「週2日のアルバイトにも労働条件通知書はいるのか」という質問は、小さなお店や事務所からよく出てきます。答えは必要です。労働条件の明示義務はパート・アルバイトを含むすべての労働者が対象で、勤務日数の長短で免除されることはありません。

根拠は労働基準法第15条労働基準法施行規則第5条です。さらにパート・有期雇用労働者には、パート・有期雇用労働法第6条による上乗せの明示事項(昇給・退職手当・賞与・相談窓口)があります。この記事では、ことのりで実際に検索した結果と条文をもとに、「何を」「どの方法で」伝える必要があるのかを整理します。

本記事は、AI法令調査ツール「ことのり」で実際に検索した結果(関連条文・出典リンク付き)をもとに編集した参考情報です。法令は改正されることがあり、個別の雇用の実態によって当てはめが変わります。実際の判断にあたっては、必ず最新の条文や所管庁の案内、必要に応じて専門家にご確認ください。

明示義務の出発点は労働基準法第15条

労働基準法第15条第1項は、使用者は労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならないと定めています。そのうち賃金・労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示することが求められます。

タイミングは労働契約の締結時です。働き始めてから渡すのではなく、働き始める前に労働条件が伝わっている状態にしておく必要があります。

厚生労働省も、この明示義務はパート・アルバイトを含む全ての労働者が対象であると案内しています。「短時間だから」「試用期間だから」といった理由で省略できるものではありません。

書面で明示しなければならない事項(絶対的明示事項)

具体的な明示事項は労働基準法施行規則第5条に列挙されています。このうち、次の事項は原則として書面(労働条件通知書など)の交付により明示しなければなりません。

  • 労働契約の期間に関する事項
  • 就業の場所および従事すべき業務に関する事項(就業の場所・業務の変更の範囲を含む)
  • 始業および終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇、就業時転換に関する事項(労働者を二組以上に分けて就業させる場合)
  • 賃金の決定・計算・支払の方法、賃金の締切りおよび支払の時期に関する事項(退職手当および臨時に支払われる賃金等を除く)

アルバイトの募集では「時給1,100円、週3日、17時〜21時」といった条件だけが口頭で共有されがちですが、条文が求めているのはもう少し細かい単位です。休憩をいつ取るのか、締め日と支払日はいつか、残業が発生しうるのか——このあたりまで書面に落ちているかを確認してみてください。

定めがある場合に明示が必要な事項(相対的明示事項)

次の事項は、その定めを置く場合に明示が必要になります。書面交付までは義務づけられていませんが、あとで「聞いていない」となりやすい部分なので、書面で伝えておくとトラブルの予防になります。

  • 昇給に関する事項
  • 退職に関する事項(解雇の事由を含む)
  • 退職手当が適用される労働者の範囲、退職手当の決定・計算・支払の方法・支払の時期に関する事項
  • 臨時に支払われる賃金(退職手当を除く)、賞与および最低賃金額に関する事項
  • 労働者に負担させるべき食費、作業用品その他に関する事項
  • 安全および衛生に関する事項
  • 職業訓練に関する事項
  • 災害補償および業務外の傷病扶助に関する事項
  • 表彰および制裁に関する事項
  • 休職に関する事項

有期契約(期間の定めがある場合)の追加事項

パート・アルバイトの多くは期間の定めのある契約(有期労働契約)です。この場合、上記に加えて次の明示が必要になります。

  • 有期労働契約を更新する場合の基準に関する事項(通算契約期間または更新回数に上限の定めがある場合は、その上限を含む)
  • その契約期間内に労働者が労働契約法第18条第1項の無期転換申込みをすることができることとなる有期労働契約を締結する場合には、無期転換申込みに関する事項および無期転換後の労働条件

「更新するかどうかは、そのときの状況次第」という運用のままだと、更新の基準が示せていない状態になります。判断材料(契約期間満了時の業務量、勤務成績、会社の経営状況など、自社が実際に見ているもの)を明文化しておくことが、そのまま明示義務への対応になります。

2024年4月1日からの改正で追加された事項

労働基準法施行規則第5条の改正により、2024年4月1日以降は次の事項の明示が義務化されています。

  • 就業の場所および従事すべき業務の変更の範囲(すべての労働者が対象)
  • 有期労働契約の更新上限の有無と内容
  • 無期転換ルールに関する事項

とくに1つ目の「変更の範囲」は、有期・無期を問わずすべての労働者に対して必要な事項として追加されたものです。手元の労働条件通知書のひな形が2024年3月以前のままなら、この項目が抜けている可能性があります。まずは自社のひな形の版を確認するのが現実的な第一歩です。

明示の方法:原則は書面、希望があれば電子でも可

明示の方法は、原則として書面の交付です。ただし、労働者が希望した場合には、ファクシミリや電子メール等の電磁的方法による明示も認められています。電子メール等による場合は、労働者がその記録を出力して書面を作成できるものに限られます。

実務では次の順序になります。

  1. 施行規則第5条第1項の事項のうち、書面交付義務のあるもの・定めがあるため明示が必要なものを特定する(有期契約なら追加事項も確認)
  2. 労働条件通知書などの書面を作成する
  3. 労働契約の締結時に労働者へ交付する
  4. 労働者が希望する場合に限り、電磁的方法での明示に代える

費用は用紙代・印刷代などの実費のみで、特別な費用は発生しません。手間の大半は「自社の条件を言語化すること」で、そこさえ済めば以後の採用でも使い回せます。

パート・有期雇用労働者には上乗せの明示事項がある

見落とされやすいのが、労働基準法とは別に短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律(パート・有期雇用労働法)第6条第1項の明示義務です。事業主は短時間・有期雇用労働者を雇い入れたときは、速やかに、労働基準法第15条第1項の事項以外で厚生労働省令が定める事項(特定事項)を、文書の交付等の方法で明示しなければならないとされています。

その特定事項は同法施行規則第2条第1項に定められた次の4つです。

  • 昇給の有無
  • 退職手当の有無
  • 賞与の有無
  • 短時間・有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する事項に係る相談窓口

ポイントは「有無」で足りるという点です。制度がないなら「なし」と書けばよく、無理に制度を作る必要はありません。相談窓口も、担当者名や連絡先を書いておけば足ります。明示する内容が事実と異なるものであってはならない点にはご注意ください。

明示の方法は労働基準法と同じく原則として文書の交付で、労働者が希望した場合はファクシミリや電子メール等(労働者が記録を出力して書面を作成できるものに限る)も認められます。実務上は、労働条件通知書にこの4項目の欄を足しておくのが手堅い対応です。

守らなかった場合はどうなるか

パート・有期雇用労働法第6条第1項の明示義務に違反している事業主に対しては、同法第18条により、厚生労働大臣が報告を求め、助言・指導・勧告を行うことができ、勧告に従わない場合はその旨が公表されることがあります。なお、厚生労働省のWebマガジンでは10万円以下の過料への言及もありますが、今回の検索結果の範囲では特定事項の明示義務違反そのものに対する過料の条文は確認できませんでした。制裁の有無を判断する必要がある場合は、所管の労働局にご確認ください。

もう一つ実務上の影響が大きいのが、労働基準法第15条第2項です。明示された労働条件が事実と相違する場合、労働者は即時に労働契約を解除できます。さらに、就業のために住居を変更した労働者が契約解除の日から14日以内に帰郷する場合、使用者は必要な旅費を負担しなければならないとされています。「とりあえず来てもらってから条件を詰める」という進め方が、そのままリスクになるということです。

逆にいえば、書面がきちんと整っていることは、募集条件と実際の勤務条件のズレによる早期離職を防ぐ手段でもあります。就業規則を持っている場合は、通知書の内容が就業規則と矛盾していないかもあわせて確認してください。

条文の原文も、その場で確認できます

ことのりなら、労働基準法第15条・同施行規則第5条・パート・有期雇用労働法第6条の条文を、出典リンク付きでまとめて確認できます。自社の労働条件通知書を見直すときの「最初の一歩」にご活用ください。

労働条件の明示事項をことのりで調べる

よくある質問

Q. 週2日だけの短時間アルバイトでも労働条件通知書は必要ですか?

必要です。労働基準法第15条第1項の明示義務は労働契約を締結するすべての労働者が対象で、厚生労働省もパート・アルバイトを含む全ての労働者が対象であると案内しています。勤務日数や勤務時間の長短によって義務が免除されることはありません。

Q. 労働条件の明示はメールで済ませてもよいですか?

原則は書面の交付ですが、労働者が希望した場合にはファクシミリや電子メール等の電磁的方法による明示も認められています。ただし電子メール等の場合は、労働者がその記録を出力して書面を作成できるものに限られます。労働者が希望していないのにメールだけで済ませることはできません。

Q. 2024年4月から追加された明示事項は何ですか?

労働基準法施行規則第5条の改正により、2024年4月1日以降は「就業の場所及び従事すべき業務の変更の範囲」「有期労働契約の更新上限の有無と内容」「無期転換申込みに関する事項」の明示が義務化されています。とくに就業場所・業務の変更の範囲は、有期・無期を問わずすべての労働者に対して明示が必要な事項として追加されています。

出典(一次情報)

本記事はAIによる調査支援を活用して作成した参考情報です。最終的な判断は一次情報および専門家にご確認ください。

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