労働基準法第37条は、時間外・休日・深夜に労働させた場合に、使用者が通常の賃金に一定率を上乗せした「割増賃金」を支払うことを義務付けた条文です。結論からいうと、割増率は時間外労働が2割5分(25%)以上、月60時間を超える時間外労働は5割(50%)以上、深夜労働(原則午後10時〜午前5時)が2割5分(25%)以上で、休日労働は政令で定める率以上とされています。条文の原文はe-Gov法令検索の労働基準法第37条でそのまま確認できます。
本記事では、e-Gov法令検索で公開されている条文(労働基準法第37条と労働基準法施行規則第19条〜第21条)に基づいて、割増率の整理、割増が重なる場合の計算、割増賃金の基礎から除外される手当をまとめます。
労働基準法第37条とは(e-Govで確認できる条文)
労働基準法第37条(時間外、休日及び深夜の割増賃金)は、使用者が労働時間を延長し、または休日に労働させた場合に、その時間・その日の労働について「通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の二割五分以上五割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率」で計算した割増賃金の支払いを義務付けています。あわせて、午後10時から午前5時までの深夜時間帯に労働させた場合にも割増賃金の支払いが必要です。
割増賃金制度は、労働者への経済的な補償を通じて長時間労働・深夜労働・休日労働を抑制し、労働者の健康と生活を守ることを目的とした仕組みです。
割増率の一覧(時間外・休日・深夜)
時間外労働:25%以上
法定労働時間(原則1日8時間・週40時間)を超えて労働させた場合は、通常の賃金の計算額の2割5分(25%)以上の率で計算した割増賃金の支払いが必要です(労働基準法第37条第1項)。
月60時間を超える時間外労働:50%以上
1か月について60時間を超えて時間外労働をさせた場合、その超えた時間の労働については5割(50%)以上の率で計算した割増賃金を支払わなければなりません(労働基準法第37条第1項ただし書)。
深夜労働:25%以上
午後10時から午前5時まで(厚生労働大臣が必要と認める場合は、その定める地域・期間について午後11時から午前6時まで)の深夜労働については、2割5分(25%)以上の率で計算した割増賃金の支払いが必要です(労働基準法第37条第4項)。
休日労働:政令で定める率以上
法定休日(原則週1日)に労働させた場合は、「政令で定める率以上の率」で計算した割増賃金の支払いが必要です(労働基準法第37条第1項)。休日労働の具体的な率は法律本体ではなく政令に定められているため、実際の率は政令の最新の内容をあわせてご確認ください。
割増が重なる場合の率(労働基準法施行規則第20条)
時間外・休日・深夜の労働が重なった場合は、それぞれの割増率が加算されます。具体的な計算は労働基準法施行規則第20条に定められています。
- 時間外労働が深夜に及ぶ場合:時間外(25%)+深夜(25%)で5割(50%)以上(施行規則第20条第1項)
- 月60時間超の時間外労働が深夜に及ぶ場合:時間外(50%)+深夜(25%)で7割5分(75%)以上(施行規則第20条第1項)
- 休日労働が深夜に及ぶ場合:休日労働の割増率に深夜(25%)が加算され6割(60%)以上(施行規則第20条第2項)
割増賃金の基礎となる賃金と除外される手当
割増賃金のもとになる「通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額」の計算方法は、労働基準法施行規則第19条に定められています。時間給・日給・月給などの賃金の定め方ごとに、1時間あたりの単価を算出する方法が規定されています。
一方で、労働基準法第37条第5項と労働基準法施行規則第21条により、次の賃金は割増賃金の基礎となる賃金に算入しないとされています。
- 家族手当
- 通勤手当
- 別居手当
- 子女教育手当
- 住宅手当
- 臨時に支払われた賃金
- 1か月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
これらの手当を除外したうえで時間単価を計算する必要があるため、単純に「月給の総額÷所定労働時間」で計算すると誤りになる場合があります。
月60時間超の割増賃金に代わる「代替休暇」
月60時間を超える時間外労働については、労働者の過半数で組織する労働組合(ない場合は過半数代表者)との書面による協定に基づき、引き上げ分の割増賃金の支払いに代えて、通常の労働時間の賃金が支払われる休暇(有給休暇を除く)を与えることができます(労働基準法第37条第3項)。労働者がこの休暇を取得した場合、その休暇に対応する時間については月60時間超の時間外労働に係る割増賃金の支払いは要しないとされています。
e-Govで労働基準法第37条の原文を確認する方法
労働基準法の条文原文は、総務省が運営するe-Gov法令検索で誰でも無料で確認できます。第37条は労働基準法(昭和22年法律第49号)第37条へのリンクから直接開けます。割増賃金の計算方法や除外される手当の詳細は、同じくe-Govで公開されている労働基準法施行規則第19条〜第21条とあわせて読むと、条文の全体像がつかめます。
正確な割増賃金を支払うためには、いつ・誰が・どの種類の労働(通常・時間外・休日・深夜)を行ったかを記録する労働時間管理が前提になります。タイムカードや勤怠管理システムで労働時間を正確に把握し、不明な点は労働基準監督署や社会保険労務士などの専門家に相談することが推奨されます。
条文の原文も、その場で確認できます
「ことのり」なら、割増賃金のような労務の疑問を日常の言葉で入力するだけで、労働基準法・施行規則の関連条文とe-Govへの出典リンク付きレポートを数十秒で生成できます。
労基法37条の割増賃金をことのりで調べるよくある質問
残業(時間外労働)の割増率は何パーセントですか?
法定労働時間を超える時間外労働は2割5分(25%)以上の率で計算した割増賃金が必要です。さらに、1か月60時間を超える時間外労働については、その超えた部分が5割(50%)以上になります(労働基準法第37条)。
深夜労働の時間帯はいつからいつまでですか?
原則として午後10時から午前5時までです。厚生労働大臣が必要と認める場合は、その定める地域・期間について午後11時から午前6時までとされます。この時間帯の労働には2割5分(25%)以上の割増賃金が必要です(労働基準法第37条第4項)。
割増賃金の計算に含めなくてよい手当はありますか?
家族手当・通勤手当のほか、別居手当、子女教育手当、住宅手当、臨時に支払われた賃金、1か月を超える期間ごとに支払われる賃金は、割増賃金の基礎となる賃金に算入しないとされています(労働基準法施行規則第21条)。
出典(一次情報)
※本記事はAIによる調査支援を活用して作成した参考情報です。制度の詳細や最新の取扱いは、必ず一次情報および専門家にご確認ください。