労働者派遣事業を行うには、労働者派遣法第5条に基づき厚生労働大臣の許可を受けることが必要です。許可を得るためには、特定者派遣を目的としないこと、適正な雇用管理能力(キャリア形成支援制度を含む)、個人情報管理、事業遂行能力といった基準を満たし、かつ拘禁刑以上の刑罰歴や暴力団関係などの欠格事由に該当しないことが求められます。
本記事では、労働者派遣事業の許可を受けるための主要な要件、申請手続きの流れ、必要書類、そして実務上の注意点を、関係条文の出典付きで整理してお伝えします。
本記事は、AI法令調査ツール「ことのり」で実際に検索した結果(関連条文・出典リンク付き)をもとに編集した参考情報です。労働者派遣事業の許可は、申請者の状況や事業所の実態によって個別判断される部分が多く、また厚生労働省令・通達・マニュアルにより詳細が定められています。具体的な申請にあたっては、必ず一次情報(e-Gov法令検索、厚生労働省の公表資料)と、社会保険労務士・弁護士などの専門家にご確認のうえ、最終判断を行ってください。
労働者派遣事業は厚生労働大臣の許可制
労働者派遣事業を行おうとする者は、労働者派遣法第5条に基づき、厚生労働大臣の許可を受けなければなりません。許可を受けようとする者は、所定の事項を記載した申請書を厚生労働大臣に提出する必要があり、申請書には事業所ごとの事業計画書その他厚生労働省令で定める書類を添付します。
申請書に記載する主な事項は次のとおりです。
- 氏名または名称、住所、法人にあってはその代表者の氏名
- 法人にあっては、その役員の氏名および住所
- 労働者派遣事業を行う事業所の名称および所在地
- 派遣元責任者の氏名および住所
許可の基準(労働者派遣法第7条)
厚生労働大臣は、労働者派遣法第7条に定める基準に適合すると認められる場合に限り、許可を与えます。主な基準は次の4点です。
1. 特定の者への派遣を目的としないこと
原則として、特定の者に対してのみ労働者派遣の役務を提供することを目的とする事業であってはなりません。ただし、厚生労働省令で定める場合は例外として認められます。具体的には、労働者派遣法施行規則第1条の4により、雇用する派遣労働者のうち10分の3以上が60歳以上の定年退職者(他の事業主の事業所を60歳以上の定年により退職した後に雇い入れた者に限る)である場合が定められています。
2. 適正な雇用管理能力
派遣労働者の雇用管理を適正に行うに足りる能力が必要です。労働者派遣法施行規則第1条の5により、具体的には次の基準が定められています。
- 派遣労働者のキャリアの形成を支援する制度(厚生労働大臣が定める基準を満たすもの)を有すること
- 上記のほか、派遣労働者に係る雇用管理を適正に行うための体制が整備されていること
3. 個人情報管理と秘密保持
個人情報を適正に管理し、派遣労働者等の秘密を守るために必要な措置が講じられていることが求められます。
4. 事業遂行能力
申請者が当該事業を的確に遂行するに足りる能力を有していることも要件とされています。この「事業を的確に遂行するに足りる能力」の一環として、厚生労働省の許可・更新等手続マニュアル等では、一定の財産的基礎(基準資産額や現預金など)が示されています。
許可の欠格事由(労働者派遣法第6条)
労働者派遣法第6条により、次のいずれかに該当する者は許可を受けることができません。
- 拘禁刑以上の刑に処せられ、または労働関係法令等政令で定める法律違反等により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
- 心身の故障により労働者派遣事業を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの
- 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
- 過去に労働者派遣事業の許可を取り消され、当該取消しの日から5年を経過しない者、またはその法人の役員であった者
- 許可取消しの処分に係る通知があった日から処分日までの間に事業廃止届を提出し、当該届出の日から5年を経過しない者、またはその法人の役員であった者
- 暴力団員または暴力団員でなくなってから5年を経過しない者、暴力団員等がその事業活動を支配する者、または暴力団員等をその業務に従事させるおそれのある者
- 法人の役員のうちに上記のいずれかに該当する者がいる場合
申請から許可までの手続きの流れ
労働者派遣事業の許可申請は、おおむね次の流れで進みます。
- 申請書の提出:労働者派遣法第5条に定める事項を記載した申請書を厚生労働大臣に提出します。
- 添付書類の提出:事業所ごとの事業計画書(派遣労働者の数、労働者派遣に関する料金の額などを記載)その他厚生労働省令で定める書類を添付します。
- 審査:厚生労働大臣が、許可基準(第7条)への適合性や欠格事由(第6条)の有無を審査します。
- 労働政策審議会の意見聴取:厚生労働大臣は、許可を行うにあたり、あらかじめ労働政策審議会の意見を聴くこととされています。
- 許可または不許可の通知:基準適合かつ欠格事由非該当であれば許可が与えられ、不許可とする場合は遅滞なく理由を示して通知されます。
必要書類と実務上の注意点
主な必要書類
- 労働者派遣事業許可申請書(労働者派遣法第5条第2項に定める事項を記載)
- 事業計画書(派遣労働者の数、料金額など、事業所ごとに作成)
- その他厚生労働省令で定める書類:財産的基礎に関する書類、役員の住民票や履歴書、事業所の賃貸借契約書、キャリア形成支援制度に関する書類などが含まれることが一般的です
派遣元責任者の選任
労働者派遣事業を行う事業所ごとに派遣元責任者を選任し、その氏名と住所を申請書に記載する必要があります。派遣元責任者は、派遣労働者の適切な雇用管理や派遣先との連絡調整など、重要な役割を担います。
事業所の要件
事業所は、事業を的確に遂行できる適切な場所である必要があります。事業所の独立性や広さ、プライバシー保護のための設備などが求められる場合があります。詳細は厚生労働省の許可・更新等手続マニュアル等で確認することが望まれます。
許可取得後の継続的な法令遵守
許可取得後も、労働者派遣法および関連法令の規定を遵守し、適正な事業運営を継続することが求められます。違反があった場合には、指導、改善命令、事業停止命令、さらには許可取消し等の行政処分を受ける可能性があります。
条文の原文も、その場で確認できます
労働者派遣法や施行規則の条文・最新の運用は、AI法令調査ツール「ことのり」で関連条文と出典リンクをまとめて確認できます。実際の申請準備や社内検討にあわせて、ぜひお試しください。
派遣事業の許可をことのりで調べるよくある質問
Q1. 労働者派遣事業はどの省庁の許可が必要ですか。
厚生労働大臣の許可が必要です。労働者派遣法第5条第1項により、労働者派遣事業を行おうとする者は厚生労働大臣の許可を受けなければならないと定められています。許可にあたっては、あらかじめ労働政策審議会の意見を聴くこととされています。
Q2. 「特定の者にだけ派遣する事業」は原則として許可されないと聞きました。例外はありますか。
はい、例外があります。労働者派遣法第7条第1項第1号は、専ら特定の者に役務を提供することを目的とする事業を原則として認めていません。ただし、施行規則第1条の4により、雇用する派遣労働者のうち10分の3以上が60歳以上の定年退職者である場合は例外として認められます。
Q3. 派遣労働者のキャリア形成支援制度は、許可要件として必須ですか。
必須の要件です。労働者派遣法施行規則第1条の5により、厚生労働大臣が定める基準を満たすキャリア形成支援制度を有することが、適正な雇用管理能力の一つとして定められています。あわせて、派遣労働者に係る雇用管理を適正に行うための体制整備も求められます。
出典(一次情報)
- 🔗 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律 第5条(労働者派遣事業の許可)
- 🔗 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律 第6条(許可の欠格事由)
- 🔗 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律 第7条(許可の基準等)
- 🔗 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律施行規則 第1条の4
- 🔗 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律施行規則 第1条の5
- 🔗 労働者派遣事業を適正に実施するために-許可・更新等手続マニュアル-|厚生労働省
- 🔗 厚生労働省 許可・更新等手続マニュアル関連資料(0000133882.pdf)
- 🔗 厚生労働省 許可・更新等手続マニュアル関連資料(000633822.pdf)
※本記事はAIによる調査支援を活用して作成した参考情報です。制度の詳細や最新の取扱いは、必ず一次情報および専門家にご確認ください。