結論:令和7年度(2025年度) 宅地建物取引士資格試験(宅建)第35問(営業保証金(取戻しの公告))で、ことのりは4記述のうち公式正解と一致したのは3記述で、唯一の正解肢である記述1を取りこぼしました。ことのりは記述1を含む全記述を『誤り』と判定してしまい、公式正解(1)に到達できませんでした。ことのりが、公告方法(官報)を定める下位の省令を拾えず、正しい記述を「条文に明記がない」として誤判定し、唯一の正解肢を取りこぼした回です。うまくいった回だけでなく、外した回も隠さず公開します。

本記事は、AI法令検索「ことのり」(本番稼働中のサービスそのもの)に実際に検索を実行させた結果(関連条文・出典リンク付き)をもとに編集した検証記録です。試験問題および正解は、一般財団法人 不動産適正取引推進機構(RETIO)が公表する宅建試験の過去問題・正解番号表から引用しています。本記事は特定の試験対策・法的助言を目的とするものではありません。実際の判断にあたっては、必ず最新の条文や一次情報、必要に応じて専門家にご確認ください。

検証の方法

第35問は、営業保証金(取戻しの公告)に関する4つの記述(選択肢1〜4)のうち「正しいものはどれか」を選ぶ問題です。方法はシリーズ共通で、各記述を1つずつ、「次の記述は、現行法令に照らして正しいですか、誤っていますか。根拠となる条文を挙げて判定してください」という形で本番稼働中のことのりにそのまま入力し、返ってきた判定をRETIO公表の正解番号と照合しました。プロンプトの工夫・再試行・人間による誘導はありません。

ことのりの判定結果:4記述中3記述が一致(1記述を取りこぼし)

記述ことのりの判定挙げた主な根拠条文公式正解との照合
選択肢1誤り法30条2項× 不一致
選択肢2誤り法25条3項○ 一致
選択肢3誤り法25条1項○ 一致
選択肢4誤り法27条1項○ 一致

各記述の解説

選択肢1:ことのりの判定「誤り」(公式と不一致)

記述:宅地建物取引業者A(甲県知事免許)の営業保証金について、免許の有効期間満了の際、Aが営業保証金を取り戻そうとする場合には、還付を受ける権利を有する者に対し、6か月を下らない一定期間内に申し出るべき旨を官報に公告しなければならない。

根拠条文:法30条2項
ことのりは『誤り』と判定しましたが、公式正解はこの記述を『正しい』としています(これが正解1)。営業保証金の取戻しには、還付請求権者に対し6月を下らない一定期間内に申し出るべき旨を公告することが必要です(法30条2項)。その公告方法が「官報による」ことは、宅地建物取引業者営業保証金規則7条が定めています。ことのりは法30条本体に「官報」の語がないことから「条文に直接の明記がなく、厳密には誤り」と判断し、公告方法を定める下位の省令(営業保証金規則7条)を拾えずに正しい記述を誤判定しました。

選択肢2:ことのりの判定「誤り」(公式と一致)

記述:宅地建物取引業者Aが営業保証金を供託する場合、金銭と有価証券を併用して供託することができるが、従たる事務所を設置したときの営業保証金については、金銭のみをもって供託しなければならない。

根拠条文:法25条3項
営業保証金は、主たる事務所・従たる事務所の別なく、金銭・有価証券・その併用で供託できます(法25条3項)。「従たる事務所は金銭のみ」とする限定は条文になく、記述は誤りです。ことのりは正しく『誤り』と判定しました。

選択肢3:ことのりの判定「誤り」(公式と一致)

記述:宅地建物取引業者A(甲県知事免許)は、事業開始後に乙県に従たる事務所を設置したときは、従たる事務所の最寄りの供託所に営業保証金を供託しなければならない。

根拠条文:法25条1項
営業保証金は主たる事務所の最寄りの供託所にまとめて供託します(法25条1項)。「従たる事務所の最寄りの供託所」とする記述は誤りで、ことのりも正しく『誤り』と判定しました。

選択肢4:ことのりの判定「誤り」(公式と一致)

記述:宅地建物取引業者Aの設置した支店においてAと取引をした者は、その取引により生じた債権に関し、500万円を限度として弁済を受ける権利を有する。

根拠条文:法27条1項
営業保証金制度では、還付は供託された営業保証金の範囲で行われ、「500万円を限度」とする定めはありません(法27条1項)。「500万円」は宅地建物取引業保証協会の弁済業務保証金制度に関わる数字で、自ら営業保証金を供託する場合の限度額ではありません。記述は誤りで、ことのりも正しく『誤り』と判定しました。

この結果から言えること

  • ことのりが外したのは、唯一の正解肢である記述1でした。営業保証金の取戻しに必要な公告(6月を下らない期間)の方法が「官報による」ことは、法律本体(法30条)ではなく、その委任を受けた省令(営業保証金規則7条)が定めています。ことのりは法律本体に「官報」の語がないことから、正しい記述を『条文に明記がない=誤り』と誤判定しました。
  • これは、AIが「条文に規定がない」と断定するときの危うさを示す典型例です。実際には規定はあり、ただ法律本体ではなく下位の省令に置かれていただけでした。
  • 皮肉なことに、ことのりは残る3つの誤り記述(金銭のみ・従たる事務所の供託所・500万円限度)はすべて正しく『誤り』と見抜いていました。唯一の正解肢だけを、過度に厳密な解釈で取りこぼした形です。
  • 教訓は明確です。AIが「条文に明記がない」と言っても、法律本体だけでなく、委任先の政令・省令まで含めて確認してください。「ない」ことの判断は、隣接する規定の見落としで簡単にひっくり返ります。本記事は、うまくいった回だけでなく外した回も隠さず公開するシリーズ方針に沿うものです。

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よくある質問

AIが「条文に明記がない」と言ったら信じてよいですか?

いいえ。本検証のように、規定が法律本体ではなく下位の省令(ここでは営業保証金規則7条)に置かれている場合、それを見落として『明記がない=誤り』と誤判定することがあります。委任先の政令・省令まで確認してください。

なぜAIは正解肢を外したのですか?

営業保証金の取戻し公告を「官報で行う」ことは、宅建業法本体(30条)ではなく宅地建物取引業者営業保証金規則7条が定めています。ことのりは法律本体の文言だけを見て『官報という方法は条文にない』と判断し、下位の省令を拾えませんでした。だからこそ最終確認は一次情報と専門家で行うのが安全です。

出典(一次情報)

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