2026年10月1日から、改正労働施策総合推進法に基づく指針により、事業主に対してカスタマーハラスメント(顧客等からの著しい迷惑行為)への対応措置が義務化されます。直近のニュース(Google News)でも取り上げられており、中小企業を含む全事業者が対象になるため、川崎の中小企業・個人事業主にとっても他人事ではありません。
そこで、この義務の根拠と具体的にどんな措置を講じる必要があるのかを、労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(労働施策総合推進法)と厚生労働省の指針で調べました。本記事では、義務の構造・事業主が講ずべき5つの措置・中小企業への適用時期を整理してお伝えします。
本記事は、AI法令調査ツール「ことのり」で実際に検索した結果(関連条文・出典リンク付き)をもとに編集した参考情報です。労務・ハラスメント対応は事業所の実態や事案の個別事情によって取るべき対応が変わります。就業規則や相談体制の整備、個別事案への対応の最終判断は、必ず一次情報(e-Govの条文・厚生労働省の指針)および社会保険労務士・弁護士などの専門家にご確認ください。
カスハラ対策義務化の法的な位置づけ
カスタマーハラスメント対策の義務は、労働施策総合推進法第30条の2および同法第8条を根拠に、厚生労働大臣が定める「事業主が職場における顧客等の言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」により具体化されるという構造になっています。
労働施策総合推進法自体には、カスタマーハラスメントを直接規律する条文は明記されていません。しかし、同法は労働者の雇用の安定と職業生活の充実を目的としており(同法第6条など)、事業主に対して労働者が安心して働ける環境を整備する責務を課しています。この枠組みの上に、厚生労働大臣が指針を定めることで、カスタマーハラスメント防止の具体的な措置が義務付けられるかたちです。
カスハラは「顧客等の言動に起因する問題」として整理される
指針の正式名称は「事業主が職場における顧客等の言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(令和8年2月26日厚生労働省告示第51号)」です。カスタマーハラスメントは、この指針の中で「顧客等の言動に起因する問題」として位置づけられ、従業員の就業環境を害する行為として対策が求められます。
義務の対象となる事業主
義務の対象は、雇用する労働者がいるすべての「事業主」です。大企業・中小企業の区別なく、指針の施行日以降は同じ内容の措置を講じる必要があります。
また、労働施策総合推進法第30条の2では、労働者が相談を行ったこと、または相談への対応に協力して事実を述べたことを理由として、その労働者に不利益な取扱いをしてはならないと明確に規定されています。相談窓口を設けるだけでなく、「相談したことで不利益を受けない」ことを制度として保障することが求められます。
事業主が講ずべき具体的な5つの措置
指針は、事業主がカスタマーハラスメント防止のために講じるべき措置を、大きく次の5つに整理しています。
1. 事業主の方針の明確化と周知・啓発
カスタマーハラスメントの内容や、これに対する事業主の方針(許容しないこと、厳正に対処することなど)を明確化し、労働者に周知・啓発します。相談窓口や対応手順についても、労働者が理解できるよう周知徹底を図ることが求められます。
2. 相談体制の整備
労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制を整備することが、労働施策総合推進法第30条の2で求められる中核的な措置です。具体的には、相談窓口の設置、相談担当者の選任、相談対応マニュアルの作成、相談担当者への研修実施などが含まれます。相談内容が外部に漏れないよう、プライバシー保護に配慮した体制構築が重要です。
3. 事後の迅速かつ適切な対応
カスタマーハラスメントが発生した場合は、事実関係を迅速かつ正確に確認します。被害を受けた労働者への配慮措置(メンタルヘルスケアの提供、配置転換、休業などの支援)を講じるとともに、行為者(顧客等)への対応として、必要に応じて警察との連携、出入り禁止措置、取引停止などを検討・実施します。事実確認や対応の過程では、関係者のプライバシー保護に最大限配慮する必要があります。
4. 再発防止措置
発生原因を特定し、再発防止のための措置を講じます。労働者への研修の実施、職場環境の改善、業務プロセスの見直しなどが含まれます。労働施策総合推進法第30条の3では、事業主は労働者の関心と理解を深めるための研修実施や、国の講ずる措置への協力に努める責務があるとされています。
5. 不利益取扱いの禁止
労働者が相談を行ったこと、または相談への対応に協力して事実を述べたことを理由として、その労働者に不利益な取扱いをしてはなりません(労働施策総合推進法第30条の2第2項)。労働者が安心して相談できる環境を保障するために極めて重要な措置です。
中小企業への適用時期
指針の施行日は2026年10月1日です。この日以降、大企業・中小企業を問わず、すべての事業主に対して上記の雇用管理上の措置を講じることが義務付けられます。パワーハラスメント防止措置のように中小企業へ猶予期間が設けられる方式ではなく、施行日から一律に適用される点に注意が必要です。
施行日までに、方針の策定・就業規則等への反映・相談窓口の設置・相談担当者の研修などを進めておくことが実務上の準備事項となります。
条文の原文も、その場で確認できます
労働施策総合推進法の該当条文や、厚生労働省の指針の原文は、AI法令調査ツール「ことのり」で出典リンク付きで確認できます。自社の状況に合わせた質問も可能です。
カスハラ対策義務化をことのりで調べるよくある質問
Q. カスハラ対策義務化は中小企業にも適用されますか?適用時期は?
はい、適用されます。指針の施行日は2026年10月1日で、大企業・中小企業を問わず、すべての事業主に対して雇用管理上の措置を講じることが義務付けられます。中小企業への猶予期間は設けられていません。
Q. カスハラ対策は労働施策総合推進法のどこに規定されているのですか?
労働施策総合推進法自体には、カスタマーハラスメントを直接規律する条文は明記されていません。同法第30条の2および同法第8条を根拠として、厚生労働大臣が「事業主が職場における顧客等の言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」を定め、この指針によって具体的な措置が義務付けられる構造です。
Q. 相談してきた従業員に対して、事業主が気をつけるべきことは何ですか?
労働者がカスタマーハラスメントに関する相談を行ったこと、または事業主による相談への対応に協力して事実を述べたことを理由として、その労働者に不利益な取扱いをしてはならないと労働施策総合推進法第30条の2第2項で規定されています。相談窓口の設置とあわせて、「相談したことで不利益を受けない」ことを制度として保障する運用が求められます。
出典(一次情報)
- 🔗 労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律 第30条の2(雇用管理上の措置等)(e-Gov法令検索)
- 🔗 同法 第30条の3(国、事業主及び労働者の責務)(e-Gov法令検索)
- 🔗 同法 第6条(事業主の責務)(e-Gov法令検索)
- 🔗 同法 第8条(指針)(e-Gov法令検索)
- 🔗 事業主が職場における顧客等の言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(令和8年2月26日厚生労働省告示第51号)(厚生労働省)
- 🔗 職場におけるハラスメントの防止のために(厚生労働省)
- 🔗 令和7年労働施策総合推進法等の一部改正について(厚生労働省)
- 🔗 カスタマーハラスメント対策が2026年10月に義務化(Google News)
※本記事はAIによる調査支援を活用して作成した参考情報です。制度の詳細や最新の取扱いは、必ず一次情報および専門家にご確認ください。