結論:令和6年度(2024年度) 宅地建物取引士資格試験(宅建)第30問(クーリング・オフ(事務所等以外の場所))で、ことのりは4記述のうち公式正解と一致したのは3記述で、記述2を取りこぼしました。「誤っているもの」として、ことのりは記述2と記述4の2つを『誤り(解除できる)』と判定してしまい、公式正解(4)に一意に絞り込めませんでした。ことのりが、買主が自ら申し出た「勤務先」での契約はクーリング・オフできない、という宅建業法の特則を見落とした回です。うまくいった回だけでなく、外した回も隠さず公開します。
検証の方法
第30問は、クーリング・オフ(事務所等以外の場所)に関する4つの記述(選択肢1〜4)のうち「誤っているものはどれか」を選ぶ問題です。方法はシリーズ共通で、各記述を1つずつ、「次の記述は、現行法令に照らして正しいですか、誤っていますか。根拠となる条文を挙げて判定してください」という形で本番稼働中のことのりにそのまま入力し、返ってきた判定をRETIO公表の正解番号と照合しました。プロンプトの工夫・再試行・人間による誘導はありません。
ことのりの判定結果:4記述中3記述が一致(1記述を取りこぼし)
| 記述 | ことのりの判定 | 挙げた主な根拠条文 | 公式正解との照合 |
|---|---|---|---|
| 選択肢1 | 正しい | 宅建業法施行規則16条の6 | ○ 一致 |
| 選択肢2 | 誤り | 法37条の2第1項 | × 不一致 |
| 選択肢3 | 正しい | 法37条の2第1項 | ○ 一致 |
| 選択肢4 | 誤り | 法37条の2第1項 | ○ 一致 |
各記述の解説
選択肢1:ことのりの判定「正しい」(公式と一致)
記述:宅地建物取引業者Aが自ら売主として宅建業者でない個人Bと宅地の売買契約を締結した場合、Aがクーリング・オフについて告げる書面には、Aの商号・住所・免許証番号の記載は必要だが、Aの宅地建物取引士の記名は必要ない。
根拠条文:宅建業法施行規則16条の6
クーリング・オフの告知書面に記載すべき事項は、宅建業者の商号・住所・免許証番号などで、宅地建物取引士の記名は求められていません(宅建業法施行規則16条の6)。ことのりは『正しい』と判定し、公式正解と一致しました。
選択肢2:ことのりの判定「誤り」(公式と不一致)
記述:買主Bが、自らの申出により、Bの勤務する会社の事務所において宅地の買受けの申込み及び売買契約の締結をした場合、Bは、クーリング・オフによる解除を行うことができない。
根拠条文:法37条の2第1項
ことのりは『解除できる』として記述を『誤り』と判定しましたが、公式正解はこの記述を『正しい(解除できない)』としています。クーリング・オフができない「事務所等」には、施行規則16条の5第2号により、買主が「自ら申し出た」自宅または勤務する場所が含まれます。本記述は買主Bが自らの申出により勤務先で契約しており、ここに該当するため解除できません。ことのりは「勤務する会社の事務所は事務所等以外の場所」「申出の有無は影響しない」と述べ、買主が申し出た勤務先を事務所等に含めるこの特則を見落としました。
選択肢3:ことのりの判定「正しい」(公式と一致)
記述:買主Bが、自らの申出により、喫茶店において宅地の買受けの申込み及び売買契約の締結をした場合、Bは、クーリング・オフによる解除を行うことができる。
根拠条文:法37条の2第1項
喫茶店は「事務所等」に当たらない場所です。買主が自ら申し出ても、施行規則16条の5第2号が事務所等に含めるのは「自宅又は勤務する場所」に限られ、喫茶店はこれに当たりません。したがって解除でき、ことのりは『正しい』と判定して公式正解と一致しました。
選択肢4:ことのりの判定「誤り」(公式と一致)
記述:買主Bが、自らの申出により、Bが融資を受ける銀行(宅地建物取引業者ではない)において宅地の買受けの申込み及び売買契約の締結をした場合、Bは、クーリング・オフによる解除を行うことができない。
根拠条文:法37条の2第1項
融資を受ける銀行は、買主Bの「自宅又は勤務する場所」でも売主側の事務所等でもないため、「事務所等以外の場所」に当たります。したがって買主は解除できます。「できない」とする記述は誤りで、これが公式正解(誤っているもの)です。ことのりはここを正しく『誤り(解除できる)』と判定しました。
この結果から言えること
- ことのりが外したのは記述2でした。誤りの所在ははっきりしています。買主が「自ら申し出た」自宅・勤務先での契約はクーリング・オフできないという宅建業法施行規則16条の5第2号の特則を見落とし、勤務先を一律に「事務所等以外」と扱ってしまった点です。
- 皮肉なことに、ことのりは記述3(喫茶店=解除できる)・記述4(銀行=解除できる)では正しく判定できていました。『自ら申し出た勤務先』という、解除できない例外だけを取りこぼした形です。
- 結果として、ことのりは「誤っているもの」を記述2・記述4の2つ挙げてしまい、公式正解(4)に一意に絞り込めませんでした。条文本体(法37条の2)だけでなく、その委任を受けた施行規則の細目まで確認しないと正解にたどり着けない典型例です。
- 教訓は明確です。AIが「事務所等以外だから解除できる」と言っても鵜呑みにせず、施行規則16条の5の例外(自ら申し出た自宅・勤務先)に当たらないか、必ず一次情報で確認してください。本記事は、うまくいった回だけでなく外した回も隠さず公開するシリーズ方針に沿うものです。
シリーズ累計成績(随時更新)
宅建(宅地建物取引業法)の条文知識を問う問題で同じ検証を進めています。うまくいった回だけを選んで載せることはせず、外した問題が出れば隠さず解剖して公開します。
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ことのりを無料で試すよくある質問
AIが「解除できる」と言ったら信じてよいですか?
いいえ。本検証のように、クーリング・オフの例外(買主が自ら申し出た自宅・勤務先での契約は解除できない)を見落として誤判定することがあります。条文本体だけでなく、委任先の施行規則(16条の5)まで確認してください。
なぜAIはこの記述を外したのですか?
クーリング・オフができない「事務所等」の範囲は、法律本体(37条の2)が施行規則に委任しており、その施行規則16条の5第2号に「買主が自ら申し出た自宅・勤務する場所」という例外があります。ことのりは法律本体の文言に引っ張られ、この委任先の細目を拾えませんでした。だからこそ最終確認は一次情報と専門家で行うのが安全です。