があり、かつその申出が調査があったことにより過怠税の決定があるべきことを予知してされたものでないときは、過怠税の額を「納付しなかつた印紙税の額と当該印紙税の額に百分の十の割合を乗じて計算した金額との合計額」とすると定めています。本来の額の1.1倍にあたります。申出書の記載事項は印紙税法施行令第19条に定めがあり、申出者の住所・氏名等、課税文書の号別および種類・数量・作成年月日、印紙税額などを記載して提出することとされています。

Q5. 印紙は貼ったのに消印を忘れた場合はどうなりますか?

印紙税法第20条第3項は、印紙を消さなかった場合に「当該消されていない印紙の額面金額に相当する金額の過怠税を徴収する」と定めています。貼り忘れの第1項とは別の項で、額面と同額という別の計算方法が置かれています。200円の印紙であれば200円ですが、第4項の適用により過怠税の合計額が1,000円に満たないときは1,000円とされます。

Q6. PDFやメールで送る領収書にも印紙は必要ですか?

今回の生検索では、電磁的記録を課税文書に含める、または含めないと定めた印紙税法の条文は見当たりませんでした。国税庁は質疑応答事例「取引先にメール送信した電磁的記録に関する印紙税の取扱い」で、課税文書は紙の文書を前提としており電磁的記録は課税対象とならない旨を示しています。条文ではなく行政解釈による整理である点にご注意ください。なお同事例では、電子データを紙に出力して交付した場合は、その紙が課税文書に該当し得るとされています。

Q7. 領収書を出す側と受け取る側、印紙税を負担するのはどちらですか?

印紙税法第3条第1項は「課税文書の作成者は、その作成した課税文書につき、印紙税を納める義務がある」と定めています。領収書の場合、作成者は代金を受け取って領収書を交付する側です。同条第2項は、一の課税文書を二以上の者が共同して作成した場合には連帯して納める義務があると定めています。

出典(一次情報)

※本記事はAIによる調査支援を活用して作成した参考情報です。制度の詳細や最新の取扱いは、必ず一次情報および専門家にご確認ください。

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