2024年問題を背景に、荷主企業には入出荷業務のDXや荷待ち時間短縮など、現場起点の物流効率化が強く求められるようになりました。改正物効法を成長機会に――現場起点の入出荷業務DXで「選ばれる荷主」へという報道でも、荷待ち時間の短縮などが「選ばれる荷主」の条件になりつつあると指摘されています。
そこで、正式名称「物資の流通の効率化に関する法律」(平成十七年法律第八十五号)の条文を実際にことのりで検索し、荷主事業者に課される義務、特定荷主の指定基準、中小企業者の範囲、報告事項の内容を整理しました。製造業・卸売業・小売業など、貨物を委託または受渡しする多くの事業者に関係する論点を、条文リンクとともに解説します。
本記事は、AI法令調査ツール「ことのり」で実際に検索した結果(関連条文・出典リンク付き)をもとに編集した参考情報です。物流効率化法は主務省令や政令で具体的な運用が定められており、業種・貨物区分によって扱いが異なります。自社が特定荷主に該当するかの判定や、中長期計画・定期報告の具体的な様式・記載内容は、必ず一次情報および所管官庁・専門家に確認してください。
物資の流通の効率化に関する法律の全体像
「物資の流通の効率化に関する法律」(通称:物流効率化法、物効法)は、物資の流通に関する事業活動の効率化を促進し、国民生活の安定と国民経済の健全な発展に寄与することを目的としています。特にトラックドライバーの労働環境改善(荷待ち時間の短縮や積載効率の向上)に向け、荷主と物流事業者の連携強化が中核テーマとなっています。
制度の柱が「特定荷主」制度です。一定規模以上の荷主として指定された事業者には、物資の流通の効率化に関する法律第46条に基づく中長期計画の作成・提出と、同法第48条に基づく定期報告が課されます。
特定荷主の指定基準:貨物9万トンが分岐点
荷主事業者は、事業の内容に応じて「第一種荷主」と「第二種荷主」に分けられ、それぞれ一定の基準を満たす場合に物資の流通の効率化に関する法律第45条により「特定荷主」として指定されます。
特定第一種荷主
貨物自動車運送事業者または貨物利用運送事業者に運送を委託した貨物の合計重量が、政令で定める基準重量(9万トン)以上となる第一種荷主が対象です。重量は前年度の貨物合計重量に基づいて算定されます。第一種荷主とは、貨物自動車運送事業者等に貨物の運送を委託する事業者を指します。
特定第二種荷主
自らの事業に関して運転者から貨物を受け取る、または運転者に貨物を引き渡す(貨物の受渡しを行う)貨物の合計重量が、政令で定める基準重量(9万トン)以上となる第二種荷主が対象です。ただし、貨物自動車運送事業者等に運送を委託した貨物や、受渡しの日時・時間帯を運転者に指示できない貨物は対象外とされています。
これらの基準重量は、運転者の荷待ち時間等の短縮や、一回あたりの運送における貨物重量の増加に特に寄与する必要がある荷主を特定するために設けられています。
特定荷主に課される2つの義務
中長期的な計画の作成・提出義務
特定荷主は、主務省令で定めるところにより定期に、物資の流通の効率化に関する法律第43条で定められる「荷主の判断の基準となるべき事項」(運転者の荷待ち時間等の短縮や積載効率向上に資する措置)を踏まえ、物流効率化に関する中長期的な計画を作成し、荷主事業所管大臣に提出しなければなりません(同法第46条)。
定期の報告義務
特定荷主は、指定を受けた年度の翌年度以降、毎年度、主務省令で定めるところにより、中長期計画に基づき実施した措置の状況について、主務省令で定める事項を荷主事業所管大臣に報告しなければなりません(同法第48条)。
中小企業者の範囲:業種ごとに異なる基準
本法における「中小企業者」の範囲は、業種ごとに資本金と常時使用する従業員数で定められています。特定荷主の指定は貨物重量(9万トン)で判定されるため、中小企業者に該当していても、貨物重量の基準を満たせば特定荷主として義務を負う点に注意が必要です。
- 製造業、建設業、運輸業など(特定業種を除く):資本金3億円以下 かつ 従業員300人以下
- 卸売業(特定業種を除く):資本金1億円以下 かつ 従業員100人以下
- サービス業(特定業種を除く):資本金5千万円以下 かつ 従業員100人以下
- 小売業(特定業種を除く):資本金5千万円以下 かつ 従業員50人以下
さらに、物資の流通の効率化に関する法律施行令第1条により、政令で特別に定められた業種があります。
- ゴム製品製造業(自動車・航空機用タイヤ・チューブ製造業、工業用ベルト製造業を除く):資本金3億円以下、従業員900人以下
- ソフトウェア業または情報処理サービス業:資本金3億円以下、従業員300人以下
- 旅館業:資本金5千万円以下、従業員200人以下
このほか、企業組合、協業組合、特定の事業協同組合なども中小企業者に含まれます。
報告事項の中身:荷待ち時間と積載効率が中心
中長期計画や定期報告に記載すべき事項は主務省令で具体化されますが、同法第43条の「判断の基準となるべき事項」を踏まえる建て付けから、主に次のような措置の実施状況が想定されます。
運転者の荷待ち時間等の短縮に関する措置
- 荷役作業の効率化、バース予約システム・予約システムの導入
- 荷役時間の標準化
- 待機時間削減に向けた取り組みとその効果
運転者一人当たりの一回の運送ごとの貨物重量の増加(積載効率向上)に関する措置
- 輸送計画の見直し、共同配送の実施
- モーダルシフトの推進
- 輸送単位の大型化や空車回送の削減
その他、物流の効率化に資する措置
- 情報システムの活用、物流拠点の集約・再編
- 包装・梱包の改善などによる省力化・環境負荷低減
中小企業・顧問先を持つ士業が押さえておきたい実務ポイント
特定荷主の判定は貨物重量ベースであるため、資本金・従業員数で「中小企業」に該当する事業者でも、取扱貨物量が多ければ対象となり得ます。実務上は、次のような点をデータで押さえておくことが出発点になります。
- 年度単位での委託貨物・受渡し貨物の重量把握
- 荷待ち時間・積載効率の実測と課題特定
- 物流事業者との運送契約や受発注条件の見直し
- 予約システム・運行管理システム・倉庫管理システムなどデジタル技術の導入
本法は、荷主と物流事業者が一体となって物流効率化を進めることで、ドライバーの労働環境改善、物流コストの最適化、持続可能な物流システムの構築を目指すものです。単なる法令遵守ではなく、サプライチェーン全体を見直す機会として位置づけることが重要です。
条文の原文も、その場で確認できます
「うちは9万トンに届くのか」「中長期計画・定期報告の記載事項の根拠条文は?」といった具体的な疑問は、ことのりに質問すると、関連条文とe-Govへの出典リンク付きでレポートが返ります。
改正物効法・荷主義務をことのりで調べるよくある質問
特定荷主に指定される「9万トン」は、どの貨物量を数えるのですか?
特定第一種荷主は、貨物自動車運送事業者または貨物利用運送事業者に運送を委託した貨物の年度合計重量が9万トン以上かどうかで判定されます。特定第二種荷主は、自らの事業に関して運転者から受け取る・運転者に引き渡す貨物の年度合計重量が基準となります。いずれも前年度の貨物合計重量に基づいて算定されます(物資の流通の効率化に関する法律第45条)。
中小企業でも対象になり得ますか?
はい、なり得ます。特定荷主の指定は貨物重量(9万トン)で判定される仕組みで、資本金・従業員数による中小企業者の該当性とは独立しています。したがって、資本金や従業員数の面で中小企業者に該当していても、取扱貨物重量が基準を満たせば特定荷主として中長期計画や定期報告の義務を負うことになります。
報告では具体的にどんなことを書くのですか?
具体的な様式・項目は主務省令で定められますが、同法第43条の「判断の基準となるべき事項」を踏まえる建て付けから、運転者の荷待ち時間短縮に関する措置(バース予約システム等)、一回あたりの運送における積載効率向上のための措置(共同配送・モーダルシフト等)、その他物流効率化に資する措置の実施状況が中心になると想定されます。実際の記載事項は所管省庁の最新の告示・様式を確認してください。
出典(一次情報)
※本記事はAIによる調査支援を活用して作成した参考情報です。制度の詳細や最新の取扱いは、必ず一次情報および専門家にご確認ください。