外国人を雇用する企業は、入管法および労働施策総合推進法に基づき、「在留資格の確認」と「ハローワークへの雇用状況届出」という2つの義務を負っています。これらを怠ると、不法就労助長罪として3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金(またはその併科)、雇用状況届出違反として30万円以下の罰金が科される可能性があります。

2026年5月、参議院法務委員会で入管法改正案が可決され、在留資格に関する手数料の上限額が引き上げられる見通しとなりました。外国人雇用に伴うコスト負担が増す局面だからこそ、そもそも事業主に課されている入管法上の義務を改めて整理しておく価値があります。本記事では、関連する条文をことのりで実際に検索し、確認義務・届出義務・罰則の中身をわかりやすくまとめます。

本記事は、AI法令調査ツール「ことのり」で実際に検索した結果(関連条文・出典リンク付き)をもとに編集した参考情報です。外国人雇用に関する法令は改正が頻繁で、在留資格の種類や個別事案によって適用される条文も変わります。実際の届出手続や雇用判断にあたっては、必ずe-Govの一次情報・出入国在留管理庁・所轄ハローワーク、または行政書士・社会保険労務士などの専門家にご確認ください。

外国人雇用で事業主が負う2つの義務

事業主の義務は大きく分けて2系統あります。一つは厚生労働省(ハローワーク)所管の届出、もう一つは入管法に基づく在留資格の確認です。それぞれ根拠条文と罰則がはっきり定められています。

1. 外国人雇用状況の届出義務(労働施策総合推進法 第28条)

労働施策総合推進法第28条第1項は、事業主に対し、新たに外国人を雇い入れた場合、またはその雇用する外国人が離職した場合に、その者の氏名・在留資格・在留期間などを厚生労働大臣(ハローワーク)に届け出ることを義務付けています。

この届出制度の目的は、国が外国人労働者の雇用管理の改善や再就職支援の措置を講じるための基礎情報を集めることにあります。職業安定機関が事業主に対する雇用管理の指導・助言や、外国人本人への雇用情報提供・職業紹介を行うための土台となる制度です。

なお、国または地方公共団体が外国人を雇い入れ・離職した場合は、第28条第1項の届出義務は適用されませんが、任命権者が政令の定めにより厚生労働大臣へ通知する仕組みになっています。

2. 在留資格の確認義務と不法就労助長罪(入管法 第73条の2)

出入国管理及び難民認定法第73条の2は、事業活動に関し、外国人に不法就労活動をさせた者などに対して「不法就労助長罪」を定めています。事業主が外国人を雇用するときは、その外国人が日本で就労できる在留資格を有しているか、また実際の業務内容が在留資格の範囲内かを確認する責任があります。

ここでいう「不法就労活動」には、入管法第70条各号に該当する不法滞在者・不法入国者などの活動、在留資格の範囲を超える収入を伴う事業の運営や報酬を受ける活動、資格外活動許可を受けずに行う活動が含まれます。

届出の中身と確認すべき項目

届け出る事項

労働施策総合推進法第28条に基づき、届出が必要となる主な事項は次のとおりです。

  • 氏名
  • 入管法第2条の2第1項に規定する在留資格
  • 在留期間
  • その他厚生労働省令で定める事項

事業主は、これらの情報を確認したうえで、ハローワークを通じて届け出ることになります。届出の詳細な手続や様式は厚生労働省「外国人雇用状況の届出について」に整理されています。

雇用前に確認すべき在留関連の項目

警視庁「外国人の適正雇用について」や出入国在留管理庁の案内では、雇用前に在留カードやパスポートで以下を確認することが求められています。

  • 在留資格の種類
  • 在留期間(満了日)
  • 就労制限の有無(在留カード裏面の記載を含む)
  • 資格外活動許可の有無

在留カードの偽造や、在留資格と異なる活動を行おうとするケースもあるため、不審な点があれば出入国在留管理庁へ照会するなど、慎重な対応が求められます。

違反した場合の罰則

雇用状況届出を怠った場合:30万円以下の罰金

労働施策総合推進法第40条は、第28条第1項の届出をしなかった者、または虚偽の届出をした者を、30万円以下の罰金に処すると定めています。提出忘れだけでなく、内容に誤りがある届出も罰則の対象となり得る点に注意が必要です。

不法就労をさせた場合:3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金

入管法第73条の2第1項では、事業活動に関し外国人に不法就労活動をさせた者、不法就労活動をさせるために自己の支配下に置いた者、業としてあっせんした者を、3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金、またはこれらの併科に処すると定めています。

同条第2項は、「不法就労活動であることを知らなかったことを理由として処罰を免れることはできない。ただし、過失のないときはこの限りでない」としており、在留カードの確認すら行っていないような場合は、「知らなかった」という弁明では責任を免れにくい構造になっています。

事業主以外が負う関連義務

中長期在留者本人の届出義務(入管法 第19条の16)

入管法第19条の16は、中長期在留者本人に対し、所属機関の名称変更・消滅・離脱・移籍、契約の終了・新たな契約の締結など一定の事由が生じたときに、14日以内に出入国在留管理庁長官へ届け出る義務を定めています。これは事業主ではなく、外国人本人に課された義務です。

所属機関による届出努力義務(入管法 第19条の17)

入管法第19条の17は、別表第一の在留資格を持つ中長期在留者を受け入れている本邦の公私の機関に、受入れの開始・終了などの事項を届け出るよう「努めなければならない」と規定しています。

ただし、労働施策総合推進法第28条第1項の届出義務を負う事業主はこの努力義務の対象外とされています(出入国管理及び難民認定法施行規則第19条の16参照)。一般的な民間事業主は、ハローワークへの雇用状況届出を行うことで、入管側の受入れ届出は努力義務の対象外という整理になります。

実務で押さえておきたいポイント

採用前の在留資格チェックを工程化する

採用面談や内定通知の段階で、在留カードの原本提示と裏面の就労制限欄・資格外活動許可欄まで含めた確認を、書面のチェックリストとして仕組み化することが現実的です。確認した内容を記録として残しておくことで、後日問い合わせがあった場合にも説明しやすくなります。

雇入れ・離職時の届出を漏らさない

外国人を雇入れた時、また雇用していた外国人が離職した時には、ハローワークへの届出が必要です(厚生労働省「外国人の雇用」)。雇用保険被保険者となる外国人とそうでない外国人で様式が異なるため、所轄のハローワーク窓口や案内資料の確認が欠かせません。

在留期間の更新タイミングを管理する

在留期間の更新や在留資格の変更によって、就労の可否や業務の範囲が変わる可能性があります。在留カードの満了日を人事システムに登録し、更新時期が近づいたら本人に確認するといった運用が望ましいでしょう。

条文の原文も、その場で確認できます

「自社のケースでどの条文が当てはまるのか」「過去の改正でどこが変わったのか」を確認したいときは、AI法令調査ツール「ことのり」で実際に検索してみてください。本記事で取り上げた入管法・労働施策総合推進法の関連条文と出典リンクを、まとめて確認できます。

外国人雇用と入管法の義務をことのりで調べる

よくある質問

Q1. 外国人雇用状況の届出は、すべての外国人労働者が対象ですか?

労働施策総合推進法第28条第1項は、「新たに外国人を雇い入れた場合又はその雇用する外国人が離職した場合」を届出の対象としており、日本に在留する外国人労働者全般が対象になると整理されています。一方、国または地方公共団体が雇い入れ・離職する場合は同項の届出義務の対象外で、任命権者が政令の定めにより厚生労働大臣に通知する仕組みになっています(労働施策総合推進法第28条)。具体的な対象範囲については、所轄のハローワークにご確認ください。

Q2. 「在留資格があるか知らなかった」と説明すれば不法就労助長罪は免れますか?

原則として免れません。入管法第73条の2第2項は、不法就労活動であることを知らなかったことを理由として処罰を免れることはできないと明記しています。ただし、「過失のないとき」はこの限りでないとも定められており、在留カード等で就労資格を十分に確認したうえで、偽造を見破ることが極めて困難であったような場合には、過失の有無が個別に判断されます。いずれにせよ、雇用前の確認義務を果たしていることが前提となります。

Q3. 入管法第19条の17の所属機関による届出と、ハローワークへの雇用状況届出は両方必要ですか?

一般的な民間事業主の場合、両方を二重に行う必要はありません。入管法第19条の17は、所属機関に受入れ状況に関する事項の届出を努力義務として課していますが、「労働施策総合推進法第28条第1項の規定による届出をしなければならない事業主」は対象外とされています。つまり、ハローワークへの雇用状況届出を行う事業主は、入管法第19条の17の努力義務の対象外と整理されます。特定技能所属機関など個別制度の届出は別途必要なため、自社が該当するかは出入国在留管理庁にご確認ください。

出典(一次情報)

※本記事はAIによる調査支援を活用して作成した参考情報です。制度の詳細や最新の取扱いは、必ず一次情報および専門家にご確認ください。