結論:令和7年度(2025年度) 宅地建物取引士資格試験(宅建)第31問(監督処分・聴聞の特例)で、ことのりは4記述のうち公式正解と一致したのは3記述で、記述3を取りこぼしました。「正しいもの」として、ことのりは記述1と記述3の2つを『正しい』と判定してしまい、公式正解(1)に一意に絞り込めませんでした。ことのりが、行政手続法の一般原則(聴聞は非公開)に引っ張られ、宅建業法の特則(聴聞は公開)を見落とした回です。うまくいった回だけでなく、外した回も隠さず公開します。
検証の方法
第31問は、監督処分・聴聞の特例に関する4つの記述(選択肢1〜4)のうち「正しいものはどれか」を選ぶ問題です。方法はシリーズ共通で、各記述を1つずつ、「次の記述は、現行法令に照らして正しいですか、誤っていますか。根拠となる条文を挙げて判定してください」という形で本番稼働中のことのりにそのまま入力し、返ってきた判定をRETIO公表の正解番号と照合しました。プロンプトの工夫・再試行・人間による誘導はありません。
ことのりの判定結果:4記述中3記述が一致(1記述を取りこぼし)
| 記述 | ことのりの判定 | 挙げた主な根拠条文 | 公式正解との照合 |
|---|---|---|---|
| 選択肢1 | 正しい | 法65条2項・法66条1項9号 | ○ 一致 |
| 選択肢2 | 誤り | 法67条1項 | ○ 一致 |
| 選択肢3 | 正しい | 法69条2項・法16条の15第5項 | × 不一致 |
| 選択肢4 | 誤り | 法70条1項 | ○ 一致 |
各記述の解説
選択肢1:ことのりの判定「正しい」(公式と一致)
記述:国土交通大臣又は都道府県知事は、その免許を受けた宅地建物取引業者が法第65条第1項の指示に従わない場合、業務の全部又は一部の停止を命ずることができ、業務停止の処分に違反した場合は、免許を取り消さなければならない。
根拠条文:法65条2項・法66条1項9号
指示処分に従わない場合の業務停止命令(法65条2項)と、業務停止処分違反による必要的な免許取消(法66条1項9号)は、いずれも条文どおりです。ことのりは『正しい』と判定し、これが公式正解です。
選択肢2:ことのりの判定「誤り」(公式と一致)
記述:国土交通大臣又は都道府県知事は、宅地建物取引業者の事務所の所在地を確知できないとき、その事実を公告し、公告の日から2週間を経過しても申出がないときは、免許を取り消すことができる。
根拠条文:法67条1項
所在不明による免許取消しの公告後の申出期間は「30日」です(法67条1項)。記述の「2週間」は誤りで、ことのりも30日であることを理由に正しく『誤り』と判定しました。
選択肢3:ことのりの判定「正しい」(公式と不一致)
記述:国土交通大臣又は都道府県知事は、法第66条の規定による免許の取消しの処分をしようとするときは、聴聞を行わなければならないが、当該聴聞は、公開することが相当と認められる場合を除き、公開されない。
根拠条文:法69条2項・法16条の15第5項
ことのりは『正しい』と判定しましたが、公式正解はこの記述を『誤り』としています。宅建業法では、免許取消し(法66条)の聴聞について、法69条2項が法16条の15第3項〜5項を準用し、そのうち16条の15第5項が「聴聞の期日における審理は、公開により行わなければならない」と定めています。つまり聴聞は公開が原則です。記述は行政手続法20条6項の一般原則(非公開)をそのまま述べたもので、ことのりもこの一般原則に引っ張られて『正しい』と判断し、宅建業法の特則を見落としました。
選択肢4:ことのりの判定「誤り」(公式と一致)
記述:国土交通大臣又は都道府県知事は、免許の取消しの処分をしたときはその旨を公告しなければならないが、業務の停止の処分をしたときはその旨の公告はしなくともよい。
根拠条文:法70条1項
業務停止処分(法65条2項)をしたときも公告が必要です(法70条1項)。「公告しなくともよい」とする記述は誤りで、ことのりも法70条を引いて正しく『誤り』と判定しました。
この結果から言えること
- ことのりが外したのは記述3でした。誤りの所在は明確です。宅建業法には、監督処分の聴聞は公開により行うという特則(法69条2項が準用する16条の15第5項)があり、これは行政手続法20条6項の「非公開が原則」に対する例外です。
- 記述3は、まさに行政手続法の一般原則(非公開)をそのまま述べた「ひっかけ」でした。ことのりは一般法の原則に引っ張られ、宅建業法の特則を見落として『正しい』と早合点しました。
- 結果として、ことのりは「正しいもの」を記述1・記述3の2つ挙げてしまい、公式正解(1)に一意に絞り込めませんでした。一般法と特別法のどちらが適用されるかを見極めないと正解にたどり着けない、法律特有の難所です。
- 教訓は明確です。AIが一般原則を根拠に「正しい」と言っても、その分野に特則がないかを必ず確認してください。本記事は、うまくいった回だけでなく外した回も隠さず公開するシリーズ方針に沿うものです。
シリーズ累計成績(随時更新)
宅建(宅地建物取引業法)の条文知識を問う問題で同じ検証を進めています。うまくいった回だけを選んで載せることはせず、外した問題が出れば隠さず解剖して公開します。
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ことのりを無料で試すよくある質問
AIが一般原則を挙げて「正しい」と言ったら信じてよいですか?
いいえ。本検証のように、その分野の特別法(ここでは宅建業法の聴聞公開の特則)を見落として、一般法(行政手続法)の原則だけで判断してしまうことがあります。特則の有無を一次情報で確認してください。
なぜAIはこの記述を外したのですか?
聴聞は行政手続法では非公開が原則ですが、宅建業法は法69条2項→16条の15第5項で公開を原則とする特則を置いています。ことのりは一般法の原則に近い記述を『正しい』と捉え、特則を拾えませんでした。一般法と特別法の適用関係は、AIが取り違えやすい領域です。