結論:令和5年度(2023年度) 宅地建物取引士資格試験(宅建)第27問(建物状況調査(定義・あっせん))で、ことのりは4記述のうち公式正解と一致したのは2記述(記述2・記述4)でした。記述1は定義条文を特定できずに正誤の明言を避け、記述3は公式と逆に『誤り』と判定。結果として「誤っているもの」の候補が記述3と記述4の2つになり、公式正解(4)に一意に絞り込めませんでした。ことのりが、宅建業法本体に明文で置かれた建物状況調査の定義を「明文の定義規定はない」として判定を保留し、あっせんに係る料金では国土交通省のガイドラインと逆の判定をした回です。うまくいった回だけでなく、外した回も隠さず公開します。

本記事は、AI法令検索「ことのり」(本番稼働中のサービスそのもの)に実際に検索を実行させた結果(関連条文・出典リンク付き)をもとに編集した検証記録です。試験問題および正解は、一般財団法人 不動産適正取引推進機構(RETIO)が公表する宅建試験の過去問題・正解番号表から引用しています。本記事は特定の試験対策・法的助言を目的とするものではありません。実際の判断にあたっては、必ず最新の条文や一次情報、必要に応じて専門家にご確認ください。

検証の方法

第27問は、建物状況調査(定義・あっせん)に関する4つの記述(選択肢1〜4)のうち「誤っているものはどれか」を選ぶ問題です。方法はシリーズ共通で、各記述を1つずつ、「次の記述は、現行法令に照らして正しいですか、誤っていますか。根拠となる条文を挙げて判定してください」という形で本番稼働中のことのりにそのまま入力し、返ってきた判定をRETIO公表の正解番号と照合しました。プロンプトの工夫・再試行・人間による誘導はありません。

ことのりの判定結果:4記述中2記述が一致(2記述を取りこぼし)

記述ことのりの判定挙げた主な根拠条文公式正解との照合
選択肢1判定保留法34条の2第1項4号× 不一致
選択肢2正しい宅建業法施行規則15条の8第1項○ 一致
選択肢3誤り法46条× 不一致
選択肢4誤り法37条1項2号の2・2項○ 一致

各記述の解説

選択肢1:ことのりの判定「判定保留」(公式と不一致)

記述:建物状況調査とは、建物の構造耐力上主要な部分又は雨水の浸入を防止する部分として国土交通省令で定めるものの状況の調査であって、経年変化その他の建物に生じる事象に関する知識及び能力を有する者として国土交通省令で定める者が実施するものをいう。

根拠条文:法34条の2第1項4号
ことのりは「現行法令において明文の定義規定として存在するものではない」として、正誤を明言しませんでした。実際には、建物状況調査の定義は宅建業法34条の2第1項4号に明文で置かれており、記述はこの条文の文言そのもの(公式には『正しい』記述)です。ことのりは調査対象の部位を定める施行規則15条の7には到達したものの、法律本体の定義条文を特定できずに判定を保留しました。本検証では正誤の明言がないため、一致とは数えていません。

選択肢2:ことのりの判定「正しい」(公式と一致)

記述:宅地建物取引業者が建物状況調査を実施する者のあっせんを行う場合、そのあっせんの対象となる建物状況調査を実施する者は、建築士法第2条第1項に規定する建築士であって国土交通大臣が定める講習を修了した者でなければならない。

根拠条文:宅建業法施行規則15条の8第1項
あっせんの対象となる建物状況調査の実施者は、宅建業法施行規則15条の8第1項により、建築士法2条1項の建築士であり、かつ国土交通大臣が定める講習を修了した者のいずれにも該当する必要があります。記述は条文どおりで、ことのりは正しく『正しい』と判定しました。

選択肢3:ことのりの判定「誤り」(公式と不一致)

記述:既存住宅の売買の媒介を行う宅地建物取引業者が売主に対して建物状況調査を実施する者のあっせんを行った場合、当該宅地建物取引業者は売主から報酬とは別にあっせんに係る料金を受領することはできない。

根拠条文:法46条
ことのりは「あっせんに係る料金は媒介報酬とは別に受領することが認められている」として記述を『誤り』と判定しましたが、公式にはこの記述は『正しい(受領できない)』です。国土交通省「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」(第34条の2第1項第4号関係)では、建物状況調査のあっせんに係る料金は媒介報酬とは別に受領できないとされています。ことのりは報酬の上限規制(法46条)を挙げつつ、あっせん料金を報酬の枠外として受領可能と説明し、このガイドラインの扱いと逆の結論を導きました。

選択肢4:ことのりの判定「誤り」(公式と一致)

記述:既存住宅の貸借の媒介を行う宅地建物取引業者は、宅地建物取引業法第37条の規定により交付すべき書面に、建物の構造耐力上主要な部分等の状況について当事者の双方が確認した事項を記載しなければならない。

根拠条文:法37条1項2号の2・2項
「建物の構造耐力上主要な部分等の状況について当事者の双方が確認した事項」の記載義務は売買・交換の37条書面(法37条1項2号の2)に限られ、貸借の場合の記載事項(同条2項)には含まれていません。貸借の媒介でも記載が必要とする記述は誤りで、これが公式正解(誤っているもの)です。ことのりは正しく判定しました。

この結果から言えること

  • ことのりが取りこぼしたのは記述1と記述3の2つでした。記述1では、宅建業法34条の2第1項4号に明文で置かれた定義を「明文の定義規定として存在しない」として判定を保留。第6回(営業保証金)と同じく、AIが「規定がない」と述べるときは、単に条文を見つけられていないだけの可能性があることを示す例です。
  • 記述3では、あっせんに係る料金について、国土交通省「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」が媒介報酬と別の受領を認めていないのに対し、ことのりは「別に受領できる」と逆の判定をしました。条文(法46条)だけでは答えが出ず、公的なガイドラインまで確認しないと正誤が決まらない領域です。
  • 一方、記述2(施行規則15条の8の実施者要件)と記述4(37条書面は貸借では記載不要)は正確で、正解肢(4)そのものの判定は合っていました。ただし記述3も『誤り』としたため、答えを一意に絞り込めていません。
  • 教訓は明確です。AIが「規定がない」「受領できる」と述べても、法律本体の定義規定や国土交通省のガイドラインに反していないか、必ず一次情報で確認してください。本記事は、うまくいった回だけでなく外した回も隠さず公開するシリーズ方針に沿うものです。

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よくある質問

AIが「定義規定はない」と言ったら信じてよいですか?

いいえ。本検証では、宅建業法34条の2第1項4号に明文で置かれた建物状況調査の定義を「明文の定義規定として存在しない」として判定を保留しました。「ない」という判断は条文の見落としで簡単にひっくり返るため、必ず一次情報で確認してください。

なぜAIはあっせん料金の判定を外したのですか?

あっせんに係る料金を媒介報酬と別に受領できないという扱いは、条文そのものではなく国土交通省「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」(第34条の2第1項第4号関係)に示されています。ことのりは条文(法46条)を基に「報酬とは別のもの」と整理してしまい、ガイドラインの扱いと逆の結論に至りました。条文に加えて公的な解釈基準の確認が必要な領域です。

出典(一次情報)

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