医療機関の広告は、患者が適切な医療を選択できるよう医療法第6条の5を中心に厳しく規制されています。虚偽・比較優良・誇大・公序良俗違反の広告や、患者の体験談・誤認を招く治療前後の写真の掲載は禁止されており、原則として広告できる事項は法令で限定列挙されています。

この記事では、医療広告規制の全体像(禁止事項・広告可能事項・限定解除の要件)、2018年改正で対象となったウェブサイトやSNSの扱い、違反時の措置までを、実際の条文と厚生労働省の資料に基づいて分かりやすく整理します。

本記事は、AI法令調査ツール「ことのり」で実際に検索した結果(関連条文・出典リンク付き)をもとに編集した参考情報です。医療広告は患者保護に直結するYMYL領域であり、個別の表現が規制に該当するかは表示媒体・文脈・自由診療かどうかで判断が分かれます。最終判断は一次情報(e-Gov・厚生労働省ガイドライン)と、医療広告に詳しい専門家にご確認ください。

医療広告規制の目的と全体像

医療機関の広告規制は、医療法第6条の5を中心に定められています。目的は「医療を受ける者による医療に関する適切な選択を阻害しないようにすること」であり、虚偽や誇大な情報から患者を保護し、医療の公共性を維持することにあります。

「広告」の定義と対象媒体

医療法第6条の5では、広告を「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関して、文書その他いかなる方法によるを問わず、広告その他の医療を受ける者を誘引するための手段としての表示」と定義しています。ウェブサイト、SNS、パンフレット、看板など、医療を受ける者を誘引する目的で行われる表示は、方法を問わず対象となります。

規制の3つの柱

禁止されている広告の類型

医療法第6条の5第1項・第2項および医療法施行規則第1条の9により、次のような広告が禁止されています。

虚偽広告の禁止

事実に反する内容の広告は一切禁止されます。

比較優良広告の禁止

他の病院や診療所と比較して優良である旨の広告は禁止されます。たとえば「地域No.1」や「最高の医療」といった表現がこれに該当します。

誇大広告の禁止

事実を不当に誇張したり、誤解を招くおそれのある広告は禁止されます。治療効果を過度に強調する表現などが該当します。

公序良俗違反の禁止

公の秩序または善良の風俗に反する内容の広告は禁止されます。

患者等の主観・伝聞に基づく体験談の禁止

医療法施行規則第1条の9により、患者やその家族の主観的な感想や伝聞に基づく治療内容・効果に関する体験談の広告は禁止されます。個人の感想が客観的な事実と異なる場合があり、患者を誤認させるおそれがあるためです。

治療前後の写真等の禁止

治療内容や効果について、患者等を誤認させるおそれがある治療前後の写真等の広告は禁止されます(医療法施行規則第1条の9)。

広告できる事項(限定列挙原則)

医療機関の広告は、原則として医療法第6条の5第3項に列挙された事項に限られます。これを「限定列挙原則」と呼び、医療の公共性・公益性から広告できる内容を厳しく制限するものです。主な広告可能事項は次のとおりです。

  • 医師または歯科医師である旨
  • 診療科名(医療法第6条の6により、政令で定める診療科名、または厚生労働大臣の許可を受けた診療科名に限る)
  • 病院または診療所の名称、電話番号、所在地、管理者の氏名
  • 診療日、診療時間、予約診療の有無
  • 法令に基づき特定の医療を担うものとして指定を受けた旨(例:地域医療支援病院、特定機能病院)
  • 入院設備の有無、病床数、従業者数(医師、歯科医師、薬剤師、看護師等)
  • 医療従事者の氏名、年齢、性別、役職、略歴など、厚生労働大臣が定める事項
  • 患者からの医療相談への対応、安全確保措置、個人情報保護措置など、管理・運営に関する事項
  • 他の病院等との連携に関する事項
  • 診療録等の情報提供に関する事項
  • 提供される医療の内容に関する事項(検査、手術、治療方法については、厚生労働大臣が定めるものに限る)
  • 患者の平均入院日数、外来患者数など、医療提供の結果に関する事項(厚生労働大臣が定めるものに限る)
  • オンライン診療を行う旨およびその内容に関する事項
  • その他、厚生労働大臣が定める事項

限定解除の要件

医療法第6条の5第3項ただし書きおよび医療法施行規則第1条の9の2により、広告可能事項以外の情報でも、次の要件を全て満たす場合に限り広告が認められます。これを「限定解除」と呼びます。

  • 患者等が自ら求めて入手する情報であること:医療に関する適切な選択に資する情報であって、患者等が自らウェブサイト等にアクセスして入手するものであること
  • 問い合わせ先が明示されていること:表示される情報の内容について、患者等が容易に照会できるよう問い合わせ先が記載されていること
  • 自由診療の場合の追加要件:自由診療(保険適用外の医療)に関する情報を提供する場合は、上記に加えて次の情報提供が必須
    • 通常必要とされる治療等の内容、費用等に関する事項
    • 主なリスク、副作用等に関する事項

限定解除は、主に医療機関のウェブサイトや特定の情報提供媒体に適用され、患者が能動的に情報を取得する形態を想定しています。

オンライン診療受診施設に関する広告

医療法第6条の7の2により、オンライン診療受診施設に関する広告は原則として禁止されており、医療に関する適切な選択が阻害されるおそれが少ない場合として厚生労働省令で定める場合(医療法施行規則第1条の9の2に準ずる)を除いては広告できません。

ウェブサイト・SNSでの情報発信の注意点

2018年の医療法改正により、医療機関のウェブサイトも広告規制の対象となりました。医療機関は自院のウェブサイトの内容についても、虚偽・誇大広告の禁止や限定列挙原則を遵守する必要があります。SNSやブログについても、医療を受ける者を誘引する目的で利用される場合は「広告」に該当し、規制の対象となります。

特に自由診療の情報をウェブサイトで詳しく紹介する場面では、「通常必要とされる治療等の内容、費用等」と「主なリスク、副作用等」を網羅的かつ分かりやすく記載しないと、限定解除の要件を満たさないと判断される可能性があります(医療法施行規則第1条の9の2)。

院内掲示との違い

医療法第14条の2は、病院または診療所の管理者に対し、管理者氏名・診療従事医師の氏名・診療日および診療時間などを院内に見やすいよう掲示することを義務付けています。これは広告規制ではなく患者への情報提供義務として位置づけられており、掲示自体は広告規制の対象外と解釈されることが多いものの、掲示内容が誘引目的で過度に装飾される場合は広告とみなされる可能性も考慮する必要があります。

違反した場合の措置

医療法第6条の8により、都道府県知事、保健所を設置する市の市長または特別区の区長は、広告が規制に違反しているおそれがあると認めるときは、広告をした者に対し必要な報告を命じたり、事務所に立ち入り広告に関する文書その他の物件を検査させたりすることができます。行政指導や広告中止・是正命令の対象となる可能性があり、悪質な場合には罰則が科されることもあります。

条文の原文も、その場で確認できます

医療法や医療法施行規則の該当条文を、AI法令調査ツール「ことのり」で出典リンク付きで確認できます。実務でチェックしたい表現がある場合は、こちらから条文と厚労省ガイドラインをまとめて調べてみてください。

医療広告の規制をことのりで調べる

よくある質問

Q. 医療機関のウェブサイトも医療広告規制の対象になりますか?

はい、対象になります。2018年の医療法改正により、医療機関のウェブサイトも広告規制の対象となりました。虚偽・誇大広告の禁止や広告可能事項の限定列挙原則が適用され、広告可能事項以外の情報を掲載する場合は医療法施行規則第1条の9の2の限定解除の要件を満たす必要があります。

Q. 患者さんの体験談や治療前後の写真をウェブサイトに載せてよいですか?

医療法施行規則第1条の9により、患者等の主観または伝聞に基づく治療内容・効果に関する体験談の広告や、治療内容・効果について患者等を誤認させるおそれがある治療前後の写真等の広告は禁止されています。掲載の可否は表示方法や補足情報などにより判断が分かれるため、個別に医療広告に詳しい専門家や管轄行政庁にご確認ください。

Q. 自由診療の情報をウェブサイトで紹介するときに気をつけることは何ですか?

医療法施行規則第1条の9の2により、限定解除の一般要件(患者等が自ら求めて入手する情報であること、問い合わせ先の明示)に加えて、「通常必要とされる治療等の内容、費用等に関する事項」と「主なリスク、副作用等に関する事項」を情報提供することが求められます。これらが不足していると限定解除の要件を満たさないと判断される可能性があります。

出典(一次情報)

※本記事はAIによる調査支援を活用して作成した参考情報です。制度の詳細や最新の取扱いは、必ず一次情報および専門家にご確認ください。

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