結論:令和2年度(2020年度)10月試験 宅地建物取引士資格試験(宅建)第36問(宅地建物取引業保証協会(弁済業務保証金))で、ことのりは4記述のうち公式正解と一致したのは3記述で、唯一の正解肢である記述4を取りこぼしました。ことのりは4記述すべてを『誤り』と判定してしまい、公式正解(4)に到達できませんでした。ことのりが、還付通知を受けた保証協会自身に供託義務があること(社員からの充当金徴収より前の段階)を見落とし、正解肢を「誤り」と判定した回です。うまくいった回だけでなく、外した回も隠さず公開します。
検証の方法
第36問は、宅地建物取引業保証協会(弁済業務保証金)に関する4つの記述(選択肢1〜4)のうち「正しいものはどれか」を選ぶ問題です。方法はシリーズ共通で、各記述を1つずつ、「次の記述は、現行法令に照らして正しいですか、誤っていますか。根拠となる条文を挙げて判定してください」という形で本番稼働中のことのりにそのまま入力し、返ってきた判定をRETIO公表の正解番号と照合しました。プロンプトの工夫・再試行・人間による誘導はありません。
ことのりの判定結果:4記述中3記述が一致(1記述を取りこぼし)
| 記述 | ことのりの判定 | 挙げた主な根拠条文 | 公式正解との照合 |
|---|---|---|---|
| 選択肢1 | 誤り | 法64条の8第1項 | ○ 一致 |
| 選択肢2 | 誤り | 法64条の8第2項 | ○ 一致 |
| 選択肢3 | 誤り | 法64条の10第1項 | ○ 一致 |
| 選択肢4 | 誤り | 法64条の8第3項 | × 不一致 |
各記述の解説
選択肢1:ことのりの判定「誤り」(公式と一致)
記述:保証協会の社員との宅地建物取引業に関する取引により生じた債権を有する者は、当該社員が納付した弁済業務保証金分担金の額に相当する額の範囲内で弁済を受ける権利を有する。
根拠条文:法64条の8第1項
弁済を受けられる範囲は、当該社員が「保証協会の社員でないとしたならば供託すべき営業保証金の額に相当する額」であり(法64条の8第1項)、社員が実際に納付した分担金の額ではありません。分担金と営業保証金相当額を取り違える記述は誤りで、ことのりは正しく『誤り』と判定しました。
選択肢2:ことのりの判定「誤り」(公式と一致)
記述:保証協会の社員と宅地建物取引業に関し取引をした者が、その取引により生じた債権に関し、弁済業務保証金について弁済を受ける権利を実行するときは、当該保証協会の認証を受けるとともに、当該保証協会に対し還付請求をしなければならない。
根拠条文:法64条の8第2項
還付を受けるには保証協会の認証を受ける必要がありますが(法64条の8第2項)、還付請求の相手方は保証協会ではなく弁済業務保証金が供託されている供託所(国)です。「保証協会に対し還付請求」とする点が誤りで、ことのりは正しく『誤り』と判定しました。
選択肢3:ことのりの判定「誤り」(公式と一致)
記述:保証協会は、弁済業務保証金の還付があったときは、当該還付に係る社員又は社員であった者に対し、当該還付額に相当する額の還付充当金をその主たる事務所の最寄りの供託所に供託すべきことを通知しなければならない。
根拠条文:法64条の10第1項
還付充当金の納付先は保証協会であり(法64条の10第1項)、「主たる事務所の最寄りの供託所」ではありません。社員は供託ではなく、保証協会に対して充当金を納付します。ことのりは正しく『誤り』と判定しました。
選択肢4:ことのりの判定「誤り」(公式と不一致)
記述:保証協会は、弁済業務保証金の還付があったときは、当該還付額に相当する額の弁済業務保証金を供託しなければならない。
根拠条文:法64条の8第3項
ことのりは『誤り』と判定しましたが、公式正解はこの記述を『正しい』としています(これが正解4)。法64条の8第3項は、還付があった旨の通知を受けた保証協会は、その通知を受けた日から2週間以内に還付額に相当する額の弁済業務保証金を供託しなければならないと定めています。ことのりは「不足分の補充は社員が負担」と述べ、この供託義務(保証協会自身に課される第一段階の義務)を、社員からの還付充当金徴収(法64条の10:第二段階)と混同して主体を取り違えました。
この結果から言えること
- ことのりが外したのは、唯一の正解肢である記述4でした。誤りの構造ははっきりしています。弁済業務保証金の還付があったときの流れは、①保証協会が2週間以内に還付額相当を供託(法64条の8第3項)→ ②保証協会が社員から還付充当金を徴収(法64条の10)という2段構えです。ことのりは①を素通りして②の説明で「誤り」と結論しました。
- 皮肉なことに、ことのりは分担金と営業保証金相当額の混同(記述1)、還付請求先の混同(記述2)、還付充当金の納付先の混同(記述3)と、混同を突く3つのひっかけをすべて『誤り』と見抜いていました。正解肢(記述4)だけを、時系列の第一段階を飛ばして誤判定した形です。
- 結果として、ことのりは4記述すべてを『誤り』と判定してしまい、「正しいもの」を1つに絞り込めませんでした。制度の時系列や主体(誰が何をするか)を条文の順に追わないと正解にたどり着けない典型例です。
- 教訓は明確です。AIが「不足分は社員が負担する」など後段の説明を持ち出して「誤り」と言っても、その前段(誰が最初に何をするか)を条文順に確認してください。本記事は、うまくいった回だけでなく外した回も隠さず公開するシリーズ方針に沿うものです。
シリーズ累計成績(随時更新)
宅建(宅地建物取引業法)の条文知識を問う問題で同じ検証を進めています。うまくいった回だけを選んで載せることはせず、外した問題が出れば隠さず解剖して公開します。
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ことのりを無料で試すよくある質問
なぜAIは正解肢を外したのですか?
弁済業務保証金の還付には2段階の義務があります。まず①保証協会が2週間以内に還付額相当を供託(法64条の8第3項)、次に②社員から還付充当金を徴収(法64条の10)です。ことのりは①を飛ばして②を根拠に「協会が供託するのは誤り」と結論しました。条文の時系列を追うことが必要です。
ことのりの判定はどこまで信頼できますか?
本検証のように、制度の時系列や主体を取り違えることがあります。特に「保証協会」「社員」「供託所」「還付権利者」が入れ替わる論点はAIが混同しやすい領域です。最終的な判断は必ず条文と専門家に確認してください。