景品表示法における不当表示規制の中心は、事業者が禁止される「優良誤認表示」「有利誤認表示」「その他誤認されるおそれのある表示」の3類型と、違反時の措置命令・課徴金納付命令の枠組みです。売上額に原則3%を乗じて算定される課徴金の対象になるのは前2類型のみで、表示の裏付けとなる合理的な根拠資料を提出できない場合には違反とみなされる・推定される仕組みが用意されています。

2026年9月、消費者庁が消費者を誤認・誘導する「ダークパターン」と呼ばれるウェブ広告・表示手法を包括的に規制し、虚偽の口コミ表示も行政処分の対象とする方向で2027年の景品表示法改正を目指す方針を固めたと報じられました(ダークパターン包括規制 消費者庁が来年法改正へ 悪質広告に行政処分検討)。改正論点を理解する前提として、まず現行法の骨格――どんな表示が禁じられ、違反したときにどんな行政処分が下るのか――を一次情報で押さえておく必要があると考え、関連する法令をことのりで調べました。

本記事は、AI法令調査ツール「ことのり」で実際に検索した結果(関連条文・出典リンク付き)をもとに編集した参考情報です。景品表示法は事業者の広告・表示活動を直接規制し、違反時には課徴金納付命令など重い行政処分が伴うため、個別の表示が違反に当たるかどうかは事案ごとに判断されます。最終判断は一次情報と専門家(弁護士・消費生活アドバイザー等)にご確認ください。

1. 景品表示法が禁じる「不当な表示」の3類型

景品表示法は、不当な景品類の提供や不当な表示を規制し、一般消費者の自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれを防ぐことを目的とする法律です。景品表示法第5条は、事業者が自己の供給する商品または役務の取引について、次の3つの類型に該当する表示をしてはならないと定めています。

1.1 優良誤認表示(第5条第1号)

商品・役務の品質、規格その他の内容について、実際のものよりも著しく優良であると示す表示、または競合他社のものよりも著しく優良であると事実に相違して示す表示です。不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがある場合に規制対象になります。

1.2 有利誤認表示(第5条第2号)

商品・役務の価格その他の取引条件について、実際のものよりも取引の相手方に著しく有利であると誤認される表示、または競合他社よりも著しく有利であると誤認される表示です。二重価格表示など、価格・取引条件面での消費者の誤認を招く表示がここに含まれます。

1.3 その他誤認されるおそれのある表示(第5条第3号)

上記2類型に該当しなくても、内閣総理大臣が指定する、一般消費者に誤認されるおそれがある表示が規制対象になります。具体的には、原産国表示、おとり広告、不動産のおとり広告などが指定されています。

2. 措置命令の要件と命じられる内容

内閣総理大臣は、景品表示法第7条に基づき、第4条(景品類の制限・禁止)または第5条(不当な表示の禁止)の規定に違反する行為があるときは、当該事業者に対して措置命令を発することができます。

2.1 要件

  • 違反行為の存在:第4条または第5条に違反する行為があったこと。
  • 違反行為が既になくなっている場合でも可:違反行為が既に終了している場合でも、再発防止の観点から命令を出すことができます。
  • 合理的な根拠資料の提出とみなし規定:優良誤認表示に該当するか否かを判断するため、内閣総理大臣は事業者に対し、表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができ、事業者が資料を提出しない場合、当該表示は優良誤認表示に該当するとみなされます。

2.2 命じられる内容

  • 違反行為の差止め
  • 再発防止のために必要な事項(社内体制の整備、従業員への周知徹底など)
  • 公示その他必要な事項(違反があったことの一般消費者への周知、消費者への返金措置など)

措置命令は、命令書の謄本を送達することによって効力を生じます。

3. 課徴金納付命令の要件と算定方法

事業者が優良誤認表示(第5条第1号)または有利誤認表示(第5条第2号)に該当する「課徴金対象行為」を行ったときは、景品表示法第8条により、内閣総理大臣は当該事業者に対して課徴金の納付を命じなければなりません。第5条第3号の「その他誤認されるおそれのある表示」は課徴金対象行為には含まれません

3.1 算定方法

  • 原則の算定率:課徴金対象期間に取引をした商品・役務の売上額に100分の3を乗じて得た額。
  • 再犯加算:基準日から遡り10年以内に課徴金納付命令を受けたことがある事業者が再度行った場合は、算定率が100分の4.5に加算されます。
  • 課徴金対象期間:課徴金対象行為をした期間に、行為をやめた後6か月間(または不当表示解消の措置をとった日まで)の取引期間を加えた期間。ただし、この期間が3年を超える場合は、末日から遡って3年間が対象になります。

3.2 免除要件

  • 当該表示が不当に顧客を誘引するおそれがあることを事業者が知らず、かつ、知らないことにつき相当の注意を怠らなかったと認められるとき。
  • 課徴金額が150万円未満であるとき。

3.3 根拠資料の提出と推定規定

措置命令と同様、優良誤認表示の判断のため合理的な根拠を示す資料の提出を求められ、事業者が提出しない場合には当該表示は優良誤認表示に該当すると推定されます(措置命令の「みなす」に対し、課徴金では「推定」となります)。

4. 課徴金の減額・納付の仕組み

4.1 返金措置による減額(第10条)

景品表示法第10条に基づき、事業者が課徴金対象行為の被害を受けた一般消費者に対し、購入額の3%以上の金銭等を交付する「返金措置」を実施し、その計画が内閣総理大臣に認定された場合、課徴金の納付が猶予されたり、減額されたりする可能性があります。

4.2 自主報告による減額(第9条)

景品表示法第9条により、事業者が課徴金対象行為に該当する事実を内閣総理大臣に自主的に報告したときは、課徴金の額が50%減額されます。ただし、調査が開始された後の報告は減額の対象外となることがあります。

4.3 納付義務者・承継・納期限

景品表示法第12条は、課徴金納付命令を受けた者に納付義務を課し、法人が合併により消滅した場合や事業承継があった場合でも、承継した法人が納付義務を負うことがあると定めています。景品表示法第17条により、課徴金の納期限は、課徴金納付命令書の謄本を発する日から7か月を経過した日とされています。

5. 実務での押さえどころ

景品表示法の運用で事業者が特に意識したいのは、次の点です。

  • 「著しく優良/有利」の判断基準:一般消費者の認識を基準とする抽象的な概念で、消費者庁のガイドラインや過去の事例を踏まえた慎重な判断が必要です。
  • 合理的な根拠資料の事前準備:優良誤認の疑いが生じた場合、資料を提出できないと違反とみなされる・推定されるため、表示を出す前に裏付け資料を確保し、社内で管理しておくことが重要です。
  • 「知らなかった」の立証は容易ではない:課徴金の免除要件である「知らず、かつ、知らないことにつき相当の注意を怠らなかった」ことを示すには、社内チェック体制や法務・専門家との連携の実績が問われます。
  • 返金措置・自主報告の活用:違反が発覚した際に速やかに検討することで、課徴金リスクを軽減できる余地があります。

条文の原文も、その場で確認できます

景品表示法第5条・第7条・第8条など、記事で触れた条文の原文と関連する出典を、AI法令調査ツール「ことのり」で一度に確認できます。

景品表示法と不当表示をことのりで調べる

よくある質問

Q1. 優良誤認表示と有利誤認表示は、どちらも課徴金の対象になりますか。

はい、いずれも課徴金対象行為に含まれます。景品表示法第8条は、第5条第1号(優良誤認表示)または第2号(有利誤認表示)に該当する行為を課徴金対象行為と定義しています。一方、第5条第3号の「その他誤認されるおそれのある表示」は課徴金対象行為から除かれています。

Q2. 課徴金額はどのように計算されますか。

原則として、課徴金対象行為に係る商品または役務の売上額に100分の3を乗じて得た額です。過去10年以内に課徴金納付命令を受けたことがある事業者が再度違反した場合は、100分の4.5に加算されます。課徴金対象期間の上限は3年で、算定額が150万円未満のときは課徴金納付命令は行われません(第8条)。

Q3. 表示の裏付け資料を出せないとどうなりますか。

優良誤認表示に該当するかどうかを判断するため、内閣総理大臣は事業者に対し、表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができます。事業者が資料を提出しない場合、措置命令の場面では当該表示は優良誤認表示に該当するとみなされ第7条)、課徴金納付命令の場面では優良誤認表示に該当すると推定されます第8条)。

出典(一次情報)

※本記事はAIによる調査支援を活用して作成した参考情報です。制度の詳細や最新の取扱いは、必ず一次情報および専門家にご確認ください。

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