物流2法(改正物流効率化法・改正貨物自動車運送事業法)の内容を認知している荷主・運送事業者は約3割にとどまるとの調査結果が報じられました。荷主・運送会社ともに「法令対応の有無」が取引先選定の基準になり始めており、対応の遅れは即座に商流リスクにつながります。

そこで本記事では、物資の流通の効率化に関する法律(通称・改正物流効率化法)と貨物自動車運送事業法に基づき、荷主・元請運送事業者・真荷主に課される義務(努力義務・特定荷主の届出・中長期計画・物流統括管理者の選任・勧告・命令など)を条文単位で整理し、中小の荷主・運送会社が最低限やっておくべき実務対応をまとめます。

本記事は、AI法令調査ツール「ことのり」で実際に検索した結果(関連条文・出典リンク付き)をもとに編集した参考情報です。物流2法は施行が段階的で、政令・省令・判断基準といった下位規範により運用が具体化されます。個別事例における該当・非該当や、特定荷主の指定基準の適用については、必ず一次情報(e-Gov・所管省庁のポータル)と、弁護士・行政書士・社労士等の専門家にご確認ください。

論点の全体構造

今回の物流2法は、荷主・元請運送事業者・真荷主それぞれに義務を課しています。整理すると次の3階層です。

  • 荷主の義務:物資の流通の効率化に関する法律に基づく努力義務、特定荷主としての届出・中長期計画作成・物流統括管理者の選任、および貨物自動車運送事業法に基づく配慮義務・違反原因行為への対処・勧告命令
  • 元請運送事業者の義務:貨物自動車運送事業法に基づく、真荷主から引き受けた貨物の運送に係る多段階委託の制限(努力義務)
  • 真荷主の義務:貨物自動車運送事業法上の「荷主」概念に含まれ、配慮義務や勧告の対象になり得る

荷主に課される義務

1. 物資の流通の効率化に関する法律に基づく努力義務

物資の流通の効率化に関する法律第42条は、荷主を第一種荷主と第二種荷主に区分し、いずれにも努力義務を課しています。

  • 第一種荷主(貨物自動車運送事業者等に運送を委託する荷主):貨物の受渡し日時・時間帯を積合せ等による積載効率向上を考慮して決定する、荷役場所での車両集中を避ける日時・時間帯を決定する、運転者に荷役を行わせる場合はパレット等の輸送用器具の利用や荷役省力化措置を講ずる、といった措置を講ずるよう努めなければなりません。
  • 第二種荷主(運転者から貨物を受け取り、または運転者に貨物を引き渡す荷主):車両集中回避のための日時・時間帯の指示、第一種荷主からの協議申し出への協力、検査の効率化等による荷役省力化措置に努めなければなりません。

対象となる荷待ち時間等は、荷主自身が管理する施設または寄託契約を締結した者が管理する施設におけるものに限られます。

2. 特定荷主の指定と届出

同法第45条は、年間の貨物合計重量が政令で定める基準重量以上である荷主を特定荷主として指定する仕組みを定めています。第一種荷主が基準重量以上のときは「特定第一種荷主」、第二種荷主が基準重量以上のときは「特定第二種荷主」に該当します。基準重量以上の荷主は、主務省令で定めるところにより、貨物の運送の委託状況または受渡し状況に関する事項を荷主事業所管大臣へ届け出る必要があります(すでに特定荷主として指定されている場合を除く)。指定の解除の申出も認められています。

3. 中長期計画の作成・提出

同法第46条は、特定荷主に対し、定期的に、第43条第1項に規定する判断の基準となるべき事項を踏まえて、第42条第1項または第4項の措置の実施に関する中長期的な計画を作成し、荷主事業所管大臣に提出することを義務付けています。判断の基準の具体的内容は、経済産業省のポータル等で解説書が示されています。

4. 物流統括管理者(CLO)の選任

同法第47条は、特定荷主に対し、指定を受けた後速やかに、中長期計画の作成や、運転者への負荷低減・貨物自動車への過度な集中是正のための事業運営方針の作成・管理体制整備などを統括管理する「物流統括管理者」を選任することを義務付けています。物流統括管理者は、事業運営上の重要な決定に参画する管理的地位にある者から選ぶ必要があり、選任・解任時は遅滞なく氏名と役職を荷主事業所管大臣に届け出ます。

5. 勧告・命令

同法第49条は、荷主事業所管大臣は、特定荷主の措置の実施状況が判断の基準に照らして著しく不十分であると認めるときは勧告できると定めています。勧告に従わない場合はその旨が公表されることがあり、正当な理由なく措置をとらないときは、審議会等の意見を聴いて命令が出されることがあります。

6. 貨物自動車運送事業法に基づく荷主の配慮義務

貨物自動車運送事業法第64条は、荷主(貨物利用運送事業者に運送を委託した者やその者にさらに委託した者、他人のために貨物を受け取る者・引き渡す者を含む)に対し、貨物自動車運送事業者が同法および同法に基づく命令を遵守して事業を遂行できるよう、必要な配慮をしなければならないと定めています。

7. 違反原因行為への対処・勧告

貨物自動車運送事業法第1条の2は、荷主が違反原因行為(貨物自動車運送事業者が同法または同法に基づく命令に違反する原因となるおそれのある行為)をしている疑いがあるときは、国土交通大臣が関係行政機関の長へ情報提供したり、荷主に対し配慮の重要性についての理解を促す措置をとることができるとしています。相当な理由がある場合は、違反原因行為をしないよう要請・勧告することができ、勧告した場合は公表されます。

さらに、同法第65条は、運送事業者への処分だけでは再発防止が困難と認められるとき、荷主の指示や行為に主として起因する法令違反について、国土交通大臣が荷主に対し再発防止のための適当な措置を執るべきことを勧告し、公表できると定めています。

元請運送事業者に課される義務

貨物自動車運送事業法第23条の4は、一般貨物自動車運送事業者に対し、真荷主から引き受けた貨物の運送について他の貨物自動車運送事業者の運送を利用するときは、当該他の事業者からの二以上の段階にわたる委託を制限するために必要な措置を講ずるよう努めなければならないと定めています(努力義務)。多重下請け構造による過度な負担や法令違反リスクの軽減が狙いです。

真荷主の位置づけ

「真荷主」の用語は貨物自動車運送事業法第23条の4に登場します。同法第64条にいう「荷主」には、貨物利用運送事業者に運送を委託した者やその者にさらに委託した者(二以上の段階にわたる委託を含む)が含まれるため、真荷主も配慮義務や、同法第1条の2の違反原因行為への対処、同法第65条の勧告の対象になり得ます。元請運送事業者が多段階委託の制限に努める起点となる存在としても位置づけられています。

中小の荷主・運送会社が最低限やっておくべき実務対応

中小荷主の実務対応

  • 努力義務の実践:荷待ち時間や荷役作業の実態を把握し、予約システムや荷役省力化措置、パレット等の活用を検討する(物資の流通の効率化に関する法律第42条)。
  • 特定荷主に該当するかの確認:自社の年間貨物重量が政令で定める基準重量に該当するかを早期にチェックし、届出・中長期計画・物流統括管理者の選任準備を進める(同法第45条第46条第47条)。貨物重量算定フォーマットや判断基準の解説書は経済産業省のポータルに掲載されています。
  • 運送事業者との協議・配慮:運送契約や現場慣行に法令遵守を阻害する要素がないかを定期的に確認し、不当な要求を避ける(貨物自動車運送事業法第64条第1条の2)。

中小運送会社の実務対応

  • 荷主への協力要請:荷主が配慮義務を負っていることを踏まえ、荷待ち時間・荷役の改善についてデータや具体事例を示して協議する(貨物自動車運送事業法第64条)。
  • 多段階委託の抑制:真荷主から引き受けた貨物の運送では、不必要な多段階委託を避け、委託先の法令遵守状況を確認する(同法第23条の4)。
  • 違反原因行為への対応窓口の把握:荷主からの不当な要求や法令違反に繋がる指示があった場合の情報提供・通知の仕組みを認識しておく(同法第1条の2)。

条文の原文も、その場で確認できます

物流2法の努力義務・中長期計画・勧告命令などを、e-Govの該当条文へのリンク付きで一気に確認したいときは、AI法令調査ツール「ことのり」で同じ検索クエリを再現できます。

物流2法の義務をことのりで調べる

よくある質問

Q1. 第一種荷主と第二種荷主の違いは何ですか。

物資の流通の効率化に関する法律第42条によれば、第一種荷主は貨物自動車運送事業者または貨物利用運送事業者に貨物の運送を委託する荷主を指し、第二種荷主は運転者から貨物を受け取り、または運転者に貨物を引き渡す荷主を指します。それぞれに荷待ち時間短縮・積載効率向上のための努力義務が課されており、講ずべき措置の中身も区分ごとに定められています。

Q2. 特定荷主に指定された場合、まず何をすればよいですか。

特定荷主に指定されると、同法第46条により定期的な中長期計画の作成・提出が求められ、同法第47条により指定後速やかに物流統括管理者を選任し、氏名と役職を荷主事業所管大臣に届け出る必要があります。物流統括管理者は事業運営上の重要な決定に参画する管理的地位にある者から選ぶ必要があるとされています。

Q3. 荷主が勧告や公表の対象になるのはどのような場合ですか。

物資の流通の効率化に関する法律の側では、同法第49条により、特定荷主の措置の実施状況が判断の基準に照らして著しく不十分と認められると勧告が行われ、従わない場合は公表、正当な理由なく措置をとらない場合は命令が出されることがあります。貨物自動車運送事業法の側では、同法第1条の2により違反原因行為に対する要請・勧告・公表が行われ、同法第65条により、荷主の指示や行為に主として起因する法令違反について再発防止のための措置を執るべき旨の勧告と公表が行われ得ます。

出典(一次情報)

※本記事はAIによる調査支援を活用して作成した参考情報です。制度の詳細や最新の取扱いは、必ず一次情報および専門家にご確認ください。

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