2025年6月1日施行の改正労働安全衛生規則により、事業者に対して熱中症の把握・報告体制の整備が義務化されました。屋外作業だけでなく、輻射熱を伴う屋内作業場でも対応が必要で、中小企業・個人事業主にとっても避けて通れない労務コンプライアンスの論点です。

この点について、「熱中症対策の法改正で職場の輻射熱の見える化が注目」というニュースを目にしたのをきっかけに、労働安全衛生規則における事業者の熱中症対策義務(把握・報告体制・作業環境管理)について、AI法令調査ツール「ことのり」で実際の条文を調べました。この記事では、その調査結果をもとに、事業者が守るべき義務の中身と根拠条文を整理してお伝えします。

本記事は、AI法令調査ツール「ことのり」で実際に検索した結果(関連条文・出典リンク付き)をもとに編集した参考情報です。労働安全衛生関連法令は個別の事業場の状況や作業内容によって適用範囲が変わり得るYMYL領域です。自社の対応を検討される際は、必ず一次情報(e-Gov・厚生労働省通達)を確認のうえ、最終判断は社会保険労務士や所轄の労働基準監督署など専門家にご確認ください。

2025年6月施行の改正で何が変わったのか

2025年(令和7年)6月1日に施行された改正労働安全衛生規則(令和7年厚生労働省令第57号)により、熱中症による健康障害の疑いがある者の早期発見や重篤化防止のために事業者が講ずべき措置が、新たに明確に義務化されました。具体的には、報告体制の整備と関係作業者への周知、および症状悪化防止のための措置内容・実施手順の作成と関係作業者への周知の2点が事業者の義務として位置づけられています。

把握・報告体制の整備義務(安衛則第612条の2第1項)

労働安全衛生規則第612条の2第1項では、暑熱な場所において連続して行われる作業等、熱中症を生ずるおそれのある作業を行う事業者に対し、次の体制整備を求めています。

  • 作業従事者が熱中症の自覚症状を有する場合、その旨を報告させる体制
  • 他の作業従事者が熱中症の疑いを発見した場合に、その旨を報告させる体制
  • 整備した体制を、作業に従事する労働者へ周知すること

症状悪化防止のための措置と手順(安衛則第612条の2第2項)

同条第2項では、熱中症の症状の悪化を防止するために必要な措置の内容および実施手順をあらかじめ定め、作業場ごとに周知することが義務づけられています。手順には、次のような要素を盛り込むこととされています。

  • 当該作業からの離脱
  • 身体の冷却
  • 必要に応じた医師の診察または処置

いずれも根拠は労働安全衛生規則第612条の2で、早期発見・早期対応を制度として組み込むことが求められている点が今回の改正のポイントです。

作業環境管理に関する義務

改正で追加された把握・報告体制と並んで、従来から継続して重要なのが作業環境管理に関する義務です。輻射熱の見える化が注目される背景にも、この作業環境管理の枠組みがあります。

温湿度調節の措置

労働安全衛生規則第606条は、暑熱・寒冷または多湿の屋内作業場で有害のおそれがあるものについて、事業者に冷房、暖房、通風等の適当な温湿度調節の措置を義務づけています。

ふく射熱からの保護

労働安全衛生規則第608条第1項は、屋内作業場に多量の熱を放散する溶融炉等があるときは、加熱された空気を直接屋外に排出するか、その放射するふく射熱から労働者を保護する措置を講じることを求めています。第2項では、労働者以外の作業従事者に対しても保護措置を講ずる必要があるとされています。

気温・湿度等の測定

労働安全衛生規則第607条は、第587条に規定する暑熱・寒冷または多湿の屋内作業場について、半月以内ごとに1回、定期に気温・湿度およびふく射熱(第587条第1号から第8号までの屋内作業場に限る)を測定することを義務づけています。第587条では、溶鉱炉、平炉、転炉、電気炉、キユポラ、るつぼ、焼鈍炉、均熱炉、焼入炉、加熱炉等による作業を行う屋内作業場が測定対象として列挙されています。

発汗作業に関する措置

労働安全衛生規則第617条は、多量の発汗を伴う作業場において、事業者に対し労働者に与えるための塩および飲料水を備えることを義務づけています。熱中症予防としての水分・塩分補給を事業者が支援する仕組みです。

作業環境測定(安衛法第65条)

より上位のルールとして、労働安全衛生法第65条第1項は、有害な業務を行う屋内作業場その他政令で定める作業場について、必要な作業環境測定を行い、その結果を記録することを義務づけています。測定は厚生労働大臣の定める作業環境測定基準に従って行う必要があります。

労働者死傷病報告の義務

熱中症により労働者が死亡または休業した場合の報告義務も見落とせません。労働安全衛生規則第97条第1項は、労働災害等により労働者が死亡または休業したときは、事業者が遅滞なく電子情報処理組織を使用して所轄労働基準監督署長に労働者死傷病報告を提出する義務を定めています。同条第2項により、休業日数が4日に満たない場合でも、四半期ごとにまとめての報告が必要です。

快適な職場環境の形成努力

これらの個別義務の背景には、事業者の基本的な安全配慮義務があります。労働安全衛生法第23条は、労働者を就業させる作業場について、換気・採光・照明・保温・防湿等、労働者の健康・生命の保持のため必要な措置を講じることを求めています。また、労働安全衛生法第71条の2は、事業者に快適な職場環境の形成努力として、作業環境の維持管理、作業方法の改善、疲労回復施設の整備等を継続的・計画的に講ずることを求めています。熱中症対策も、これら快適な職場環境形成の一環として位置づけられます。

条文の原文も、その場で確認できます

労働安全衛生規則の該当条文や2025年6月施行の改正内容について、AI法令調査ツール「ことのり」なら、e-Gov等の一次情報に基づく出典付きの回答をその場で受け取れます。自社の作業場が対象になるかを確認したいときにご活用ください。

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よくある質問

2025年6月施行の改正で、事業者が新たに義務化されたのは何ですか?

改正労働安全衛生規則(令和7年厚生労働省令第57号)により、熱中症を生ずるおそれのある作業について、第612条の2で「自覚症状や疑いを発見した場合の報告体制の整備と周知」および「症状悪化防止のための措置内容・実施手順の作成と周知」が事業者の義務として明確化されました。早期発見と重篤化防止を目的とした改正です。

気温や湿度、ふく射熱の測定はどのくらいの頻度で必要ですか?

労働安全衛生規則第607条により、第587条に定められた暑熱・寒冷または多湿の屋内作業場(溶鉱炉、加熱炉、焼入炉等)については、半月以内ごとに1回、定期に気温・湿度を測定する必要があります。ふく射熱の測定は、第587条第1号から第8号までの屋内作業場に限られます。

労働者が熱中症で休業した場合、どのように報告する必要がありますか?

労働安全衛生規則第97条により、熱中症を含む労働災害等で労働者が死亡または休業したときは、遅滞なく電子情報処理組織を使用して所轄労働基準監督署長に労働者死傷病報告を提出する必要があります。休業日数が4日に満たない場合でも、四半期ごとにまとめての報告が求められます。

出典(一次情報)

※本記事はAIによる調査支援を活用して作成した参考情報です。制度の詳細や最新の取扱いは、必ず一次情報および専門家にご確認ください。

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