2025年4月1日施行の改正育児・介護休業法により、企業には従業員の「仕事と介護の両立」を支援する新たな義務が課されます。ニチイが企業向け「介護と仕事の両立セミナー」の販売を開始したというニュースを受け、企業に課される具体的な義務を条文レベルで整理しました。

本記事では、雇用環境の整備、個別周知・意向確認、40歳到達時等の情報提供という3つの柱について、根拠条文と一次情報を示しながら解説します。中小企業も含めた全事業者が対象となるため、士業・経営者双方にとって恒常的な確認事項となります。

本記事は、AI法令調査ツール「ことのり」で実際に検索した結果(関連条文・出典リンク付き)をもとに編集した参考情報です。労務・法令領域は個別事情や施行細則、通達の更新によって取扱いが変わることがあります。最終判断は一次情報と専門家(社会保険労務士等)にご確認ください。

改正育児・介護休業法が企業に求める「介護両立支援」の全体像

育児・介護休業法(正式名称:育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律)は、労働者が育児や介護を行いながら職業生活を継続できるよう、企業に各種の支援措置を求めています。改正法では特に介護分野の企業義務が強化され、「雇用環境の整備及び雇用管理等に関する措置」と「育児休業等に関する定めの周知等の措置」の2系統で整理されています。

ポイントは、労働者が対象家族を介護する状況に至ったことを申し出た場合、および一定の年齢(40歳)に達した場合に、企業側から情報提供や意向確認を行う義務が新たに課された点です。介護離職の防止と、早期からの両立準備を促すことがねらいです。

義務1:雇用環境の整備(第22条)

育児・介護休業法第22条により、事業主は介護休業申出や介護両立支援制度等の利用が円滑に行われるようにするため、次のいずれかの措置を講じなければなりません。

研修の実施

雇用する労働者に対し、介護休業や介護両立支援制度等に係る研修を実施することが求められます。管理職が部下の介護状況を把握し、適切な支援を行うための知識・スキルを身につけることも重要とされています。

相談体制の整備

介護休業や介護両立支援制度等に関する相談体制の整備が求められます。相談窓口の設置(担当部署の明確化、担当者の配置)、相談対応マニュアルの作成、プライバシー保護への配慮などが具体的に挙げられます。

その他厚生労働省令で定める措置

育児・介護休業法施行規則第71条の3および同第71条の4により、以下の措置も認められています。

  • 介護休業の取得に関する事例の収集及び提供
  • 介護休業・介護両立支援制度等に関するパンフレット等の作成及び配布
  • 介護休業・介護両立支援制度等に関する説明会の実施

義務2:個別周知・意向確認(第21条)

育児・介護休業法第21条関連の規定により、労働者が対象家族の介護を必要とする状況に至ったことを申し出た場合、企業は当該労働者に対し、介護休業に関する制度、仕事と介護の両立に資する介護両立支援制度等、その他厚生労働省令で定める事項を知らせるとともに、介護休業申出および介護両立支援制度等の利用に係る意向を確認するための面談その他の措置を講じなければなりません。

厚生労働省の資料によれば、「知らせる措置」としては書面の交付、FAX、電子メール、社内ネットワークへの掲載などが想定されています。「意向確認のための面談」は対面が原則ですが、労働者が希望し事業主が認める場合は、電話やオンラインでの実施も可能とされています。

義務3:40歳到達時等の情報提供

労働者が40歳に達した日の属する年度など、介護休業に関する制度や介護両立支援制度等の利用について労働者の理解と関心を深めるため適切かつ効果的な期間の始期に達したときは、当該期間内にこれらの事項を知らせなければなりません。介護が現実的になる前の段階から情報提供を行い、早期の準備を促すことが目的です。

努力義務として位置づけられる措置

すべてが「義務」ではなく、次の項目は努力義務として整理されています。

  • 制度の周知(努力義務):介護休業中の待遇、介護休業後の賃金・配置その他の労働条件に関する事項をあらかじめ定め、労働者に周知させるための措置(第21条の2)。
  • 雇用管理に関する措置(努力義務):介護休業申出および介護休業後における就業が円滑に行われるよう、労働者の配置その他の雇用管理、介護休業をしている労働者の職業能力の開発・向上等に関して必要な措置を講ずるよう努めること。

努力義務は法的強制力こそ義務ほど強くないものの、企業がその趣旨を理解し、可能な限り実施することが期待されます。義務違反の場合は、厚生労働大臣による助言、指導、勧告の対象となり、勧告に従わない場合には企業名が公表される可能性があります。

適用除外となる労働者の範囲

介護に関する企業義務は原則として全ての事業主に適用されますが、育児・介護休業法第12条および同第16条の6により、介護休業・介護休暇については以下の労働者が適用除外となります。

  • 日々雇用される者
  • 労使協定により適用除外とされている労働者(例:入社1年未満の労働者、申出の日から1年以内に雇用期間が終了する労働者など)

これらの労働者に対しては、介護休業や介護休暇の付与義務は生じませんが、雇用環境の整備や情報提供・意向確認の義務については、対象となる労働者の範囲を考慮しつつ、可能な範囲で対応することが望ましいとされています。

実務対応で押さえたい5つのポイント

1. 社内規程の整備と周知徹底

介護休業、介護休暇、所定外労働の制限、時間外労働の制限、深夜業の制限、短時間勤務制度などの制度を社内規程に明確に定め、労働者がいつでも確認できるよう周知することが不可欠です。介護休業中の待遇や休業後の労働条件も具体的に明示することで、労働者の不安を軽減できます。

2. 相談窓口の機能強化

単なる制度説明にとどまらず、個別の状況に応じたアドバイスや情報提供ができるよう、担当者の専門知識の向上を図る必要があります。プライバシー保護の徹底も重要です。

3. 管理職への教育

管理職が部下の介護状況を早期に把握し、適切な制度利用を促す知識、ハラスメント防止に関する理解を深めるための研修を定期的に実施することが有効です。

4. 情報提供のタイミングと方法

個別周知・意向確認のタイミングだけでなく、40歳到達時など介護が現実的になる前の段階から情報提供を行うことで、労働者が早期に準備できるよう支援します。書面、電子メール、社内イントラネットなど、アクセスしやすい方法で行うことが望ましいとされています。

5. 外部資源の活用

厚生労働省の介護休業制度特設サイトや、育児・介護休業法についてのページで公開されているQ&Aや企業向け支援ツールを活用し、必要に応じて社会保険労務士などの専門家からアドバイスを受けることが推奨されます。

条文の原文も、その場で確認できます

本記事で紹介した条文や解釈は「ことのり」で実際に検索した結果に基づいています。原文・関連条文・出典リンクをまとめて確認したい方は、以下から同じクエリを実行できます。

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よくある質問

Q1. 「雇用環境の整備」は、研修と相談体制の両方を必ず実施しなければなりませんか?

いいえ。育児・介護休業法第22条では、研修の実施、相談体制の整備、その他厚生労働省令で定める措置(事例の収集・提供、パンフレット等の作成・配布、説明会の実施)のいずれかの措置を講じることとされています。ただし、実効性のある両立支援体制を構築するためには、複数の措置を組み合わせることが望ましいとされています。

Q2. 意向確認の面談はオンラインでも実施できますか?

厚生労働省の資料によれば、意向確認のための面談は対面での実施が原則ですが、労働者が希望し、事業主が認める場合は電話やオンラインでの実施も可能とされています。面談時には、介護休業や介護両立支援制度等の内容を説明し、労働者の状況や意向を丁寧に聞き取ることが求められます。

Q3. 義務に違反した場合、どのようなペナルティがありますか?

義務違反の場合、厚生労働大臣による助言、指導、勧告の対象となります。勧告に従わない場合には、企業名が公表される可能性があります。詳細は厚生労働省の介護休業制度特設サイト等でご確認ください。

出典(一次情報)

※本記事はAIによる調査支援を活用して作成した参考情報です。制度の詳細や最新の取扱いは、必ず一次情報および専門家にご確認ください。

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