2024年に大きく改正された物資の流通の効率化に関する法律(物流効率化法)と貨物自動車運送事業法は、運送事業者だけでなく、貨物を運んでもらう側の「荷主企業」にも物流効率化への具体的な取り組みを求めています。最近では、改正物流法により規制強化された荷主企業を対象とした物流DX実態調査が報じられ、アプリ活用は4%未満にとどまる一方、モバイル端末を用いたDX推進には47%が期待しているとされました。実態としてはまだ手探りの段階といえます。
そこで本記事では、荷主企業にはどのような義務や規制が課されるのかを、AI法令調査ツール「ことのり」で実際に検索し、条文と一次情報リンクをもとに整理しました。努力義務の中身、特定荷主に指定された場合の追加義務、勧告・命令の枠組みまで、法令ベースで確認していきます。
本記事は、AI法令調査ツール「ことのり」で実際に検索した結果(関連条文・出典リンク付き)をもとに編集した参考情報です。物流関連の法令は、政令・省令・ガイドラインで具体的な基準が定められる部分が多く、業種や取扱重量によって適用範囲や必要な対応が異なります。実際の対応判断は、条文の一次情報と、国土交通省の所管窓口や物流・法務の専門家にご確認ください。最終判断は一次情報と専門家に確認をお願いします。
荷主企業に課される義務の全体像
荷主企業に関する義務は、大きく分けて二つの法律にまたがっています。一つは「物資の流通の効率化に関する法律」で、荷待ち時間の短縮や積載効率の向上といった物流効率化の観点から荷主に努力義務を課すものです。もう一つは「貨物自動車運送事業法」で、運送事業者が法令を守って事業を行えるよう配慮する責務や、違反に関与した荷主への勧告制度を規定しています。
物流効率化法では、荷主の関わり方に応じて第一種荷主(運送を委託する側)と第二種荷主(貨物を実際に受け渡す側)に区分され、それぞれに応じた努力義務が定められています。また、取扱重量が一定基準以上の荷主は「特定荷主」に指定され、より具体的な義務が課される仕組みです。
第一種荷主・第二種荷主に課される努力義務
物資の流通の効率化に関する法律第42条では、荷主に対して、運転者の荷待ち時間等の短縮と、運転者一人あたり一回の運送ごとの貨物重量の増加を図るための努力義務が定められています。
第一種荷主(運送を委託する荷主)
貨物自動車運送事業者または貨物利用運送事業者に運送を委託する荷主は、以下の措置を講じるよう努めなければならないとされています。
- 貨物の受渡しを行う日や時刻、時間帯を決める際に、他の貨物との積合せや、一度に多数の貨物自動車が集中しないよう調整すること
- パレット等の荷役効率化に資する輸送用器具の利用を可能にする措置など、運転者の荷役作業を省力化する措置を講じること
ここでいう荷待ち時間等は、荷主が管理する施設または荷主と寄託契約を締結した者が管理する施設におけるものに限定されます。
第二種荷主(貨物を受け渡す荷主)
運転者から貨物を受け取り、または運転者に貨物を引き渡す荷主にも、次のような努力義務が課されています。
- 貨物の受渡しの日時・時間帯を指示する際に、多数の貨物自動車が集中しないよう調整すること
- 第一種荷主からの協議の申し出に応じ、必要な協力を行うこと
- 運転者に荷役等を行わせる場合で、荷役方法を指示できる場合には、検査の効率化など運転者の荷役を省力化する措置を講じること
これらの努力義務の判断基準となる事項は、同法第43条に基づき、荷主事業所管大臣が主務省令で定めることとされています。運転者の荷待ち時間や貨物重量の状況等を勘案して定められる基準で、具体的な内容は省令等で確認する必要があります。
「特定荷主」に指定されるとどうなるか
一定規模以上の貨物を扱う荷主は、努力義務にとどまらず「特定荷主」として指定され、より具体的な義務を負います。
特定荷主の指定と届出
同法第45条により、荷主事業所管大臣は、政令で定める基準重量以上の貨物を年間で取り扱う第一種荷主または第二種荷主を「特定荷主」として指定します。基準重量以上の貨物を取り扱う荷主は、主務省令で定める事項を荷主事業所管大臣に届け出る義務がありますが、既に特定荷主に指定されている場合はこの限りではありません。
物流統括管理者の選任義務
同法第47条では、特定荷主は指定を受けた後速やかに「物流統括管理者」を選任しなければならないと定められています。物流統括管理者は、中長期的な計画の作成や、運転者への負荷低減、輸送される物資の貨物自動車への過度の集中の是正など、運転者の運送・荷役等の効率化に必要な業務を統括管理する役割を担います。また、事業運営上の重要な決定に参画する管理的地位にある者でなければならないとされており、単なる担当者ではなく経営に近い立場での関与が想定されています。
定期報告義務
同法第48条により、特定荷主は指定を受けた日の属する年度の翌年度以降、毎年度、第42条に規定する措置の実施状況について、主務省令で定める事項を荷主事業所管大臣に報告する義務があります。
勧告・命令の対象になり得る
同法第49条では、荷主事業所管大臣は、特定荷主の措置の実施状況が判断の基準となるべき事項に照らして著しく不十分であると認めるときに、判断の根拠を示して勧告を行うことができるとされています。勧告に従わないときはその旨を公表でき、正当な理由なく従わない場合は、審議会等の意見を聴いたうえで、当該措置を講じるよう命令することができる仕組みです。
貨物自動車運送事業法上の荷主の責務と勧告制度
荷主の責務
貨物自動車運送事業法第64条では、荷主は、貨物自動車運送事業者がこの法律またはこの法律に基づく命令を遵守して事業を遂行できるよう、必要な配慮をしなければならないとされています。過度に短い納期の設定や、過積載につながるような依頼をしないなど、運送事業者が法令を守れる環境を整えることが求められます。
荷主への勧告制度
同法第65条では、貨物自動車運送事業者の法令違反が荷主の指示に基づき行われたことが明らかである場合、または主として荷主の行為に起因すると認められ、かつ運送事業者への処分だけでは再発防止が困難な場合に、国土交通大臣が当該荷主に対し違反行為の再発防止措置を講じるよう勧告できると定められています。勧告を行う際は、荷主が行う事業を所管する大臣の意見を聴く必要があり、勧告を行った場合はその旨を公表することとされています。
実務で意識したい取り組み
条文と、国土交通省の「物流効率化法」理解促進ポータルサイトや物流効率化法についてのページで示されている考え方を踏まえると、荷主企業が意識したい取り組みは次のような方向に整理できます。
- 荷待ち・荷役時間の削減:予約システムの導入やバース運用の見直し、パレット化・コンテナ化による荷役作業の省力化。
- 積載効率の向上:共同配送やモーダルシフトの検討、輸送ロットの見直し、複数荷主間での積合せ輸送の促進。
- 体制構築:特定荷主に該当する規模であれば、物流統括管理者の選任と、経営層と連携した物流戦略の策定・実行。
- 運送事業者との連携:運送契約の書面化、運賃・料金や荷役範囲・待機時間の取り決めの明確化、双方向の情報交換。荷主勧告の運用通達でも、書面交付義務化や適正取引の観点が示されています。
中小企業や個人事業主の場合、特定荷主の指定基準に至らないケースも多いと考えられますが、第一種荷主・第二種荷主としての努力義務や、貨物自動車運送事業法上の配慮義務は取扱重量にかかわらず関わってくる可能性があります。まずは自社が第一種荷主・第二種荷主のどちらに該当し得るか、そして取扱重量が特定荷主の基準に近い水準にあるかを確認するところから始めるのが現実的です。
条文の原文も、その場で確認できます
物流効率化法や貨物自動車運送事業法の条文は、政令・省令・通達と組み合わせて読む必要があり、実務ではどの条文がどこにかかるのかが分かりにくい領域です。「ことのり」で調べると、関連条文へのe-Govリンクと出典付きで整理された結果が返ります。
改正物流法と荷主義務をことのりで調べるよくある質問
第一種荷主と第二種荷主の違いは何ですか?
物資の流通の効率化に関する法律第42条によると、第一種荷主は、貨物自動車運送事業者または貨物利用運送事業者に貨物の運送を「委託する」立場の荷主です。一方、第二種荷主は、運転者から貨物を受け取り、または運転者に貨物を引き渡す立場の荷主で、実際の受渡しの現場に関わる側といえます。同じ企業が両方に該当する場合もあり得るため、条文と主務省令の定義を照らして確認する必要があります。
特定荷主に指定されるのはどのような場合ですか?
同法第45条により、貨物自動車運送事業者等に運送を委託した貨物の年間合計重量が政令で定める基準重量以上である第一種荷主、または自らの事業に関して運転者から貨物を受け取る・引き渡す貨物の年間合計重量が基準重量以上である第二種荷主が、荷主事業所管大臣により「特定荷主」として指定されます。具体的な基準重量は政令で定められているため、詳細は一次情報で確認してください。
荷主が努力義務を守らないと、すぐに罰則がありますか?
努力義務そのものに直接的な罰則が定められているわけではありませんが、特定荷主については、同法第49条により、措置の実施状況が判断の基準に照らして著しく不十分と認められる場合に勧告の対象となり、勧告に従わなければその旨を公表され、正当な理由なく従わないときは命令を受ける可能性があります。また、貨物自動車運送事業法第65条による荷主勧告制度もあり、運送事業者の法令違反への関与が認められる場合には勧告・公表の対象になり得ます。
出典(一次情報)
- 🔗 物資の流通の効率化に関する法律 第42条(荷主の努力義務)
- 🔗 物資の流通の効率化に関する法律 第43条(荷主の判断の基準となるべき事項)
- 🔗 物資の流通の効率化に関する法律 第45条(特定荷主の指定)
- 🔗 物資の流通の効率化に関する法律 第47条(物流統括管理者の選任)
- 🔗 物資の流通の効率化に関する法律 第48条(定期の報告)
- 🔗 物資の流通の効率化に関する法律 第49条(勧告及び命令)
- 🔗 貨物自動車運送事業法 第64条(荷主の責務)
- 🔗 貨物自動車運送事業法 第65条(荷主への勧告)
- 🔗 すべての荷主の対応|「物流効率化法」理解促進ポータルサイト(国土交通省)
- 🔗 物流・自動車:物流効率化法について(荷主・物流事業者の皆様へ)|国土交通省
- 🔗 貨物自動車運送事業法における荷主勧告の運用通達を改正します|国土交通省 報道発表資料
- 🔗 改正物流法により規制強化された荷主企業の物流DX実態調査(Google News経由)
※本記事はAIによる調査支援を活用して作成した参考情報です。制度の詳細や最新の取扱いは、必ず一次情報および専門家にご確認ください。