2026年7月24日、抗体投与による感染予防を定期接種の枠組みへ位置づける改正予防接種法が成立し、2027年度にも公費での接種開始が見込まれています(改正予防接種法が成立、抗体投与で感染予防を公費化へ)。医療機関・介護事業者・保育所・企業の産業保健に広く関わる基本法であり、改正のタイミングに合わせて「定期接種と任意接種(臨時の予防接種を含む)の区分」「事業者・医療機関の記録・報告義務」「健康被害救済制度」を一次情報で押さえておく価値が高いと考え、予防接種法と予防接種法施行規則を検索しました。
本記事では、定期接種と臨時の予防接種の位置づけ、医療機関や自治体に課される記録・報告のルール、そして健康被害救済制度の給付の枠組みまでを、条文に沿って整理します。
本記事は、AI法令調査ツール「ことのり」で実際に検索した結果(関連条文・出典リンク付き)をもとに編集した参考情報です。予防接種は医療行為であり、対象疾病や実施要件は政令・省令・自治体ごとの運用で変わり得ます。個別の接種可否・健康被害救済の適用可否・事業所での対応判断は、必ず一次情報(e-Gov・厚生労働省の通知等)と、医師・保健所・行政書士等の専門家にご確認ください。
予防接種法の全体像:定期接種と臨時の予防接種
予防接種法第2条は「予防接種」を、疾病に対して免疫の効果を得させるため、疾病の予防に有効であることが確認されているワクチンを人体に注射し、または接種することと定義しています。この予防接種は、大きく「定期の予防接種」と「臨時の予防接種」に分けられ、後者が一般に「任意接種」と呼ばれる位置づけに近い性格を持ちます。
A類疾病とB類疾病の区分
予防接種法第2条では、対象疾病を次の2つに分類しています。
- A類疾病:ジフテリア、百日せき、急性灰白髄炎、麻しん、風しん、日本脳炎、破傷風、結核、Hib感染症、肺炎球菌感染症(小児)、ヒトパピローマウイルス感染症、新型インフルエンザ等感染症など。人から人へ伝染することによる発生・まん延の予防や、重篤化防止のために特に予防接種が必要と認められる疾病です。
- B類疾病:インフルエンザ、新型インフルエンザ等感染症など。個人の発病・重症化防止と、そのまん延予防に資するために特に予防接種が必要と認められる疾病です。
定期の予防接種(第5条)
予防接種法第5条は、市町村長がA類疾病およびB類疾病のうち政令で定めるものについて、区域内に居住する政令で定める者に対し、期日または期間を指定して予防接種を行うこと(定期の予防接種)を規定しています。国や地方公共団体が実施を推奨し、費用も公費負担が基本となる枠組みです。
臨時の予防接種(第6条)
予防接種法第6条は、都道府県知事または厚生労働大臣が、A類・B類疾病のうち厚生労働大臣が定めるものについて、まん延予防上緊急の必要があると認めるときに、対象者・期日・期間を指定して臨時に予防接種を行い、または市町村長に対して行うよう指示できるとしています。特定の感染症が流行した際などに、緊急対応として実施される類型です。
これに対し、法律上の定期・臨時の枠に含まれない予防接種は、一般に「任意接種」と呼ばれ、個人の判断で受け、費用も自己負担となる場合が多くなります。ただし、臨時の予防接種は、緊急性が認められる場合に公費で実施されることがあります。
事業者・医療機関に課される記録・報告義務
自治体側の記録義務(第9条の3・施行規則第4条)
予防接種法第9条の3は、市町村長または都道府県知事に対し、定期の予防接種等を行ったときは、遅滞なく、厚生労働省令で定めるところにより記録を作成・保存する義務を課しています。
記録すべき事項の具体は予防接種法施行規則第4条に定められており、被接種者の氏名・性別・生年月日・住所、予防接種を行った年月日、種類、医師の氏名、接種液の接種量・製造番号、個人番号などが含まれます。これらの記録は、原則として、予防接種を受けた者が死亡した日の翌日から5年を経過する日まで、電磁的記録として保存する必要があります。また、被接種者から記録の開示を求められた場合、正当な理由がなければ拒むことはできません。
医療機関の健康被害疑い報告(第12条・施行規則第6条)
予防接種法第12条は、病院もしくは診療所の開設者、または医師に対し、定期の予防接種等を受けた者が、当該予防接種を受けたことによるものと疑われる症状(厚生労働省令で定めるもの)を呈していることを知ったときは、厚生労働大臣に報告することを義務づけています。厚生労働大臣は、報告があったときは、遅滞なくその内容を当該予防接種を行った市町村長または都道府県知事に通知することとされています。
予防接種法施行規則第6条は、この報告について「速やかに行う」ものとし、報告事項として、被接種者の氏名・性別・生年月日・接種時の年齢・住所、報告者の氏名・所属医療機関、接種期日・場所、使用されたワクチンの種類・製造番号、疑われる症状の概要などを定めています。
PMDA(医薬品医療機器総合機構)への報告
予防接種法施行規則第7条の2は、法第14条第3項の規定に基づく独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)への報告について、上記と同様の事項を速やかに報告することを定めています。健康被害の早期発見、原因究明、および救済制度の適用判断につながる情報基盤として位置づけられています。
健康被害救済制度の仕組み
救済の対象と認定主体(第15条)
予防接種法第15条は、市町村長は、区域内に居住する間に定期の予防接種等を受けた者が疾病にかかり、障害の状態となり、または死亡した場合において、当該疾病・障害・死亡が定期の予防接種等を受けたことによるものであると厚生労働大臣が認定したときに、給付を行うと定めています。厚生労働大臣は、この認定にあたって審議会等の意見を聴かなければならないとされています。
給付の範囲(第16条)
予防接種法第16条は、給付の範囲を、健康被害の類型と予防接種の種類に応じて次のように整理しています。
- A類疾病に係る定期の予防接種等、またはB類疾病に係る臨時の予防接種による健康被害
- 医療費および医療手当
- 障害児養育年金(18歳未満の障害者)
- 障害年金(18歳以上の障害者)
- 死亡一時金
- 葬祭料
- B類疾病に係る定期の予防接種による健康被害
- 医療費および医療手当(政令で定める程度の医療を受ける者)
- 障害児養育年金
- 障害年金
- 遺族年金または遺族一時金
- 葬祭料
B類疾病に係る定期の予防接種の場合は、給付の対象となる医療費や遺族年金等について一定の要件が加わる点が特徴です。これは、B類疾病が個人の発病・重症化防止に主眼が置かれ、A類疾病が公衆衛生上の重要性がより高いと位置づけられていることを反映していると考えられます。
実務上の留意点
健康被害救済制度の適用には、予防接種法第15条に基づく厚生労働大臣の「予防接種を受けたことによるものである」との認定が不可欠です。この認定プロセスでは、予防接種法第12条に基づく医療機関からの報告や、専門家による医学的評価が重要な役割を果たします。被接種者やその保護者は、健康被害が発生した際に、速やかに医療機関を受診し、市町村の窓口に相談することが求められます。
条文の原文も、その場で確認できます
「ことのり」なら、予防接種法や施行規則の該当条文を、e-Govの一次情報リンク付きで確認できます。定期接種と臨時の予防接種の区分、事業者・医療機関の記録・報告義務、健康被害救済制度の給付範囲まで、根拠条文にあたりながら整理したい方はご活用ください。
予防接種法の基礎をことのりで調べるよくある質問
定期接種と任意接種(臨時の予防接種)の違いは何ですか?
予防接種法第5条の「定期の予防接種」は、市町村長がA類・B類疾病のうち政令で定めるものについて、対象者や期日・期間を指定して実施するもので、国や自治体が推奨し公費負担が基本となる枠組みです。一方、同法第6条の「臨時の予防接種」は、都道府県知事または厚生労働大臣が、まん延予防上緊急の必要があると認めるときに実施する類型で、緊急時に公費で行われることがあります。これら以外の予防接種は、一般に「任意接種」と呼ばれ、個人の判断で受け、費用は自己負担となる場合が多くなります。
予防接種で健康被害が疑われる症状を診た医師は、何をすればよいですか?
予防接種法第12条により、病院・診療所の開設者または医師は、定期の予防接種等を受けた者が、当該予防接種を受けたことによるものと疑われる症状(厚生労働省令で定めるもの)を呈していることを知ったときは、厚生労働大臣に報告する義務があります。報告事項は予防接種法施行規則第6条で、被接種者情報、報告者情報、接種期日・場所、ワクチンの種類・製造番号、疑われる症状の概要などが定められており、「速やかに」行うこととされています。また、同規則第7条の2により、PMDAへの報告が求められる場合もあります。
健康被害救済制度で受けられる給付にはどのようなものがありますか?
予防接種法第16条により、A類疾病に係る定期の予防接種等またはB類疾病に係る臨時の予防接種による健康被害に対しては、医療費および医療手当、障害児養育年金(18歳未満)、障害年金(18歳以上)、死亡一時金、葬祭料が定められています。B類疾病に係る定期の予防接種による健康被害に対しては、政令で定める程度の医療を受ける者への医療費および医療手当、障害児養育年金、障害年金、遺族年金または遺族一時金、葬祭料が定められています。給付の前提として、同法第15条による厚生労働大臣の認定が必要です。
出典(一次情報)
※本記事はAIによる調査支援を活用して作成した参考情報です。制度の詳細や最新の取扱いは、必ず一次情報および専門家にご確認ください。