「意見聴取」の根拠条文は税理士法第35条(意見の聴取)です。結論からいうと、この条文は添付書面が付いた申告書について、税務当局が動く前に、その税理士へ意見を述べる機会を与えなければならないと定めたものです。機会が保障される場面は、条文上、①税務調査の事前通知前(第1項)、②更正を行う前(第2項)、③審査請求に係る事案の調査時(第3項)の3つに分かれています。

本記事では、e-Gov法令検索で公開されている税理士法第35条の条文と、国税通則法・同施行規則、国税庁の事務運営指針に基づいて、それぞれの場面で「誰が」「いつ」「何について」意見を聴くのか、例外はどこにあるのか、そして意見聴取が処分の効力とどう関係するのかを整理します。

本記事は、AI法令調査ツール「ことのり」で実際に検索した結果(関連条文・出典リンク付き)をもとに編集した参考情報です。意見聴取の実際の運用(連絡の方法、説明を求められる範囲、要する時間など)は、個別の関与状況や国税当局の運用によって異なります。実際の対応にあたっては、必ずe-Gov法令検索の最新の条文と国税庁・所轄税務署の案内、必要に応じて税理士等の専門家にご確認ください。

意見聴取制度の位置づけ

税理士法第35条に規定される意見聴取制度は、税理士が税務の専門家として申告内容の適正性を説明し、税務当局との認識の齟齬を早い段階で解消するための仕組みです。制度は単独で働くものではなく、税理士法第33条の2に定める書面添付制度と密接に結びついています。

書面添付制度とは、税理士が作成した申告書に、計算事項・整理事項・相談事項・審査事項などを記載した書面(添付書面)を添付することで、その申告書が税理士の責任において適正に作成されたことを明らかにする制度です。意見聴取は、この添付書面に記載された内容について、税務当局が税理士から直接説明を聴く場にあたります。

つまり、意見聴取の機会は「添付書面があること」が前提であり、書面添付を行っていない申告書については、第35条に基づく意見聴取の機会は保障されません。この点は制度を理解するうえでの出発点になります。書面添付制度そのものの中身は、税理士法第33条の2の書面添付制度の解説記事で詳しく整理しています。

意見聴取が行われる3つの場面

税理士法第35条は、意見聴取の機会を設けるべき場面を、第1項から第3項までの3つの類型に分けて規定しています。

1. 税務調査の事前通知前(第35条第1項)

税務官公署の当該職員が、添付書面が添付されている申告書を提出した者について、その申告書に係る租税に関しあらかじめ日時場所を通知して帳簿書類を調査する場合において、その租税に関し第30条の規定による書面(税務代理権限証書)を提出している税理士があるときは、その通知をする前に、当該税理士に対し、添付書面に記載された事項に関して意見を述べる機会を与えなければならないとされています。

実地調査の事前通知が納税者へ届く前の段階で、税理士から申告内容の説明を聴き、調査の必要性そのものを再検討する機会を設けるという設計です。3つの場面のうち、実務で「意見聴取」と呼ばれることが最も多いのがこの第1項の場面です。

2. 更正を行う前(第35条第2項)

添付書面が添付されている申告書について、国税通則法または地方税法の規定により更正(税額の増額修正など)をすべき場合において、その更正の基因となる事実について、添付書面に記載された事項に関し税理士が計算・整理・相談に応じ、または審査していると認められるときは、税務署長(または国税庁長官、国税局長)もしくは地方公共団体の長は、当該税理士に対し、その事実に関して意見を述べる機会を与えなければならないとされています(税理士法第35条第2項)。

ただし書きに例外があります。申告書およびこれに添付された書類の調査により、課税標準等の計算について法令の規定に従っていないことが明らかであるとき、またはその計算に誤りがあることにより更正を行うときは、この限りでないと条文上定められています。形式的に明らかな法令違反や計算誤りについては、改めて意見を聴くまでもなく更正できるという趣旨の規定です。

3. 審査請求に係る事案の調査時(第35条第3項)

国税不服審判所の担当審判官、または行政不服審査法の規定に基づき指名された者が、租税についての審査請求に係る事案について調査する場合において、当該審査請求に関し第30条の規定による書面(税務代理権限証書など)を提出している税理士があるときは、当該税理士に対し、その事案に関して意見を述べる機会を与えなければならないとされています。

納税者が税務当局の処分に不服があるとして審査請求を行った段階でも、代理人である税理士が意見を述べる場が保障されている、ということになります。

意見聴取の有無と処分の効力(第35条第4項)

制度を語るうえで見落とされやすいのが、税理士法第35条第4項です。同項は、これらの意見聴取の有無が「調査に係る処分、更正、または審査請求についての裁決の効力に影響を及ぼすものではない」と明記しています。

つまり、意見聴取はあくまで税理士が説明する手続上の機会を保障する規定であり、その実施の有無が最終的な課税処分の適法性を左右するものではない、という位置づけです。「意見聴取がなかったから処分が無効になる」といった理解にはならない点に注意が必要です。

国税庁の事務運営指針にみる運用

条文だけでは運用の実際までは読み取れません。国税庁は、調査課における書面添付制度の運用に当たっての基本的な考え方及び事務手続等について(事務運営指針)を公表しており、ここで意見聴取の運用に関する考え方と事務手続が示されています。

同指針では、税務調査の事前通知前に税理士に意見聴取を行うこと、そして意見聴取の結果、調査の必要がないと認められた場合には、原則として書面で「現時点では調査に移行しない」旨を通知することなどが定められています。意見聴取を経て実地調査に至らないケースがあり得るのは、この運用によるものです。

なお、「現時点では調査に移行しない」という表現のとおり、これは将来にわたって調査が行われないことを意味するものではありません。指針の内容は改正されることがあるため、実務では必ず国税庁の最新の公表資料をご確認ください。

あわせて確認したい国税通則法の規定

税務調査への対応を整理するうえでは、税理士法だけでなく国税通則法側の規定もあわせて確認しておくと全体像がつかみやすくなります。

調査終了の際の手続(国税通則法第74条の11)

国税通則法第74条の11(調査の終了の際の手続)は、実地の調査を行った結果、更正決定等をすべきと認められない場合の納税義務者への通知など、調査終了時の手続を定めています。同条第4項では、納税者の同意がある場合、納税義務者への通知・説明・交付に代えて、税務代理人への通知等を行うことができるとされています。

税務代理人がある場合の事前通知(国税通則法施行規則第11条の4)

国税通則法施行規則第11条の4は、税務代理権限証書に「納税義務者への調査の通知は税務代理人に対してすれば足りる旨」の記載がある場合について定めています。この記載があることで、税務当局は納税者本人ではなく税理士へ直接連絡を取れることになります。

意見聴取が第1項の場面(事前通知前)で機能するためには、その前提として税務代理権限証書が提出されていることが条文上の要件になっています。書面添付と税務代理権限証書は、それぞれ別の書類であり、両方の状況を確認しておくことが実務上のポイントです。

e-Govで税理士法第35条の原文を確認する方法

税理士法の条文原文は、総務省が運営するe-Gov法令検索で誰でも無料で確認できます。第35条は税理士法(昭和26年法律第237号)第35条へのリンクから直接開けます。前提となる第33条の2(添付書面)、調査終了時の手続を定める国税通則法第74条の11とあわせて読むと、制度の全体像が見えてきます。

顧問先への説明資料をつくる場面では、「どの条文が、どの場面の、どの効果に対応しているか」を取り違えないことが重要です。制度の運用や記載水準については、国税庁が公表している情報や所属の税理士会の案内もあわせてご確認ください。

条文の原文も、その場で確認できます

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よくある質問

税理士法第35条の意見聴取とはどのような制度ですか?

税理士法第33条の2の添付書面が付いた申告書について、税務官公署の職員が帳簿書類を調査する場合などに、税務代理権限証書を提出している税理士に対し、記載事項について意見を述べる機会を与えなければならないと定めた制度です。条文は、事前通知前(第1項)・更正前(第2項)・審査請求に係る調査時(第3項)の3つの場面を規定しています(税理士法第35条)。

意見聴取が行われれば税務調査は省略されますか?

条文上、調査が省略されると定められているわけではありません。ただし国税庁の事務運営指針では、意見聴取の結果として調査の必要がないと認められた場合には、原則として書面で「現時点では調査に移行しない」旨を通知することとされています。

意見聴取が行われなかった場合、更正処分は無効になりますか?

税理士法第35条第4項は、意見聴取の有無は、調査に係る処分、更正、または審査請求についての裁決の効力に影響を及ぼすものではないと定めています。意見聴取は手続上の機会を保障する規定であり、その実施の有無が処分の効力を左右するものではありません。

出典(一次情報)

※本記事はAIによる調査支援を活用して作成した参考情報です。制度の詳細や最新の取扱いは、必ず一次情報および専門家にご確認ください。

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