危険運転致死傷罪の適用要件を明確化・厳格化する改正法が2026年7月21日に施行されます(Google Newsで元記事を見る)。従来「アルコール・薬物の影響で正常な運転が困難な状態」といった抽象的だった要件を、より明確な基準を含む形に改めるものです。

この機会に、事業用車両を保有する中小企業や個人事業主が知っておくべき「危険運転致死傷罪の構成要件」と、それに深く関わる「安全運転管理者の飲酒運転・過労運転防止義務」を、条文ベースで整理しました。運転者個人の刑事責任と、事業者側の組織的な安全管理義務は表裏一体の関係にあるため、両者を並べて理解しておくことが実務では重要です。

本記事は、AI法令調査ツール「ことのり」で実際に検索した結果(関連条文・出典リンク付き)をもとに編集した参考情報です。危険運転致死傷罪はYMYL領域(人命・刑事責任に直結する分野)に該当し、個別事案の該当性判断は事実関係の詳細な検討を要します。本記事は一般的な枠組みの整理にとどまり、具体的な事故対応や刑事手続きに関する最終判断は、必ず一次情報(e-Gov法令検索・警察庁公表資料)と、弁護士等の専門家にご確認ください。

危険運転致死傷罪とは何か

危険運転致死傷罪は、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第2条に規定されています。特定の危険な運転行為によって人を負傷または死亡させた場合に成立する犯罪で、負傷させた場合は15年以下の拘禁刑、死亡させた場合は1年以上の有期拘禁刑と、極めて重い法定刑が定められています。

条文が定める8つの類型

同条は、危険運転致死傷罪の対象となる行為として次の8類型を列挙しています。

  1. アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為
  2. その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為
  3. その進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させる行為
  4. 人又は車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入し、その他通行中の人又は車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
  5. 車の通行を妨害する目的で、走行中の車の前方で停止し、その他これに著しく接近することとなる方法で自動車を運転する行為
  6. 高速自動車国道又は自動車専用道路において、自動車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の前方で停止し、走行中の自動車に停止又は徐行をさせる行為
  7. 赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
  8. 通行禁止道路を進行し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為

類型の第1号(アルコール・薬物の影響)は、道路交通法上の飲酒運転や過労運転の禁止規定と密接に連動しており、事業者にとっては単なる運転者個人の問題では済まない領域です。

事業者に課される安全運転管理者の選任義務

一定台数以上の自動車を業務に使用する事業者には、道路交通法第74条の3により、自動車の使用の本拠ごとに安全運転管理者を選任する義務があります(具体的な台数は内閣府令で定められています)。

安全運転管理者は、自動車の安全な運転を確保するために必要な、運転者に対する交通安全教育その他の安全運転に必要な業務を行います。事業者側にも、安全運転管理者に対して業務遂行に必要な権限を与え、機材を整備する義務が課されています。

加えて、道路交通法第74条は車両等の使用者に対し、運転者や安全運転管理者に道路交通法上の安全運転に関する事項を遵守させるよう努める義務を定めています。さらに同法第75条は、自動車の使用者に対し、運転者に無免許運転・酒気帯び運転・過労運転などの違反行為を命じたり容認したりすることを明確に禁じています。

飲酒運転を防ぐために安全運転管理者が講ずべき義務

そもそも道路交通法第65条は、何人も酒気を帯びて車両等を運転してはならないこと、酒気を帯びている者に車両等を提供してはならないこと、運転するおそれのある者に酒類を提供してはならないことを定めています。

この禁止規定を組織的に担保するため、道路交通法施行規則第9条の10は、安全運転管理者に対し次のような飲酒運転防止業務を義務づけています。

  • 酒気帯びの有無の確認:運転しようとする運転者および運転を終了した運転者について、目視等による状態確認に加え、国家公安委員会が定めるアルコール検知器を用いて確認すること。
  • 記録と保存:確認内容を記録し、その記録を1年間保存すること。
  • アルコール検知器の常時有効保持:検知器を常に正しく作動する状態に保つこと。

これらは、警察庁が公表するとおり2022年4月1日および10月1日に段階的に施行された道路交通法施行規則の改正で強化された内容です(警察庁「安全運転管理者の業務の拡充等」)。

過労運転を防ぐために安全運転管理者が講ずべき義務

道路交通法第66条は、過労、病気、薬物の影響その他の理由により、正常な運転ができないおそれがある状態で車両等を運転してはならないと定めています。この状態での運転は、危険運転致死傷罪第1号の「正常な運転が困難な状態」に該当する可能性が指摘されています。

安全運転管理者が過労運転防止のために担う業務も、道路交通法施行規則第9条の10に列挙されています。

  • 運行計画の作成:最高速度違反行為、過積載、過労運転の防止その他安全な運転の確保に留意して、自動車の運行計画を作成すること。
  • 交替運転者の配置:運転者が長距離の運転または夜間の運転に従事する場合で、疲労等により安全な運転を継続できないおそれがあるときは、あらかじめ交替運転者を配置すること。
  • 点呼時の確認と指示:運転しようとする運転者に対し点呼等を行い、過労・病気その他の理由により正常な運転をすることができないおそれの有無を確認し、必要な指示を与えること。

また、道路交通法第66条の2により、車両の使用者が過労運転を防止するための運行管理を行っていないと認められる場合、公安委員会は当該使用者に対し必要な措置をとることを指示できるとされています。運行管理体制の不備は、事業者側の行政指導リスクにも直結する構造です。

安全運転管理者が担うその他の業務

施行規則第9条の10は、上記の飲酒・過労運転防止のほかにも次のような業務を安全運転管理者に求めています。

  • 運転者の適性、技能、知識および法令遵守状況の把握
  • 異常な気象、天災その他の理由により安全な運転の確保に支障が生じるおそれがあるときの、運転者に対する必要な指示その他の措置
  • 運転者名、運転の開始・終了日時、運転距離その他運転の状況を記録する運行日誌の備付けと、運転終了時の記録
  • 運転者に対する、運転の技能・知識その他安全な運転を確保するために必要な事項の指導

形式的な選任だけでなく、日々の点呼・記録・指導のサイクルを継続的に回すことが、安全運転管理者制度の中核と言えます。

条文の原文も、その場で確認できます

本記事で引用した条文は、AI法令調査ツール「ことのり」で同じクエリを検索すれば、e-Govの一次情報リンク付きでその場で確認できます。改正法施行前後の社内チェックリスト作成にも活用いただけます。

危険運転と安全運転管理者義務をことのりで調べる

よくある質問

Q1. 危険運転致死傷罪はどのような行為に対して成立しますか?

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第2条は、アルコール・薬物の影響による運転、進行を制御することが困難な高速度運転、進行を制御する技能がない状態での運転、通行妨害目的の危険運転、赤色信号の殊更な無視、通行禁止道路の進行など、8つの類型を挙げています。これらの行為により人を負傷させた場合は15年以下の拘禁刑、死亡させた場合は1年以上の有期拘禁刑という重い法定刑が定められています。

Q2. 事業者が従業員の飲酒運転を防ぐために、安全運転管理者はどのような手続きを行う必要がありますか?

道路交通法施行規則第9条の10は、安全運転管理者に対し、運転しようとする運転者および運転を終了した運転者について、目視等での状態確認に加えて、国家公安委員会が定めるアルコール検知器を用いた酒気帯びの有無の確認を義務づけています。確認内容は記録し1年間保存する必要があり、アルコール検知器は常時有効に保持しなければなりません。詳細な運用は警察庁の公表資料でも解説されています。

Q3. 過労運転の防止について、安全運転管理者と事業者はそれぞれ何を求められますか?

安全運転管理者は、道路交通法施行規則第9条の10に基づき、過労運転防止に留意した運行計画の作成、長距離・夜間運転時の交替運転者の配置、点呼等による正常な運転ができないおそれの有無の確認と必要な指示を行う必要があります。あわせて道路交通法第66条の2により、車両の使用者が過労運転防止のための運行管理を行っていないと認められる場合、公安委員会が使用者に必要な措置をとるよう指示できると規定されています。

出典(一次情報)

※本記事はAIによる調査支援を活用して作成した参考情報です。制度の詳細や最新の取扱いは、必ず一次情報および専門家にご確認ください。

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