2026年7月から、障害者の法定雇用率がさらに引き上げられ、対象企業の範囲も拡大される見通しです。中小企業を含む幅広い事業者にとって、雇用義務の遵守と未達成時の納付金対応は、いっそう重要な経営課題になります。

そこで本記事では、現行制度の土台となっている「障害者の雇用の促進等に関する法律(障害者雇用促進法)」に立ち返り、民間企業に課される法定雇用率の基本、納付金制度の仕組み、毎年の報告義務について、条文ベースで整理します。これからの引き上げに備えて、まず制度の基本構造を押さえておきたい方に向けた内容です。

本記事は、AI法令調査ツール「ことのり」で実際に検索した結果(関連条文・出典リンク付き)をもとに編集した参考情報です。障害者雇用に関する制度は、施行令や省令、厚生労働省の通達によって具体的な運用が定められており、企業規模や雇用形態によって取扱いが異なる場合があります。実際の申告・報告や納付額の判断にあたっては、必ず一次情報(e-Gov掲載の法令・厚生労働省や独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構の公表資料)および社会保険労務士などの専門家にご確認ください。

障害者雇用率制度の全体像

障害者雇用促進法に基づく事業主向けの中心的なしくみは、大きく次の3つに整理できます。

  • 法定雇用率制度:事業主が雇用すべき障害者の最低割合を定めるもので、雇用義務の根拠となります。
  • 障害者雇用納付金制度:法定雇用率を達成できない事業主から納付金を徴収し、超過達成の事業主への調整金などの財源とする仕組みです。
  • 報告義務:一定規模以上の事業主が、毎年の障害者の雇用状況を国に報告する義務です。

これら3つはバラバラの制度ではなく、互いに連動しながら「障害者の職業的自立の支援」という共通の目的のために機能しています。

法定雇用率と雇用義務

誰に、どんな義務がかかるのか

障害者雇用促進法第43条第1項では、国および地方公共団体を除く事業主に対し、その雇用する労働者の数に障害者雇用率を乗じて得た数以上の対象障害者である労働者を雇用する義務が課されています。対象となるのは、常時雇用する労働者を雇用するすべての事業主です。

現在の法定雇用率は2.7%

具体的な雇用率は政令で定められており、障害者の雇用の促進等に関する法律施行令第9条により、現在の障害者雇用率は「100分の2.7」(2.7%)とされています。この雇用率は、労働者の総数に対する対象障害者である労働者の総数の割合を勘案して、少なくとも5年ごとに見直されることになっています(障害者雇用促進法第43条)。

雇用障害者数のカウント方法

障害者雇用促進法第43条では、雇用障害者の数え方についても次のように整理されています。

  • 重度身体障害者または重度知的障害者である労働者(短時間労働者を除く)は、1人を2人としてカウントします。
  • 短時間労働者(週所定労働時間が20時間以上30時間未満の常時雇用労働者)は、1人を0.5人としてカウントします。
  • 重度身体障害者または重度知的障害者である短時間労働者は、1人を1人としてカウントします。

このカウント方法は、納付金の計算や報告書の作成にも直接影響します。

障害者雇用納付金制度

制度の目的

障害者雇用促進法第53条では、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(以下「機構」)が、調整金・助成金の支給などに要する費用に充てるため、事業主から毎年度、障害者雇用納付金を徴収することが定められています。同条第2項により、事業主は納付金を納付する義務を負います。

納付金が発生するケース・しないケース

障害者雇用促進法第54条では、事業主が納付すべき納付金の額は、各年度につき、調整基礎額に、各月の初日における雇用労働者数に基準雇用率を乗じて得た数の合計数を乗じて得た額とされています。調整基礎額は、障害者を雇用するために通常必要とされる特別費用を基準に政令で定められます。

一方、同法第55条では、事業主が法定雇用率に相当する数まで対象障害者を雇用している場合には、第54条第1項にかかわらず納付金が差額にとどまるか、徴収されない形で調整されることが規定されています。法定雇用率を達成している、または超過して雇用している事業主からは納付金は徴収されません。

申告・納付の期限

障害者雇用促進法第56条では、事業主は各年度に係る納付金の額その他の事項を記載した申告書を、翌年度の初日から45日以内に機構に提出し、その期限までに納付金を納付しなければならないとされています。申告書には、各月ごとの労働者数および対象障害者である労働者数などを記載した書類を添付する必要があり、その記載事項は障害者の雇用の促進等に関する法律施行規則第26条に詳しく定められています。

従業員100人以下の事業主への暫定措置

障害者雇用促進法附則第4条では、常時雇用する労働者の数が100人以下の事業主(特殊法人を除く)について、当分の間、納付金に関する規定の適用が除外される旨が定められています。また、これらの事業主が法定雇用率を超えて障害者を雇用している場合には、報奨金が支給される制度が設けられています。中小企業にとっては、まず雇用義務そのものと報告義務をきちんと押さえることが出発点になります。

報告義務(毎年6月1日現在の状況)

障害者雇用促進法第43条第7項では、常時雇用する労働者の数が厚生労働省令で定める数以上である事業主に対し、毎年1回、対象障害者である労働者の雇用に関する状況を厚生労働大臣に報告する義務が課されています。

具体的な手続きは、障害者の雇用の促進等に関する法律施行規則第8条に定められており、毎年6月1日現在の対象障害者の雇用に関する状況を、翌月15日までに、厚生労働大臣の定める様式により、主たる事業所の所在地を管轄する公共職業安定所の長に報告することとされています。

報告書の記載事項は、同規則第26条に基づき、事業主の氏名・名称・所在地、当該年度の各月ごとの労働者数および対象障害者である労働者数、当該年度に係る納付金の額などが含まれます。

さらに、障害者雇用促進法第82条では、厚生労働大臣または公共職業安定所長が、この法律を施行するため必要な限度において、事業主等に対し障害者の雇用の状況その他の事項についての報告を求めたり、立入検査を行ったりできることが定められています。報告内容に不備や遅延がある場合には、行政指導の対象となる可能性があります。

実務で押さえておきたいポイント

条文を実務に落とし込むうえで、特に意識しておきたいポイントは次のとおりです。

  • 労働者数・障害者数の正確な把握:重度障害者や短時間労働者のカウント方法(第43条)を踏まえ、毎月の数値を把握できる体制を整えることが重要です。
  • 納付金の計算根拠の整理第54条第55条に基づく計算過程と根拠資料を残しておくことで、申告漏れや誤りのリスクを下げられます。
  • 報告スケジュールの社内共有:毎年6月1日現在の状況を翌月15日までに報告するスケジュール(施行規則第8条)を、人事担当者だけでなく経営層と共有しておくと、対応漏れを防ぎやすくなります。

厚生労働省や機構が公表する事業主向け資料(出典欄に記載)には、計算例や様式の記載要領が示されており、自社の状況に合わせて参照していくことが現実的な進め方です。

条文の原文も、その場で確認できます

「自社の規模では納付金や報告義務がどう適用されるか」を考えるときは、まず根拠となる条文を直接確認するのが近道です。ことのりでは、関連条文と出典リンク付きで結果を表示します。

障害者雇用率をことのりで調べる

よくある質問

現在の障害者法定雇用率は何%ですか?

障害者の雇用の促進等に関する法律施行令第9条により、現在の障害者雇用率は100分の2.7(2.7%)と定められています。この雇用率は、労働者の総数に対する対象障害者である労働者の総数の割合の推移を勘案し、少なくとも5年ごとに見直すこととされています(障害者雇用促進法第43条)。

法定雇用率を達成できなかった場合、納付金はいつまでに納める必要がありますか?

障害者雇用促進法第56条では、事業主は各年度に係る納付金の額などを記載した申告書を、翌年度の初日から45日以内に独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構に提出し、その期限までに納付金を納付しなければならないとされています。申告書には、各月ごとの労働者数および対象障害者である労働者数などを記載した書類を添付する必要があります。

従業員100人以下の中小企業にも納付金は発生しますか?

障害者雇用促進法附則第4条では、常時雇用する労働者の数が常時100人以下の事業主(特殊法人を除く)については、当分の間、納付金に関する規定の適用が除外されることとされています。一方で、これらの事業主が法定雇用率を超えて障害者を雇用している場合には、報奨金が支給される制度が設けられています。なお、雇用義務そのものや報告義務の適用関係は別に確認する必要があるため、詳細は一次情報および専門家にご確認ください。

出典(一次情報)

※本記事はAIによる調査支援を活用して作成した参考情報です。制度の詳細や最新の取扱いは、必ず一次情報および専門家にご確認ください。