2026年5月に施行された改正薬機法により、市販薬(一般用医薬品)のオーバードーズ対策として、乱用防止指定成分を含む製品の販売時に年齢確認や数量制限などが義務付けられました。報道によれば、施行から2か月で購入者の約6割が法改正を認知しているとされます。
薬局・ドラッグストア等の小売事業者にとっては、日々の店頭対応に直結する話です。そこで、薬機法および同施行規則を実際に検索し、市販薬販売時に守るべき義務を「情報提供」「指定濫用防止医薬品」「例外」の3つの切り口で整理しました。この記事を読めば、店頭で最低限おさえるべき義務の全体像と、根拠となる条文の場所が把握できます。
本記事は、AI法令調査ツール「ことのり」で実際に検索した結果(関連条文・出典リンク付き)をもとに編集した参考情報です。薬機法は改正が続く分野であり、指定濫用防止医薬品の対象成分・具体的な数量・年齢等は厚生労働省令で定められます。実際の運用にあたっては、必ず一次情報および所管の薬事担当部局・薬剤師等の専門家に最終判断をご確認ください。
基本の考え方:一般用医薬品は「リスク分類」で義務が変わる
市販薬(一般用医薬品)は、そのリスクに応じて「第一類医薬品」「第二類医薬品」「第三類医薬品」に分類され、販売時の情報提供・確認義務がそれぞれ異なります(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 第36条の10)。
これに加えて、濫用のおそれがある成分を含む医薬品は「指定濫用防止医薬品」として厚生労働大臣が指定し、通常の分類とは別のより厳格な販売ルールが課されます(同法 第36条の11)。薬局・ドラッグストアはこの二層構造をふまえて店頭対応を設計する必要があります。
一般用医薬品の情報提供義務(分類別)
第一類医薬品:薬剤師による書面情報提供が義務
薬機法第36条の10により、第一類医薬品を販売する際は、薬剤師に厚生労働省令で定める事項を記載した書面を用いて必要な情報を提供させなければなりません。
その前提として、薬剤師は購入者の年齢、他の薬剤・医薬品の使用状況、性別、症状、医師の診断の有無、他の疾病、妊娠・授乳の有無、購入・使用経験、副作用経験など、厚生労働省令で定める事項を事前に確認する必要があります(同条および同法施行規則 第159条の15)。
情報提供の方法としては、情報提供を行う場所での個別提供、手帳の活用、副作用発生時の対応説明、情報内容の理解確認、質問の有無確認、必要に応じた医師・歯科医師の診断勧奨、情報提供を行った薬剤師の氏名伝達などが求められます(施行規則 第159条の15)。販売にあたっては、情報提供の内容を理解したこと及び質問がないことを確認したうえで販売・授与する必要があります(施行規則 第159条の14)。
第二類医薬品:情報提供・事前確認は「努力義務」
第二類医薬品については、薬剤師または登録販売者に必要な情報を提供させるよう「努めなければならない」努力義務とされています。事前確認についても同様に努力義務です(薬機法第36条の10)。
相談があった場合はすべての一般用医薬品で対応義務
第一類・第二類・第三類のいずれであっても、購入者等から相談があった場合には、薬剤師または登録販売者に必要な情報を提供させなければなりません(薬機法第36条の10)。
第二類・第三類の販売に際して相談があった場合は、情報提供を行った後に販売・授与する必要があり、あわせて販売した薬剤師または登録販売者の氏名、薬局・店舗の名称、連絡先を伝えることが求められます(施行規則 第159条の14)。
指定濫用防止医薬品に関する特別ルール
指定濫用防止医薬品は、濫用した場合に中枢神経系の興奮若しくは抑制又は幻覚を生ずるおそれがあり、その防止を図る必要がある医薬品として厚生労働大臣が薬事審議会の意見を聴いて指定するものです(薬機法第36条の11)。以下の特別な義務が課されます。
1. 書面による情報提供と事前確認
販売時は、薬剤師または登録販売者に、厚生労働省令で定める事項を記載した書面を用いて必要な情報を提供させなければなりません。また、購入者の他の薬剤・医薬品の使用状況などを事前に確認させる必要があります(薬機法第36条の11)。
情報提供の方法としては、情報提供を行う場所での個別提供、濫用した場合の保健衛生上の危害発生のおそれの説明、情報内容の理解確認、質問の有無確認などが求められます(施行規則 第159条の18の2)。
2. 数量制限と年齢確認
指定濫用防止医薬品ごとに厚生労働省令で定める数量を超えて販売してはならず、また厚生労働省令で定める年齢に満たない者に販売してはならないとされています(薬機法第36条の11)。具体的な数量・年齢は同省令で定められます。
3. 販売拒否義務
情報提供ができない場合や、指定濫用防止医薬品を使用しようとする者の適正な使用を確保することができないと認められる場合には、販売してはなりません(薬機法第36条の11)。
4. 指定濫用防止医薬品販売等手順書の作成義務
薬局開設者、店舗販売業者または配置販売業者は、指定濫用防止医薬品を販売する際に、次の手順を記載した「指定濫用防止医薬品販売等手順書」を作成しなければなりません(施行規則 第159条の18の7)。
- 販売または授与の方法に関する手順
- 情報提供および確認に関する手順
- 陳列に関する手順
- 厚生労働省令で定める数量を超えて購入しようとする場合や、当該数量以下の数量を頻繁に購入しようとする場合であって適正な使用を確保できないと認められる場合の対応に関する手順
- その他適正な販売または授与に関し必要と考えられる事項に関する手順
この手順書に基づき、薬剤師または登録販売者に適正な業務を行わせる必要があります(施行規則 第159条の18の7)。
適用限界・例外ケース
上記の義務には、次のような例外が設けられています。
- 薬剤師等への販売・授与:第一類医薬品および指定濫用防止医薬品を薬剤師等に販売または授与する場合、情報提供義務は適用されません(薬機法第36条の10、同法第36条の11)。
- 第一類医薬品購入者の意思表示:第一類医薬品を購入する者が説明を要しない旨の意思を表明した場合で、かつ当該第一類医薬品が適正に使用されると認められる場合、情報提供義務は適用されません(薬機法第36条の10)。
- 指定濫用防止医薬品の年齢・数量制限の例外:薬剤師等に販売・授与する場合、または購入しようとする者が厚生労働省令で定める年齢以上の者である場合、もしくは対面等により情報提供を行った場合には、例外が認められる余地があります(薬機法第36条の11)。
店頭運用で意識したいポイント
条文をふまえたうえで、店頭運用上のポイントを整理します。
- リスク分類に応じた対応を仕組み化する:第一類は薬剤師による書面情報提供、第二類は努力義務、相談時は全類で対応義務、という違いをレジ・売場の運用に落とし込みます(薬機法第36条の10、施行規則 第159条の14)。
- 指定濫用防止医薬品は「年齢確認」「数量制限」「頻回購入への対応」をセットで運用:手順書に沿って、短期間の繰り返し購入や一度の大量購入にどう対応するかを決めておくことが求められます(薬機法第36条の11、施行規則 第159条の18の7)。
- 情報提供の質を担保する:濫用した場合の保健衛生上の危害発生のおそれを具体的に説明し、購入者の理解確認・質問受付までを一連の流れとして行うことが規則上求められています(施行規則 第159条の18の2)。
- 従業員教育を継続的に:薬剤師・登録販売者を含む販売従事者に対し、薬機法および関連省令の規定を定期的に教育し、法令遵守意識を組織的に高めることが望まれます。
条文の原文も、その場で確認できます
本記事で紹介した薬機法第36条の10・第36条の11や、施行規則第159条の14以下は、e-Govの原文にあたるのが確実です。「ことのり」なら、質問を入力するだけで関連条文と出典リンクを一気に取り出せます。
薬機法・市販薬販売義務をことのりで調べるよくある質問
Q1. 指定濫用防止医薬品の「数量」や「年齢」は、条文のどこに書かれていますか?
薬機法第36条の11は「厚生労働省令で定める数量」「厚生労働省令で定める年齢」と規定しており、具体的な数量・年齢は同法の施行規則等に委ねられています(薬機法第36条の11)。実際の数値は最新の施行規則および厚生労働省の通知で確認してください。
Q2. 第二類医薬品は情報提供しなくてもよいのですか?
第二類医薬品の情報提供および事前確認は「努めなければならない」努力義務です(薬機法第36条の10)。ただし、購入者から相談があった場合には、薬剤師または登録販売者に必要な情報を提供させる義務があり、情報提供を行った後に販売・授与する必要があります(施行規則 第159条の14)。
Q3. 指定濫用防止医薬品を頻繁に購入しようとする人にはどう対応すべきですか?
販売等手順書には、規定数量を超えて購入しようとする場合や、規定数量以下でも頻繁に購入しようとする場合であって適正な使用を確保できないと認められる場合の対応手順を定めることとされています(施行規則 第159条の18の7)。適正な使用を確保できないと認められる場合には、販売してはならないとされています(薬機法第36条の11)。
出典(一次情報)
- 🔗 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 第36条の10(一般用医薬品に関する情報提供等)
- 🔗 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 第36条の11(指定濫用防止医薬品に関する情報提供等)
- 🔗 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則 第159条の14(一般用医薬品の販売等)
- 🔗 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則 第159条の15(一般用医薬品に係る情報提供の方法等)
- 🔗 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則 第159条の18の2(指定濫用防止医薬品に関する情報提供の方法等)
- 🔗 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則 第159条の18の7(指定濫用防止医薬品販売等手順書等)
- 🔗 改正薬機法施行、市販薬のオーバードーズ対策で乱用防止指定成分の販売規制(Google News)
※本記事はAIによる調査支援を活用して作成した参考情報です。制度の詳細や最新の取扱いは、必ず一次情報および専門家にご確認ください。