2026年、金属スクラップを扱う「ヤード」への規制強化を柱とする改正廃棄物処理法が公布されました。届出制の強化や保管基準の遵守、不法就労助長への厳正対処など、金属スクラップ・解体・産廃系の中小事業者の事業継続に直結する内容です。

本記事では、この改正の土台となっている「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)」について、産業廃棄物処理業の許可要件と、事業者が日々遵守すべき保管・運搬・処理の基準を、条文の位置とあわせて整理します。ヤード規制の詳細は公布後の政省令で具体化されますが、まずは既存の枠組みを押さえておくことが対応の出発点です。

本記事は、AI法令調査ツール「ことのり」で実際に検索した結果(関連条文・出典リンク付き)をもとに編集した参考情報です。廃棄物処理法は改正・通知・自治体の運用差が大きい分野です。実務対応は必ず一次情報(e-Gov・環境省通知)を確認のうえ、管轄の都道府県・政令市の担当課や弁護士・行政書士等の専門家に最終判断を仰いでください。

産業廃棄物処理業とは:まず「許可の全体像」を押さえる

産業廃棄物処理業とは、事業活動に伴って生じる産業廃棄物の収集・運搬または処分を業として行うことを指します。廃棄物処理法第14条により、原則としてその業を行おうとする区域を管轄する都道府県知事の許可が必要です。

許可は、産業廃棄物の「収集運搬」を業として行う場合と、「処分」を業として行う場合に区分され、それぞれ別の許可を取得しなければなりません。ただし、自らその産業廃棄物を運搬・処分する場合や、専ら再生利用の目的となる産業廃棄物のみを扱う場合など、環境省令で定める者については許可が不要とされています。

許可の有効期間と更新

廃棄物処理法第14条により、許可の有効期間は5年を下らない期間で政令で定める期間とされ、期間ごとの更新が必要です。更新申請があった場合、有効期間満了日までに処分がされないときは、従前の許可は処分がされるまでの間、なお効力を有します。

収集運搬業と処分業の許可基準

収集運搬業の許可基準

廃棄物処理法施行規則第10条により、産業廃棄物収集運搬業の許可基準は、大きく次の2点に整理されます。

  • 施設に係る基準:産業廃棄物が飛散・流出せず、悪臭が漏れるおそれのない運搬車、運搬船、運搬容器その他の運搬施設を有すること。積替施設を有する場合は、飛散・流出・地下浸透・悪臭発散の防止に必要な措置を講じた施設であること。
  • 申請者の能力に係る基準:産業廃棄物の収集または運搬を的確に行うに足りる知識及び技能を有すること。かつ、的確に、かつ、継続して行うに足りる経理的基礎を有すること。

処分業の許可基準

廃棄物処理法施行規則第10条の5により、産業廃棄物処分業の許可基準は次のとおりです。

  • 施設に係る基準:処分する産業廃棄物の種類に応じた適切な処理施設(脱水施設、焼却施設、中和施設、破砕施設など)を有すること。保管施設を有する場合は、飛散・流出・地下浸透・悪臭発散の防止に必要な措置を講じた施設であること。
  • 申請者の能力に係る基準:産業廃棄物の処分を的確に行うに足りる知識及び技能、ならびに継続して行うに足りる経理的基礎を有すること。

共通の欠格要件

廃棄物処理法第14条は、申請者が次のいずれにも該当しないことを求めています。

  • 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
  • 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
  • 廃棄物処理法等の規定に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
  • 暴力団員等、または暴力団員等がその事業活動を支配する者
  • 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者でその法定代理人が欠格要件に該当する者
  • 法人でその役員または政令で定める使用人のうちに欠格要件に該当する者があるもの
  • 個人で政令で定める使用人のうちに欠格要件に該当する者があるもの

処理施設そのものの設置許可

焼却施設や最終処分場など「産業廃棄物処理施設」を設置しようとする場合は、業の許可とは別に廃棄物処理法第15条の2に基づく都道府県知事の設置許可が必要です。施設の技術上の基準への適合、周辺地域の生活環境保全への配慮、申請者の能力などが審査されます。

保管・運搬・処理の基準:日々の実務で守るべきこと

保管基準(施行規則第8条)

廃棄物処理法施行規則第8条は、産業廃棄物の保管について次の基準を定めています。

  • 保管場所の要件:周囲に囲いを設けること。見やすい箇所に、産業廃棄物の保管場所である旨、保管する産業廃棄物の種類、管理者の氏名または名称・連絡先などを表示した掲示板(縦横それぞれ60cm以上)を設けること。
  • 飛散・流出・地下浸透・悪臭防止:汚水が生じるおそれがある場合は、排水溝その他の設備を設け、底面を不浸透性の材料で覆うこと。屋外で容器を用いずに保管する場合は、積み上げた廃棄物の高さが定められた高さを超えないようにすること。
  • 衛生対策・特別品目:ねずみや害虫が発生しないようにすること。石綿含有産業廃棄物や水銀使用製品産業廃棄物については、他の物と混合しないよう仕切りを設ける、飛散防止措置を講じるなどの特別な措置が必要です。

運搬基準(施行令第6条第1号)

廃棄物処理法施行令第6条により、産業廃棄物の収集または運搬に当たっては次の遵守が求められます。

  • 運搬車の車体の外側に、産業廃棄物の収集または運搬の用に供する運搬車である旨その他の事項を見やすいように表示し、環境省令で定める書面を備え付けること。
  • 積替えを行う場合は、飛散・流出・地下浸透・悪臭発散の防止に必要な措置を講じること。
  • 石綿含有産業廃棄物や水銀使用製品産業廃棄物の収集運搬・積替え・保管には、特別な措置が求められます。

処分基準(施行令第6条第2号・第3号・第4号)

同じく廃棄物処理法施行令第6条は、処分(再生を含む)について、種類や処分方法に応じた詳細な基準を定めています。

  • 一般的な基準:飛散・流出・地下浸透・悪臭発散の防止、ねずみ・害虫の発生防止などの措置を講じること。
  • 埋立処分:安定型産業廃棄物以外の産業廃棄物は、地中にある空間を利用する処分方法で行ってはならない。埋立地は周囲に囲いを設け、産業廃棄物処分の場所であることの表示をすること。有害な産業廃棄物の埋立処分は、公共の水域及び地下水と遮断されている場所で行うこと。汚泥、廃油、廃プラスチック類、ゴムくずなど特定の産業廃棄物については、埋立前に焼却・熱分解・破砕などの前処理が義務付けられています。廃酸及び廃アルカリは埋立処分を行ってはならず、石綿含有産業廃棄物の埋立処分は最終処分場内の一定の場所で飛散・流出防止措置を講じて行うこととされています。
  • 海洋投入処分:特定の汚泥、廃酸、廃アルカリ、動植物性残さ、家畜ふん尿に限り、環境省令で定める基準に適合する場合にのみ認められます。

条文の原文も、その場で確認できます

本記事で触れた第14条・第15条の2、施行令第6条、施行規則第8条・第10条・第10条の5などは、AI法令調査ツール「ことのり」で出典リンク付きで一度に確認できます。改正内容の要点整理や、担当行政庁への相談前の下調べにご活用ください。

廃棄物処理法の許可と保管基準をことのりで調べる

実務での留意点:申請・遵守・委託

許可申請と行政指導

許可申請は、必要書類の多さ、施設基準や能力基準の厳格な審査、欠格要件の確認など、複雑な手続きを伴います。環境省が発出している産業廃棄物処理業の許可に関する事務取扱いの要領や、同要領(k041)など、通知・ガイドラインを踏まえて事前準備を行うことが重要です。

基準遵守と行政処分・罰則

許可取得後も、保管・運搬・処分の各段階で定められた基準を厳格に遵守する義務があります(廃棄物処理法第14条)。基準に違反した場合は、改善命令、事業停止命令、許可取消しなどの行政処分や、罰金・懲役といった刑事罰の対象となる可能性があります。

委託基準とマニフェスト

産業廃棄物処理業者は、事業者から委託を受けた収集・運搬・処分を、原則として他人に再委託してはなりません(廃棄物処理法第14条)。政令で定める基準に従って委託する場合など、環境省令で定める場合はこの限りではありません。適正な委託関係の構築と、マニフェスト(産業廃棄物管理票)制度の適切な運用が、不適正処理の防止に重要です。

関連法令・通達:施行令・施行規則・通知の役割

廃棄物処理法は、大枠を法律で定め、詳細を施行令施行規則に委ねる構造になっています。処理基準の具体的な内容、施設基準、能力基準、運搬車の表示方法などは下位法令で規定されるため、これらを併せて確認することが不可欠です。あわせて、環境省の「廃棄物処理法施行令第3条および第6条に規定する廃棄物の収集、運搬および処分の基準の施行について」などの通知が、実務上の解釈指針となります。

よくある質問

Q1. 収集運搬業の許可と処分業の許可は、片方だけでよいですか。

廃棄物処理法第14条により、産業廃棄物処理業の許可は「収集運搬」と「処分」に区分されており、行おうとする業ごとに都道府県知事の許可が必要です。両方の業を行う場合は、それぞれの許可を取得する必要があります。

Q2. 屋外に金属スクラップなどを積み上げて保管する場合、どのような点に注意すべきですか。

廃棄物処理法施行規則第8条の保管基準に従い、周囲に囲いを設け、種類・管理者情報などを記載した縦横60cm以上の掲示板を設ける必要があります。屋外で容器を用いずに保管する場合、積み上げた廃棄物の高さが定められた高さを超えないようにするほか、汚水が生じるおそれがあるときは排水溝の設置や底面の不浸透性材料での被覆などが求められます。具体的な運用は管轄行政庁に要確認です。

Q3. 許可を取り消されるのは、どのような場合ですか。

詳細は個別事案ごとの判断となりますが、廃棄物処理法第14条で定める欠格要件(禁錮以上の刑、廃棄物処理法違反による罰金以上の刑、暴力団員等の関与など)に該当した場合や、保管・運搬・処分の基準違反により行政処分の対象となった場合に、事業停止命令や許可取消しに至る可能性があります。実際の判断は管轄行政庁および専門家にご確認ください。

出典(一次情報)

※本記事はAIによる調査支援を活用して作成した参考情報です。制度の詳細や最新の取扱いは、必ず一次情報および専門家にご確認ください。

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