結論:第57回(令和7年度) 社会保険労務士試験 択一式 健康保険法 第1問(健康保険法(組合会・出産育児一時金・日雇拠出金など))で、ことのりは5記述のうち4記述(A〜D)の正誤は公式正答と一致したものの、唯一の正解肢Eを『誤り』と誤判定し、公式正答(E)に到達できませんでした。AIが、実在する条文(健康保険法第174条)を『そんな規定は存在しない』と誤判定して、唯一の正解肢を取りこぼした回です。うまくいった回だけでなく、外した回も隠さず公開します。

本記事は、AI法令検索「ことのり」(本番稼働中のサービスそのもの)に実際に検索を実行させた結果(関連条文・出典リンク付き)をもとに編集した検証記録です。試験問題および正答は、全国社会保険労務士会連合会 試験センターが公表する社会保険労務士試験の問題・正答から引用しています。本記事は特定の試験対策・法的助言を目的とするものではありません。実際の判断にあたっては、必ず最新の条文や一次情報、必要に応じて専門家にご確認ください。

検証の方法

第1問は、健康保険法(組合会・出産育児一時金・日雇拠出金など)に関する5つの記述(A〜E)のうち「正しいものはどれか」を選ぶ問題です。方法はシリーズ共通で、各記述を1つずつ、「次の記述は、現行法令に照らして正しいですか、誤っていますか。根拠となる条文を挙げて判定してください」という形で本番稼働中のことのりにそのまま入力し、返ってきた判定を公表の正答と照合しました。プロンプトの工夫・再試行・人間による誘導はありません。

ことのりの判定結果:5記述中4記述が一致(1記述を取りこぼし)

記述ことのりの判定挙げた主な根拠条文公式正答との照合
選択肢A誤り健康保険法18条○ 一致
選択肢B誤り健康保険法193条○ 一致
選択肢C誤り収納事務に関する省令○ 一致
選択肢D誤り健康保険法施行規則116条○ 一致
選択肢E誤り健康保険法174条× 不一致

各記述の解説

選択肢A:ことのりの判定「誤り」(公式と一致)

記述:健康保険組合の組合会議員の定数は偶数で、半数は設立事業所の事業主側、半数は被保険者である組合員の互選により選定し、議員の任期は5年とし、補欠の議員の任期は前任者の残任期間とする。

根拠条文:健康保険法18条
組合会の議員定数・選定方法は健保法18条のとおりですが、議員の任期は『3年を超えない範囲内で規約で定める期間』(健康保険法施行令6条)であり、記述の『5年』が誤りです。ことのりも施行令6条を引いて『誤り』と正しく判定しました。

選択肢B:ことのりの判定「誤り」(公式と一致)

記述:資格喪失日の前日まで引き続き1年以上被保険者であった者が資格喪失日後6か月以内に出産したとき、出産日の翌日から起算して5年を経過する日までの間、出産育児一時金を最後の保険者から受けられる。

根拠条文:健康保険法193条
資格喪失後の出産育児一時金(健保法106条)の枠組みは正しいものの、保険給付を受ける権利の消滅時効は2年です(健保法193条)。記述の『5年』が誤りで、ことのりも時効2年を理由に『誤り』と正しく判定しました。

選択肢C:ことのりの判定「誤り」(公式と一致)

記述:日本年金機構の理事長は収納職員の交替時に検査員を命じて帳簿金庫を検査させ、前任の収納職員は交替の日をもって保険料等収納簿を締め切り、検査を受けて引き継ぐ。

根拠条文:収納事務に関する省令
ことのりは、締切りが『交替の日の前日』であること、帳簿が『徴収金等収納簿』であること、検査の根拠条が異なることを挙げて『誤り』と判定しました。収納事務の細目に関する論点で、公式正答(誤り)と一致しています。

選択肢D:ことのりの判定「誤り」(公式と一致)

記述:日雇特例被保険者は、介護保険第2号被保険者に該当・非該当の変更があったときは、5日以内に日雇特例被保険者手帳を提出して、その交換を申請しなければならない。

根拠条文:健康保険法施行規則116条
手帳の交換申請は『直ちに』行うとされており(健康保険法施行規則116条)、記述の『5日以内』が誤りです。ことのりも『直ちに』を理由に『誤り』と正しく判定しました。

選択肢E:ことのりの判定「誤り」(公式と不一致)

記述:日雇関係組合から徴収する日雇拠出金の額は当該年度の概算日雇拠出金の額とし、前年度の概算が確定を超えるときはその超える額を控除、満たないときはその満たない額を加算して得た額とする。

根拠条文:健康保険法174条
この記述は健康保険法第174条(日雇拠出金の額)の条文そのもので、正しい記述です(公式正答E)。ところがことのりは、概算日雇拠出金(175条)・確定日雇拠出金(176条)の条文だけを見て『前年度との差額を加減調整する規定は存在しない』と判断し、すぐ隣の第174条ただし書きを見落として『誤り』と誤判定しました。AIが『条文に規定がない』と断定するときの典型的な危うさで、唯一の正解肢を取りこぼす結果になりました。

この結果から言えること

  • ことのりは、組合会議員の任期(A)・出産育児一時金の時効(B)・収納事務の細目(C)・日雇手帳の交換期限(D)という4つの誤り記述を、いずれも正確に『誤り』と見抜きました。
  • しかし唯一の正解肢E(日雇拠出金の額)を『そのような規定は存在しない』と誤判定しました。実際には健康保険法第174条がまさにその精算(前年度の概算と確定の差額を当年度の概算に加減する)を定めており、ことのりは概算(175条)・確定(176条)の条文だけを見て、すぐ隣の174条を見落としていました。
  • 教訓は明確です。AIが『条文に規定がない・存在しない』と言っても鵜呑みにしないこと。『ない(不存在)』の判断は、ある条文を見つけるより難しく、隣接条文の見落としで簡単にひっくり返ります。必ず一次情報(e-Gov)で確認してください。
  • 本記事は、うまくいった回だけでなく外した回も隠さず公開するシリーズ方針に沿うものです。

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よくある質問

AIが『そんな規定はない』と言ったら信じてよいですか?

いいえ。本検証のように、実在する条文(健康保険法174条)を見落として『規定は存在しない』と誤判定することがあります。「ない」ことの証明は難しく、隣の条文の見落としで簡単に誤ります。必ずe-Govの条文で確認してください。

なぜAIは正解肢を外したのですか?

ことのりは概算日雇拠出金(175条)・確定日雇拠出金(176条)の条文には到達しましたが、その額の精算を定める第174条を拾えませんでした。意味の近い条文に引っ張られ、すぐ隣の根拠条文を見落とすことがあるためです。だからこそ最終確認は一次情報と専門家で行うのが安全です。

出典(一次情報)

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